こんばんは。さすけです。
ネズミ・コウモリ問題に対してはかなり厳しいことも書いてきたこともあり、その後の状況についての問合せをいただくことが増えてきました^^;
[kanren postid=”12594″]いただくご意見の多くは、既に問題を指摘を受けてから2ヶ月以上経とうとしているのに、何も対策を取っていないのではないか?一条工務店はこのまま問題をうやむやにしようとしているのではないか?といった批判が主なものです。一条工務店としての対応が見えない状況で不安を感じられている方もいらっしゃるのだと思います。一方で、具体的な対策を取られた方もいらっしゃることを確認しています。また、先日は一条工務店で我が家を担当された監督が来られて、被害状況に関するヒアリングもありました。その際に一条工務店としての対策の状況や方向性についても伺うことができました。
結論としては、今回のネズミやコウモリの侵入については一条工務店側はきちんとした形で対応を進めている(進めようとしている)状況を確認しています。これは、引き渡し済のお宅も含めて、また、地域に偏りのない形での対応が行われることと理解しています。ただし、現状では施工中の方の住宅を優先して対策が進められており、引き渡し済のお宅への対応については原則として無償での対応方針は決まっていますが、技術的な課題から対応方法は検討中の段階となっていることも確認しています。
この問題では私自身大騒ぎしたこともあり、全てが決定するまで静観するつもりでいましたが、不安の声も多いことから、ここまでに私が把握できた範囲で一旦まとめておきたいと思います。現時点ではまだまだ決まっていないことも多く、今後状況が変わる可能性もあることをご承知いただいた上でお読みいただければと思います。
一条工務店が決定した対策・検討中の対策
一条工務店によるヒアリング調査
既に他にもブログで調査を受けたことを書かれている方もいらっしゃいますが、私も一条工務店からネズミ・コウモリの被害状況についてヒアリング調査を受けました^^;←どっちがヒアリングしているのか分からないようなヒアリングでしたが^^;
ヒアリングの過程では、現状の進捗状況や、技術的な課題を聞くことができました。また、今後の対応方針についても意見を求められたので、私なりの考えを述べさせていただきました。一条工務店としては、すぐにでも対応をしたいと言う考えのようでしたが、あくまで私の個人的な意見として時間をかけての対応をした方が良いという意見を述べさせていただきました。それが影響してかは分かりませんが、一条工務店としては時間をかけて検討している状況と思っています。
時間をかけるべきと考えた理由は、今回の問題は人命に関わるようなことではないこと、また、万が一被害が発生してもしっかりとした保証の方針さえ示されていた上で被害が発生した場合の保証が実行されてさえいれば、生じた被害は回復不可能間ものではないと考えているためです。それよりも、拙速に結論を求めすぎて対応が中途半端なものとなってしまえば、長期に一条工務店で家を建てた方全てにとっての不利益に繋がると考えました。そのため、今回のネズミ・コウモリ問題については時間をかけて対応をすることが必要であると考え、時間をかけて急ぎすぎない対応をお願いした次第です。
現状では一条工務店としても、全てが決定できていない状態であるため、公式なアナウンスが行える状態にはないとも理解しています。そこで、私がヒアリングの際に聞いた一条工務店の監督からの話を私なりの理解に基づいて書かせていただきます。あくまで、私の解釈であること、監督からの伝聞であるため、間違い等がある可能性があることはご承知おき下さい。ただ、一条工務店としても今回のさわぎの発端が私にあることは分かっていて「ヒアリング」に来ていると思いますから、そのばを取り繕うための適当なことは言っていないはずと思っています。。。また、実際に被害に遭われた方や上棟した方のお話しともつきあわせて、一条工務店が私に説明してくれた内容が実行されていることも確認していますので、ある程度の信頼できると思っています。
一条工務店としての対応方針:原則として無償での保証
現時点で把握できている一条工務店の対応方針は以下の通りです。
- ネズミ被害に遭われたお宅への駆除と補修工事
- コウモリ被害に遭われたお宅の駆除と必要に応じての侵入経路へのシーリング工事
- 今後引き渡しとなるお宅へのネズミ・コウモリ侵入防止対策工事
の全ては無償で行われています。また、引き渡し済のお宅に対するネズミ対策施工についても全て一条工務店側の負担で無償で行われる方針であることを伺っています。
ただし、引き渡し済のお宅への対策施工については、具体的にどのように対策を行うのかの詳細は決定していません。これについては後ほど、何が決まっていて何が決まっていないのか、なぜ決まっていないのかを書かせていただきます。
ここで「原則無償」という書き方をしている理由は、コウモリの対策について有償・無償が確定していない部分があるからです。ネズミ対策については被害の有無にかかわらず被害の防止対策も含めて無償での対策が行われるとのことです。一方で、コウモリ被害については「引き渡し済かつ、コウモリ被害が出ていないお宅に対しての防止対策」については、有償・無償の決定ができずにいる段階となっています。これについてはコストの問題と言うよりも技術的な問題が大きいと理解しています。
いずれにしても、示された方針は当初私が想定していた引き渡し後2年以上経た住宅についても無償対応を行っていく方針を出したことは、想定以上の対応と思っています。
対応方法は3パターン
今回のネズミ・コウモリ問題についての対応は上棟次期によって異なる手法が採用されています。ただし、いずれの対策も施工性の違いはあるものの、効果には大きな違いが無いためその点は心配しなくて良いかと思っています。
対応は以下の3パターンで行われています。
- 7月16日以降に上棟したお宅:城東テクノの防虫金網による施工
- 10月以降に上棟されるお宅(予定):一条工務店自社生産による金物による施工
- 引き渡し済のお宅&7月16日以前に上棟したお宅:一条工務店が特注したネズミ・コウモリ侵入防止用後付けネットによる施工
個人的には7月16日以降に上棟したお宅で防虫金網が取り付けられているお宅については、問題は解決したと思って良いと考えています。7月16日以前の上棟でも一部地域では金具が取り付けられている地域やお宅もありますが、これは全社的な対応ではなく、エリアなどによる対応であったようです。また、引き渡し済のお宅への対応についても、ほぼ最善の対応が取られる予定であると理解しています。感情的に非常に難しいのが、今回の問題が指摘された6月13日~7月16日の間に建築中または上棟が行われた住宅で、防虫金網が施工されていない家と思います。
これから建築される方への一条工務店によるネズミ・コウモリ侵入防止対策
7月16日上棟以降のお宅については城東テクノ防虫金網によって対策
7月16日以降上棟のお宅については全てのお宅でネズミ・コウモリへの対策が行われた状態で建築が行われていると聞いています。具体的には以前ネズミ被害に遭われたお宅で施工された城東テクノの防虫網による対策が行われています。
下記の写真はまぼこさんのお宅でのネズミ・コウモリ侵入金物取付位置の様子です(写真の利用許可ありがとうございます^^)。
ネズミの侵入防止対策として上記のオレンジで囲まれた部分のうち、基礎に近い側に防虫金網が取り付けられます。また、屋根側に近い方にもコウモリの侵入防止対策として防虫金網が施工されます。まぼこさんのお宅では、防虫金網の施工待ちのためタイルの貼り付けを待機した状態にあるとのことでした。いずれにしても基礎側、軒天側の両方にネズミやコウモリが侵入してこないよう金網が取り付けられることになり、ネズミやコウモリの侵入はほぼ完全に防げる状態で施工が行われるようです。
まぼこさんのお宅についても防虫金網の納品待ちをしており、上の写真のように金具取付位置のみ施工を待った状態で、内装が進められていたようですが先日城東テクノの防虫金網が届いたとのことでした。
この他にも、みっちぃさんのお宅などでは城東テクノの防虫金物の取付が完了している様子なども公開されています。
10月以降は一条工務店オリジナル金物による施工
現時点では城東テクノ製の防虫金網によってネズミ・コウモリの侵入対策が行われていますが、9月または10月上棟あたりからは一条工務店のオリジナル金物による施工に変更となる予定とのことです。
下記の写真は先日、一条工務店によるヒアリングを受けた際に見せていただいたサンプル金具です。城東テクノ製の防虫金網に比べると穴の大きさが大きくなっており、また一条工務店の通気層サイズにぴったりあうように小型化されています。また、城東テクノの防虫金網は名前が示すとおり「防虫」を目的としているため、穴のサイズが2mm程度と小さくなっています。そのため、将来的には通気層の目詰まりのリスクが懸念されます。そこで、一条工務店としては目のサイズをより大きくしたオリジナル金物を製造して、この一条工務店オリジナル金物で施工を進めるというお話しでした。
こちらの金具は6月末時点では既に金型が発注されており、金型ができてすぐに試験製造が開始され私が見せてもらったのは、その試験製造サンプルとなっています。下がそのサンプルですが、1cm程度の楕円の穴が開けられていることが確認できます。
材質は見た目と触った感じから、城東テクノの防虫金網と同様ガルバリウム鋼板と思います。
今後の施工については上記の金物によって、ネズミやコウモリの侵入が懸念される全ての箇所に対策が行われるため、ネズミやコウモリの問題はなくなるはずです^^ このことから、一条工務店で家を建てて、今後引き渡しを受ける方については、ネズミやコウモリが通気層に侵入してしまうことを心配する必要はなくなったと理解しています。
引き渡し済のお宅への一条工務店の対策の変遷
引き渡し済の住宅についても無償で対応が行われる
引き渡しを受けた方は、ネズミの侵入リスクが高いi-smart、i-cubeのツーバイ住宅では引き渡し時期にかかわらず全てのお宅で無償でネズミの侵入防止対策を受けることができるようになるとのことです。ただし、現時点では、それが何時になるかはまだ決定していません。現在はより施工性が高く、また、長期にわったって問題なく使用し続けられる耐候性の高い部材で、私達顧客側の負担がない形の対応方法を検討している段階と理解しています。
そうは言っても、何をどのように対応しているのかが分からない状態では不満も大きくなると思います。私もそうです。下記では、私が聞いた引き渡し済の住宅に対するネズミ侵入対策施工の技術的な対応について書きたいと思います。
最初は施主が自分で取り付けする予定だった!?
引き渡し済のお宅に対してもネズミの侵入防止対策を無償で行うことは、かなり早期の段階、少なくとも一条工務店からヒアリング依頼を受けた6月末時点で決定していました。
その時点では一条工務店からはネズミの侵入を防止するために水切り部分に設置する部材をお客さんに送って自分自身で施工をしてもらう方針の説明を受けました。
下記の写真を見せてもらい、確かにお客さんが自分で水切り部分に対策ができものであることは理解できました。
これはウレタン製の部材で、下の写真のように水切り部分に押し込んでいくだけの簡単な作業なので誰でもできると言えばできます。。。
確かに、自分の家の対策を自分ですれば迅速により多くのお宅で施工を完了させることができます。しかし、これについては私の個人的な意見として、反対をさせていただきました。。。
だってですよ、ブログを読んでくださっていて、ネズミの侵入が深刻な被害をもたらすことを知っている方は一条工務店の家に住まわれている方のうち極々一部に過ぎません。そのため、ネズミ侵入防止対策グッズが送られてきても意味が分からない上に、家の全周に自分で施工をするとなると1時間か2時間はかかる作業になって、非常に面倒です。。。そうなると、部材は送られてきても施工をしない方が大半になるはずです。そもそも、「自分で対策をしろ」というのは、ちょっとどうかと考えました。一条工務店としては、より早く、より多くのお客さんにしっかりとした対策を取るために限られた人手の中で対策をしなければならないため、簡単な作業をお客さんにやってもらおうという方針は、ある意味斬新ですが、個人的にはそのような中途半端なことはしない方が良いとと言う考えを述べさせていただきました。
また、何よりも高齢の方や体が不自由な方にとっては簡単な作業であっても、その労力は大きなものとなります。そのため、仮に「施主に自ら対策を取ってもらう」という方針を採用する場合は、有償であっても良いから、一条工務店が施工してくれるプランも提供して欲しい旨を要望しました。
私が、当初から「急がず時間をかけてしっかりとした対応をして欲しい」と要望を出した背景には、一条工務店は良かれと思って突っ走るところが多々あるため、時間をかけて最善の策を見つけて欲しいと思っていた部分があります。「お客さんに施工してもらおう」という発想などは、まさに一条工務店らしくもあり、一方で、拙速と批判を受ける要因になってしまう部分と思っています^^;;これ、一条工務店は誰も止めなかったら上記のウレタン部材をお客さんに大量発送してしまいますからね^^;;;よく言えば斬新な発想でフットワークが軽いのですが、悪く言うと考える前に動き出すところがあるように思っています。。。そが一条工務店の良いところなのかも知れませんが。。。
いずれにしもて、私の反対が通じたかは分かりませんが、結果として自分で施工をするという案はなくなり、一条工務店側で責任を持って施工する方針に変更されました^^;;
施工部材に求められる必須条件
ネズミ対策としては、水切り部分を何かで埋める必要があるという点は間違いなく、水切り部分を埋める部材を色々と模索されていたようです。
水切り部分を埋める部材としては
- ネズミが食い破ることなく、長期に侵入を防止できること
- 通気性を保てること
- 耐候性が高いこと(長期間劣化しないこと)
- 施工が容易であること
が求められます。意外と簡単なようでなかなか部材を探すのは難しい課題だったようです。
1番のネズミが食い破らないというのは当然の要件です。ネズミは「堅いものを好む一方で弾力性のあるものが嫌い」です。ネズミは木材や塩ビパイプのように堅い部材は容易に食い破りますし、好んで噛みつきます。一方で、スポンジなど弾力性のある素材を嫌う習性を持っています。そのため、ネズミに穴を開けられないためには、「鋼板金網」のようにネズミの歯に耐えられるような強力な部材を使う以外にも「ネズミが咬みたくなるような柔らかい部材」で塞ぐことも対策になります。「硬い部材」は取り回しが容易ではなくなるため、引き渡し済のお宅については「弾力性のある部材」によって検討が進められています。
2番の通気性を確保するためにはネズミやコウモリが侵入できない程度に目が粗いことが必要になります。また、3番の耐候性は水切り部分は外気に晒される部分ですから通常想定される住宅の寿命である30年間にわたって気温の変化や直射ではないにしても紫外線による劣化に耐える必要があります。また、引き渡し済のお宅に負担をかけないためには素早くせこうができることも求められます。
検討されてきた部材
一条工務店では、先に示した必須要件を満たす部材についてかなりの種類の部材について検証を行ったようです。以下はヒアリングの際に持ってきていただいた、これまでに検討をした有望部材の一部とのことでした。
最初に検討されていたのが、先に自分で施工できる部材として取り回しが容易な「ウレタンスポンジ」です。次に検討されたのが、サランラップと似た名前の「サランロック」、そして、現在最も有望な部材が上記写真の「樹脂管」になります。どのような経緯で樹脂管に落ち着いたかについて示します。
ウレタンスポンジ:耐候性から却下
まず、先の写真にもありましたが、一番最初に検討したのがウレタンスポンジだったようです。これは伸縮性に優れており取り回しも容易である事から「施主が自ら施工する」と言う点では優れていると目されていたようです。メッシュが細かいことなどから目詰まりを防止するために小さなパンチ穴を複数開けてテストするなどをして来たとのことでした。
しかし、このウレタンスポンジについては、10年以上前に一条工務店の倉庫に入れられていた部材があり、これを確認したところ手で握るとぼろぼろになる程に耐候性が悪かったことから却下されたとのことでした。
サランロックスポンジ:施工性から却下
サランロックとは、サランラップと同様旭化成の製品になります。これは通常フィルターなどに使われることが多い部材ですが、耐候性に優れており伸縮性も高いことから今回のネズミ侵入防止器具として検討が行われたとのことでした。
下の写真のように私が力をほとんど入れずに握ればその形に縮みます。
下も同じサランロックの少し目の荒いタイプになります。
こちらは弾力性は低く、一度潰すとなかなか元にもどらない印象でした。
ただ、こちらの製品は水切り上部に押し込もうとしても縦方向には押し込むことができません。。。
また、伸縮性は高いのですそもそもがフィルターでもあるため、長期の目詰まりの問題も出てきてしまいます。(ってかなんでこれを検討したのだろう?)
そのため、ネズミの侵入防止対策としては却下されたようです^^;;
引き渡し済のお宅への一条工務店の対策最終候補とその施工
現時点での最有力候補:積水化学工業またはタキロン製の樹脂管
で、現時点で最有力候補となっているのが、下の写真の矢印の先にある黒いチューブ状の部材です。
合成樹脂でできており円筒形状になっています。部材の詳細は確認中とのことでしたが、触った感じからするとPF管などと同じポリエチレン・ポリプロピレンなどの素材でできていそうな手ざわりでした。ようするに耐候性の高いプラスチックです。
他の部材に比べるとかなり硬い部材という印象です。
ただし、曲がらないほど堅いわけではなく下の写真のように割れることなく折り曲げも可能です。
こちらのチューブは複数の大手ハウスメーカーで通気層への施工グッズとして使われており実績もあるとのことでした。
樹脂管は現在促進耐候試験中?
上記の樹脂管は最有力候補であり、他のハウスメーカーでの施工実績もあるとのことでしたが、一条工務店では現在促進耐候性試験(加速劣化試験)を行っており、その試験結果を見て耐候性の判断をするとのことでした。促進耐候性試験とは、20年や30年間に浴びるであろう紫外線を時間を短くして一気に照射してその劣化状況を確認したり、急速な温度変化を与えるといった過酷な試験を行うことで長期の耐候性を確認する方法です^^
これをクリアできれば耐候性にはほぼ問題がないことを確認できますから、耐候性の条件をクリアできます。
一条工務店による特注品としてメッシュサイズを広げたものを試験発注中
積水化学工業、タキロンともそのメッシュサイズは1mm程度でかなり細かなものとなっています。
このまま施工してしまうと将来的な目詰まりのリスクを残すことになってしまいます。そのため、一条工務店ではこのメッシュサイズを特注して大きくする予定とのことです。
メッシュサイズを大きくした場合には強度の問題が生じるため、強度などを見定めつつメッシュサイズを広げたいとのことでした。そのため、メーカー側にメッシュサイズを広げた特注品として試験発注をかけており、そのできあがりを見て内容を決めたいとのことでした。特注によって通気性を確保するとのことでした。
施工性:1時間もあれば誰でも施工可能
この樹脂管を1本もらって自分で実際に水切り上部への設置をしてみました^^施工は非常に容易でした。樹脂管は硬さもあるので壁の横から押し込んでいくことでするすると入っていきます。
施工後は下の写真のように通気層部分を覆うようにしてチューブが入ります。これであればネズミやコウモリが侵入してくることはありません^^
また、下の写真のように屈んであえてのぞき込まない限り部材が外から見えることもないため、見た目的にも問題はなさそうです。
なぜ、「押し込める」ことが重要であるかというと、これはウッドデッキなどの存在が関係します。
上の写真は我が家の写真ですが、水切りを覆うようにしてウッドデッキがぴったりと施工されています。結果として、水切りの側面から部材を押し込むことができない箇所がでてしまうことが懸念されます。
しかし、チューブを縦に押し込むことができれば、下の写真のように水切りの隙間にしっかりと施工することができるのです^^
一条工務店側が営業さんに施工を試してもらったところ1軒の住宅の施工を30分程度で終えることができたとのことでした。これであれば、施工をする側はもちろん、その間家で待たなければならない施主側の負担も大きく軽減することができます。また、この樹脂管はハサミでも切ることができるため長さの調節も容易です。
施工できない箇所もある
この樹脂管は硬さがある事などから曲げることができません。そのため、直線にしか施工できません。一方で、我が家のように後付けのウッドデッキ等よって、水切りに直接アクセスできないケースで、かつ、下の写真のように住宅の角が存在する場合は樹脂管を施工できない箇所が出てきてしまいます。下の模式図では、黄色い矢印が配管だとお持って下さい。この黄色い矢印は曲がることができないため、赤で示してる箇所については樹脂管を施工できない箇所ができてしまいます。
このあたりは、解決が難しいかな~と思っています。。。ただ、ネズミの侵入リスクは高い位置であり、かつ、ウッドデッキの下になるためネズミの侵入に気がつけないとい点ではどうにかならないものかとは思います。。。
誰が施工するのか?
次に問題となるのが誰が施工するのか?ということです。先に書いたように当初は施主に施工する案を検討されていたようですが、それはなくなったので一条工務店の誰かが施工してくれることになります^^ 現時点では、営業さんか監督が有力です。施工自体はかなり容易になったので、誰が施工しても安定した施工が可能と思います。
一条工務店さんにひとこと!
いくつか気になったこと
こんなこと、私が言うまでもなく対策をしているし、施工もしっかりされていると思ってはいるのですが、念のため書かせていただきます。。。
城東テクノの防虫金網のページで、取扱の注意事項が示されていてそのうち2点が気になりました。
1点目の、金網の目詰まりですが、これについては10年目点検などで点検をしてくれると言うことで良いのでしょうか??
それから、こちらの方が重要で、「銅系防蟻処理木材との接触・接合は避けてください。」という記載があります。一条工務店の外壁周りの木材はACQという銅系防蟻処理木材によって施工がされています。
これは防虫金網の素材であるガルバリウム鋼板の特性上、ACQに含まれる銅イオンが水の影響で溶け出すことで、ガルバリウム鋼板の亜鉛やアルミニウムを腐食、溶出させてしまうことが理由と思います。で、この部分は防水対策が取られている場所ではないので、大丈夫かな?と言うのが気になりました。材質は確認していませんが、一条工務店製の金具も城東テクノ製と同様にガルバリウム鋼板でできていると思うので、同様の問題を抱えていると思います。ACQは加圧注入されているため容易に銅イオンが溶出してはこないとは思いますが、さすがに10年単位で密着させていれば腐食が懸念されます。施工の際にブチルテープを挟んでおけばそのような腐食は防止できるはずですが、当然、そういった対応が成されていると思っています。
引き渡し済のお客さんへの施工タイミングは慎重に。。。
引き渡し済のお客さんのお宅に対してどのタイミングでネズミ・コウモリ対策の施工をするのか?ということは非常に難しい問題と思います。これについては、一条工務店と私の考えに若干の相違があります。
一条工務店としては、お客さんにからの問合せを受けて随時施工していくということを考えているようでした。。。しかし、私はこれには少し不安があります。理由は、現場の方が対応しきれないと考えるためです。。現時点で気になる方から問合せがあった段階で順次対応をしていくというのは良いと思います。しかし、ダイレクトメールを送って「連絡をくれたら対応しますよ」と言ったら、最初の段階で相当数の連絡が来てしまうはずです。そうなると、何が起こるかというと「現場での対応が追いつかず施工まで半年待ち」というようなことになりかねません。
ダイレクトメールを送らずに、連絡があった人にだけ対応をするというのは一番良くない結果になります。なぜならば、そんなことをしたら「さすけのブログをお読み下さった方への特別キャンペーン\(^o^)/ブログを読んで問合せをされた方にはもれなく無償でネズミ侵入防止ネットプレゼントします!」というキャンペーンを私がはじめてしまうからです。。。ね、困るでしょ。。。だからダイレクトメールは必要なんです。別に私はブログを読んでくださった方へのキャンペーンにしてくれても良いですけどね( ̄ー ̄)
なので、ダイレクトメールを送って周知をした上で、施工を分散させるためには工夫が必要になります。一番簡単なのは引き渡しから間もないお宅については2ヶ月点検、2年目点検などのタイミングで施工をさせてもらうのが簡単と思います。しかし、引き渡し後2年以上経った人は点検のタイミングが10年目点検になってしまって待ち時間が長くなりすぎます。では2年以上経過したお宅には随時対応をしていけば良いか?というとそう簡単でもありません。引き渡し後3ヶ月しかたっていない方の家では残り2年近く待たなくてはいけないのに、引き渡し済のお宅に先に対応が成されるというのは、おそらく批判に繋がることになると思います。。。いつ施工するかというのは非常に慎重に進めなければならない難しい課題と思います。
やっぱり「さすけのブログ読者キャンペーンにしますか??」個人的には歓迎ですよ^^冗談は別としてこの部分で失敗すると、せっかくの対応が批判に繋がりますのでご注意を、、、
一条工務店の対応は遅いのか?
一条工務店の対応は「のろま」か?
今回、この記事を書こうと思ったのは、多くの方が一条工務店がネズミ・コウモリに対する対応方針を明確にしないままに2ヶ月以上も「待ってくれ」しか言ってこないいらだちを感じられているという印象を受けたことがきっかけでした。
一条工務店の対応は非常に遅いと感じられている方もいらっしゃると思います。私も、何も音沙汰無く方針も示されていなかったらそう感じたと思います。幸いにして「ヒアリング」を通じて状況を聞くことができたため、そのように感じなかっただけに過ぎません。しかし、どのようなことが検討されているのかの話を聞けたことで私の印象は、今回の一条工務店のネズミ・コウモリ問題に対する対応は、施工棟数が1万棟を超える大企業としては極めて迅速なものであると思っています。むしろ、驚きの早さで対応を進めていると思っています。
フランチャイズ店ではそれ以前から城東テクノの防虫金網によって対策を取っている地域もあったことから、なぜもっと早く対応が取れないのか?という批判が出ることは当然のことと理解します。しかし、一条工務店本体はフランチャイズ店に比べて施工棟数が桁違いに多くなっています。現在の一条工務店の年間施工棟数は13000棟以上になっている理解しています。期せずして、木造の戸建て注文住宅建築棟数では積水ハウスを追い抜き、同分野では建築棟数のトップに立った状態のようです。
すなわち、月間ベースで1000棟以上の上棟が行われていることになります。仮にネズミ・コウモリの侵入金物が必要な長さが1軒当たり50mとしても1ヶ月に5万m=50kmの生産が必要です。休日返上で1日あたり1.6km以上の生産が必要な計算になります。これまでの通常の取引以外に別途1600m/日の生産は、従業員数300人強の城東テクノにとって軽い生産量ではないはずです。実際、ヒアリングに同席された私が住む地域の監督に話を伺ったところ、防虫金網の納品を待つために施工順序を変更して納品を待機している状態のようです。また、ブログを書かれている方の中にも、ネズミ対策金物の納品待ちをされている方がいらっしゃることも確認しています。一条工務店から城東テクノに対しては工場にフル稼働を依頼して生産しているようですが、それでも現場ではこの防虫金網の納入待機待ち現場が多く存在してしまっています。
何キロメートルにも及ぶ防虫金網を生産した後は、数千箇所に登る現場にこれらの部材を配送するための物流手段の手配も必要になります。通常の施工であれば、物流経路も確立しているので数千箇所だろうと問題は起きませんが、今回は普段と違う物流経路を確保する必要がありますから、その手配だけでも相当に難しいものになるはずです。
そのようなことを踏まえて考えると、私がネズミの侵入を批判したのが6月13日であり、その1ヶ月後には月間1000棟以上の上棟住宅全てで対応を開始したと言うことはこれほどの大企業としては極めて迅速な対応として高く評価されて良い、極めて迅速な対応と思っています。もちろん、批判される前に対応すべきだったとは思っていますが、批判を受けてからの対応は極めて早いものでした。
また、建築中の方を優先しつつも並行して引き渡し済の方への対応もしっかりと進められています。紆余曲折はあるものの、耐候性なども踏まえて無償での対応方針も示されており、また、万が一被害が発生した場合にはそれを無償で一条工務店が保証をすることも方針として示されています。
確かに、2ヶ月も対応方針を決めるのに時間がかかるなどと言うのは遅すぎる対応であると批判されても仕方ないように思います。しかし、月間1000棟以上の上棟住宅そして、数万棟を超える引き渡し済の住宅全てに対して公平かつ効果的な対応を示すのは、私達の通常の感覚とはそのスケールが全く違うのもまた事実と理解します。今回、一条工務店は問題が顕在化する前に対応することはできませんでしたし、それをしなかったことは批判されて当然と思っていますが、問題が顕在化してからの対応については迅速なものであったと、個人的には評価しています(←何様だよとか言わないでね^^;)
無償対応方針の決定プロセス
今回、引き渡し済のお宅も含めたi-smart、i-cubeへの対応を無償で行っていく方針の決定も極めて迅速なものだったと思っています。私が最初にコンタクトがあった6月末の段階で、無償対応の方針は決定していました。その時点では、施主に施工してもらい部材を無償で送付する、という方針でしたが、いずれにしてもお金を取るということは念頭にないことが伝えられていました。また、被害が発生したお宅については全て一条工務店の保証として責任を持って対応をする方針もこの時点から伝えられていました。
このような決定ができたことは、非上場企業の強みが最大限に活かされた結果だったと思っています。今回のネズミ・コウモリの問題は、私は「欠陥」として批判しましたが、一条工務店側が言い張る気になれば「仕様」で押し通すこともできる問題です。無償対応を決め、今後の仕様変更を決定すると言う事は、年間1億円オーダーで利益を圧縮する意思決定となります。例えば金物代だけでも1万棟×50m=50万m必要になります。物流コストを無視して1m100円の費用増と考えても、部材費だけで5千万円、さらに1軒あたり3時間の施工時間の増加は大工さんの労働賃金として時間2000/時間と考えても1軒当たり6000円の費用上昇、1万棟で6千万円、合計1億円以上のコスト増になります。
一条工務店の経常利益は200億円程度ですから、微々たるものとはいえ、これまで発生していなかったコストを発生させる対応になります。一条工務店側からのヒアリングの際には、少なくとも「お金を取って対応をする」という方針は示されることはありませんでした。このような意思決定は非上場企業ならではのものと思っています。
情報発信の仕方が下手くそなのは相変わらず
今回、問題が顕在化してからの一条工務店の対応は迅速なものであったし、検討している内容についても非常に合理的なものだと思っています。1点、批判されるとしたら、「情報発信の仕方が下手くそ過ぎる」という点だけと思います。。。これは今にはじまったことではありませんが。。。
問題を指摘した後、営業さんベースで「有償での対応」という話が出てきたり、一方で「無償で完全に対応する」という話が出たり、「引き渡し済の家にも全て金具を設置する」という話が聞こえてきたりと、地域や営業さんによって言っていることがばらばらになっているように感じることが多々ありました。そもそも、「ネットの情報など信用できない、一条工務店を批判したい人がいる」などということも言われた方もいらっしゃいます。。。そのようなばらついた対応が結果的に無用な不安を煽っていた様に思います。私がそれを煽っていたことは認めますが、このような一個人のブログに煽られてはいけないように思っています。。。
今回のケースでは、早期の段階で「問題が生じていることは事実である」ということを認めた上で、
- 被害が発生した場合は一条工務店が責任を持って無償で対応をする
- 時間は明言できないが、ネズミの侵入防止対策を全世帯に無償で責任を持って行う
という2点の方針だけを明言してそれ以外の情報を外に出さないように徹底すべきだったように思っています。
最初にも書いた様に、今回の問題は人命に関わることはない問題です。そのため、時間的な猶予がある問題ですから、「時間稼ぎ」という印象を持たれないようにだけ最大限の配慮をして責任を明確にして対応を取れば不満や不安が出ることはなかったように思っています。。。
次回は「被害に遭われてしまったお宅への対応状況」について書かせていただきます。おそらく次回の記事をご覧になっていただければ「コウモリの侵入防止対策」がなぜ全世帯で無償で行われないのかが理解できるかと思っています。現時点では対策できないと言うよりも対策をすることは、コウモリ被害を防止する観点から効率が悪すぎることのように思っています。