高断熱高気密住宅の検証:一条工務店の家は本当に夏涼しく、冬暖かいのか?

こんばんは。さすけです。

今日の記事は個人的にはなにげに良く書けたと思っています。自画自賛です(^o^)/
カップボードをくれなかった一条工務店にタダで教えてあげるのがもったいないくらいです( ̄^ ̄)ゞ

今日のブログは「一条工務店の家は本当に冬暖かくて、夏は涼しいのか?」、「関東以南でも高気密高断熱、床暖房が必要なのか?」といったことについて、一条工務店の営業さんに聞くよりもはっきりと、そして客観的に示すことができていると思っています。

実は、こちらのブログは結構前に書いていたのですが、先日迷い犬を保護したため、半月ほど犬ブログに言っていました^^里親も無事に見つかりました\(^o^)/

相変わらずの長文ですが、お付き合い下さい^^;

実際床暖房はどうなの?

一条工務店は高気密高断熱は夏涼しくて冬暖かいと言っている

一条工務店の展示場に行って一条工務店の営業さんに話を聞くと

一条工務店の家は冬暖かくて夏は涼しい家です

とか、

高断熱高気密住宅はこれからの住宅には必須です

とか、全館床暖房の快適さだとか、光熱費が少ないだとか、高気密高断熱を思い切りプッシュしてきます。

あげくの果てには以前書いたように、1000万円の節約できるとか言ってきます。(゜_゜;)

純真無垢で何でも素直に信じてしまう私でも、疑わしく思ってしまうわけですよ( ̄^ ̄)ゞ

他のハウスメーカーは高気密高断熱はいらない、床暖房なんて不要と言ってくる or うちのメーカーの家も暖かいです、と言ってくる。


そんな疑念を持った状態で他のハウスメーカーに行くと

北海道などでは高断熱高気密は必要ですが、関東以南では不要です。そんなことにお金を掛けるなら他のことにお金を使った方が良いです。

とか

高断熱高気密は高くて、しかも、なんだか息苦しいんですよ。。。あまりお子さんの健康には良く無さそうですよね~

だとか

うちのハウスメーカーの家も冬は暖かいですよ~、ただ全館床暖房は不要です。廊下でだれも座らないでしょ?そんなところに床暖房はお金の無駄ですよ。

だとか言われます。これらは私が聞いた営業トークのごく一部です。

床暖房は実際どうなの?何が本当なの?

正直ね。混乱します。でもって、ネットを調べたりすると、今度はe戸建掲示板や2chで「一条工務店の家は高断熱高気密とか言いながら夏は熱が籠もって暑くなる」だとか、「高気密高断熱なんて絶対必要ない」みたいなことが出所不明で書き込まれていたりして、不安になってしまいます。

もうね。混乱しまくりですよ。

ぶっちゃけて言ってしまえば、一条工務店の家は高いです。我が家で言えば、オプションからなにから42坪でぜーんぶ込み込みで3300万円しました。もっと安い値段で家を建ててくれるハウスメーカーや工務店は山のようにあります。同じサイズの家を約半額で建ててくれるハウスメーカーだっていくつもあります。半額とは言わないまでも1000万円安いメーカーを探すのはもの凄く簡単です。

でも、私は一条工務店で家を建てました。色々とありますが、大きいのは、やっぱり高断熱高気密住宅にしたかったこと、全館床暖房が欲しかったことが大きいです

で、家を建てる前に営業さんに聞いても、「冬は快適です!」だとか「ヒートショックは怖い」とか、「断熱材に20cmものEPSを使っています」とかは言ってくれるのですが、
どの程度快適なのか?、もっと言えば、夏と冬の室温は何度なのか?、他の家に比べて本当に温度差が少ないのか?

他のハウスメーカーも、そして一条工務店も含めて、誰もこんな素朴な疑問に答えてはくれないのです。もちろん、統計的に有意な結果を提示するのが難しいことはわかっています。しかし、それでも実際の住宅の温度測定データぐらい見せてくれても良いと思うのです。

しかし、営業さんたちはC値がいくつで、Q値がいくつ、次世代省エネ基準が云々などと言う、間接的な値しか教えてくれません。

本当に知りたいことはC値でもQ値でもない。

一条工務店の営業さんに聞くと、一条工務店の家のC値やQ値が低いことをアピールしてきます。しかし、前回も少し書きましたが、私達が本当に知りたいのはC値やQ値ではないのです。

本当に知りたいのは室内が快適と言える温度に保てるのか、保てないのか?です。

それを示すのに、あの手この手の言い方をしてきますが、ぶっちゃけそんな100の言い分より、主観性を排除したデータを見せて欲しいと思うのです。少なくとも、私は100人の営業マンの話より1つのデータの方が信頼できてしまいます。もちろん、データに信頼性があることは前提ですが、データで嘘をつくというのは本当に難しいことなのです。

実際の所、私も机上の計算ではおそらく暖かいだろう、と考えて一条工務店の家を買ったわけですが、温度差が少ないというのはいったい1日の温度差が何℃のことを示しているのかはわからなかったわけです。

さらには、高断熱高気密住宅ではない家に比べて本当に暖かいのか?温度差が少ないのか?等は全くわかりませんでした。そんなこともわからないのに、1000万円以上も高い金額を払うというのはそれはそれで結構度胸がいる事でした。

そこで、高断熱高気密住宅とそうではない住宅の室内の温度変化のグラフがあれば、それだけでかなりのことを明らかにすることができると思います。

加えて、一条工務店の住宅における温度変化のグラフもあれば、高気密高断熱は必要か不要か、を個人の価値観に基づいて判別することができると思うのです

で、ですよ。今回ちょっと面白いデータを見つけました。

日本建築学会:住宅におけるエネルギー消費データベース

上記の疑問に答えるのにうってつけのデータを発見したのです。

日本建築学会が2005年頃に作成した、「住宅におけるエネルギー消費量データベース」です。
このデータベースは何がスゴイかというと、約100世帯の個別住宅の部屋別に15分単位で測定した温度測定データが全て公開されているのです。平均データではなく、個別住宅の生データが手に入るのです!

しかも!!このデータベースで公開されている住宅の多くで一条工務店の営業さん達が大好きな?C値とQ値も公表されているのです!!

ようするにこのデータを分析することで、C値とQ値が高い一般的な住宅と、一条工務店の家のようにC値とQ値が低い高断熱高気密住宅ではどのくらい室温の温度変化に違いが見られるかを把握する事ができるのです。

実際にはデータをクリーニングして使う必要があるので、使えるデータは20世帯くらいですが、それでも20世帯のC値とQ値がわかっている住宅について室温がどう変化するかがわかるのです!!

さらに詳細に見ていくと、オール電化住宅であるかどうか、エネルギー消費量から冷暖房の使用実態なども把握できるという優れものです。

欠点はデータ量が結構多くて、温湿度データだけでも500万行ほどのデータがあり、なかなか誰でも分析してね!と言えるものではありません。。。が、誰でも分析したければできる状態にあるデータを使えるというのは客観性の観点から心強いです。あと、今回はエネルギーの投入量は考慮できていません。気が向いたらやりたいとは思っています^^;本当は、これを分析しないといけないのですが。。。

このデータからわかること

建築学会の集めたデータを分析することで、C値とQ値が低い高気密高断熱住宅と高気密高断熱ではない家の1年間を通じた居室(リビング)の温度変化の違い知ることができます

約10年前のデータでやや古いデータにはなりますが、C値とQ値が出ていればデータの分析状は問題がないと思います。また、データに含まれる高気密高断熱住宅はやはり東北地方以北の地域が主で有り、関東以南で、現在の一条工務店のi-smartやi-cubeと同等のC値、Q値を有するデータは含まれていませんでした。

高気密高断熱住宅は本当に1年を通じて室温を一定に保てるのか?

まずは最も素朴な疑問について考えてみたいと思います。一条工務店の家に限らず、高気密高断熱住宅は室温を一定に保つことができるのか?という疑問です。

以下のデータは2004年1月1日~8月31日、または2003年1月1日~8月31日までのデータを日次データにまとめて分析を行っています。気象条件が2013年と類似しているため、できる限り2004年のデータを使用するようにしました。
また、途中ではずれ値の検定等を行ってデータのクリーニングをしてあります。

高気密高断熱住宅ではない家のリビングの温度変化

それでは、早速データを見てみたいと思います。まずは、高気密高断熱住宅ではない住宅について見てみたいと思います。

関東地方では、一般にQ値3程度、C値4~5前後の家が一般的な住宅ではないかと思います。最も典型的な一般的な住宅として、神奈川県にあるQ値2.6、C値4.2の住宅のリビングの温度変化をグラフにしてみました。

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上記のグラフは神奈川県にあるQ値2.6、C値4.2のお宅のリビングの最高温度、最低温度、平均温度を示したグラフです。

グラフの見方ですが、一番上の折れ線が、リビングの1日の最高気温を示しています。そして、中央にある赤色の折れ線がリビングの平均温度を示しています。一番最下段の折れ線がリビングの1日の中での最低気温を示しています。最高気温と最低気温が少ない、すなわち、折れ線の色がついた幅が狭ければ狭いほど、1日の温度が安定している住宅であると言うことを意味します。
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以上を踏まえて、先のグラフをもう一度ご覧下さい。冬期のリビングの最高温度は概ね20℃前後であるのに対して、最低室温は10℃程度となっています。すなわち1日の中で上下の温度差が約10℃ある事ことを示しています。

このことから、日中や夜間のリビング在室時は暖房を入れて部屋を20度程度にして、寝る前に暖房を消すため朝方には室温が10℃程度まで下がってしまっていることが容易に想像できます。こうしてみると、私達が普通に想像する朝起きたら暖房を入れて、寝る前には暖房を消すという、典型的な生活スタイルの一般住宅が見えてきます。逆に夏場は外気温に大きく影響されて温度が乱高下していることがわかります。日によっては室温が30℃を超えていることがわかります。

冬は寒く、夏は暑い家であると言って良さそうです。まさに普通の家です。

Q値2.6、C値4.2の家を「普通の家」と書きましたが、この住宅は現在の基準で見るならば、関東地方の次世代省エネ基準Q値2.7をクリアした住宅であり、ハウスメーカー等が「次世代省エネ基準を上回る高断熱住宅」として販売することには問題がありません。気密性は2.0よりも高いので高気密とは言いづらいかと思いますが。。。

このお宅が建築されたのが2000年であり、当時の基準で言うならば、まさに1999年に制定された最先端の断熱性基準を満たした住宅でもありました。しかし、そうであってもライフスタイルを変えるほどの家の暖かさ、涼しさは得られず、暖房をつければ温まりやすいといった感じはあると思いますが、必ずしも「冬暖かい家」とは言えそうにありません。

高気密高断熱住宅のリビングの温度変化

それでは、いわゆる高気密高断熱住宅だと、いったいどううなるかというのを見てみます。

今回建築学会データの中で最も高断熱高気密、かつ室温が安定していた住宅の所在都道府県に少し驚きを覚えました。

日本全国の中で最も冬暖かく、夏涼しい家はどの都道府県にあったと思いますか??

答えは北海道でした❢

1月から8月までの室温が最も安定していたのは北海道の住宅だったのです(゜д゜)

それが下記です。

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Q値1.4、C値0.5の高気密高断熱住宅データです。こちらのデータは北海道江別市にあるお宅のデータです。

江別市の2004年1月の最低気温は-11.9℃、平均気温-6℃の地域です。そのような寒冷地においても、24時間室温が20℃を下回ることがなかったことをグラフは示しています。

また、逆に夏は平均気温20℃前後ですが、室温は30℃を超えています。これはおそらくエアコンをあまり使用せず、高断熱高気密住宅であるが故に室温が上昇してしまったと言うことが想像できます。

ここから言える事として、通常は冷房が必要ない地域であっても高断熱高気密住宅にする場合はエアコンを付けておいた方が良いかも?と言うことです。ただ、窓を開ければ涼しいと思うのでそれでも良いと思います^^その場合は網戸は必須ですね^^
とはいえ、1月から8月までの期間を通じたリビングの温度変化は十分に少なく、高気密高断熱住宅は温度変化が少ないというのは間違い無さそうです。
先ほどの神奈川県のお宅のデータと比較すれば高気密高断熱の効果は一目瞭然です。

もう一軒高気密高断熱のお宅のデータを見てみます。

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こちらのお宅は岩手県盛岡市にあるQ値1.01、C値0.7のお宅で、建築学会のデータの中では最も高断熱高気密な住宅のデータです。冬と夏で若干室温に違いはありますが、冬場の室温20℃前後、夏場が25℃前後で比較的安定していることが見て取れます。このお宅でも1日を通じて室温が15℃を下回ることはなく、冬であってもリビングが凍えるほど寒いと言うことは無さそうです。

高断熱高気密住宅では1日の中での温度変化が少ないことがよく分かります。

高断熱高密は東北以北のみで必要な性能?

建築学会のデータの中にある高断熱高気密住宅はそのほとんどが東北以北にあります。こうしてみると、高断熱高気密が東北以北だけに必要な性能のように思われる方もいらっしゃると思います。

事実、関東以南で高気密高断熱住宅を建てる方は少ないと思います。

必要か、必要でないかは個人の主観によるものです。よって、要不要は最終的に顧客が決めれば良いことです。

しかし、先の神奈川県の住宅と北海道の住宅、どちらの方が室内で快適に過ごせるかというのは少し想像していただければ明らかと思います。

それでは南、例えば九州地方ではどうでしょうか?
九州にある「比較的高断熱だけど高気密ではない」家のリビング温度変化のグラフです。
ようするに高断熱気密住宅です。
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こちらは福岡県福岡市のお宅のデータです。こちらのお宅はQ値は1.7と九州地方にしてはかなり高断熱の住宅です。しかし、気密性に関しては5.6となっており高気密とは言えないお宅です。
1月から3月のデータを見ると、最高室温は20℃以上あるのに、最低室温は10℃を下回ってしまう日がしばしばあります。1月、2月は日によって室温が10℃を下回ってしまっています。

九州地方であっても、冬期の室温は10℃前後になります。高断熱高気密住宅であれば、冬期の室温を20℃前後にすることは簡単になるでしょう。

九州地方において、高断熱高気密住宅が必要か不要かは顧客の判断ですが、少なくとも室温が10℃を下回っている日がある以上、「常に暖かなリビング」が欲しいならば九州地方であっても高断熱高気密住宅にする必要であることを示しています。

高断熱なだけでは十分じゃない?

もう一つ上記の九州のお宅のリビング温度のグラフからは面白いことがわかります。

上記のお宅は高断熱低気密住宅です。以前私自身、「高断熱」なだけでも快適な家になるんじゃないの?と思っていました。

しかし、上記のデータはその考えを一蹴しています。九州地方において、Q値1.7というのは十分に高断熱です。しかし、C値が5.6等言うのは気密性に乏しいと言わざるを得ない数値です。まさに断熱性だけが高く、気密性が低い家になっているのです。

そして、高断熱低気密住宅では、外気温の影響をうけてしまい、結果的に低断熱低気密住宅と室温に違いがないのです。

このことは重要な示唆を与えます。
すなわち暖かい家が欲しいなら
高断熱、高気密は2つセットで実施しなければ意味が無い
ということです。ただ本当に高断熱高気密が必要な理由は別にあります。詳細はこちらから!

断熱性だけ、または気密性だけにこだわった家造りをすると、結果的に何も考えないで家を建てた場合と快適性に変わりが無く、お金の無駄遣いに終わる可能性を示唆しています。

グラフを見る上での注意点

ここまでの分析の注意点として、上記の分析では冷暖房に要したエネルギー投入量を考慮していません。低断熱低気密であっても、エネルギーを無制限に使って家を温めたり冷房で冷やしたりすれば部屋の温度を一定に保つことは可能です。そのため、より厳密にデータを把握するためには住宅のエネルギー投入量のデータも併せて分析する必要があります。その点に付いては頭の片隅に置いておく必要があります。

これを逆手に取って宣伝に使ったのが一条工務店の先日の1000万円の光熱費削減です^^;

ただ、いずれのお宅も建築学会の調査対象物件となっており、一般的な生活をしているお宅と考えて差し支えはないと思います。ですから住人の方が住宅にあわせて常識的な範囲内で冷暖房をコントロールしていると思われます。

グラフを見る際には室温が何℃かということではなく、1日またはある期間のなかで最高温度と最低温度の差が小さいか、大きいかで見るようにしてください。

高断熱高気密住宅とそうではない住宅の違い

いくつかの住宅の断熱性と気密性、そして各住宅のリビング室温の変化を見てきました。

高断熱高気密住宅とそうではない住宅では1日の温度変化に大きな違いがありそうだということはわかったと思います。高断熱高気密住宅では冬期の1日の温度変化は大きくても5℃程度であるのに対して、そうではない住宅では日常的に10℃程度変化することがわかります。

もちろん、各住宅での冷暖房の使用実態を反映したデータではないので単純に比較することはできませんが、少なくとも先ほどの北海道の住宅と比較したとき、高断熱高気密ではない家の室温変化は生活の快適性を悪化させる方向に働くであろうことは容易に想像できます。

もしも、これから家を建てる方で一年を通じて暖かい家を求めるならば、高断熱高気密住宅にするのは良い手だと思います。

で、一条工務店の家はどうなのよ?

さて、高断熱高気密住宅はやっぱり室温の変化が少なそうだと言うことはわかってきました。
次に気になるのは、一条工務店の家はどうなんだよ?と言うことと思います。

以下のデータは我が家のデータです。2004年と2013年では外気温が違うこと、また私が住む茨城県は東北地方に比べると少しだけ温かい事を考慮に入れてデータをご覧下さい。

ということで、我が家の1月1日から8月31日までのデータです。我が家のC値は実測0.6㎠/㎡Q値は我が家の計算結果で0.89W/㎡でした。

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上が我が家の温度データです。

???
なんだかデータの幅が小さすぎない?
グラフのサイズを間違えていない?

と思われた方もいらっしゃるかと思います。

上記のグラフは、先ほどまでのグラフと縦軸、横軸のスケールもグラフサイズも全く同じです。1日の最高室温、最低室温、平均室温を同一スケールでグラフ化しています。

そう。1日の温度変化が先ほどまでの高断熱高気密住宅に比べてさらに小さいのです。
これは冷暖房によるコントロールの結果ではありますが、季節の温度変化もほとんど無いのです。

ちなみに1月のはじめだけ温度が下がっているのは、実験的に床暖房を停止したためです。

室温は概ね26℃~27℃で推移していて、冬であっても夏であってもほぼ一定である事がわかります!

我が家のリビングの平均温度と、高断熱高気密ではない家のリビングの平均温度をグラフにすると

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こんな感じです。我が家の夏と冬の温度が安定していることがわかると思います。

建築学会の高断熱高気密と言えそうな住宅との比較でも

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こんな感じになります。我が家のリビング温度と近いのは北海道のお宅と岩手県のQ値1.01のお宅が近いですが、1日の温度変化に着目するとこれらの高断熱高気密住宅に比べても室温が安定していることがわかるかと思います。

冷暖房費はどの程度?

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我が家に関しては、冬の暖房は床暖房を1日中付けていました。また、夏はエアコンを付けっぱなしにしていました。すなわち夏も冬も全館冷暖房を実行してみました。電気代については後日書くつもりですが、真夏と真冬の電気代はいずれも3万円程度(太陽光使用分を考慮)で、かなり高いと思います。ただし、3万円のうち、5000円は私の趣味のパソコン関連機器を稼働するの使用している電気代ですから、実質真夏と真冬で24時間冷暖房して2.5万円程度の電気代です。2.5万円のうち約1万円が冷暖房に要した電気代と思っていただければと思います。

この電気代は、一般的な一条工務店のお宅と比べてもかなり高いのではないかとは思います。少なくとも我が家に関しては月額1万円以下の電気代で生活することは不可能です^^;;

ただし、夢発電の売電が今のところ黒字になっており、実質電気代負担は月額1万円程度という感じにはなっています^^ 夢発電は本当にやっておいて良かったです。将来のことは天気次第なのでわかりませんけどね^^;

我が家は外気温0℃になっている真冬の深夜であっても、室温は26℃前後ででした。逆に、今年の猛暑で外気温が37℃の真昼であっても室温は26℃前後だったと言うことです。

で、住み心地は?

ここまでできる限り客観的なデータのみに基づいて書いてきました。

最後に、実際の感想は?と言われたら、

もの凄く快適

です。

今年は細かな節約制御を行わず普通に生活してみて、データを取得し、来年の夏以降にうまくエアコン等をコントロールする制御方法を模索してみたいと思っています。今年は快適性のみを追求して、エアコンや床暖房をコントロールしませんでしたが、来年はもう少し効率的な制御を考えてみたいと思っています。

私が住む茨城県では今夏の最高気温は37℃でしたが、そんな日であっても室内の温度は26℃前後でした。当初心配した熱が籠もって大変!ということにもなりませんでした。冬は多くの方がブログ等で書かれている通り、外気温が零下であっても快適そのものでした。

でも、さらに上を目指すならば、今回はデータを示していませんが、夏場の1Fと2Fの温度差がそれなりに(といっても数℃)あり、寝室等が少し暑くなってしまいます。それをうまくコントロールできないかと考えています。

ひとつだけ注意点

我が家の室温の温度変化が少ない理由の一つとして、ロスガードの存在が大きいと思っています。というのも、建築学会のデータは約10年前のデータになるため、その多くのお宅ではロスガードのような24時間全熱換気システムはついておらず、通常の換気を行っていると思われます。結果として外気を取り込まざるを得なくなるため、換気による温度ロスが大きくなっているのではないかと思います。

唯一の欠点?

一条工務店のi-smartの室内は正直快適そのものです。ただ唯一の欠点は・・・

季節感がなくなった!
と言うことです^^;;

冬にこたつに入ってみかんを食べるということもありませんし、部屋着は夏物と冬物という分類がなくなりました。布団も1年を通じて夏掛けしか使っていません。。。

私が住む地域も今年の夏は猛暑だったのですが、猛暑であったという実感がま~ったくありません^^;;冬が寒かったという記憶も無いのです。。。季節感を感じられる家造り、を目指すなら高気密高断熱住宅は止めた方が良いです^^;;

いや、なんか冗談っぽく聞こえると思いますが、本当に1年の季節感がないのです^^;;

他のハウスメーカーと悩んでいる方へ

今回のデータから一条工務店以外で建てられる方へのアドバイスです。

多くの大手ハウスメーカーがQ値は公表してくれると思いますが、C値は公表してくれないと思います。Q値は家の構造等で机上で計算する物なのでですが、C値は現場で実測しなくてはならないため、高断熱高気密を売りにしているメーカー以外は提供してくれないのが一般的です。

しかし、上記のデータで示したように、「常に快適な室内温度」を実現するためには断熱性だけではなく、気密性が不可欠です。費用が掛かることではありますが、C値を自分で手配して測定して貰うようにして貰うことを強くお勧めします。そして、測定して貰うタイミングは石膏ボードを張る前にするのをお勧めします。そうすれば、発泡性の断熱財材等で気密を手直しすることができます。

引き渡し後にC値を測定して、悪いC値であっても手直しの余地がほとんどありません。しかし、建築中であれば手直しの余地が多くあります。なんだったら自分でもできると思います。ですから、石膏ボードを張る前に実施できるように調整することをお勧めします。

さらには、なかなか難しいとは思いますが、ハウスメーカーにC値を1以下にすることを保証して貰うよう契約を交わしておければ安心と思います^^

先ほども書きましたが、高断熱なだけでは、快適な住まいは手に入りません。気密と断熱両方をセットで考えなければならないです。ハウスメーカーは「大丈夫です」とか言うかも知れませんが、費用が発生しますがかならず第三者にでも良いですから測定を依頼するようにした方が良いと思います。

一条工務店さんへ

この間、一条工務店の宣伝を散々非難しました。1000万円の節約なんて言う胡散臭い情報ではなくて、こういったデータは一条工務店の社内にたくさんあると思います。

私達顧客が求めているのは、「儲かる家」ではなくて、「快適な家」なのだと思います。

そして、今回、一条工務店が建ててくれた私の家のデータを用いて、家の快適性の一部である温度環境をデータに基づいて示してみました。

1000万円節約できるなどという絵空事ではなく、いままで一条工務店が積み上げてきたこうしたデータをこそ宣伝に用いるべきではないでしょうか?

そうして、営業さんが

「一条工務店が建てる家の1年を通じた室内の温度のグラフはこの通りで、24時間を通じて、さらには1年を通じてほとんど温度差のない生活を提供できます。朝起きて『寒い』と感じることはなくなります。しばしば、関東以南では高断熱高気密が必要ないというハウスメーカがーがありますが、関東以南で高断熱高気密ではない家の室温はこのようになっています。」

というように説明し、C値やQ値がどの程度必要なのかと言うことも

「私達一条工務店では、『常に暖かく快適に過ごせる家』の提供を目指しています。一般に超高気密高断熱と言われる、Q値、C値が共に1以下であれば、かなり快適ですが、さらに電気代の節約も目指すならば、より高気密高断熱でなければいけないと考えており、一条工務店では、Q値0.64、C値0.7の家を提供しています。実際にi-cubeのお住まいの方のお宅の室温グラフはこの通りです。グラフからもわかるとおり、Q値0.64,C値0.7は必要であると考えています。」

と説明するだけで、どれだけ多くのお客さんが一条工務店に興味を持ってくれるでしょうか?

1000万円なんて浮ついた数値遊びではなく、実直なデータを提示してお客さんに丁寧に説明して理解を求めるのが、結果的に一条工務店のためになると思いますよ!

だって、「暖かい家に住みたい」というニーズは確実に存在していて、それを変な数値遊びをせずに、リアルな住宅におけるデータとして見せてくれればそのインパクトは大きいと思うのです。

ということで、最後に一条工務店さん!今回のデータ一式購入しませんか?1000万円の節約パンフレットの代わりに、綺麗なグラフにしてお客さんに配ったらインパクトあると思いますよ?

別に我が家のデータでなくても良いですが、我が家のデータを使っていただいても構いません!!

データのお値段は応相談です。とりあえずカップボード2個分で\(^o^)/(←調子に乗りすぎ^^;)

あ、もちろん建築学会のデータは誰でも手に入るデータなので、自社で分析すれば無料な分けですが。。。。(; _ 😉

最後にちょっと吹っかけてみながら商売をしてみました\(^o^)/