こんばんは。さすけです\(^o^)/
フロアコーティング記事も遂に6回目になってしまいました^^
- フロアコーティングをする?しない?Part1:とりあえずプロローグ\(^o^)/
- フロアコーティングをする?しない?Part2:EBコートって何なんだ?
- フロアコーティングをする?しない?Part3:EBコート実際にどんなものなの??
- フロアコーティングをする?しない?Part4:EBコートは特別なコーティング?
- フロアコーティングをする?しない?Part5:EBコート v.s UVコート対決~マジックのいたずら書きは消える?~
前回、i-smartのフローリングで標準となっているEBコートしたフローリングとエコプロコートにUVコートをしてもらったフローリングにマジックでいたずら書きをして、両者の消えやすさを比較してみました。
結果は、
このように書かれた線が
この通り、左側のUVコートしてある部分ではマジックがほとんど消えているのに対して、右側のEBコートした部分に書かれた線はほとんど消えませんでした。
EBコートよりもUVコートされたフローリングの方が明らかにマジック等の汚れが取りやすいことが確認できました。
しかし、まだ疑問が残ります。以前、EBコートの説明を書いた記事で述べたとおり、EBコートとUVコートはその性質は本質的に大きく変わることがないはずです。
それにもかかわらず、結果は大きく異なりました。
なぜ、UVコートした床材ではマジックが消えて、EBコートした床材ではマジックが消えなかったのでしょうか?
今回はこの「なぜ」について考えたいと思います\(^o^)/
ちなみに、エコプロコートから見積を取られる際はこちらのページに書かれている「ブログ紹介特典専用フォーム」から申し込むとおまけがつきます^^
EBコートとUVコートでなぜ結果が違ったのか?
EBコートよりもUVコートした床材の方がマジックなどの汚れが落ちやすいという結果は、ある意味予想通りの結果でした。
しかし、なぜEBコートの床材よりもUVコートした床材の方がマジックなどの汚れが消しやすかったのでしょうか??
さらには、UVコートした床材でもEBコートした床材でも消しゴムでマジックを消すと、まめピカなどの石けんを使った場 合よりも比較的綺麗にマジックで書いた線が消えました。なぜ消しゴムの方が綺麗に消えたのでしょうか?
この点についてはいつもの
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こちらの顕微鏡を使って、マジックでいたずら書きをした床材を見てみることにしました\(^o^)/
EBコートとUVコートの表面構造
私が持っているエコプロコートにi-smartフローリング材に一部のみをUVコートしてもらった床材は
このように、左側のUVコートされた部分と右側のEBコートのみの部分に分かれています。この境目を顕微鏡で見てみます。
顕微鏡の倍率は200倍です。丸く凹凸を作っているのは、いわゆるエンボスシートで、
表面の0.06mm(60μm)程の厚さのシートになります。
EBコート層と木目が描かれた印刷層の中間で印刷された層を保護するために張られている透明のシートになっています。
そのことを踏まえてもう一度写真を見てみると
エンボス加工の部分意外についても、左側のUVコートされた部分はツルツルしていそうで、右側のEBコートのみの部分は少しざらざらした感じである事がわかると思います。
UVコートされた部分でツルツルした感じになっているのは、右側のEBコート層のざらざらとした部分にUVコーティング剤が塗られることで、EBコートのざらざらを埋めていることが要因となっています。
また、写真をよく見ると、UVコートされた部分はエンボスも埋まっているのに対して、EBコートのみの部分ではエンボスは埋まってはおらず、凸凹した状態であることがわかるかと思います。
中央にはUVコート層とEBコート層で段差がある事もわかります。UVコート層は約40μm、0.04mm程度なので触れば何となく凹凸が感じられる程度ですが顕微鏡で見ると表面の厚さが異なっていることがわかります。
EBコートとUVコートの表面にマジックやボールペンで線を書くと?
EBコートされた床材とエコプロコートにUVコートしてもらった床材の上にマジックとボールペンで線を書いたものを顕微鏡で拡大して見ます。
ボールペンで線を引いた場合のEBコートとUVコート顕微鏡写真
マジックの線は太すぎるため顕微鏡で拡大すると画面全体が黒くなってしまって少しわかりにくいので、まずはボールペンの線を見てみます。
ボールペンの線を見てみると状態が明らかに違うことがわかります。左側のUVコーティングされた表面ではボールペンの線は薄くなっており、また表面がなめらかであるためインクのシミはありません。対して、右側のEBコーティングのみの部分ではかなり黒くボールペンのインクが付いていることがわかります。
もう少し範囲を広げてみます。
まずはEBコーティングされた部分にボールペンで線を引いた部分の拡大写真です。
ボールペンで線を引いたことによってエンボスがやや潰れて毛羽立っているのが確認できます。それに対して、UVコートされた床の表面は
比較的なめらかになっており、下のエンボスも大きくは潰れていないことがわかります。
境目部分をまめピカで拭き取って写真をとったものがこちらです。
左側のUVコートされた部分ではインクのシミが残ってはいるものの綺麗にボールペンのインクが拭き取られ、コーティング層の下にあるエンボスも残っていることが確認できます。
UVコーティングされた部分は拡大しても、ボールペンでいたずら書きをした部分とはほとんど差が見られなくなっています。対して、EBコート層にボールペンで線を書いたあとまめピカで拭き取った部分の拡大写真は
このようになっています。確かに表面のインクは拭き取られていますが、ざらざらとした部分にしみこんでしまったインクが拭き取られていないことが確認できます。
その結果、肉眼で見ると
このような大きな違いとしてあらわれてしまいます。上記写真は一番上がマジックの線、中央部分の線がボールペンの線です。
マジックで線を引いた跡は?
上記はボールペンでの写真ですが、マジックで線を書くと
このように真っ黒になってしまいます。。。中央よりやや下に横に入った線は私がキズを付けた線ですのでここでは気にしないで下さい。
真っ黒になってしまった表面にまめピカを吹きかけて拭き取ると。。。
このようになります。左側のUVコートされた表面と右側のEBコートのみの表面に明らかな違いが見られることがわかります。
UVコートの表面に一部気泡などが有る部分ではマジックのインクがしみこんでしまっていますが、基本的にはマジックは綺麗に拭き取られています。
対して、右側のEBコーティングされた部分ではマジックの汚れはほとんど消えていません。唯一エンボス加工された穴の部分に貯まっていたインクのみが拭き取られているようにみえます。結果として
上記写真の上段のマジックの線のように左側のUVコーティングされた部分ではほとんど拭き取れているの、右側のEBコートのみの床部分ではマジックのインクはほとんど拭き取れていないことが確認できます。
EBコートとUVコートでは何が違うのか?
こうして顕微鏡で見てくると、EBコートとUVコートで明らかに違うことがわかります。
その違いは一言で言ってしまえば、「表面の平滑度」、すなわち表面がどれだけつるつるか、という違いです。そして、この平滑度の違いはコーティングの厚さに依存していると言えそうです。
EBコートもUVコートも同一の厚さ、かつ表面のなめらかさであればおそらく性能的にほとんど違いはありません。
しかし、以前も書いたように、i-smartの床材に施工されたEBコートの厚さはおそらく数マイクロメートルであるのに対して、エコプロコートが施工するUVコートの厚さは約40μmと10倍以上の厚さがあります。
i-smartで使用されている床材の仕様上、エンボス加工が行われており(最近変更になったという噂あり?)、EBコートの厚さでは表面のエンボスやフローリング表面のざらつきを埋めることができないために、表面をなめらかにすることはできていません。
対して、エコプロコートが施工したUVコートは40μmの厚さがあるため、i-smartの床材表面のざらつきはもちろん、エンボスも埋めることができ、表面をなめらかに仕上げることができています。
EBコートしてあるからUVコートは不要
ここまで見てきておわかりの通り、EBコートしてあるからUVコートのようなコーティングは不要だというのは、明らかに言いすぎと言うことがわかります。
EBコートの厚さが数ミクロンであるのに対して、エコプロコートの場合のUVコートの厚さが40ミクロンと厚さに大きな違いがあり、その結果表面の汚れの取れやすさに大きな違いを生み出していることは明らかです。
UVコートが必要かどうかと言うのは、個々のお客さんの判断と思うので一概に言うことはできませんが、EBコーティングしてあるからUVコーティングは不要というのは、明らかな言い過ぎと思います。
光沢も厚さに起因している
ここで、なぜi-smartの床材の表面がざらざらしているのだろうか?と思われるかと思います。
これは私の想像でしかないのですが、おそらくは「マットな光沢」を出すために表面をざらざらとさせているのだと思います。
表面をざらつかせることで、光が乱反射し、その結果光沢の弱い「マットな床」に仕上げているのだろうと思います。
エコプロコートなどのUVコートでしばしば「光沢が・・・」という話があります。私の妻もそうでした^^;
この光沢はざらざらしている表面をつるつるにしてしまうことで光沢が増してしまうことが原因です。
i-smartの床材ではi-cubeの床材などに比べてUVコートをしてもそれほど光沢が出ないと言われていますが、その原因もi-smartの床材にあるエンボスやざらつきにあると考えられます。
床材に入射した光の一部はUVコートでなめらかになったコーティング表面で反射します。しかし、コーティングは透明ですから多くの光はコーティングの下の層、すなわちi-smartのフローリング材に達し、そこから反射光が帰ってきます。しかし、UVコート層の下にあるフローリングの層は凸凹しているため光は乱反射してしまいます。その結果、つるつるのフローリング層を持つi-cube等のフローリングに比べると光沢が弱くなる傾向があるのだろうと考えられます^^