一条工務店の家は本当に暖かいのか?4年間の室温変化の実測による真実

こんばんは。さすけです。

最近体調を崩してしまい、扁桃炎で1週間寝込んだと思ったら、その後そのまま肺炎になってしまい1週間、合計2週間寝込んでしまいました(´д`;)

ブログの記事を考える余裕がほとんど無かったので、データでごまかし?て見ようと思います\(^o^)/

次の機会に書きたいと思っているのですが、先日「一条工務店の家はオーバースペックなのでしょうか?」という質問をいただきました。オーバースペックであるかどうかを判断する上では、まずはその性能がどの程度であるかを定量的に把握することが重要と思っています。また、この他にも、一条工務店の全館床暖房は本当に部屋が暖かいのか?といったご質問もしばしば受けます。

[kanren postid=”13657″]

過去に何度も書いてきていますが、我が家は継続的に室内、室外の様々な箇所の温度や湿度を継続的に測定し続けています。

[kanren postid=”5415,5389″]

2012年10月に引き渡しを受けて、室内温湿度は2012年12月から計測をスタートしたので、約4年分のデータが蓄積したことになります。これから家を建てる方の中には、一条工務店の営業さんなどが「一条工務店の家は冬でも暖かいですよ」という営業トーク前回の話を眉唾として、どこまで信じて良いのか半信半疑という方もいらっしゃると思います。我が家1軒だけのデータではありますが、今回の結果をご覧いただく事で、一条工務店の家は本当に冬暖かいのか、そして夏は涼しいのか?ということを確認いただけるかと思います^^

超主観的な部屋の床暖房による部屋の暖かさ

結論から言えば、一条工務店の全館床暖房は常識的な電気代の範囲内で室内の温度を、上から下までほぼ一定に保つことができています。

我が家では10月後半になって朝晩の外気温が10℃を下回ったことから床暖房を入れました。そんな我が家の室内の温度は概ね20℃を超えて推移しています。

データで云々する前に、超主観的な写真を1枚ご覧ください\(^o^)/下の写真は10月末の日曜日の朝、外気温が10℃程度になったときの写真です。

 

外気温が10℃を下回ると、外はジャンパーを1枚羽織らないと寒い気候で、普通だと窓際&フローリングの上は肌寒く寝ることはできません。。。エアコン暖房などだと上下の温度差が生じるため、暖房を入れても足下は寒くなりますが、ご覧のようにシャツ1枚で床の上で寝てしまう程度には室内は暖かく保てています!

と、書いても、どの程度暖かいのか全く分からないですよね。。。実際部屋は暖かいのですが、上記のような写真だけでは我が息子君が単に寒さに強だけの可能性もありますし、そもそも上記の写真が本当に外気温が寒い時期の写真かどうかの判別もつきません。。。

ということで、より客観的に一条工務店の全館床暖房の効果を示してみたいと思います\(^o^)/

4年間のリビング温度変化

リビングの温度が20℃を下回ることはない

一部、データが正しく取得できていなかった期間等もありますが、我が家のリビングの1時間毎室温は下記の通りです。横軸が時間軸で、2012年12月スタート、データの最後は2016年9月末です。データは1分単位で取得した室温データを1時間単位で平均した結果を示しています。

image

全期間を通じて、リビングの室温が20℃を下回ったことはありません。数回ほど、家を長期に空けた際に床暖房を停止した結果、リビングの室温が20℃を下回ったことはありますが、床暖房を入れて生活している限り、真冬であっても、24時間にわたって、室温が20℃を下回ることはありませんでした。一方で、夏についても、室温が30℃を超えることも、長期に家を不在にした数回を除いてはほとんどありませんでした。

外気温の影響をほとんど受けない程度の断熱性能

上記のグラフだけだと、室内がどの程度暖かいの化が分かりにくいように思います。

そこで、リビングの室温と外気温をグラフ上に示してみました。下のグラフで青い折れ線グラフはリビングの温度を示しています。一方、オレンジ色の折れ線が外気温を示しています。

image

こちらのグラフをご覧いただくと、1年を通じて外気温は真冬は-5℃程度、夏は40℃以上隣っていることがわかります。ここで、外気温が一般的な外気温に比べて高くなっているのは測定しているが空気の流れがあまり良くないアスファルト近くで測定していることによるものです。

外気温の大きな変化に比べて、室温はほぼ一定していることがおわかりかと思います。

 

一条工務店の家は外気温の影響を全く受けないのか?

一条工務店i-smartの断熱性能とQ値

住宅の断熱性能はQ値という値によって示されます。このQ値はゼロに近いほど断熱性能が高く、値が大きくなるに従って断熱性能が低くなっていきます。

私が家を建てた当時の一条工務店i-smartの公称Q値は0.82W/㎡・Kでした。ただし、一条工務店が公表しているQ値はあくまでモデルハウスを例として計算したQ値であるため、個々の住宅ではそのQ値は違ってきます。ちなみにこれを個別に計算してもらうこともできますが5万円のオプション費用が発生します。。。私は自分の家の性能を正しく知りたいと思って、これを計算してもらいました。その結果、我が家の間取りに従って個別に計算されたQ値は0.97W/㎡・Kとなりました

[kanren postid=”5245″]

現在、大手のハウスメーカーで「高断熱」と言っているのは概ね2.0W/㎡・Kの住宅を指すことが多いように思っています。さらに、「北海道仕様高断熱」のように謳っているケースで、1.6W/㎡・K程度となります。これらの値と比較すると、私が家を建てた4年前の段階で、大手ハウスメーカーの高断熱仕様住宅の倍程度の断熱性能であったことがわかります。

色々な方からのお話し等々を含めると、Q値が1.5を下回ると全館空調が可能になるように思っています。実際には1.0を下回る程度になると、全館空調をしても、断熱性能の低い(Q値2.0以上)住宅で個別空調をするよりも電気代が安くなってくる印象です。

ちなみに、現在の一条工務店のi-smartは私が家を建てた当時からさらに進歩しており、Q値は0.51W/㎡・Kとなっており、約40%性能が向上しています!

image

一条工務店の家は外気温の影響を受けないの→いいえデータからも影響を受けています。

高断熱高気密住宅は外気温の影響を全く受けないように勘違いをされることがあります。しかし、実際には全館床暖房を使ってもしっかりと外気温の影響を受けています。ただ、その影響は非常にわずかです。

下のグラフは外気温を横軸に、縦軸にリビングの温度を示したグラフです。

image

ばらつきは大きいものの、右肩上がりのグラフであるあることが分かるかと思います。すなわち、外気温が高くなると室温も高くなっており、外気温が下がると室温も下がる傾向が見て取れます。ただし、その影響の大きさは外気温が10℃変化したとき、室温が1.3℃程度変化する程度に留まります。

すなわち、真冬の外気温が-5℃のときと日中にぽかぽか陽気になって外気温が10℃になったときで、室温は2℃程度変化する程度の変化となります。外気温が-5℃から10℃まで変化しても室温が21℃から23℃に変化する程度のわずかな影響しか受けません。ただ、グラフからわかる通り、わずかではあるけれど室温は外気温の影響を受けます。現在の断熱性能が向上したi-smartであれば、この影響はもっと小さなものになっているだろうと思います^^

経年で室温の変化が大きくなっているのはなぜ?

年々拡大する室温の振れ幅・・・もしや性能劣化?

先ほどの室温の温度変化グラフをご覧下さい。これを見ると居住1年目には室温の変化は概ね±2.5℃だったのが、2年目には±3.5℃、3年目以降には±4.5℃と居住年数の経過と共に、質尾内の温度変化量が大きくなっていることがわかります。とくに3年目以降はそれまで室温からは見えなかった季節の温度変化もはっきりとわかるようになっています。

image

このような変化を見ると、住宅の断熱・気密が年々劣化していっているのでは?と思えてきます。過去の書いた記事では気密の経年劣化をしてきたことがありました。

[kanren postid=”6209″]

んが、今回のこの室温の振れ幅増加の原因は劣化の可能性を否定はできませんが、それよりも何よりも大きなのは「生活の仕方の変化」が大きいです。

暖房のコントロールになれてきたらある程度の変化は許容できるようになってきた。

一条工務店の家の温度変化は床暖房の温度設定に大きく影響を受けます。温度設定を高めに設定すれば、室温はほとんど変化しなくなる一方で、電気代は上昇します。逆にある程度の温度変化を許容して、床暖房の設定温度を低めに設定すると、室温は多少変化しますが電気代は安くなります。

i-smartに住み始めて1年目は全館床暖房の快適さもありましたし、新しい家のうれしさもあったので、床暖房の設定をかなり高めに設定して真冬でも半袖短パンのような生活をしていました。しかし、徐々にi-smartになれてくると、真冬に半袖短パンで生活していると外に出るときに温度差が大きく、家に入ったら着替えて、また、家から出るときに着替える必要に煩わしさを覚えるようになってきました。そのため、真冬にはシャツ長袖シャツ、長ズボンで生活するようになりました。そうなると、高すぎる床暖房の設定温度はむしろ暑く感じて不快になってきました。

そこで、床暖房の設定温度を徐々に下げていき、3年目になってやっと「自分たちが快適に生活できる全館床暖房の設定温度が分かってきた」というのが上記のような温度の振れ幅拡大に繋がっています。ようするに、室内では冬は冬らしい服装、夏は夏らしい服装で生活するようになった結果、上記のような温度変化になりました。

ですから、上記の温度変化の振れ幅の拡大は主にライフスタイルの変化によるところが大きくなっています。我が家では床暖房やエアコンの消費電力量も測定しているので、そのうち結果を分析してみたいと思います\(^o^)/

1日の温度変化が少ない生活は快適

室内の服装の変化によって、年間を通じた室内の温度変化は大きくなりましたが、1日の温度変化には大きな差異はありません。

例えば、下記のグラフは2016年1月8日~1月15日までの室温の変化を示したグラフです。

image

夜間は外気温が下がることで室温も下がり概ね22℃程度まで下がり、日中は日射の影響もあり24℃程度まで上昇しているという変化が毎日繰り返されていることがわかります。1日の温度変化は真冬でも2℃程度に留まっています。

下のグラフは、i-smartに住み始めて1年目である2013年1月8日~15日と、4年目の2016年1月8日~15日の室温の変化をグラフにしたものです。縦軸は室温【℃】です。

image

この結果から1年目は室温が25℃~27℃とかなり高く設定されていた一方で、4年目の冬である2016年の1月には22℃~24℃に下がっていることが分かります。1年目には暑すぎて寝苦しくなることさえありましたが、4年を経た2016年にはそのようなことはなくなりました。4年を経てやっと全館床暖房のコントロールができるようになったと言えそうです^^;

ただ、上記のグラフをご覧になっていただいておわかりの通り、1日の中での温度変化は1年目も4年目も概ね±2℃となっており、断熱性能に大きな違いがないことがわかるかと思います。i-smartに住んで見ての感想としては、年間を通じた温度変化よりもこの1日の中での温度変化がないということの方が生活の快適性には大きな影響を与えるように思っています。

最後に主観ではありますが、4年を経て、もう全館床暖房のない生活にはもどることができそうにもないというのが、個人的感想です\(^o^)/