一条フランチャイズ店と一条工務店のびみょ~な関係?

こんばんは。さすけです\(^o^)/

前回、前々回の2回に分けて、一条工務店本社におけるクレーム処理の構造について書いてきました。

今回は一条工務店フランチャイズ店に焦点を当てて書いてみたいと思います。

一条工務店の9つのフランチャイズ店

一条工務店には浜松に本社を置く「一条工務店(以下混乱を避けるため一条工務店本社)」の他に、私が認識する範囲で「一条工務店」または「一条」の名を冠した9つのフランチャイズ店があります。

過去には愛媛などいくつかのフランチャイズ店があったようですが、現在は契約を解除して、一条工務店本社が施工を行っている地域などもあります。
基本的にほぼ地名が入っていて、それぞれの地域で独占的に「一条」ブランドの住宅の施工を請け負っています。

例えば、仙台でi-smartを建てたいと思った場合、一条工務店仙台で建てる以外になく、浜松にある一条工務店本社に施工してもらうことはできません。

一条工務店の方などは、これらフランチャイズ店のことを「GC(Group Company:グループカンパニー)」などとも呼んでいるようですが、ここではフランチャイズ店で統一します。

フランチャイズってなんだ?

フランチャイズといえばコンビニを想像すると理解しやすいのですが、コンビニエンスストアの業態はフランチャイズによって成り立っています。

例えばセブンイレブンのフランチャイズ店になると、「セブンイレブン」という名前や商標、そしてセブンイレブンが独自に提供する商品、そして流通に関するノウハウを提供してもらい、セブンイレブン~店というお店を構えることができるようになります。

フランチャイズ店は、セブンイレブン本体とは全くの別会社で多くの場合、個人が事業主となって、セブンイレブンとフランチャイズ契約を締結して加盟店になり、セブンイレブンブランドやそのノウハウを活かしてお店を運営することができるようになります。

これらノウハウ等を提供してもらう代わりに、販売した商品の売り上げ価格などにしたがって、加盟料を支払うのがフランチャイズ契約になります。

一条工務店のフランチャイズ店も、基本的には同様の仕組みをとっていると思われ、「一条工務店」というブランドを使って商品を販売する代わりに、販売した金額に応じて加盟料を支払っていると思われます。

例としての一条工務店山陰

例えば山陰地方を中心として一条工務店の住宅を提供している一条工務店山陰というフランチャイズ店を見てみると、

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ホームページを見る限り、それがフランチャイズ店であるとはわからない程度に一条工務店本社のホームページと同じような内容ですが、その名称に群馬が入っていることやURLが

http://www.ichijo-gunma.com/

となっていることから、群馬のフランチャイズ店なのだということが分かります。で、ここからがおもしろい点で、一条工務店群馬の本社所在地は「群馬県前橋市総社町植野841」にあるのですが、この住所をGoogleで検索してみると、「立見建設」という全く別の会社が出てきます。立見建設は地域のいわゆるパワービルだーという感じで、地方公共施設や個人住宅等を建設している建設会社のようです。

2014-12-09_20h14_49 そのホームページの中を少し探してみると

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個人住宅建築での豊富な実績をベースに、独自のノウハウ開発で全国展開する一条工務店。一条工務店群馬は、信頼ある一条の技術力と生産システムに、立見建設の多業化戦略を融合させ、先進の住宅建築を目指す躍動企業です。伝統ある木造住宅の優れた機能性をそのままに、効率性を求め、匠の技である名工の技術をテクノロジーにまで高めた一条のトータル技術。合理的で質の高い木造住宅として確固たる地位を築き上げ、毎年大きく業績を拡大しています。

と記載されており、立見建設がフランチャイズ店の母体となって一条工務店群馬を運営していることが分かります。

すなわち、一条工務店群馬というフランチャイズ店の本体は、立見建設が一条工務店ブランドをフランチャイズ契約に使用しているということがわかります。

ここで、重要なことは一条工務店と一条工務店群馬のようなフランチャイズ店は独立した異なる会社になっているということです。

フランチャイズ店で問題が生じ、本社にクレームを言ったらどうなるか?

これが、一条工務店フランチャイズ店でのクレームを複雑にするところですが、フランチャイズ店で契約されている方が、一条工務店本社のお客様相談室にクレームを伝えるとどのような回答が帰ってくるかというと、

一条工務店本社とフランチャイズ店は別会社のため、フランチャイズ店にクレームを伝えて欲しい

という回答が帰ってきます。最近はほんの少しだけ対応が柔軟になってきて、クレームを伝達してくれる程度のことはあるようですが、基本的に一条工務店本社がフランチャイズ店で生じた問題に対応してくれることはありません。

 

え~!!それはさすがにひどくない??

 

と思われて当然と思います。

例えば、近所のコンビニで対応があまりにもひどかったり何か問題があったとき、フランチャイズの本体であるコンビニの本社にクレームを入れたとして「フランチャイズ店は別会社なのでクレームは直接伝えてくれ」などと言われることはあり得ないと思います

フランチャイズ加盟店の問題をその本体に合理的なクレームとして伝えたら真摯に対応してくれるのが普通と思います。

しかし、一条工務店については「別会社なのでクレームに直接対応できない」という回答が帰ってきます。

でね。それが良いか悪いかはべつにして、これが本当に頭を混乱させるのですが、誰の言い分が正しいかというと、実は一条工務店の言い分に合理性があったりするのです。しかし、非常に紛らわしいのも事実で、一条工務店自身もそのことは百も承知していると思っています。

一条工務店本社とフランチャイズ店には契約が存在しません

一条工務店のフランチャイズ店と言ったとき、普通に考えるとその関係は下の図のような構成を想像すると思います。

2014-12-09_20h34_05 一条工務店本社が上にあって、その下にフランチャイズ契約を結んだフランチャイズ店があるという形です。

これが、いわゆるフランチャイズの形として想像しやすい形です。しかし、この図は間違っているのです。。。

え~っと、、、頭が混乱してしまいそうですが、一条工務店のフランチャイズ店の母体は「一条工務店」ではないのです。

 

一条工務店本社もフランチャイズ店の一つにすぎない

結論から言うと一条工務店本社と9つのフランチャイズテントの間にフランチャイズ契約は存在しません。

実際の構成はどのようになっているかというのを公開されている情報で調べる限りの一条工務店の企業構成は

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となります。先ほどの図との大きな違いは、一条工務店本社はその他のフランチャイズ店と同列にあると言うことです。

すなわち、一条工務店本社はその契約関係からは「一条工務店」というブランド名を冠した一つのフランチャイズ店という位置づけなのです。

このような企業構成である事を踏まえると、一条工務店のフランチャイズ店で発生したクレームを一条工務店本社に伝えた時の「異なる会社なので対応できない」という言葉も理解ができます。

すなわち、近所のコンビニで起こったクレームを、はす向かいにある同系列のコンビニに「あそこのコンビニでこんな不合理なことがあったからどうにかして欲しい」というクレームを伝えられても、「本体に言うか、そのお店に直接クレームを伝えて欲しい、フランチャイズ店なので別会社なんです」という回答が帰ってきて当然です。

 

一条工務店本社はその他のフランチャイズ店と同列にあるということこそが、一条工務店がフランチャイズ店で発生した問題に対応しないという根底にあることなのです。

 

では、一条工務店ブランドの所有者は一体誰なのか?ということを調べていくと、それは一条工務店がフィリピン工場と呼んでいる「HRD」なのです。

一条工務店というブランドはHRDの所有物(このあたりは少し本当ではないのですが詳しく書くと混乱するのではしょります)であって、私達が建てるi-smarやi-cube、さらにはセゾンやブリアールという商品の開発元も、その権利を有するのもHRDなのです。

これは経営手法としては非常に興味深い方法と思いますし、私のようにこういったことを調べるのが好きな身としては非常に楽しいのですが、お客さんの立場としては非常にわかりにくいものになっています。

じゃあ、一条工務店のフランチャイズ店で問題が生じたら、HRDにクレームを伝えれば良いか?と言っても、HRDはその情報を基本的に公開していませんし、伝える術がありません。

HRDの日本支店が日本産業(ではないかと思う)

一条工務店本社とフランチャイズ店が完全に無関係な会社となっていて、相互に連携できないと困ったことが多々生じてしまいます。そこで日本産業の登場になります。

日本産業というと夢発電で取り付ける太陽光発電パネルの販売元ですが、この日本産業こそがHRDの日本支店のような存在だと思われます。

日本産業がHRDの日本支店的な立場であることは推察はしていても、いまひとつ確信が持てずにいました。しかし、ひょんなことからそれが確信に変わったのです。

フランチャイズ店で問題が発生したお宅の方が、一条工務店本社にクレームを伝えたところ本社のお客様相談室は「別会社なので対応できない」という回答をしたようなのです。

ここまではある程度想像通りの対応でした。しかし、その後どういった経緯だったのかは不明ですが、その方のところに「一条工務店本社」の方ではなく、日本産業の方が来られたと言うことがブログに書かれていたのです。

私自身は一条工務店のこの行動で、想像が確信に変わりました。通常であれば、クレームが合理的で問題がフランチャイズ店で対応できなければ、通常は本社が出てくると思っていたのです。しかし、日本産業の方が対応に出られたと言うことは、本社は対応に出られない、すなわちフランチャイズ店と同列の立場にあって、日本産業がフランチャイズの本体であるHRDの直接の配下にあってフランチャイズ店に対しても対応が可能ということを意味すると理解したのです。

これらのことから、HRDの日本における実態は日本産業であろうと推察しています。

ただね。。。欠点は日本産業にもお客様相談窓口などがないことなんですが。。。なんで本来は隠れているべき日本産業が太陽光発電パネルの販売元になっているかというのは、これはこれで別の話ができるのですが、おそらくは固定価格買取制度の制度設計上、一条工務店やフランチャイズ店が独立して認可を受けることは非常に非効率になるため、あまり表に出てこなかった日本産業がパネルだけに関して表に出てきているのだろうと思います。

フランチャイズ店でクレームが発生したらどうするべきか?

これは、ある意味少し無碍なアドバイスになってしまうのですが、一条工務店のフランチャイズ店で何らかの問題が生じてしまった場合、一条工務店本社のお客様相談室に連絡をしても「別会社なので」という回答が帰ってきてしまうと思います。

これは、良いか悪いかは別として一条工務店の統治構造が一条工務店本社と9つのフランチャイズ店はその企業規模は大きく違っていますが、横並びの関係になっており、一条工務店本社がフランチャイズ店を指導する立場にはなく、それを行えば越権行為になってしまうのです。

ですから、基本的には契約したフランチャイズ店の顧客窓口に連絡をするのが原則になります。

仮に一条工務店本社のお客様相談室に連絡をしても、せいぜい伝言ぐらいはしてくれるかもしれませんが、対応をしてくれることはないのです。

勇気を出してクレームを伝えたのに、伝言だけしかできません、等と言われたら腹が立つだけだとおもうので、フランチャイズ店で問題を解決する方策を考えるのが合理的と思います。

特に営業担当者や監督など人に属する問題では、ほぼ絶対と言って良い程度に本社がフランチャイズ店に対してなんらかの指導をしてくれることはあり得ません。

ただし、「製品そのもの」に問題があるようなケースと「広報」に問題があるケースで、そこに確固たる証拠やそれに近いものがあって、フランチャイズ店にクレームを伝えても理解をして貰えないようなケースでは、本社に対してクレームを伝えることを検討しても良いかも知れません。

すなわち、製品そのものがマニュアル通りに施工されていて、かつ、工事も適切に行われているにもかかわらず問題が生じると言うことは、製品の開発側に問題があった可能性が示唆されます。このようなケースでは、一条工務店本社でもフランチャイズ店でも対応は不可能であり、HRDに対して問題が伝えられます。そして、対応もHRD及び日本産業が行う事になると思っています。

そして、もう一つ、フランチャイズ店も含む一条工務店全体の宣伝資料は、おそらくHRDまたは日本産業が作成していると推察されます。その根拠は全てのフランチャイズ店と一条工務店本社のホームページで使用されている写真やその宣伝内容がほぼ等しいという点です。仮に、一条工務店本社とフランチャイズが独自に広報を担当すれば、非常に効率も悪いですし、同じ製品で異なる宣伝が行われることになり、誤解を招くことになります。よって、広報関連資料はHRDまたは日本産業で作成していると考えるのが合理的と考えます。よって、広報関連資料に関する間違いはフランチャイズ店に伝えても、本社に伝えてもHRDまたは日本産業にクレームが伝わると思われますので、本社のお客様相談室に連絡をしても対応が得られる可能性があります。

ただし、いずれの場合もフランチャイズ店で契約された方が本社にクレームを伝えた場合、一条工務店本社が対応をしてくれるのではなく、日本産業など別会社の方が対応されることになると思います。

まとめ

今回の記事を書いた目的でもあるのですが、一条工務店本社にクレームを伝えたのに、本社が対応せずよく分からない子会社の担当者が出てきて、ああだこうだ言い分けをするということで、怒りが増幅されてしまうケースがあります。

しかし、企業構成を見ていくと、フランチャイズで契約された方のクレームに対して本社が出て行くことは完全な越権行為、場合に寄っては法的(税務的)な問題も生じかねません。そのため、フランチャイズ店のクレームを本社の担当者が直接対応してくれるということはあり得ないのです。

本社に連絡したら「別会社」として無碍に対応されれば頭にくるのは当然と思います。しかし、そういう関係の上に成り立っているのだということを知ってさえいれば、本社にクレームを伝えて「別会社」と言われても「そりゃそうだよね」と思って、別の手段なり、他の前向きな対応を模索することができると思うのです。

しかし、一条工務店は先のような企業構成を私達顧客側に説明してくれることはありません。今回企業構成を調べるにあたってはインターネット上のかなり古い資料も含めて色々と調べてやっとたどり着けた関係です。もしかすると、一条工務店の社内の方でも、そのような関係はあまり認識されていないのかも知れません。さすがに社内教育では教えられていそうな気もしますが?

で、個人的にはこのような企業構成になった経緯というものにも興味があって、色々と調べていたりします^^

これがなかなか興味深いのです。9つのフランチャイズ店はその契約開始がほぼ全て1986年から1987年にかけて行われており、それ以降はフランチャイズ店は1店も増えていないのです。おそらく、このあたりで一条工務店の方針が転換したのだろうと思っています。そして、1986年当時はHRDは存在しておらず、そのフランチャイズの関係は一条工務店本社がフランチャイズ元(ここにも紆余曲折あります)で、その他のフランチャイズ店は一条工務店本社から指導を受ける立場にあったのです。それが1990年代の後半にHRDができて、その際にその企業構造が大きく変わったという経緯があります。このあたりの流れをまとめても面白いかな~と思っていますが、想像が多くなりすぎるのと、あまり興味を持ってもらえないような気もしています^^;;

 

フランチャイズ店の良いところは、一条工務店本社よりも融通が効くイメージがある点です^^

いわゆる一条ルールは一条工務店本社では厳しく守られている場合でも、フランチャイズ店では問題なく施工して貰えるというケースも多々あります。ですので、フランチャイズ店で契約されている方はブログ等で見つけた一条ルールで対応してもらえないとあきらめるのではなく、とりあえずできないかを確認してみると他とはちょっと違った一条工務店の家ができるかと思います\(^o^)/