上棟時・建築中雨に濡れてしまった場合どこまでの責任を求めるべきか?【6/6】

こんばんは。さすけです。

一条工務店の上棟時、建築時における雨ぬれに関する3番めの記事になります。冒頭からお読みいただける場合は

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からご覧いただけますと幸いです。ここまで、上棟時、建築中に雨ぬれの被害に遭ってしまった場合どのようなことが起こるのか、そして技術的な観点から問題がないのかについて考えてきました。

また、前回は雨ぬれ自体では法的、倫理的な責任を問うことはできないことも示してきました。そのため、慰謝料のようなものであったり、また、何らかの対価を求めることは適切とは言えません。しかし、実際に雨ぬれした自分の家を目の当たりにした気持ちとして、何もなかったかのように終わらせることはできないのは当然と思います。

そこで今回は、この雨ぬれ問題についてのハイライト?である、一条工務店に雨ぬれしてしまったことの責任をどうやってとってもらうべきなのか?について考えて行きたいと思っています。

責任問題の解決に向けて:顧客側は何をすべきで一条工務店にどこまでを求めるか?

水濡れに対して将来の保証をする一筆(文書)を出せ!→出してくれません。。。

ここまで、上棟時の水濡れで悲惨な自分の家を見た方であれば、一条工務店にはきちんとした保証をして欲しいと思うのは当然のことです。

そこで、将来万が一今回の水濡れで問題が生じた場合はそれをきちんと保証してくれる「一筆(文書)」を求めるというのがまず思いつかれることと思います。

しかし、これは出してくれません。というか、一条工務店に限らず、どこのハウスメーカー、さらにはまともな企業、すなわち一筆を書いて保証をする気持ちがある企業である限りは、そのような保証を示す文書を顧客に渡すことはできないのです。

もしも、そのような文書を出す企業があれば、それはすなわちその文書に書かれた保証をする気がない、ということと思います。

例えばですが、多くの方が心配されるのは、雨ぬれによって将来室内にカビが発生するような事態を想定されると思います。

もしも、一条工務店が「保証を約束する文書」を顧客に出していた場合、「過去の雨ぬれが原因であるカビ」であるかが真実かどうかにかかわらず、顧客側が「これは過去の雨ぬれによるものだ!」と主張する限り、それら全てに対応をしなければならないことになります。もしも、そのカビに対応をしないためには、それが「過去の雨ぬれによるものではない」ことを一条工務店が証明しなければなりません。

もちろん、悪意を持ってそのような主張をされる方はいらっしゃらないと思いたいですが、悪意はなくても誤解で保証を求めることは確実に起こります。そして、既に引き渡し済の家を一条工務店が詳細に調査することはできません。また、先に示してきたように、技術的な観点から上棟時の雨ぬれが将来のカビを引き起こすことはまずあり得ません。

そのように考えると、無制限の保証を約束することに等しい文書を発行するというのは、企業としては守れない約束をすることになってしまい、文書を出すことができなくなってしまいます。

で、監督などから文書を出せないと言われて、これだけの雨ぬれを起こしたのに、文書を出せないとは何事だ!この雨ぬれをなかったことにするつもりか!!!とお客さんの側はどんどんと怒りを覚えるようになって、大クレームに発展してしまいます。。。

是非検討していただきたい:報告書の提出の要求

保証を求める文書を出してもらうことができない、ということで引き下がってしまったのでは、上棟時の雨ぬれがなかったことにされて不安に感じられる方もいらっしゃると思います。

私自身は現時点での判断としては、上棟時に雨に濡れたとしてもその後適切な対応を採っていれば、それが引き渡し後に問題を生じることはまずないと考えています。おそらくは一条工務店も同じ考えと思います。

しかし、そうは言っても「想定外」の事態がないとは言い切れません。そのようなときに、雨ぬれがあったことを証明することができない、または一条工務店がきちんと認識していなければ、問題の解消に時間やストレスがかかってしまいます。

そこで、個人的に雨ぬれをされてしまった方にお勧めしたいのが、「雨ぬれ対応報告書(名前はなんでも良いです)」といった「報告書」の提出を求めることです。

一条工務店では、住宅の建築過程で、地盤調査報告書、基礎完成の報告書、上棟の報告書のように写真入りで、工事の進捗を報告する報告書を提出してくれます。

これと全く同一の形式で、「雨ぬれへの対応」に関する報告書を出してもらうことをお勧めします。

自分の家が悲惨な雨ぬれにあったのに、何らの保証も約束されない報告書を提出してもらうことで納得なんてできない、という方もいらっしゃると思います。しかし、これがもの凄く重要なんです。

雨ぬれ後の対応が悪かった事に対する文書を出して欲しいというと、担当者の対応が悪かったことの謝罪文を出してくれたケースはありますが、こんなものは将来何の役にも立ちませんが、「雨ぬれ対応報告書」は万が一将来、雨ぬれによって問題が生じた際に強い武器となります。

なぜかというと、この報告書を一条工務店がお客さんに渡すということは、雨ぬれがあったという事実、その後どのように技術的な対応が取られたかを記録として残すことができると同時に、雨ぬれが生じた事実を一条工務店も認めていたという事実を証明する資料となるのです。

将来、想定されていなかった問題が生じた時、それが過去の雨ぬれに起因するものだと証明する手間は残りますが、雨ぬれした事実、そしてそれがどの程度の規模であって、その後どのような具体的な対応が取られたのかを、顧客側、一条工務店側の双方で確認しているという事実があることで、将来の想定外の問題への対応がずっと容易になります。

そのため、上棟時の雨ぬれに遭われた方は、保証や謝罪を求めるのではなく、是非「報告書」を出して欲しいと伝えてみて下さい。

この報告書にはもう一つ良いことがあって、例えば、謝罪文を出せ、保証を示す文書を出せと言うと、エリアマネージャーの判断になったり、場合によっては本社の判断になったりと手間がかかる上に、大抵の場合は不可の回答となります。

しかし、工事報告書の形式であれば、監督が作成するものですから比較的簡単に出してもらうことができます。監督には手間を取らせることになりますが、雨で濡らしてしまった以上はその程度の作業負担は当然のことと思います。

あくまで、事実関係を淡々と書いただけの報告書として、会社としての判断を求めない内容であれば、監督が作れるはずです。

その際、監督が写真を撮っていない可能性もあります。先ほど、雨ぬれをしてしまった段階で写真を撮影しておいて下さい、と書きましたが、そこで撮影した写真を監督に送って報告書に掲載するようにしてもらって下さい。

こうしておけば、初期の被害の状況をはっきりと示すことができます。

保証や、場合によっては慰謝料を求めたくなる気持ちはあろうかと思いますが、技術的に対応をしている以上はこれはできません。しかし、「報告書」であれば提出をしてもらえます!

上棟直後なら最も簡単な方法もあります:上棟報告書への掲載

さすがに、雨ぬれの対応報告書の作成を渋る監督もいないとは思いますが、雨ぬれの報告書を独立して出してもらうよりももっと簡単な方法があります。

これは上棟直後の方に限定してではありますが、一条工務店では上棟が完了すると中間報告の形で上棟の報告書を送付してきます。

雨ぬれがあった事実をこの上棟報告書に記載してもらい、また、その後の対応も含めて写真入りで掲載してもらえれば、きちんとした文書としての記録になります。

上棟の際に雨濡れがあった方は、「監督に上棟報告書に雨ぬれの事実とその後の対応もきちんと記録して下さい」と伝えてみて下さい。

これまで拝見していると、雨ぬれがあったことを書く監督もいる、と言う程度にしか書かれていません。このあたりは雨ぬれしたら上棟報告書にきちんと記載するというルールを一条工務店で整備してくれればな~と思っています。

一条工務店へのお願い

技術的に問題がないからこそ、組織だった対応を

現状の一条工務店の上棟時の雨ぬれに対する対応には問題があると思っています。

上棟時の雨ぬれの問題が、本当に瑕疵や違法建築を招く問題であれば、雨ぬれをされた方は戦いようがあります。そもそも、本当に技術的な観点から問題があるのであれば、一条工務店は比較的迅速に対応をする会社と思っています。そして、本質的な問題があった場合には、問題の指摘を受けた後は今後引き渡しをするお宅だけではなく、引き渡し済の家も含めた対応をするような、かなり踏み込んだ対応してくれる会社と思って信頼しています。

例えば、ネズミ問題の時がそうでした。

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しかし、雨ぬれの問題は技術的にはほぼ問題がない問題です。

上で書いた様に、上棟時の雨ぬれがクレームに発展するのは、技術的な問題ではなく、担当者の不適切な説明や態度による人災と思います。

一条工務店の本社なりは、技術的に雨に濡れても問題ないことは当然のように十分に理解していると思います。そのため、あとは現場で対応して、という対応になっているのが現状です。そして、丸投げされた現場は「大丈夫」しか言わず、お客さんをさらに不安にさせてしまって問題をこじらせているように思います。

個々の問題一つ一つに本社が口出しをすることは適切ではないと思いますし、社員の方達のやる気をそぐ結果にも繋がります。

個人的には、特類だとなぜ雨に濡れても大丈夫なのか、なぜ木材が濡れても問題ないのか、カビが生えてしまったらどうすべきなのか、そういったことは私のようなド素人でもちょっと勉強すれば理解できる話ですから、社員の方であれば勉強すれば良いだけのことじゃないか、と思う面もあります。

しかし、急激に発展してきた一条工務店では若い社員が多く、それはやる気はあるかもしれませんが、忙しさ故に勉強の時間も取れない方もいらっしゃるでしょう。忙しさは家が売れているということで良いことなのだろうとは思います。

そうであればこそ、会社として社員の方をサポートする仕組みが必要なのだろうと思います。

雨ぬれへの対応についての事前説明資料(パンフレット)の作成を!

これまで多くの方から雨ぬれのご相談を受ける中で、感じることは「事前の説明と情報の公開」の重要性です。

雨ぬれにあわれた方の多くが口にされる不安は、雨に濡れてしまった後になって、特類だから、接着能力が高いから濡れても大丈夫、木は雨濡れに強い、といくら説明をされても、それが本当なのか信じ切れない、というものです。むしろイイワケにしか聞こえません。

雨が降ってから、これは実は良くある事なんです、雨に濡れても大丈夫なんです、といくら言われてもそれは後付けの理屈で、自分たちを丸め込もうとしているようにしか見えない、というのは当然のことと思います。

このようなことにならないために、多くの営業さんは「上棟時に雨に濡れても大丈夫です」ぐらいの説明はしてくれますが、何故大丈夫なのか、それはどの程度の頻度で発生して、実際に雨に濡れて大丈夫だった事例はどのようなものがあるのか、といった説明は一切してくれません。おそらくは営業さん達個人としてはそういった情報を十分に持っていないのだろうと思っています。

そうであれば、一条工務店が会社として、例えば着手承諾の時点でも良いですし、契約の段階でも良いので、「上棟時の雨濡れについて」というしっかりとしたパンフレットのような資料を準備してあげるだけで、かなりのクレームはなくなるように思うのです。

企業にとってはネガティブな情報を出すことになるわけですから、あまり積極的になりたくない気持ちがあるのはわかります。

雨に濡れること事態は、住宅の品質上の問題を生じさせることはないかと思います。

しかし、私が最初にアップしたような写真を見て、「一条工務店は素晴らしい会社だ」と思う人もいないはずです。むしろ、「こんな杜撰な現場がたくさんある一条工務店は止めておこう」となる方が多いはずです。

本来問題はないのに、問題があるかのように誤解されることは、一条工務店にとっても、そして、契約されたお客さんにとっても良いことは一つもないように思います。

そうであれば、これまでの雨ぬれの事例も含めて、単に綺麗なだけではなく、上棟時の雨ぬれというのは起こらないようにしつつも、しかし起こり得るものだということをしっかりと事前に理解をしてもらい、また、雨に濡れてしまっても、使用している部材の特性上品質に問題が生じることはないこと、カビが生えるような事態をできる限り避けつつも、万が一カビが生えてしまったときどのように対応をするのか、といったものをしっかりとしたパンフレットで示してはいかがかと思います。

問題が起こった後に、実は問題ないんです、と言われても全く信用できませんが、問題が起こる前に起こりえる問題とその問題に対する対応が示されていれば、それはプロである一条工務店の「想定の範囲内」のことであることを多くの方に理解してもらえるように思います。

技術的には問題がないから、あとは現場に丸投げ、という態度は適切なものではないように思います。

とりあえず、大丈夫じゃなくて「ごめんね」を言ってよ。。。

上棟時の雨ぬれでクレームに発展してしまった方のお話しをたくさん聞いてきた中で、共通しているのは、営業さん、監督や工事長、エリアマネージャー等の不適切な発言が発端となるケースが最も多いように思っています。

「良くある事」

「大丈夫」

「特類だから~」

確かに、良くあることかも知れません。また、実際大丈夫なこともわかります。特類だったら濡れても問題ないこともわかります。でもね。。。最初に言うべき事じゃないと思うんです。

一条工務店の方にとっては、1万2千分の1の家に過ぎないかも知れません。しかし、お客さんの側は人生で立てるたった1軒の自分の家なんです。そして、知識だってないんです。

私達顧客側が知識がないのは当たり前です。だって、分からないから専門家である一条工務店にお願いしているんです。知らないことが多いから、何かあっても大丈夫なように大手の一条工務店を選んだんです。「良くある事」「問題ない」「大丈夫」ではなくて、一言「心配をかけて本当にごめんなさい。必ず何とかします」と言う事はできないでしょうか。。。

それだけで、その後の不安や不満は全く違ったものになると思うのですよ。。。

おわりに:批判に向けて・・・

最後に、どうでも良いことを書かせていただきます。このような記事を私がアップすると様々なご意見をいただきます。

その中で批判も多数いただきます。先に答えておきます^^

長いよ

すいませんm(_ _)m

「大丈夫」の一言で済ませられる話なんですけどね。クレームになってしまったお宅の一条工務店の担当者の方達の端的な物言いを見習いたいですorz

さすけは一条工務店の社員だ!お金をもらっている!

私が一条工務店の批判記事を書くと、ライバルメーカーからお金をもらっている、一条工務店のことを擁護する内容を書くと、一条工務店の社員だ、一条工務店からお金をもらっていると言われます。火事の時などは、建築のプロの方にまで言われましたからね^^;

今回の記事は批判か、擁護か見方によって判断は分かれるかも知れません。

個人的には、その評価はそれだけ詳しい内容になっているのだと、嬉しく思っていますが、私が一条工務店の社員だったら私の首はさぞかしたくさんあるのだと思います。

お金はいつでも受け取れるよう口座の中身を空っぽにして待っているのですが( ̄^ ̄)ゞ残念ながら依然として口座は空のままです(T_T)住宅ローンを組む際に口座番号も教えているはずなんですがね。。。(´д`)

一条工務店の家全てでこのようなことが起こっている訳でもないのに、こうした記事を書くべきではない

今回ご紹介したような上棟時に雨に濡れてしまったお宅というのはたくさんあると思います。しかし、上で書かせていただいた様に雨に濡れること何かが直ちにダメになってしまうようなものであったり、瑕疵に該当するものでもありません。

そのような中で、雨ぬれが本格的なクレームになってしまうお宅というのは、雨ぬれしたお宅の1割以下だどうと思っています。

雨ぬれされなかったお宅、雨に濡れてしまったけれどきちんとした説明を受けて納得した上で問題なく建築をされている方が99%だと思います。

でもね。。。ちょっと想像してみてください。

全体として見れば1%にも満たない僅かなお宅の話かも知れません。しかし、それらの家1軒1軒、全てその家を建てられたご家族にとっては人生の中での1軒なんです。

他は大丈夫だから書いちゃ行けない、ということはないと思います。また、読んでくださった方は、これが一条工務店の全てだ、などとは思わないと思っています。

少なくとも、私の家はきちんとした対応を受け、納得し、満足しています。

なんでこんな記事を書くの?オマエ関係なくない?

今回のような記事を書くと必ず受ける指摘として「5年も前に家を建てて無関係なやつが何を割って入ってくるんだ!」というものがあります。

確かに、私は一条工務店で家を建てているとは言え、引き渡しを受けて5年が経過し、雨ぬれがあったとは言ってもその対応には満足し、感謝もしているのに、クレームになってしまった方の情報を私が出すということに不快感を覚えられる方もいらっしゃると思います。

それに対して答えるには是非下の動画をご覧下さい。

私は、動画の後半に出てくる女性のように、自分が見たことを自分で考え、それがおかしければ他人のことであっても、それをおかしいと言える世界の一員でありたいと思っています。

こうして書いたら、やり返してこないことが分かっている一条工務店を相手にして、何言ってんだ、と言われることも分かっていますが、それ以上でもそれ以下でもありません。私は95%側であると同時に、12%の側でもありたいと思っています。

明日のお昼はバーガーキングにしよっと!

おしまい。