本でみつけたi-smart批判:Q値の必要十分条件

こんばんは。さすけです。

ここ数日、アメブロのクラッキングのせいでログインできずマイページに入ることができませんでした。。。

先日出張で仙台まで行ってきたのですが、その際本屋で偶然見かけた↓の本を買って読みました。

新「いい家」が欲しい 改訂版/松井修三
¥1,500
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この本の中に、i-smartのことが書かれていてビックリ! (まあ、悪い意味で紹介されていたわけですが^^;)

書かれていたのは上記書籍のP216にある「Q値」のところで2ページ半にわたって書かれています。大まかなところを引用します。

『一条工務店は「超気密・超高断熱」とする<i-smart>であるとする<i-smart>というしょうひんについて、「住宅の断熱性を表すQ値は<0.82W/㎡・K>を誇ります。Q値は数字が小さいほど冷暖房費が安く、住み心地が良い家であることの証です」と主張しています。≪中略≫次世代省エネ基準では、≪中略≫北海道のような寒冷地で<1.6W
/㎡・K>ですから、断熱性能は並外れてすぐれていることがお分かりになるでしょう。
Q値で秀でることは、断熱性で他社との差別化を図り、営業を有利にするには強力な武器となります。しかし、家を建てる地域の気候条件が必要とする以上の性能は、住み心地にとって必ずしもプラスに作用しないのです。≪中略≫
Q値が1以下の家は、人の体温程度のわずかな熱や、ちょっとした生活の排熱でもため込んでしまうので、冬でも日当たりが良ければ暑苦しくなり、中間期や夏には住みづらくなります。≪中略≫
<i-smart>は、なぜか前漢床暖房が標準ですが、Q値
<0.82W/㎡・K> の家では過剰な設備です。快適さは、暖かさ、涼しさを格別意識することなく、ときに少し物足りないところがあって、家族がそれぞれの感受性に合うように補えるのが一番です。≪後略≫』

と書かれていました。ここで疑問がわきました。Q値の必要十分条件っていくつなのでしょうか?一条工務店の高気密・高断熱の批判は掲示板などで、過剰投資、無駄等よく書かれているのは見かけます。また、ほかのハウスメーカーと比較している際にもそのメーカーの営業マンに無駄だと言われたことがありました。しかし、だれも必要十分条件を示さないままに批判しているように思えるのです。この本の中にも根拠を持った形で最適値は示されていませんでした。

一応上の本を主観的に要約すると

『いい家』の条件は高気密高断熱
・ そのためには外断熱が重要
・ 断熱は重要だがそれと同時に気密と防湿が非常に重要
・ 気密・防湿がなければ壁内結露などで大変なことになる。
・ 換気方法が重要で、全熱交換型セントラル換気が「いい家」の条件
といった感じのことが書かれています。これらは前半に書かれており、前半は概ね納得がいく話です。
後半から若干感情的になってきてしまい、いまいち共感できない部分が出てきてしまいます。。。。
後半に進むほど、「私が作った『SA-SHEの家』がいい家だ」という論調になってしまっています。その過程で、先にまとめた要約を一定程度満たしているi-smartを批判する流れ人なっていました。i-smartの批判も、定量的に示してくれると面白いと思えるのですが、「少し物足りないところがあって、家族がそれぞれの感受性に合うように補えるのが一番」となってしまっていて、非常に物足りないです。

まあ、内容はあまり関係ありません。気になったのは、

Q値の最適値がいくつなのか?

ということです。
Q値が低すぎると不快になることがあるのでしょうか?では、いくつであればよいのでしょうか?

1回の記事で考えるのは難しいので、何回かに分けて考えていきたいと思います。

私が知りたいのは、
1. Q値を低くしていったときのメリット・デメリット
2. Q値の低下とコストの関係
といったことです。

感覚的に考えると、
Q値は低ければ低いほど、生活者が主体的に室内の温熱環境をコントロールしやすい家になると思っています。また、温湿度を安定化するための投入エネルギーも減少すると思われます。
先に挙げた書籍では、「生活者の体温や排熱による影響が出てしまい・・・」と書かれてしましたが、私としてはこれはあり得ないように思えます。

ざっくりした計算ですが、
0.82 W/㎡・K ×132㎡(40坪)×5度(中間期室内外温度差)=541W
です。人の発熱は100W程度ですから、4人家族で約400Wです。室内外の温度差が5度程度あれば、この発熱は逃げてしまいます。
それ以上に全熱交換による熱ロスのほうが直感的に大きいように思えます。i-smartやi-cubeについているロスガードは全熱交換効率90%なので、10%の損失が発生します。換気は住宅の体積を2時間で交換する量ですから、この損失による影響が大きいと予想します。

一方で、10%の損失があるため、一定以上にQ値を下げても、10%の熱損失の影響が大きく出てしまい、Q値の低下が室内温熱環境に影響を与えない限界値はありそうな気がします。

また、Q値が高くてたとえば5
W/㎡・K 程度であったとしても、エアコンをガンガン入れて、扇風機などで空気を撹拌すれば温度を一定に保つこともできるので、電気代との関係を見ながら考えていきたいと思います。

と非常に感覚な予想を立てて、実際に計算していきたいな~と思っています。でも、どうやって計算したものかぱっと思いつかないので、徐々に書いていければと思います。どなたか詳しい方がいたら方針などを示していただければと思います。