新築に吹き抜けを付けるなら音と暑さに注意?建築前なら対策可能!

こんばんは。さすけです\(^_^)/

仕事が忙しくてブログもインスタも全く更新できていません(´д`)

「一条工務店で家を建てる際に吹き抜けを付けても本当に寒くない?」というのは、これから家を建てる方にとっては結構悩ましい問題と思います。

私自身も、一条工務店で家を建てる際にかなり悩みました。吹き抜けをつけたは良いけど、実際は寒かったりしたら大後悔になってしまいますから。。。

これに関しては、毎回回答は一緒で

「冬の寒さは全く気になりません。でも、夏は暑くなります。そして、子ども部屋のまどり、トイレの場所には十分注意すると良いと思います。」

という回答をさせていただいています。

目次

一条工務店で家を建てる時に吹き抜けを付けても本当に寒くない?→寒くないけど暑い

吹き抜けのせいで寒く感じることはまずありません。

我が家の間取りは

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で書いてありますが、2階部分に7.5畳分の吹き抜けがあります。また、吹き抜け部分と2階の廊下が繋がっており2階の廊下からリビングを見下ろすことができます。2階の廊下からリビングを見下ろすと、下の写真のようになります。

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住宅の断熱性能が不十分な家の場合、このような大きな吹き抜けを付けるとダウンドラフトと呼ばれる吹き抜け上部から寒い空気が下に流れ落ちてくる現象が起こって、非常に不快な思いをすることになります。しかし、一条工務店の家に5年以上住んで吹き抜けがあって寒い、と感じたことは一度もありません。

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の記事に書かせていただいたように、リビングの室温が20℃を下回ることはほぼなく、吹き抜けを付けて寒いと感じることはまずないと言い切れます。

ただし高断熱故に暑くなります。

吹き抜けを付けることの一番の不安点は「冬に寒くならないか?」ということで、冬の寒さばかりに注目してしまいがちですが、実際に住んで見ると「夏の暑さ」の方がかなり手強いと感じます。

これは勘違いされることが多いのですが「断熱性能が高くても『太陽光』によって入ってくる熱」を防ぐことはできません。日射は光として室内に入り、その後光が壁や床に当たることで熱に変化し、その熱が室内を温めます。通常の断熱性能の家であれば、室内で暖まった熱は外気に逃げていきますが、高断熱住宅では日射によって温められた熱は外に逃げることができず、室内をどんどんと温め続けます。

模式図で書くと下のようなイメージです。

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この現象自体は吹き抜けの有無にかかわらず、高断熱住宅であればどこでも起こる現象です。吹き抜けがある事によって、この現象は加速します。

下の図のように吹き抜けがちょうど煙突の役割をし、2階部分の温度を押し上げてしまいます。

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これらの現象は窓の大きさなどによって状況は大きく異なるので一概にどうすれば良いということは言えませんが、高断熱住宅ならではの吹き抜けの問題としては夏場の暑さ対策が必須かな?と思います。

簡単な方法は、少し容量の大きなエアコン+シーリングファンを設置しておいて常に日射によって生じた熱を冷やし続けるという方法です。電気代はかかりますが、これが一番手っ取り早く快適にできる方法です。

幸い、断熱性能の高さ故に、ある程度室内が冷えてしまえばあとは日射によって生じた熱量分だけをエアコンで冷やせば快適な温度を維持できます。

日射対策にはオーニングの設置を!(個人的後悔)

この夏場の吹き抜けに熱が溜まってしまう問題への対策は非常にシンプルで、太陽光が直接室内に入り込むのを防ぐことで室温の上昇を防止できます。

最も簡単な方法は吹き抜け上部のハニカムシェードを日中に閉めてしまうことです。

今はレースタイプのハニカムシェードもあるため、これだけでかなり日射しが入り込むのを防ぐことができます。

ただし1階部分のハニカムシェードまで閉めてしまうと外が見えなくなって、せっかく吹き抜けで作った開放感が台無しになってしまいます。

そこで、1階部分の窓の上には是非オーニングを設置することをお勧めします。

我が家では

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で書いた様に、後付けで外にオーニングを設置しました。オーニングを設置するだけで室温が全く変わってきます。

実は、私が家を建てる際にこのオーニングを一条工務店のオプションにある電動オーニングにしようかと思っていたことがありました。しかし、3.6mの窓の外に設置した場合、価格が30万円以上もすることから、あきらめてしまいました。しかし、今となってはつけて置けば良かったオプションとなっています(T_T)

というのも、自分で取り付けたオーニングの場合台風のときなどには、当然取り外しが必要になります。自分が家にいるときに台風がきてくれればまだ問題ありませんが、出張中などに台風がきたら妻に取り外しをしてもらわなければなりません。。。小さな子どもを見ながら台風の日にオーニングを取り外すのはなかなかに大変な作業になってしまいます。

そのため、もしも、今もう一度家を建てるならば絶対に電動オーニングを設置すると思います。ただ値段が高いんですよね。。。

電動であるかどうかは別として、日射対策は「室外で」日射しを防ぐのが原則ですので、何らかの形でオーニングは必須と思います。

吹き抜けを付けるなら音への対策は必須

リビングの音もトイレの音も筒抜け

これは、本来は高断熱高気密とは関係のない話なのですが、一条工務店で家を建てられた方をはじめ高断熱高気密住宅では吹き抜けを設置されている方が多い印象です。

音の問題は、実際に住んでみたら「え!こんなはずじゃなかった!!」というケースが起こりやすいように思っています。

吹き抜けの周りを全て壁にしてしまえば音の問題はそれほど大きな問題とはなりにくいです。しかし、吹き抜けを付けられる際に、2階の廊下からリビングに声がかけられるようにしたり、子ども部屋からリビングに窓を作って声が聞こえるようにしたり、ということをされる方は多いように思います。

でも、ちょっと待って下さい。

壁がない、ということは音も素通りできる、ということは忘れないようにしなければなりません。

子ども部屋から声が聞こえる、2階の廊下から声がかけられる間取りに対して憧れを感じられる方も多いかと思いますが、これらの声は聞きたいときにだけ聞こえるのではなく、常に聞こえてしまいまうのです。

一条工務店の家の室内の音は特別にうるさい?

構造は変わらないけど、他の家よりうるさく感じやすい

「音への対策」が必須と聞くと、一条工務店の家が特別音が反響しやすいの?と思うかも知れませんが、そういうわけではありません。一条工務店のi-smartやi-cubeのようなツーバイ工法は「太鼓現象」と呼ばれる現象によって、2階の音が1階に響きやすいと言われることがありますが、一条工務店の家が他の住宅に比べて特別に室内の音の反響のしやすいというわけでもありません。

しかし、実際に住んで見ると「いままでの家よりも室内の音が響くように感じる」という方は多いのではないかと思います。

要するに、構造的には他の家と変わらないけれど、うるさくは感じる、ということです。何を言っているのか意味が分かりませんね^^;

一条工務店の家の防音性能→期待しすぎは禁物(しばしばあるクレーム)

このことを説明するためには一条工務店の家の防音性能について説明する必要があります。

音の問題というのは非常に主観的な問題であるため、文章で説明するのが極めて難しいのですが、あくまで私の主観として説明をさせていただきます。

一条工務店の家では住宅の周りに分厚い断熱材が施工されているため、外の音が室内に侵入しにくくなっており、これが一条工務店の家の防音効果を高めています。

一条工務店の営業さん達もこの防音効果をアピールされるケースは多いように思います。宿泊体験などの際に、テレビの音量を大きくして外に出ても音漏れが少ないのをアピールされたという方もいらっしゃるかと思います。

おそらく鉄筋コンクリート造のマンションに住んでいた方であれば、それほど大きな違いは感じないかと思いますが、築年数が経ったアパートや戸建てから一条工務店の家に引っ越すとその防音性能に驚くかと思います。

ただし、これは個人的な意見として、この一条工務店の家の防音性能はあくまで「断熱材の厚さの『おまけ』」であって、防音室のように本当に静かになると言うことはない、という点に注意が必要と思っています

一条工務店の住宅の防音性能→低くはないけど、期待しすぎは禁物

我が家を例にすれば、室内でピアノを弾けば外にもその音は漏れますし、また、外で消防車のサイレンが鳴っていればその音も聞こえます。

島村楽器のサイトに具体的な数値がありましたので紹介します。いわゆる騒音は「db(デシベル)」と呼ばれる数値で表されます。

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騒音として、パチンコ屋の店内の騒音がおおよそ90デシベル程度、幹線道路沿いの騒音は70デシベル程度であるとされています。

島村楽器のサイトによれば、防音室というのはその遮音レベルが-30~-50dbあるとされています。すなわち、上記の騒音を30デシベル~50デシベル下げる効果がある部屋を防音室と呼びます。

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(参考:島村楽器サイトより

一方で、一条工務店の家のような高断熱高気密住宅ではその防音性能は40デシベルから45デシベルであるとされています

主要幹線道路沿い(騒音70デシベル)の環境にあっても、室内は30デシベル程度(ささやき声程度)の騒音レベルまで騒音を下げる効果があると言えます。

こうしてみると、一条工務店の家の防音性能は防音室と同程度であり、一条工務店のような高気密住宅の防音性能は極めて高いように見えます

一条工務店の営業さん達もこのような数値を使って「一条工務店の家の防音性能は防音室と同程度」というようなアピールをされているケースもあるようです。

しかし、これはよく聞く話として「防音室と同程度の防音性能」と言われていたのに、実際に住んで見ると室内で引いているピアノの音が外に結構漏れてしまう、といったクレームになっているケースをお聞きすることがあります

実は、一条工務店の防音性能は防音室に比べるとずっと低いのです。。。

ここにはトリックがあります。トリックという程大げさでもなく、言われてみれば当たり前のことなんですが。。。

一条工務店の住宅は確かに最大40デシベル程度の遮音性があります。しかし、例えば30デシベルの防音室と比べても防音性能はずっと劣ったものになっています。

何故かというと、防音室は「家の中」に作るものだという点を無視した議論だからです。

一条工務店の家の室外で90デシベルの騒音があるとき、室内の騒音レベルは概ね50デシベル程度にすることが期待できます。

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一方で、一般の住宅(防音性能30db)の家の中に防音施工を行った場合、住宅そのもので30dbの音が遮音され、外の騒音は60デシベルに下がります。さらに防音室が設置されていれば、そこからさらに30デシベルの騒音が低減します。結果として、室内に防音室を設置することで室外の騒音は60デシベルも遮音されることになります。

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このように防音工事はそもそもある程度防音効果のある、室内でさらに遮音性を高めていることから、最も低いレベルの防音工事であったとしてもその遮音性は一条工務店の家の防音性能よりもずっと高いものとなるのです。

確かに数値で比較すれば一条工務店の家の遮音性能は40dbですが、通常の家の室内に設置された30dbの防音室は住宅そのものの防音性能30dbに追加的に施工されるため、室外の音の遮音性能は60dbに達します。

そのため、一条工務店の住宅に「防音工事」と同程度の遮音性を期待すると期待外れということが起こってしまうのですいわゆる防音工事をした防音室と比べれば一条工務店の家の防音性能はずっと低いものと考えておく必要があります。

このようなトリックというか、防音工事のそもそもの前提を無視して営業さんなどが一条工務店の住宅の防音性能をアピールしすぎて、後々クレームになっているケースもしばしば見かけます。あくまで、通常の住宅よりも防音性能がやや高い、と言う程度に思っておくのが良いかと思います。

ただ、実際問題として幹線道路沿いに家を建てるケースや、室内でピアノやドラムなどの楽器を演奏したいというケースを除けば一条工務店の住宅の防音性能は十分と言えます。

なぜ一条工務店の室内騒音は特別にうるさく感じるのか?

まわりが静かだと小さな音でも気になる

一条工務店の防音性能は、防音室などと比べると高いとは言えませんが、それでも一般的な住宅に比べると十分に高いものとなっています。

ただし、これは室外から侵入してくる騒音のみについて言えることで、室内の音は通常の住宅とその防音性能は同程度となっています。

一般の住宅では、室外が70デシベルの場合、室内は40デシベル程度、ちょっとざわついた図書館程度の騒音レベルですが、一条工務店の家の場合、あまり人がいない静かな図書館(30db程度)といった騒音のレベルになります。(実際には窓などがあるので一条工務店の家、通常の家とも+10db程度と思います)

ざわざわした図書館の中で机から物を落としても余り気になりませんが、静まりかえった図書館で机から物を落とすと、その音が気になることがあります。

一条工務店の室内騒音がうるさく感じるのは、室外からの騒音が遮断されていることに起因しています。

そのため、営業さんなどは「一条工務店の住宅は遮音性が高いためにうるさく感じてしまうことがあるけど、それは一条工務店の住宅の遮音性が高いからそう感じてしまう。」と言って性能の高さをアピールすることも多いかと思います。

ただ、これは机上の論理であって、実際に一条工務店の家に住む者の感想として、

音が響くように感じる、うるさいものはうるさい

ということは事実と思います。理屈がどうであろうと、うるさいものはやっぱりうるさいのです。

一条工務店ならではの「吹き抜け」の存在

ただ、周りが静かだとその他の音が気になりやすいというのは別に一条工務店の家だけで起こることではなく、高気密住宅であれば多かれ少なかれ同様のことが言えます。

しかし、その他の高気密住宅では室内騒音がそれほど問題視されないのに一条工務店の家ではしばしば室内の音が響くという意見が見られることは事実です。

なぜ一条工務店の家だけが室内騒音が目立ちやすいのか?という理由は、遮音性が高く室内の音が目立ちやすい、という理由以外にもう一つ理由があります。

それは「吹き抜け」の存在です。

先にも書いたように、高断熱高気密住宅では吹き抜けを設置しても寒さを感じることはありません。吹き抜けはリビングや玄関などに設置することで広い空間を実現でき、開放感を得ることができます。そのため、高断熱高気密住宅では一般的な断熱性能の家に比べて吹き抜けの設置比率は高くなっていると推察されます。

いやいや、別に吹き抜けなんて一条工務店だけの話ではないじゃないか?と思われるかも知れません。

しかし、高断熱高気密住宅だけを見ても一条工務店の住宅では吹き抜けの設置比率は飛び抜けて高くなっていると思われます。

なぜ一条工務店の家では吹き抜けの設置比率が高くなっているかと言えば、「お金」の問題が大きく関係しています。

一条工務店の家、特にi-smartとi-cubeは基本的に総二階建てとするケースが大半です。総二階建てというのは、下の図のように1階の面積と2階の面積が等しい家のことです。

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一条工務店の住宅の価格は色々なルール等々ありますが、基本は非常にシンプルで、(1階の施工面積+2階の施工面積)×平米単価、という形で計算されます。

これだけであれば総二階にする必然性はありませんが、ここで2階部分は屋根にしても面積を半分として計算される、という価格算定ルールが存在しています。

すなわち、1階面積が50㎡の時、総二階建てであれば2階部分も50㎡となりますが、仮に2階部分にそれほど面積がいらないとして2階部分を30㎡にしたとしても価格算定上は

(1階部分50㎡+2階部分30㎡+屋根部分20㎡×0.5)=90㎡

を施工面積としてこの90㎡に単価をかけることになります。2階部分を屋根にしたのに、その屋根部分20㎡×0.5=10㎡分の価格が付加されてしまうのです。

ざっくり1㎡単価が15万円とすると、ただの屋根に150万円支払うことになります。

ただ一条工務店の価格算定ルールでは、屋根とするのではなく、吹き抜けにしても全く同じ価格算定が行われます。すなわち、150万円で吹き抜けが設置できるということになります。

一般に1階部分に比べて2階部分に必要となる面積は少なくなります。余分な部屋を20㎡分設置した場合、費用は300万円になりますが、屋根にしたり吹き抜けにすることで費用を150万円に抑えることができます。

屋根にするか、吹き抜けにするか?と言われれば、吹き抜けを選択する方が大半と思います。

結果的に一条工務店の住宅では価格算定ルールもあって吹き抜け設置の住宅が多くなりやすくなっています。

そして、この吹き抜けの存在が「室内騒音」を、より目立つ物にさせます。

なぜ吹き抜けがあると騒音が気になるのか?

家の中に住んでいるのは、家族ですから、例えばリビングにみんなが集まっているときに、家族の話し声がうるさくて気になる、というケースはあまり無いかとおもいます^^;

すなわち、リビングの中だけの騒音であれば、室内騒音が気になることは通常あまりありません。

しかし、リビングに吹き抜けが設置されており、吹き抜けを通じて2階に子ども部屋があって、子どもが勉強していたらどうでしょうか??

リビングでテレビを見ている音は吹き抜けを通じて子ども部屋まで筒抜けになります。

勉強をしているのに、リビングのテレビの音が聞こえてきたら、、、家族であっても「ウルサイ」と感じるはずです。

また、2階にトイレが設置されていて、トイレを流す音がリビングに聞こえたら、、、家族であってもイヤデスよね。。。

寝室でまだ寝ているのに、早起きの家族がリビングでテレビを見始めてその音が聞こえてきたら、、、やっぱりうるさく感じます。

リビング、子ども部屋、寝室などが本来、それぞれ異なる機能を持った空間同士が吹き抜けを通じて繋がってしまい、異なる機能を有する部屋に音が漏れてしまうことが室内騒音を目立たさせる大きな要因であると思います。

吹き抜けは確かに開放感があって、実際に住んでいる感想として、これから家を建てる方には是非採用して欲しいと思います。しかし、吹き抜けには音漏れの問題を生じさせやすいという特徴がある点は注意しておく必要があると思っています。

ただ、吹き抜けを設置した以上、室内の音漏れの問題はあきらめなくてはいけないのか?というとそうではないように思っています。

これから間取りを検討される方であれば、事前に音漏れを想定した対策を取ることで、吹き抜けの開放感を得つつ、騒音を気にならないレベルにすることができると思います。

具体的に、私自身が住んで吹き抜けを設置して感じる音漏れに注意すべきポイントと工夫を書かせていただきます。

吹き抜け設置時の室内騒音対策:トイレ編

トイレの位置とトイレのドア

室内の音漏れで一番気になるのは、「トイレの音」と思います。

ちなみに私の家ではこの対策に失敗しました。。。

我が家の2階の間取りをご覧下さい。南側に7.5畳の吹き抜けがあり、吹き抜けと2階の廊下は繋がった状態となっています。

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結果として、2階でトイレを流せば1階のリビングにも聞こえます。。。

リビングに吹き抜けを設置し、2階のトイレを廊下に設置するというのは極々普通の間取りと思います。というか、リビングに吹き抜けを設置して、2階にトイレを設置する以上、これ以外の選択肢はありません。

音漏れの根本対策としては2階にトイレを設置しなければ良いのですが現実的ではありません。ではどうすれば良いのか?というと2つの対策をすることで音漏れはかなり防ぐことができます。

吹き抜けに面したトイレの扉は「開き戸」にする

一般的にはトイレや室内の扉には、引き戸と開き戸があります。引き戸は横にスライドさせて開くタイプの扉です。開き戸は取っ手を持って手前に引くことで開く扉です。

ここで、開き戸と引き違いの引き戸では、音漏れの程度が大きく異なります。

一般に引き違いの扉に比べて開き戸の方が防音性が高くなります。

そのため、吹き抜けを設置した2階部分に設置するトイレの扉を「開き戸」にすることで、トイレの音が吹き抜けに漏れにくくできます。

我が家の場合、「引き戸」としてしまったことで結果的に音漏れがしやすい構造となってしまいました。

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もちろん、開き戸を防音扉にすることができれば効果は絶大ですが、いかんせん一条工務店の防音扉は値段が高く、私が家を建てた当時でも7万円ぐらいしました。そこまでするかどうかは各ご家庭の判断と思います。また、防音扉はぴったりと締まるため扉が閉めにくいという面もあります。日々使うトイレの扉が閉めにくいのはストレスに繋がるかもしれません。トイレに防音扉を採用される場合には、実際に一条工務店の展示場で防音扉を何度も開け閉めして使い勝手を確認されることをお勧めします。

ただ、引き戸に比べれば開き戸の方が防音効果は高いですが、一条工務店の通常の開き戸は下の方に1cm程度の隙間が空いているため、防音性が高いとは言えず、防音扉にするか、通常の開き戸にするかは難しいところと思います。

廊下に面した壁にグラスウール施工をする

我が家では、1階と2階部分、また趣味のサーバルームの壁面にグラスウールを施工することで防音性能を高めています。

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しかし、トイレの壁にグラスウールを施工するということまで思い至らず、トイレの壁は通常の壁となっています。

これから家を建てる方には是非トイレ部分の壁にはグラスウールを施工することをお勧めします。値段はそれほど高くなく、1万円程度ではないかと思います。

グラスウールを施工しただけでどの程度の効果があるのか?と思うかも知れませんが、生活音程度であればかなり高い防音効果を得られるかと思います。

実際に我が家ではサーバルームの壁面に設置したグラスウールのおかげで、ファンの音がうるさいサーバ類の音はほとんど聞こえることがありません。

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ちなみにサーバルームには防音扉も設置しており、サーバの音や、サーバがエラーなどで発するビープ音などもほとんど聞こえなくなります。

防音扉は値段の高さや、使い勝手の悪さという問題を生じさせますが、グラスウールは入れてあることでのデメリットはほとんどありません。そのため、吹き抜け部分に設置したトイレには是非グラスウール施工をお勧めします。これだけでもトイレから漏れる音がかなり低減するかと思います。

吹き抜け設置時の室内騒音対策:居室編

居室の防音対策は収納の配置の工夫でかなり低減できる

吹き抜けを設置した場合の騒音として、リビングの音が2階の居室に響いてしまうと言う問題が挙げられます。

先に示したように、1階でテレビを付けて、2階で子どもが勉強している場合、子ども部屋にはテレビの音がかなり響いてしまいます。

これを防止する方法として、吹き抜けの周辺に「収納を配置する」という方法が挙げられます。

我が家の間取りを例にすれば、下の赤枠で示した部分のように吹き抜けや廊下と接する部分に収納を配置するイメージです。

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収納の中には洋服などを入れますし、また、収納があることで防音のための緩衝地帯を作ることができるため、高い防音効果を得ることができます。

吹き抜けの周囲にぐるっとグラスウールを施工する

ただ、そうは言っても、吹き抜けの周囲を全て収納にすることもできないかと思います。

そこでお勧めしたいのが、ここでも再びグラスウールを使った防音施工です。トイレの壁面に比べると面積が広くなるため値段は数万円程度にはなってしまうかと思いますが、吹き抜けの周囲のうち居室と接する面に全てグラスウールを施工することで、リビングの音を居室に届きにくくすることができます。

我が家を例にすれば吹き抜けと居室が接する部分は赤線で示した位置になりますので、この部分にグラスウールを施工することで、リビングの騒音が壁を伝って居室に入ってきてしまうことを防ぐことができます。また、グラスウールを施工することで夏場に吹き抜け上部に貯まってしまう熱が居室側に入りにくくするという副次的な効果も期待できます。

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そのため、吹き抜け周囲にはとグラスウールを施工することをお勧めします。

居室への防音扉は非推奨

一条工務店では居室の扉に防音扉を設置することができます。おそらく、吹き抜けに接した壁面にグラスウールを施工し、さらに居室に防音扉を設置すればほぼリビングの音が聞こえないレベルにすることができるかと思います。

また、先に挙げた吹き抜けの周囲へのグラスウール施工は、一定の効果は得られるものの、結局扉がそれほど厚くはないため、リビングの音は扉を伝って侵入してきてしまい、うるさいものはやっぱりウルサイ、ということになろうかと思います。

吹き抜け周囲へのグラスウール施工は、あくまで、おまけというか、予防的な対策といった位置づけです。ドアの下に隙間があってぴったりと締まる分けではないために音漏れを完全に防ぐことができる対策ではありません。

そう聞くと、居室に防音扉を設置したい、と思う方もいらっしゃると思いますが、個人的には居室への防音扉の設置はお勧めしません

一条工務店の家の扉の下に隙間は、この隙間を使ってロスガードから送られてくる空気を循環させることを目的としてわざと開けられています。

しかし、防音扉を設置してしまうとロスガードから居室に空気を送っても、その空気がロスガードに戻ることができなくなってしまいます。そのため、防音扉を設置した場合はロスガードから空気を送るのではなく、別途部屋の中に独立した熱交換型の換気システムを設置する必要があります。

結果的にせっかくロスガードがあるのに、性能が低く、費用もかかる熱交換換気システムを別途設置する必要が生じてしまうため、楽器を弾く部屋など特殊な部屋を除いては居室に防音扉を設置することはデメリットが大きすぎると思います。

リビングの音が居室に侵入を防ぐためには防音扉の設置は効果絶大ですが、デメリットが大きいため、個人的には推奨はできません。

じゃあ、どうすれば良いの?と思われるかも知れませんが、この点については私も解決方法がなく、あきらめるしかない、というのが現状です。

唯一あるとすれば扉を2重にするという方法ですが、部屋に入るのにいちいち2枚の扉を開け閉めするのは面倒すぎます。。。

ちなみに、トイレは防音扉にしてもこの換気の問題はありません。トイレはそもそも個別に換気扇が付けられているため、防音扉で気密区域が異なってしまっても問題がないためです。

まとめ

吹き抜け設置の際は音の対策も忘れずに!

高断熱高気密住宅では、吹き抜けを設置される方も多いかと思います。

吹き抜けは開放感もあり、高断熱高気密故に寒さもないことから本当に間取りに余裕があれば是非採用して欲しいように思います。

ただ、寒さには強い一方で暑さの問題、そして、なによりも音の問題は見落とされがちな問題と思います。

私自身は1階の音が2階に響いたり、2階の音が1階に響くことを防ぐという点では、1階と2階の間の全ての床にグラスウールを施工し、かなり防げたと思っています。しかし、実際に住んで見ると想像以上に吹き抜けを通じて音が2階に漏れてしまうという点については盲点でした。

1階と2階の間にグラスウールを敷き詰めたことで、2階で歩く音などが1階に響くということはほとんどありません。また、床側から1階の音が入ってくると言うこともほとんどありません。しかし、吹き抜け側から居室に音が入り込んでくるのは十分に防ぐことができませんでした。

これから家を建てる方であれば、間取りの工夫や、グラスウールの壁面施工、扉の種類へのちょっとした気遣いなどによって吹き抜けを設置しながら音漏れをかなり防止することができるかと思います。

居室については扉の防音性能が低いため、限界もありますが、トイレについてはかなりしっかりとした対策が可能と思います。

吹き抜けを設置される際には是非、吹き抜けを通じた防音対策をされることをお進めします\(^_^)/