被災地観光のススメ

こんばんは。さすけです。

今回は一条工務店の話題から離れて、東日本大震災について書きたいと思います。

仕事の関係で先週1週間、東日本大震災の被災地に行ってきました。今回は仙台から八戸までの沿岸部を5日間かけてまわるというものでした。

震災から4ヶ月が経過し、被災地は当初の混乱が和らぎ、津波に流された多くの住居も片付きつつあります。しかし、今なお警察、自衛隊により行方不明者の捜索は続いています。

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インフラは驚くべき速度で復旧しつつあり、工事中の箇所は多いものの国道や県道などは交通可能な状態になっています。今回通った国道45号線は仙台から青森まで太平洋岸を通過する東北における主要道路の一つであり、7月には全線が開通しています。

しかし、いまだ復旧はテレビなどで報道されている大きな町に限られています。岩手県釜石市にある唐丹では震災直後のままに見える光景が広がっていました。

下の写真は震災直後の写真ではありません。震災から4ヶ月もたった7月の写真です。下の写真の場所は唐丹町です。

一方で、テレビ報道は原子力発電所事故やそれに伴う牛肉の基準値超えの問題が多くなっており、被災地の現状を伝えるものは減ってきています。その結果、ゴールデンウィーク以降ボランティアの数も減ってしまっているそうです。

被災地の多くは国道45号線沿いにあります。リアス式海岸、小さな漁村を観光するには非常に良い道路だったと思います。しかし、今は沿線沿いにあったその光景は一変し、日常ではあり得ない光景が延々とつづいています。被災当初は冬の寒さが残り、雪も舞っていましたが、既に季節は夏になりました。

このようなことを書いたら不愉快に思う人がいること理解していますが、私は多くの人が被災地に出向き、その惨状を実際に見るべきだと思います。

テレビなどで津波が防潮堤を乗り越え、橋を流す光景が連日流されていました。実際にどれだけの高さの防潮堤を津波が乗り越えたのか、どれだけの大きさの橋を押し流したのかを見れば、自然の威力を実際に感じることができます。

一時、新聞等で被災地を観光気分で訪れる人が多くなっており、「問題だ」、ボランティアもしないのに被災地に行くべきではないという論調がありました。

私はこの意見には反対です。

大学生など若い人は是が非でも見ておくべきです。この震災は数百年に1度、千年に1度しか起こらないものです。私たちは偶然、その時代に生きていて、しかも、国内の多くの場所から半日もあれば、そこに行けるのです。

何をすれば良いのかわからない、ボランティアでもしなければ、迷惑になるのではないかと思うかもしれません。おそらく、迷惑もかかります。しかし、被災の現状を忘れてしまい無視するよりは遙かにマシです。

被害の大きかった石巻では、忘れられないよう「がれきマラソン」が計画されているようです

最初からボランティアをしたり、何をすべきかわかる人は少数です。

まずは被災地に観光に行ってはいかがでしょうか?

今はウニが旬です。ウニ丼を食べに行くのでも良いと思います。何かをしなくてはならないなどと気負ってしまい行かないよりは、不純な動機でも構わないのでまずは行ってみるべきだと思います。

近所のコンビニで”勇気を出して”千円を寄付するよりも、被災地でウニ丼を食べて、たくさんのお土産を買って、宮城・岩手沿岸部でとれた新鮮な魚を実家に送れば、千円の寄付よりも被災地に大きな経済効果をもたらすことができます。

もしも、被災地に行き何か手伝えることを見つけることができたならば、ボランティアに参加すれば良いのだと思います。

被災地に行く上で注意すべき点

・ その場所では多くの方が亡くなっています。そこに踏み込んでいることを忘れないようにする必要があります。


津波で流された地域は家の土台しか残っていない部分も多く、誰でも入れてしまいます。しかし、その場所には人が住んでいて持ち主がいます。誰かが勝手に入ってきたらやはり嫌だと思います。


被災地には住居から流れ出した多くのものが散乱しています。「ゴミ」と思われるかも知れませんが、それは家族の思い出の品かも知れません。ゴミではなく、人の家のものとして扱って下さい。


被災地だからといって、食事を自宅から持っていくようなことをしてはいけません!!釜石などではお店も徐々に開いています。是非現地で食事を食べてください。


寝袋など持っていかず、是非温泉宿などに泊まって下さい。ただし、宿は工事関係者が多く滞在しており満室のホテルも多いです。特にビジネスホテルの多くは満室です。しかし、1泊1万円以上する温泉宿は結構空いています。津波被害にあった釜石などはビジネスホテルが仮オープンしています。冷房がつかないなどの問題はありますが、1階が津波で流されてしまったホテルなどでも、もうオープンしています。そういったところに泊まるのも良い経験です。

・ 靴には注意してください。被災地はガラスや釘などが散乱しています。歩きやすく、底の厚い靴を履いていくのが良いです。

・ 車で行く場合は道をはずれると釘やガラスが多くパンクの可能性もありますので注意して下さい。

・ 蚊が多くなっています。虫除けスプレーと、かゆみ止めはあった方が良いでしょう。ただし、これも現地で調達可能です。

・ がれきの撤去などでホコリが多いです。マスクがあった方が良いと思います。


交通機関は数は少ないですが動いています。例えば盛岡から宮古駅まではJR山田線が動いています。釜石までは釜石線が動いています。列車で行くことができます。様々な場所に行くならばレンタカーが良いでしょう。


最後に、工事関係者の方が多く、また、大型トラックも多く走っています。道も徐々に回復していますが、道幅も狭くなっていますので、駐車場所などには十分注意して下さい。

なにより、復興の邪魔にならないよう、被災地の方への配慮を忘れないで下さい。

以上さえ守れる方であれば、是非被災地に行き自分の目で見ることをお勧めします。