誇大広告?一条工務店標準サイディングの汚れ:全面タイル(約50万円)は必要か?

こんばんは。さすけです\(^o^)/

今回の記事は、これから一条工務店のi-smartやi-cubeで家を建てることを検討しており、高額オプションの一つである全面タイルの採用を悩まれている方にお読みいただければと思っています^-^

i-smartが登場して以降、一条工務店の家と言えば全面タイルというイメージが定着しています。

一条工務店のi-smart、さらにはi-cubeではオプションとして全面タイルが選択可能です。さらに、2019年に一条工務店が新たに販売をはじめたグラン・セゾンでは標準で全面タイルとなっています。

しかし、この全面タイルもグラン・セゾンは現時点では標準仕様ですが、i-smartやi-cubeではキャンペーン等々色々あるので価格は変動しますが原則坪単価+1.3万円のオプションとなっています。40坪の家であれば50万円のオプションとなっています。i-cubeの場合は坪単価+1.6万円となっているため、64万円ものオプション費用が発生します。

標準仕様の高さを売りにする一条工務店の中ではかなり高額なオプションと言えます。

しかし、一条工務店では、この全面タイルはデザイン性もさることながら、「通常より安い」そして何より「将来のメンテナンス費用が削減できる」ということをアピールしており、将来のメンテナンス費用を考えれば全面タイルオプションの費用は安いという理屈で営業をされています。

工場見学などでも紫外線を照射して、特殊なマジックで書いた汚れが消えるという実験をご覧になった方も多いかと思います。

でもね。。。新品のタイルなら、そりゃ理屈通りに汚れが落ちる、しかも工場のような実験環境であればなおさら効果が目に見えるのは当然と言えば当然です。それで汚れが落ちなきゃ単なる詐欺です。

ぶっちゃけ、10年、20年後、本当にその「セルフクリーニング機能」なるものが効果を発揮して、サイディングなどに比べて「綺麗な状態」を保てているのかどうか?ということが一番重要と思います

もしも、ほとんど差異がなかったり、あまつさえ凸凹した全面タイルの方が汚れが目立っていたならば、そもそもの「将来メンテナンス費用の削減」どころか、メンテナンス費用が増大するというような結果だってあり得ます。

今回は、約10年を経た一条工務店のサイディング住宅とグラン・セゾンでも標準仕様となっているハイドロテクトタイルを使った住宅を比較することで、一条工務店で家を建てる際に全面タイルオプションは本当に必要なのか?ということを考えてみたいと思います。

結論から言いますと、効果ありました。ほんとはね。。。今回の記事を書くにあたって、最近のサイディングは良くなっていて、全面タイルになんかしなくても十分家は綺麗な状態になるじゃないか~!全面タイルは単なる高いオプションだ!!とか書きたかったんですよ。。。。でも実際は一目瞭然、明らかに一条工務店の標準サイディングに比べて全面タイルの方が遥かに綺麗な状態を保てていました。

値上がりを続ける一条工務店全面タイルオプション

遂に坪単価が1万円を超えて1.3万円に!

一条工務店の売りでもある、この全面タイルはi-smartの発売開始直後は「標準」として採用されていましたが、その後はオプション設定とされ、坪あたり3千円、5千円、1万円と徐々に値上がりを続け、直近ではi-smartでは1万3千円、i-cubeでは1万6千円のオプションとなっています。

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仮に40坪の家であれば、実に50万円ものかなり高価なオプションとなってしまいました。

2019年に販売が開始されたグラン・セゾンでも現時点では標準仕様の一部となっており、坪単価の中に全面タイル費用は含まれていますが、今後はオプションとなることも十分考えられます。

住宅を建てる際には色々なオプションを採用される方が多いかと思いますが、60万円のオプションとなると地盤改良工事を除けば多くの方にとって採用オプションの中でも一二を争う高額オプションとなっているように思います。

このような高額オプションですが、営業さん達は「10年~20年に一度50万円以上する壁の塗り替えや清掃費用を考えれば安い」とプッシュされているように思います。

そして、この高価格故に、全面タイルオプションを採用するかを悩まれる方も多くなっているように思います。

一条工務店の全面タイルオプションメンテナンス費用はダウト!

本当にメンテナンス費用の元は取れるのか?640万円の差額はあり得ない!

一条工務店の言い分としては、ハイドロテクトタイルを採用すると建築後50年(長っ!)で640万円もの費用差が発生しますよ!とアピールしています。

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この試算はあまりにもあまりで、一般住宅(塗り壁)で10年に1回のタイミングで100万円をかけて再塗装するというかなり大盤振る舞いの家を比較対象としていて、非現実的な試算です。

現在、吹きつけなどの外壁を採用される方はほとんどおらず、再塗装をする必要がないサイディングを採用される方がほとんどと思います。そもそも、一条工務店でも、全面タイルを採用しなかった場合は吹きつけ塗装ではなく、サイディングがオプションなわけですから、適切な比較を行うためには一条工務店の標準サイディングと全面タイルのメンテナンス費用を比較すべきです。

また、吹きつけであっても10年に一回の頻度で再塗装するというのはかなりのお金持ちぐらいで、通常は15年~20年に1回ぐらい、費用としても100万円はかからず70万円~80万円と思います。サイディングであれば、足場費用は発生しますが、50万円程度ではないかと思います。

一条工務店のハイドロテクトタイルもノーメンテナンスではなく30年目に68万円程度の費用をかけて、シーリングのしなおしが必要になりそのための足場費用も発生します。

サイディングであれば、15年に一度この68万円+清掃料(20万円程度)が発生するというイメージと思います。そのため、30年で考えれば、費用感としては70万円程度おトクになると言ったイメージで、仮に50年で考えても100万円強の差額で、640万円もの費用が差が生じるということは通常はあり得ません。

もしも、築後50年で640万円の塗装費用がかかったという方がいらっしゃったら是非連れてきて欲しいくらいです(お金持ちでしょうからご馳走してもらいます^^)。640万円もの差額が生じるというのは完全に誇大広告と思います。

ただ、これも一条工務店の全面タイルが本当に30年もの間綺麗な状態を維持できれば、の話です。

一条工務店が全面タイルオプションとして提供するハイドとテクトタイル

光触媒技術を使ったハイドロテクトタイル:でもそれって実験だけじゃない?

一条工務店が全面タイルで使っているタイルはTOTOが開発したハイドロテクトと呼ばれる技術を使って、「セルフクリーニング機能」を売りにしたタイルとなっています。

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このハイドロテクトタイルについては一条工務店も色々とアピールをしており、特殊なインクを塗布したタイル表面に水をかけると汚れが綺麗に落ちる動画などを公開しています

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同じような実験は一条工務店の工場見学に行けば実際に目の前で実験を見せてくれます。ただ、このような実験は比較対象が本当に普通のタイルなのか?また、新品タイルではなく、数十年を経ても同じ効果が出るのか?といったことに疑問が持たれます。

フィリピン製のタイルで大丈夫?:一条工務店のハイドロテクトタイルはバッタ物?

そして、このタイルは一条工務店のフィリピン工場HRDシンガポールという会社で生産しています。

他者の営業さんなどの中には「一条工務店のハイドロテクトタイルはTOTO製のバッタ物」と説明される方もいらっしゃるようです。

一条工務店で家を建てるのだけはやめておいた方が良いですよ!(ハウスメーカーとその評判)

これは人によって感じ方は様々なだと思いますし、個人的には全く気になりませんがネットで調べているとフィリピン製であることや、一条工務店のオリジナル品であることから本当に性能が出るのか?といった疑問を感じられている方もいらっしゃるようです。個人的には、今日本の工業製品で国内製という製品の方が少ないので、これは気にする所ではないかな?とも思います。ただ、一条工務店がフィリピン工場をひた隠しにするので、何かあるのでは?と気になってしまいますよね^^

一条工務店でハイドロテクトタイルを生産している工場は下のようになっています。かなり広いですね。

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ちなみに、フィリピン工場はグラン・セゾン用の工場も拡大してさらに規模を拡張されています。

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上の写真の縦横1.3kmの広大な敷地に一条工務店のフィリピン工場があります。このどこかにタイル工場があると思われます。ちなみに、左上には2019年6月時点で工場を拡大しているのがわかります。タイミングから考えてグランセゾン用の住設を生産するための工場でしょうか。2017年にはこの新工場の整地作業が進められていたことから、グラン・セゾンの販売もこの頃から考えられていたのだろうと思います。

50年後のメンテナンス費用を謳うのに、保証期間は2年って。。。

一条工務店はハイドロテクトタイルを採用することによる効果を50年もの期間を想定してシミュレーションしていますが、その保証期間はたった2年だけです

2年以内に問題が起これば当然保証として対応をしてくれますが、それ以降に問題が生じたら当然有償となります。一条工務店では30年後に目地の補修などをすれば良いとしていますが、万が一5年目に目地に問題が生じたり、タイルの汚れが酷くなっても、それは有償保証となります

それ故、建築時に50万円以上のオプション費用を支払って全面タイルにしたにも関わらず効果が全くなかったら目も当てられません。。。本当に長期的な効果が得られるのでしょうか?

2年経過する前のチェックポイントはまぼこさんがまとめていますので2年点検前に一読しておくと良いかと思います^^

一条工務店のハイドロテクトタイルが割れやすい場所とその対処法

一条工務店の標準サイディングの8年経過時点の汚れ:汚っ!

一条工務店標準サイディングで建築されたi-smartの経年汚れ

一条工務店では全面タイルオプションを採用しなかった場合、標準タイル部分を除いてサイディングによる外壁仕上げとなります。そのサイディング仕上げをして、建築後約8年が経過したi-smartの外壁をご覧下さい!

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住宅の外壁面が全体的に薄汚れている、というか、「汚っ!」と声が出てしまいそうな程汚れていることがわかるかと思います。これ、オフホワイトのサイディングですからね。。。

2階部分を拡大するとかなり汚れていることが良く分かります。

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少し斜めから写した写真が下の写真です。なんだか「創業40周年」の一条工務店ののぼりが見えますね^^

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そう。こちらのi-smartは私が家を建築時に打合せをしていたi-smartの牛久展示場になっているのです。その展示場の裏面が上記の写真です。

そのため、間違いなくi-smartですし、また、間違いなく一条工務店の標準サイディングが使われています。

建築は2011年の年ごろだったので、ちょうど8年が経過しています。ちょっと引くぐらいに汚れが目立っています。

ちなみに展示場の通路がある側面はやや薄汚れた感じはありますが、裏面ほどは汚れていません。ただ、「これからも家は性能」というのぼりがむなしく見える程度には薄汚れています。

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ここまで汚れが酷い状態で住宅展示場として放置されているのは、実はこの住宅の裏側にはもともと別のハウスメーカーの住宅展示場が建っていたためお客さんの目に触れることがなかったためで、裏に建っていたハウスメーカーがこの展示場から撤退してがら空きになったためにこれほど汚れが付いた状態を放置されるに至っています。

一条工務店の標準サイディングは記憶では最低価格帯よりはちょっと上のサイディングを採用していたはずですが、たった8年でここまで汚れてしまうと言うのは現実です。特に日光が当たらない北面はその汚れが顕著に表れます。

ここまで汚れてくると、15年程度で一度清掃しないと汚れが酷くなりすぎるようには感じます。一応フォローしておくと、この住宅展示場は脇を片側2車線の大きな道路が走っている場所なので、排気ガスの影響などは受けやすいと言えば受けやすい環境に立地はしています。ただ、それにしてもコケが生えているのはやっぱり、かなり汚れている印象を与えます。

では、全面タイルの場合はどうなのでしょうか?

建築後7年を経過した前面ハイドロテクトタイルのi-smart

目立った汚れは皆無

下の写真は、建築から7年強を経たi-smartの北側壁面写真です。そう我が家です\(^o^)/

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写真をご覧になっていただいておわかりのように、先ほどの標準サイディングの外壁と比べると、全くと言って良いほど汚れはありません。

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少しカメラを振ってみてもやはり汚れはありません。

下のように換気扇部分をしたから見上げてみてもやはり汚れは全く見当たりません。

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当然、清掃などは一度もしたことはありませんし、何もメンテナンスはしていませんが、外壁の汚れは皆無です。我が家も展示場ほどではありませんが、通りに面した位置に立地しており、条件としてはそれほど大きな違いはありません。なんだか引き渡し直後の写真を掲載しているように見えますし、そもそもコケなどが生えないような環境に立地しているように見えますが、実際はそんなことはありません。

下の写真をご覧下さい。

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室外機の上に、緑色のコケが映えていることが見て取れます、、地面も泥汚れが付着しています。また、左側のボックス類はかなり経年劣化による汚れが付着しており、タイルが綺麗な状態を保てているのはこのハイドロテクトタイルの性能と言う他ありません。

本当にハイドロテクトタイル故に汚れが付着していないのか?

本当にタイルの性能のおかげで汚れが付着していないのかまだ俄には信じられないと思います。そこで、もっとわかりやすい写真をご覧下さい。

下の写真は北側にある窓サッシとタイルの境界部分の写真になります。

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窓サッシ部分は湿度等によって付着した汚れやコケが付着し、黒く汚れていることがおわかりになるかと思います。

一方で、その直下にあるタイル部分は全く汚れておらず、全く同じ環境に置かれているサッシととタイルでこれだけの汚れの違いが出ていることが確認できます。

これらのことから、先ほどの展示場のような汚れがないのは、環境の違いではなくタイルの性能的な影響から来るものである可能性が高いことがおわかりいただけるかと思います。

タイル自体は本当に全く清掃などはしておらず、雨風に晒されているのを放置しているだけの状態ですが、汚れは全く見られませんでした。

結論:ちょっと高いけど全面タイルはお勧め

費用対効果もあるけど、それ以上に汚れないのが精神衛生上良い!

一条工務店の標準サイディングは、8年経過時点で北側部分はかなり汚れが目立つ状態になってしまっており側面についてもやや汚れが目立ちはじめた状態となっていました。そのため、北側部分には目をつむるとしても、遅くとも15年程度で清掃等をしないとかなり汚れが目立つ状態となってしまうことが分かりました。

一方で、一条工務店が640万円もの効果があるんだ~!と宣伝する、全面ハイドロテクトタイルですが、展示場よりは1年ほど経過年数が少なくなっていますが、それでも汚れは皆無であり、また、窓サッシや室外機の汚れ具合から見て、もしもハイドロテクトタイルではなく一条工務店の標準サイディングであった場合かなりの汚れになっていたことは間違いなさそうです。

費用対効果としては、先ほど計算したうように640万円は誇大広告に過ぎますが、15年程度で清掃が必要になることを考えると、費用対効果は30年で70万円程度、50年で考えると140万円程度の効果は得られると思われます。

もちろん、我が家も一条工務店の住宅展示場も建築から10年にも満たない状態ですので、この時点で20年、30年先の汚れ具合を予測することはできませんが、少なくとも10年弱を経た我が家で汚れが皆無なことを考えると、今後目地等に問題がなければ30年程度はノーメンテで行けそうに思います。

一方の一条工務店の標準サイディングは、住宅展示場であの汚れ具合ですから、清掃等を何もしない通常の住宅の馬合は汚れはよりひどい物となり、汚れ自体を我慢できるかどうかという我慢比べになってしまうことも間違いなさそうに思います^^;

現時点で、i-samrt2でハイドロテクトタイルの費用は50万円以上の高額オプションとはなっていますが、将来の精神衛生を考え、さらに、長期的なメンテナンス費用を考えると、まだまだ十分に安い価格設定と捉えることもできます。

これらのことから、個人的にはこれから家を建てる方はちょっと値段が高くて腰が引けてしまう方もいらっしゃると思いますが、全面タイルオプションは是非採用しておくことをお勧めします!