高断熱高気密住宅のための加湿器選び:パナソニック加湿器FE-KXF15、FE-KXK05レビュー

こんばんは。さすけです\(^o^)/

一条工務店で全館床暖房を付けられた方はほぼ確実に加湿器のお世話になります^^;

全館床暖房はその室温はひじょ~に快適なのですが、湿度の面ではかな~り劣悪な環境になってしまいます^^;(←別に床暖房が悪いわけではないですが)

どれくらい劣悪な環境になるかというと、加湿器を使わないと室内の湿度は概ね20%~30%になってしまいます。

 

でも、加湿器の選択って難しくないでしょうか??部屋の大きさに対してどの程度の加湿能力を見込めば良いのか?湿度何パーセントに保てば良いのか?、そもそも高気密高断熱住宅なら、全熱交換換気システムであるロスガードが付いているならば小さな加湿器でも大丈夫?などと疑問は次々にわいてくると思います。

本日は、高断熱高気密、全館床暖房を前提としてどのような加湿器を選べば良いのかを独断と偏見で書いてみたいと思います\(^o^)/

今回もいつもにもまして長文ですが、これから加湿器を購入される方にお読みいただけると数万円はお得になるかもしれませんのでお付き合い下さい^^;

理想的な室内の湿度:ウィルスと湿度

部屋を加湿するとは言っても、どこまで加湿するかによって選択すべき加湿器も変わってきます。そこで、まずは部屋をどの程度の湿度にするのかを決めることにします。

厚生労働省のページによると

「空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。」

とされており、インフルエンザを予防するためには室内の湿度を50%~60%程度にすると良いと書かれています。

東京都福祉保健局の資料によるとインフルエンザウィルスは湿度50%、室温22℃の環境ではほとんどが不活性化することが示されています。

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このグラフで興味深いのは室温が22℃でも湿度が20%の環境では70%近いインフルエンザウィルスは生存できていることを示しています。

そして、もう一つ、室温が10℃という寒い状態では湿度が仮に80%であってもインフルエンザウィルスが40%程度活性状態を維持してしまうことを示しています。

さらに、2013年に発表された米国疾病予防管理センター(CDC)、ウェストバージニア大学の研究者らによる研究では、湿度が23%以下の乾燥した環境では室内に咳によって放出されたウィルスののうち70%以上が1時間経過後も感染性を維持していたのに対して、湿度43%以上の環境では1時間経過後に感染性を維持していたウィルスは20%程度に減少したという報告が成されています。

これらの結果から目指すべき室内環境は

室温20℃以上

室内湿度50%程度

がインフルエンザ等の冬場の感染症予防には有効と言えそうです。ちなみに60%程度になると今度はカビの問題が出てくるため、理想的には50%で湿度をコントロールできると良いように思います。

必要な加湿能力

目標とすべき湿度が50%と決まったら、次は加湿器の加湿能力について考えます。

一般に加湿器は、加湿量:1時間あたり500mlといった加湿量が書かれているかと思います。

この加湿器であれば、1時間に500mlの水を室内に供給できることを意味しています。加湿器を選択する上ではこの加湿量が最も重要になります。この加湿量が少なすぎると湿度を維持することができなくなってしまいます。。。

部屋の体積を計算する。

我が家を例に必要な加湿量を求めてみます。まずはご自宅の間取り図をご覧下さい。そこで加湿したい部屋の範囲をおおよそ見当をつけてください。その部屋の体積を求めます。

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我が家は玄関から和室まで基本的には全てのドアを開けて生活しているので、広い空間を加湿できる加湿器を考えます。

リビングに設置する加湿器を考える場合は上のように52㎡、さらに吹抜が13㎡あるとして計算します。ちなみに1畳は1.65㎡です。

天井の高さは厳密には2.4mですが、計算しやすいように2.5mとして計算すると

リビング:52㎡×2.5m≒130㎥

吹抜:13.2㎡×2.5m≒33㎥

となります。よって加湿したい空間の体積はおおよそ160㎥となります。

建築基準法では2時間に1回室内の空気が全て入れ替わるよう換気設計をすることを求めており、ロスガードの換気能力もこれに従っています。160㎥のうち半分の80㎥の空気が1時間で換気されていることを意味します。

よって、常に入れ替わっていく空気に適量の加湿を加えることで湿度を維持する必要があります。次にどれだけの加湿が必要なのかを計算します。

室内外の空気中水分量の計算

少しややこしくなるのでここは読み飛ばしても結構です。

細かく計算したい方は絶対湿度から計算していただければと思いますが、計算が大変になってしまうので、冬の外気に1㎥に含まれる水の量は概ね3g/㎥と考えていただければ良いと思います。外気温5℃、湿度40%の空気に含まれる水の量(絶対湿度)が3g/㎥です。

次に室内の温度を20℃としたとき、室内湿度を50%にするために必要な水分量は9g/㎥25℃で湿度50%にしたければ12g/㎥という結果になります。

よって、外気に含まれている水分量3g/㎥に対して6~9g/㎥を加湿することで室内の湿度を50%に維持できることを意味します。

厳密にはロスガードの熱交換方式は湿度も交換するため、加湿量はこれよりも少なくなるのですがあまりぎりぎりの能力だと能力不足に陥る可能性があるので、ロスガードの湿度交換は無視します。あれ?ロスガードは全熱交換型だから湿度の交換もしてくれるんじゃないの?と思われるかも知れませんが、全熱交換のメリットが大きいのは夏場で、冬場は温度の交換をしてくれることの効果が大きくなりますがあまり湿度を回収してくれません。しっかり計算すればそれなりの効果はあるのですが、計算が面倒になる割に効果がないのでここでは無視します。

ここでは安全を見て、1㎥の空気に対して9gの加湿能力があれば室温に関係なく湿度50%を維持できるということになります。

湿度50%を維持するのに必要な加湿能力

先ほど求めた加湿したい部屋の体積を2で割って下さい。我が家の場合160㎥ですから、半分の80㎥となります。これが1時間で外気と入れ替わります。

体積を2で割るのは、ロスガードの換気回数0.5(1時間に室内の空気を半分外気と交換する)を考慮してのことです。

以上から1時間あたりに必要となる加湿能力は

160㎥÷2×9g/㎥=720g/時間

という計算になります\(^o^)/

ちなみに、6畳の部屋であれば必要となる加湿量は

6畳×1.65㎡/畳×2.5m÷2×9g/時≒110g/時間

となり、おおよそ1時間に100gの加湿ができれば湿度50%を維持できることを意味します。

同様に

8畳なら:8畳×1.65㎡/畳×2.5m÷2×9g/時≒150g/時間

10畳×1.65㎡/畳×2.5m÷2×9g/時≒190g/時間

となります。12畳なら6畳の2倍で220g/時間、20畳なら10畳の2倍で約400g/時間といった具合で簡単に計算できます。

10畳以下の部屋であれば1時間の加湿能力が200g/時間、20畳ならその2倍、吹抜リビングのような部屋であれば500g~700g/時間の加湿能力があれば良いと言う結果になります。

注意:加湿能力と騒音(重要!)

ここで、例えば15畳の部屋で1時間に300gの加湿能力があれば良いのか~と思って、最大加湿能力300mL/時間の加湿器、特に気化式の加湿器を選択すると大失敗してしまいます!

 

上記の加湿器がちょうど最大で1時間に300mLの加湿能力の気化式加湿器になりますが、 「最大」でという場合はフル回転で300mLという意味なので、その際は「強」運転となります。強運転の時の騒音値は34dbとなっています。

通常、寝室や静かな室内で使用するならば30db未満の音でないと、うるさいな~と感じると思います。リビングのようにテレビなどがついていて多少の音は気にならない環境であれば35db以下を目安にすると良いかと思います。

音に対して比較的過敏な方は20db前後の静音なものを使うことをお勧めします。

上記のパナソニックの気化式加湿器は、弱運転字の騒音が20dbですから弱運転ならば寝室で使っても気にならないと思います。

しかし、強運転では寝ている間中「ご~」という音が鳴り続けることになります。。。せっかく床暖房で静かな寝室でエアコンと同じような騒音を発してしまうのはなんとも残念な感じになるため、弱運転で必要な加湿能力を得られるかを検討することが重要と思います。

加湿器の種類

以上で現在の住まいで必要な加湿能力の目星が付きました\(^o^)/

次に加湿器の種類を選びます。

加湿器には大きく、スチーム式、超音波式、気化式の3つがあります。最近ではこれらの中からいくつかの形式を組み合わせたハイブリッド式も多くなっています。

それぞれの特徴を簡単に書きます。

スチーム式

水をヒーターで温めて、蒸発する水で加湿をする方式です。

良い点は部屋を冷やすことなく加湿できるという点があります。お湯を沸かして加湿するのと原理的には同じなので加湿能力も高く、すぐに加湿できるというのも良い点です。サイズもコンパクトなことが多いです。

一方で悪い点は、電気代が高いです。

例えば上記の象印の加湿器は、湯沸かし時ではなく、安定して加湿をしている状態で1時間あたりに0.4kWhの電力を消費します。1日10時間、30日間使用した場合の電気代はざっくり約3千円です。。。。

これ1台で家中加湿できればそれはそれで良いかな?と思えるのですが、加湿能力は1時間あたりに480mlなので一般的な家であれば3台程度は必要になります。よって、加湿器だけで月々1万円以上の電気代を支払うことになります。12月から2月の3ヶ月間使用して購入した加湿器を5年間使うと想定すると、電気代は15万円になってしまいます。。。

そのため、スチーム式は例えば寝室で寝る間際だけ加湿したいと言ったような、数時間ぱっと加湿したいようなニーズには良いと思いますが、常時加湿をする使い方には向いていないと思っています。

いやいや、象印の加湿器は加湿能力が大きめだから電気代が高いんじゃないの?と思われるかも知れませんが、

こちらの加湿能力が最大で140ml/時間というコンパクトな加湿器でも消費電力は1時間あたり0.13kWhとなります。これを1日8時間使ったとして、1ヶ月の電気代は約1000円です。3ヶ月使用して5年間の合計電気代は1台あたり1.5万円という計算になります。このサイズの加湿器で加湿できるのは6畳間が限界です。ですから、各部屋にこの加湿器を設置した場合は月々の電気代ベースで設置数×1000円の電気代がかかることになります。。。この辺は主観的ですが、1冬使用しただけで電気代の金額が本体価格を上回るのはやっぱりちょっと高い気がします。。。

 

超音波式

え~っと、お勧めしません。終わりです。。。^^;;

いや、超音波式は白い水が出て「加湿している!」という感じがあって良いのですが、加湿する際の水の粒子が大きいため床が濡れます。長時間加湿すると床がびしょびしょになってしまうこともしばしばです。

例えば玄関を加湿しておきたいというようなニーズには値段も安く加湿能力も高いため良いのかも知れませんが、通常の部屋を加湿する加湿器としては、その価格の安さを差し引いてもお勧めできません。。。

超音波式加湿器にはデザインの凝ったものも多いため、床が濡れても良いような玄関などで使用するという使い方に限定されると思います。んが!i-smartでシューズウォールを採用していると置く場所もないので個人的にはほとんど検討していません^^;

気化式加湿器

賛否両論ある気化式加湿器ですが個人的には、高断熱高気密住宅かつヒートポンプ式全館床暖房という前提で言うならば気化式が最もお勧めの加湿器です

気化式加湿器の良いところは「電気代が安い」これに尽きます。もう一つ、超音波式のように床が濡れてしまうようなことや、スチーム式のように結露が生じるようなことも少ないです。

一方で、デメリットとしては

  • サイズが大きい
  • 音がうるさい
  • 値段が高い

という3点が挙げられます。

気化式の仕組みは水で濡らしたローラーを回転させてそこに風を当てて自然に乾燥させる仕組みになっています。そのため、濡らすローラーの面積が小さいと加湿能力が得られないため、他の加湿器に比べるとサイズが大きくなってしまいます。

そして、ローラーに風を送るためのファンが動くため、強運転などの場合はその騒音は話し声が聞きづらくなるほどにうるさいです。

そして、サイズが大きくファンなども付いているため値段も他の加湿器に比べるとやや高いです。

いやいや、気化式加湿器は室温を奪ってしまうから良くないのでは?と考えた方もいらっしゃるかと思います。

気化式加湿器は本体の消費電力は非常に安いのですが、一方で室温を下げてしまうことから否定されることも多い加湿器になります。しかし、高断熱高気密&全館床暖房の家の場合は気化式加湿器の選択をお勧めします。

これについては次で詳しく考えてみることにします。

スチーム式加湿器と気化式加湿器の電気代比較

カタログに記載されている加湿時の電気代はスチーム式に比べて気化式は激安になっています。

例えば、パナソニックの気化式加湿器であれば、月々の電気代は、50円程度で記載されています。気化式加湿器の売りの一つとなっているのがこの電気代の安さです。

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一方、スチーム式加湿器のカタログに電気代が示されていることはほとんどありません。理由は簡単でカタログに電気代を書いたらお客さんが買ってくれなくなってしまうからです^^;;

スチーム式加湿器は単純計算で月の電気代が少なくとも数千円はかかってしまいます。

そう聞くと、月々の電気代が数十円と書いてある気化式加湿器が良いかな~なんて思ってしまうかもしれません。

んが、実際は気化式加湿器の場合も月々の電気代が数十円になることはなくて、1時間あたり700mlの加湿力のタイプであれば電気代としては月々千円程度はかかってしまいます。。。。
え!?何それ?パナソニックのサイトにも大型タイプでも弱運転なら1月の電気代36円、強運転をしても54円と記載されているのにそれは嘘だってこと?と思われてしまうかも知れません。
パナソニックが言っているのはあくまで、「加湿器本体の消費電力量」のことを言っているのであって、決して嘘をついているわけではないのですが、実際に使用者である私達の立場ではこの金額に騙されてしまいがちなのも事実と思います。

気化熱による電気代の上昇

なぜカタログに記載されている気化式加湿器の電気代50円が千円の電気代などになってしまうのか?

その仕組みを理解するためには中学校で習った理科を思い出していただく必要があります。
水は気化するのに周りの熱を奪うという、気化熱(蒸発熱)の話って憶えてますか^^?その知識が必要になります。
ざっくり言うならば、気化式の加湿器で水を気化させて湿度を維持する際には空気中の熱を奪ってしまうのです。そのため、気化式加湿器だけを使用すると室温は大きく下がってしまいます。
そのため、気化式加湿器を使う場合は加湿と同時にエアコンや床暖房の温度を少し上げないと室温が維持できなくなってしまうのです

ここでは実際にスチーム式の加湿器と気化式加湿器の電力消費量を、私達消費者の立場から考えてみたいと思います。

計算が入ってくるので苦手な方は飛ばしていただければと思います。

スチーム式のエネルギー消費(電気代)

水温が室温と同じ20℃程度と仮定します。
水0.7kg=0.7Lを沸点である100℃まで過熱するのに必要なエネルギーは
比熱×質量×温度変化

によって求められますから、水の比熱4.2kJ/kg・Kを用いて
4.2×0.7×(100-20)=235.2kJ

と計算されます。これに蒸発に必要なエネルギーは気化熱×質量で計算できます。
水温100℃の水の気化熱は2259kJ/kgですから
2259×0.7=1581.3kJ

となります。水温上昇と気化に必要なエネルギーの合計は1816.5kJとなります。
600kJが1kWhですから、消費電力量は1816.5kJ=0.50kWhと計算できます。
1kWhの電気代を26円で計算すると1時間あたり13円の電気代が必要という計算になります。
仮に1日10時間加湿した場合、月々の電気代は3900円となります!

すなわち、室内湿度を50%に保つためにスチーム式加湿器で水を沸騰させて気化させるためには1時間あたり0.5kWhの電力がひつという結果になります!

気化式加湿器のエネルギー消費(電気代)

では気化式加湿器の場合ではどうでしょうか?気化式加湿器は運転時には電力をほとんど消費しません。しかし、水を気化させるためには周囲の熱を奪ってしまうのです。

そのため、奪われた熱を補うために暖房を強くしなければ室温を維持できなくなってしまいます。具体的に計算してみます。

空気の比熱が1.0kJ/kgで、空気の比重が1.2kg/㎥なので、1㎥の空気の比熱は838.3kJ/㎥になります。
水温20℃の水の気化熱は2.46kJ/kgですから、0.7kg=700mlの水を気化させるためには、1.72kJのエネルギーが必要になります。
3600kJが1kWhですから、1.72kJの熱量を電気でまかなうためには0.48kWhの電力量が必要にという結果になります!!
スチーム式の計算と同様に、1日10時間加湿した場合、月々の電気代は3744円となります!!

気化式の加湿器はそれ自体は水に対して熱を与えることはしませんが、部屋から1時間あたり0.48kWh相当の熱を奪っている、すなわち部屋を冷やしてしまっているのです
よって、室温を一定に保つ為には0.48kWh相当の熱を床暖房なりエアコンなりで追加して上げなくてはなりません。気化式加湿器それ自体の電気代は非常に安いのですが、結局エアコンを強くしなければならないということを意味しています。

お~電気代はほとんど変わらないんだね~、じゃあ気化式でもスチーム式でも良いか~
と思ってはいけないのです!!!

ヒートポンプ式床暖房の存在を考えると気化式の圧勝

上記の計算は部屋の暖房に例えば電気式床暖房を使用してるケースではその通りで、スチーム式でも気化式でも電気代は同程度になります。
しかし、一条工務店の多くの家(北海道などは違った気がします。)で採用されている、いわゆるヒートポンプ式の床暖房の場合は異なった結果になります。
ヒートポンプの仕組みはここではおいておきますが、非常にざっくりいってしまうとヒートポンプというのは熱効率を約3倍に高める装置です。
すなわち、30kWh相当の熱量を得るのに使用する電力量は10kWhで済ませることができるのです。

例えば、エアコンなどで3.6kW相当のようにエアコンの能力をkWで示していますが、実際に使用する電力は1.2kWで済ますことができます。これがヒートポンプ式の凄いところなのです。
で、先ほどの計算では気化式の場合は0.48kWh相当の熱をエアコン等で加えなくてはいけないという話をしましたが、一条工務店の全館床暖房の家の場合その熱は床暖房から供給されることになり、この床暖房はヒートポンプ式床暖房になっています。
よって、0.48kWh相当の熱量はその3分の1の0.16kWhでまかなうことができるのです!
ということは、1日10時間使用の場合の月の電気代は約1250円で済ますことができていると言うことになるのです!

よって年間3ヶ月間毎日10時間加湿器を稼働させて5年間使用した場合の電気代は
スチーム式の場合:59000円
気化式の場合:約19000円
となります。よってその差額は4万円に相当すると言うことになります\(^o^)/

加湿器の部品交換等々もあるのですが、5年程度ならばどのタイプも概ね問題なく使用できると思います。ヒートポンプの効率はCOPという値で示すのですが、ここではCOP3を仮定していますが、これでは効率が良すぎるという場合仮にCOPが2でも2万円以上の差額が生じます。

で、上記は理論値で計算していますが、スチーム式の場合は電気コイルで水を沸騰させることになるため、その熱が必ずしも効率的に水には伝わりません。。。そのため、電力ロスも大きくなり実際の月々の電気代は5千円前後になると思います。。。
ですから、5年間の電力消費による電気代は7万円以上にはなると思います。。。ですから、スチーム式の加湿器を購入すると言うことは同時に何万円もの電気を一緒に買っているようなものなのです!

いやいや、スチーム式は部屋の室温も温めているのだからその分を差し引くべきだという指摘を受けるかも知れませんが、スチーム式加湿器にヒートポンプが使われていない以上、このヒートポンプの効果によって、スチーム式加湿器の電気代が気化式加湿器の電気代に追いつくことはどう頑張っても無理ということになるのです。。。スチーム式加湿器の暖房効果を考慮した計算は興味があれば実施してみてください^^

よって1万円のスチーム式加湿器を購入するならば2万円の気化式加湿器を購入してもまだお得なのです\(^o^)/

ということで、個人的には気化式加湿器を強くお勧めする次第です\(^o^)/

気化式のもう一つのメリット:過剰な加湿の回避

詳しくは省略しますが、気化式とスチーム式の加湿器で気化式の大きなメリットとして、過剰な加湿を回避できるという点が挙げられます。

スチーム式はお湯を沸かして加湿するため、室内の湿度が50%だろうと60%だろうと、運転状態にあれば加湿を継続してしまいます。もちろん、加湿器には湿度計がついているのですが、一般に湿度計は非常に精度が悪いため、過剰な加湿を行ってしまうことがあります。過剰な加湿、すなわち湿度60%以上になると高断熱住宅でも窓に結露が生じると思います。

一方で、気化式はその性質上、過剰な加湿が起こりにくい加湿器になります。理由は、室内の湿度が高くなると水が蒸発しにくくなるため、加湿能力が下がってしまうのです。結果として、過剰な加湿が発生しにくいというメリットがあります。

 

タンク容量の決定

部屋に必要な加湿量と気化式を採用することが決まったら、次にタンク容量を選びます。
概ね10時間の連続稼働を視野に入れて考えると良いかと思います。

我が家のリビングであれば1時間に約700mlの水を放出する必要があるので、10時間連続稼働させるためには7Lのタンクが必要となります。
6畳であれば、1時間あたり110mlが放出されるので代替1.1Lのタンク、8畳であれば1.5L、10畳なら2Lのタンク容量があれば10時間の連続稼働が可能になります。

タンク容量は大きければ大きいほど良いとは思うのですが、気化式加湿器の欠点として菌やカビが繁殖してしまった水を気化させるとそれらを死滅させることなく部屋にばらまくことになります。

タンクが大きければ大きいほど給水の回数が減って楽なのですが、上記の様な理由から気化式加湿器を使用される場合は、少なくとも給水した水は1日(24時間)で使い切れるタンクサイズを選択することを強くお勧めします。

この点はスチーム式加湿器の場合は一度煮沸した水を散布するのでカビやウィルスをばらまくことはありませんからスチーム式加湿器の強みになっています。

 

部屋のサイズ別お勧めの加湿器\(^o^)/

以上の結果から、独断と偏見に基づいた、ようするに自分が使って良いと思った加湿器をご紹介します!

え~っと、全部パナソニック製ですがそれはご容赦ください^^;だって、実際使ったら良かったので^^;;

と、その前にダメだった加湿器のご紹介!

1年で壊れてしまった加湿器。。。

え~っと。。。我が家は引っ越した年に

を購入しました。しか~し!!1冬で壊れてしまいました。。。

故障に気が付いた時には購入から1年が経過していたので有償修理になることから、破棄しました( ・_・;)

私が購入したものが運が悪かっただけなのだとは思いますが、そんなことがあったので人気のあるタイプになりますがお勧めはできません。。。

それから、このハイブリッド式というのもちょっとくせ者で、ついつい何も考えずに「標準モード」で運転したくなってしまうのですが消費電力を測定すると400Wを超える消費電力になっています。

そのため、電気代を抑えながら使用するためには運転を開始した段階で「ecoモード」という名前の気化式運転になっていることを確認しないと高い電気代を支払うことになってしまうため、あまりお勧めはできないモデルになります。。。

それでは愚痴も済んだところで、お勧めの加湿器紹介に入ります\(^o^)/

吹抜リビングや住宅全体の広い範囲の加湿に向く加湿器

一条工務店では吹抜を採用されている方も多いと思います。吹抜があるとどうしても加湿しなくてはいけない空気の量が増えてしまいます。そのため、我が家を例にすると、1時間あたり最低700mlの加湿能力が必要となります。

そこで、私が実際に購入したのがパナソニックのFE-KXF15になります。

価格は約4万円と加湿器としてはかなり高額ですが、完全な気化式であること、そして「弱運転における加湿能力が1時間あたり750ml」であることが重要な決め手となりました。弱運転でリビング全体を加湿するのに十分な能力を有しています。さらに、タンクの容量が9リットルとなっており、4.5リットルのタンクが2本入っています。1本で9Lのタンクだと10kg近くになりますが、1本4.5Lに分かれているため、それほど苦にならずにタンクに給水できます。

我が家では深夜は家全体の加湿も目論んで、弱運転から中運転にして1時間1000mlの水を供給しています。これでリビングの湿度は50%に維持できていて、ロスガードから戻ってきた湿度で他の部屋の湿度を概ね40%弱まで高めることができます!締め切っている部屋だとどうしても湿度は下がってしまいますが、他の加湿器を使わなくてもぎりぎり程度の加湿は行えるようになります。

欠点は、でかいことです!!!

実際に我が家に置いた加湿器を見ていただければかなり大きいことがおわかりになるかと思います。

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あ、右端に写っているのは8月に生まれた息子です\(^o^)/最近かなり首が座ってきました!ただ、妻を見るとにっこりするのに、私を見るとにっこりしてくれないことがあります( ̄^ ̄)ゞ

それは良くて、写真中央に写っているのがパナソニックの気化式加湿器FE-KXF15になります。ベビーベッドや空気清浄機と並んでいるのでそれほど大きさが目立たないかもしれませんが、その存在感はかなりのものです。

ですから、部屋の中で置く場所をかなり選ぶ加湿器である事は事実と思います。。。。

設計打ち合わせ段階であれば加湿器を置く位置などを考えておくのも良いかも知れません。

運転音については、弱運転であればカタログスペック29dbの送風音は全く気にならないレベルです。カタログスペック35dbの中運転にするとテレビなどが付いていれば気にならないですが、静かなリビングだと「ご~」という音が少し気になるレベルです。

そして、最大の過失能力1時間あたり1.5Lの強運転にすると・・・話し声が聞き取りづらくなる暗いに「ぐぉ~~」という音がします。。。カタログでは45dbです。。。45dbって、エアコン室外機の送風音と同じレベルですから、正直一般住宅では使い物にならない送風音と思って良いと思います。。。

ということで、使用方法としてはリビング等多少の送風音、感覚的にはエアコンの弱運転よりちょっと静かな程度の送風音が気にならない場所で使用するのに向いている加湿器と思います^^

Webサイトを見ても通常は狭いお店などで使うことを目的にした加湿器なので、送風音は少し大きめです。しかし全館床暖房で吹抜リビング、場合に寄ってはオープンステアなどかなり広範囲を加湿する必要があるお宅では選択肢として良いと思います。

ただし、寝室で使用するには少し送風音がうるさいかも知れません。そもそも30畳の寝室ある家であれば別ですが、寝室のように閉じた部屋で使うにはオーバースペックの加湿器です。

加湿器で気になるのが、カルシウム分が結晶化してかちかちになることと思いますが、1個千円で1シーズン使用できるフィルター(購入時は付いています)があり、これに酢酸(と思われる)、いわゆるお酢のような物質が入っていて、カルシウム分の結晶化を防いでくれます。1シーズンフル稼働させると、多少カルシウム分がついてしまいますが、スポンジ等で擦れば落ちる程度の結晶化で済みました^^

そして、イオン除菌フィルタもついているため、最近の繁殖も抑えられています。

運転時の電気代は数十円のレベルです。先ほど書いたとおり、気化熱による暖房費用として別途月に1000円程度がかかってしまいますが、同性能のスチーム式加湿器よりもはるかに電気代が安く済みます^^

ということで、リビングや1F全体を加湿すると言った使い方にはこの加湿器がお勧めです^^

8畳から10畳程度の寝室にお勧めの加湿器

8畳から10畳の寝室に向く加湿器としては、加湿能力が1時間に200ml以上の加湿器が理想的です。

また、寝室で使用することを考えると「静音性」が非常に重要になってきます。ですから、最大加湿能力ではなく、最も弱い運転でこの加湿能力を確保できる加湿器が良いと思います!

そのような部屋にお勧めなのはやっぱりパナソニックのFE-KFK05です。

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この加湿器の弱運転字の加湿能力は330mlですから、15畳程度の部屋までであればこれ1台で十分な加湿能力を得ることができます。

そして、この加湿器はDCモーターを採用していることもあり、静音性に優れており弱運転字の運転音は22dbとかなり静かです。深夜寝室で使用すれば僅かに送風音が聞こえると言ったレベルです。

この加湿器の良いところはDCモーターを採用しており、静音性に優れていることとです。それでいて値段は1万5千円弱と、先ほどの大型のものと比べるとかなりお手頃になります^^

給水タンクの容量も4.2Lあるので1回の給水で半日は稼働できます。

1部屋に大型の加湿器を置くよりもこの加湿器を部屋ごとに置いた方が加湿性も良いと思います。

また、先ほどの大型加湿器にも付いていたイオン交換除菌も標準搭載されています。

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上記のKFK05は、パナソニックの売りであるナノイー機能が付いていません。もしもナノイー機能がついていた方が良い場合はFE-KXK05というナノイー機能が付いたモデルがお勧めです。

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ナノイー機能がついたこと以外は、基本性能は全く同じです。値段はナノイーのないモデルに比べて約3千円高くなります。

紹介させていただいたパナソニックの気化式の加湿器には上位モデルのFE-KXK07とFE-KFK07という型番の加湿器があります。

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個人的には高断熱高気密住宅においては上位モデルを選択する必要はないと思っています!

上位モデルと紹介させていただいた下位モデルの違いは「強運転時の性能差」です。

すなわち、立ち上がり速度の違いが大きいのです。

しかし、全館空調をしていると加湿も在室時はずっと稼働させ続ける事が多くなると思います。そのため立ち上がり速度はあまり重要ではありません。

そして、何よりも強運転時の騒音はいずれも40db近くでかなり、うるさいです!!そのため、強運転は使わなくなってしまうのが明らかと思います。そのため、値段が単純に2千円程度上がってしまうだけで、上位モデルはお勧めしません。

うちは吹抜がないんだけど~という場合は?

我が家で使用しているFE-KXF15は図体が非常にでかいので、大きすぎると思われる方も多いと思います。そもそも加湿器のくせに4万円は高いと感じると思います。

そのため、吹抜がなかったり、吹抜があっても廊下とつながっていない、というケースでは若干オーバースペックになってしまいます。

しかし、先ほどのKFK05とKXK05は弱運転時の加湿能力が330mlとなっており、リビングで使うには若干力不足と思います。

多少の音は気にならないよ~という場合は、先ほどのKFK05やKXK05をリビングで強運転で使用するのが良いと思います。騒音値は31dbですから、少しファンの音が気になるかも知れませんが、寝室ほどの静音性が求められない環境であれば送風音が少し聞こえる程度と思います。イメージとしてはエアコンが稼働している程度の運転音です。

まずは1台を購入してみて、送風音が気になるようであればもう一台同じものを追加してキッチンとリビング側で弱運転させるという方法もあります。

また生活スタイルによってはキッチン等からの水分供給で弱運転でも十分な加湿能力を得られる可能性があるので、まずは1台で稼働させてみて様子を見るのが良いと思います^^

6畳以下の部屋に向く加湿器は?

え~っと、パナソニックのセールスマンのようになってしまいますが6畳未満の部屋であれば、パナソニックのFE-KFK03がお勧めです。

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こちらの加湿器は1万円程度で購入できますが、れっきとした気化式です。ナノイー機能はありませんので、ナノイー機能がどうしてもあった方が良い場合は、KXK05を選択するのが良いかと思います。先ほども書いたように気化式は過剰な加湿にはなりにくいため、加湿能力が多少高くても問題はありません。

弱運転時の加湿能力は170mlとこれまでのものに比べると少なめですが、6畳であれば十分な加湿能力です。

給水タンクの容量は2.1Lですので弱運転であれば半日の稼働が可能になります^^

で、子ども部屋という特性上、子どもが自分で給水をすることになると思うのですが。。。私が子どものころに加湿器に毎日水を追加したりできたかというと。。。。絶対できませんでした!!!

イオン除菌ユニットが搭載されているため雑菌の繁殖はかなり抑えられていますが、 たまに水がきちんと交換されているかを確認して上げてください^^

やけどの心配もあるため、子ども部屋には必ずしもお勧めできませんが、絶対にメンテナンスが無理という場合は子ども部屋だけはスチーム式を考えるのも手かも知れません^^;;;

まとめ:高断熱高気密ならではのメリット~結露~

ここまで、私が個人的にお勧めの加湿器を書いてきました。

電気代を考えると、室温低下を考慮に入れてもヒートポンプ式床暖房が付いていることを考慮に入れると気化式の方が圧倒的に電気代がお得である事を計算によって求めてみました。

最後に、そんなに理論道理になるの~と思われるかも知れませんが、これはある意味高断熱高気密ならではのメリットで、ほぼ計算道理になると思っています。

断熱性と言うよりもも気密性能の問題が大きいのですが、気密性能の高さ故に換気はほぼ計算通りに行われていると思われます。気密性が低い住宅の場合だと計画外の換気が発生してしまうため、計算よりも大きな加湿能力が必要になってしまう可能性が高くなってしまいます。その点で高気密だからこそ、計算通りに加湿の計画を立てることができると言えます。

そして、もう一つ、これは気になる方も多いと思いますが結露の問題です。

一条工務店の家では断熱性の高い窓が採用されています。もちろん、私のようにハニカムシェードを締め切って部屋を加湿すると窓に結露が生じてしまい、カビが生えたりしてしまいます^^;(参考:ハニカムシェード閉めてたら結露でカビが生えたよ~(; _ 😉

しかし、ハニカムシェードを少し開けておけば、東北以北は結露することもありますが、多くの住宅で結露はほとんど乗じないかと思います。少なくとも南側の窓については、日中の日射による熱で多少の結露があっても乾いてしまいます。

これが断熱性の低い住宅であれば、加湿をしたそばから窓に結露が生じて部屋の湿度が全然上がらないと言うことが発生してしまいます。そのような観点から、今回の加湿計画は、高断熱高気密住宅だからこそ成り立つ計画であるとも言えるのです\(^o^)/

あ、でも結露してもせめないでね~^^;我が家も結露していますので。。。

ただ、結露による影響よりもインフルエンザや感想による粘膜への影響を考えるとある程度しっかりとした加湿をした方が良いと思っています^^

カビだけは生えないようにした方が良いですが。。。

ということで、これから加湿器を購入しようと思っている方の参考になれば幸いです\(^o^)/