クレームはなぜ深刻化するのか?結局人の問題な気がする。。。

こんばんは。さすけです\(^o^)/

 

ちょっと、天井の施工の話の前に書いておきたいことがあるので、その前に2つの記事を追加する事にしました。

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内容は、「ハウスメーカーへのクレーム」についてです。

クレームってものすごく疲れます(゚д゚)

住宅産業はクレーム産業と言われています。

家というのは一生に一度の買い物であること、通常購入する商品の中では最高額出あることなどから、家を買う際はいつも以上に細かなことまで注意深く検討をすすめますし、細かなことも気になります。

一方で、一条工務店に限らず、住宅産業は旧態依然としたところがあり、「家は車じゃない」という非常にネガティブな思想に根付いた考えが横行している世界でもあります。

 

そういったことは一般論として知ってはいましたが、こうしてブログを書いていく中で、実際に問題に直面し、さらにその問題をクレームとして伝えたのに適切に対応してもらえなかった様なケースにおいて、悩みに悩まれて、藁にもすがるような思いで匿名でブログを書いている私のようなものに対してまで相談をいただけるケースをたくさん見てきました。

 

一応、一条工務店のフォローのために言っておくと、ご相談いただくクレームは一条工務店のクレームだけではなく、それこそ積水ハウスも、セキスイハイムも、住友林業もタマホームもあります。その他、私自身名前をはじめて聞く中小の工務店で家を建てられる方からご連絡をいただく事もあります。

 

一見不自然に思うかも知れませんが、クレームを出すことになってしまった「問題」そのものについて悩むとき以上に、クレームを出すことってそれ自体がもの凄く疲れることだと思います。

 

クレームの深刻化は担当者による

色々なクレームを拝見させていただいていて、そしてその解決過程をご連絡いただく中で、1つの悟りを開きました\(^o^)/

悟った?ことは、クレームが深刻になるかどうかは「担当者次第」ということです。え、そんなわかりきったこと?と思うかも知れませんが、本当につくづくそう思うのです。

 

組織的悪意の結果として問題が生じるケースはほとんどない

私が知る限り、大手のハウスメーカーで恣意的な手抜き工事をしているという話は聞いた事がありません。基本的には全て人為的または偶発的ミスによって引き起こされた問題です。問題の根幹に悪意があるというケースは私が知る限りないとは言いませんが、ほぼありません。

 

当然、クレームの大小、多い少ないはあると思います。しかし、私自身は一条工務店で家を建てる方に向けたブログを書いているため、一条工務店での問題に対する情報が多くなっており、それ以外のハウスメーカーの問題についての情報は数が少なくなっています。このことによって一条工務店のクレームが多いとは言えませんし、その他のハウスメーカーのクレームの方が多いとも言えません。そのため、どのハウスメーカーのクレームが多い、少ないという事は議論できません。

 

ただ、クレームの内容を聞いてきた中で少なくとも大手と呼ばれるハウスメーカーで、組織的な悪意を感じた事は一度もありません。

ここでいう「組織的悪意」とは、会社がその指示によっていわゆる手抜き工事をして、本来得られるはずの利益以上の利益を企業が受け取ろうとする行為のことです。

クレームに対する対応に要する費用、すなわち企業側にとってのコスト意識はクレームの対応に影響を与えるケースはあります。しかし、それは企業およびそこに属する社員としては当然持っていなくてはならない意識であって(それが施主の視点として良いかは別として)、コスト意識がクレーム対応に影響を当たる事が直ちに悪意があるとは全く思っていません。目先のコストだけではなく、もっと大局的・俯瞰的にクレームを見れば良いのに、と思う事は山のようにありますが。。。

 

個人的に思うのはクレームの深刻化に、企業の悪意が含まれている可能性は考慮する必要が無い程度のものと思っています。大手ばかりを擁護するようですが、中小でもあっても確率的には組織的悪意が介在する可能性は極めて低いと思っています。

 

これはある種当然であって、悪徳リフォームのようにその経営自体が悪意を持った企業であれば、利益を得るためには短期決戦が必要となります。短期間により多くの人を騙して、本来得られないはずの大きな利益を得た後にすぐにその企業は倒産させて社会から消し去ってしまわなければなりません。

5年も10年も同じ企業で悪徳リフォームを繰り返して、逮捕者もださないというのは至難の業です。その才覚があれば、悪徳企業ではなく、まっとうな企業を運営した方が長期的に利益を得る事ができるはずです。

 

一方で、企業が成長するには何十年もの時間がかかります。

 

最近ではIT関連企業が急激な成長を見せるケースもあるにはありますが、一般的に家電などの製品を作るためには、それを生産するための資本が必要になります。

資本を得るには自分で稼ぐか、何らかのイノベーションを起こして、投資や融資を獲得するしか方法はありません。

住宅産業のように大きな製品を製造するには、巨大な資本が必要になります。そして、住宅産業は良くも悪くも古い産業であるために、世の中を変革するような革新的なイノベーションが創出される可能性が低い産業になっています。

故に、資本の獲得は自らの収益に依存せざるを得ません。そしてその収益の獲得には長い時間がかかるのです。

 

結果として、現在ある大手のハウスメーカーは悪意を持った企業経営をしてこなかったことだけは事実と思っていますし、悪意を持った経営を許さない文化が醸成されているというのも事実と思います。やや矛盾するように感じるかも知れませんが、企業は人によって組織された集団であり、その中には「悪人」が入り込むことは当然あります。その悪人の悪事を認知した時、時間がかかるケースはあるものの、その悪人を排除する文化があるかどうかが、悪意を持った企業経営かどうかの分かれ目と思っています。

 

何が言いたいかというと、大手のハウスメーカーの中で組織的に手抜きをおこなうということは通常あり得ないことなのです。

 

こう言うと、だから中小の工務店は不安だと感じるかもしれませんが、中小の工務店で会っても、99.99%の工務店は悪意を持たずに経営がされており、手抜き工事などしないと思って良いと思います。しかし、確率で論ずるのは適切ではありませんが、中には悪意をもった施工をする工務店があるのも事実で、それを避けるためには大手に依頼する場合以上に、その工務店が信頼できるかを見抜く力は必要になってくるだろうと思っています。

 

クレームの深刻化は大半が人による

初期に生じた問題を深刻化させるのは、基本的に全てが担当者が施主側の気持ちをを理解できなかったことによるものです。

クレーム自体はあらゆるハウスメーカー、工務店でほぼ同程度に起こっているのではないかと思います。

 

一条工務店に関しても、クレームが少ない現場、多い現場というのはあると思いますが、それは、施工が悪い現場、良い現場とは必ずしも一致していないようにも思っています。

ようするに、ミスの頻度は地域や現場によって同程度の頻度で起こっているように思うのです。

 

とは言え、悪意がなくともクレームは発生します。そして、そのクレームがドツボにはまっていくケースがあります。

 

クレームの内容は本当にしょうもない(失礼)ことばかり。。。

こんなことを書くとどんなにスゴイクレームがあったのかと思いますよね。。。

もしかして、一条工務店やその他のハウスメーの屋台骨を揺るがすようなもの凄いクレームがあったのではないか?なんて期待?されるかもしれません^^;;

 

クレームが深刻化する現場でよく見られるクレームのスタートラインをざらっと挙げみると・・・・パッと思い出すだけでも

 

できないことをできると言った、すぐにやれることを数週間放置された、ガラスが割れていたことを指摘したのにしばらく放置、となりの敷地にはみ出して資材を置いていた、施工現場に行ったら真新しいフローリングに土足で入っている施工者がいた、養生されているけど家の中に汚れた靴で土足で入っていた、工事現場の隣の空き地で小用をすませていた、タバコをポイ捨て、問題ないか不安になって質問したら「これが自社の基準」としか説明してくれない、現場を見学に行っても挨拶もしてくれない、etc, etc,etc,,,,,,

 

ホントね、、、しょ~~~~~~もないことばっかりです。。。

 

でも、これが自分の家であったらすごく嫌な事ばかりでもあります。。。

 

あまりにもしょうもないことすぎて、一つ一つ取り上げてクレームを言うのも大人げないようにも感じてしまいそうな内容ばかりです。

施主側も大人なので、ちょっと注意するぐらいで終わる事がほとんどです。

 

でも、上記のようなことがあった現場で、「施工ミス」が発展したとき、、、、クレームは一気に深刻化します。

 

本当に子どものの教育じゃないんですが、しっかりと挨拶をしてくれて、見学に行ったときには丁寧な説明をしてくれて、問題があったらすぐ報告し対応方法を提示してくれる営業さんがいて、その営業さんが契約前は当然として契約後も常に家づくりに協力的で質問などにもすぐに対応してくれる、そんなお宅では「施工ミス」があっても、まず間違いなく問題が深刻化する事はありません

 

営業さんは何を聞いてもなかなか回答してくれない、現場に見学に行っても誰も挨拶もしてくれない、話しかけても無愛想に対応されて、、、、あげくの果てに自分の家になる玄関の前でタバコをぷかぷか吸われて、、、そんな現場で施工ミスがあっったら、一気に問題が深刻化します。

 

そういうケースでは、担当者の交代をしてもらえば良いと思います。もうね、、、そんな担当者と一緒に我慢していく必要ないと思うのです。

お客様相談室などに現状を報告して担当者を交代して欲しい旨を連絡すれば良いと思っています。すぐに担当者から謝罪が入るので、その謝罪を聞いて担当をつづけてもらうかどうかを施主側が判断すれば良いと思っています。

 

ここまでのケースはある意味多くの方が想像するクレームの発生構造です。

 

もうね。本当にしょうもない「人間」的な問題が中心で、しかも、その人が責められるのも第三者から見ても同意してくれるようなケースです。おそらく会社に報告すれば、「またあいつか!」となりそうなケースです。

 

しかし、今回この記事で書きたいのはそういったケース以外のクレームが増えているように感じるからです。

 

 

担当者は一生懸命なのにクレームが深刻化するケース

上記のように、ある意味破綻してしまっているような現場では問題がこじれるのは至極当然ですし、ある意味自業自得なので仕方ないと思っています。

しかし、最近?特に増えているように思うのが、現場の担当者は一生懸命やっているのにクレームが深刻化してしまうケースをよくお聞きします。

 

これは特に、若い営業さんや監督に多いように感じているのですが、営業さんや監督さん本人は、一生懸命クレームに対応しているつもりで目の前で生じた原因がどこにあったのかをしっかり説明しているのに、クレームがどんどんと深みにはまっていくケースがあります。

 

私自身は、原因を明らかにすることは決して悪い事ではないとおもっています。むしろ、クレームを解決するためには原因の解明とその説明は不可欠とも思っています。

 

しかし、クレームが深刻化しない現場と、深刻化する現場では決定的な違いがあると思っていて、それは、原因の特定の前に「目の前の問題への共感をしてくれているかどうか」の違いです。

具体例なしで説明するのは難しいので具体例を示します。

 

床に不陸が生じてしまった・・・

私が知っている現場で、床に不陸が生じて閉まったケースのお宅がいくつかありました。

 

その中で非常に面白い(というと大変失礼ですが)、大変興味深い事例がありました。

 

ここでは2軒のお宅を例にしてAさん宅とBさん宅と呼びます。

 

Aさん宅では、不陸という不具合は発生したけれど、クレームは全く深刻化せずにお客さんの側も最終的に満足いく形で問題が解決されました。

しかし、Bさん宅では問題がどんどんと深みにはまっていって、「もうこんな家はいらない」という気持ちになってしまいました。。。。

 

ちなみに、Aさん宅とBさん宅の不陸については写真も拝見しましたが、どちらのお宅も原因が同じ不陸で、不陸の程度もほぼ同じでした。

さらには、一条工務店がその不陸に対して対応した技術的な対応も全く一緒でした。

 

ようするにやったことは全く同じなのに、最終的な施主側の気持ちは真逆になってしまったのです。。。

 

そう聞くと、Aさんがおおらかな性格の持ち主で、Bさんが神経質なだけ???と思ってしまうかも知れません。

しかし、実際は全くそんなことはなくて、AさんとBさんの現場を入れ替えたら、Aさんが「もうこんな家はいらない」という気持ちになっていて、Bさんが満足する結果を得ていたと思っています。

 

クレーム対応の何が違っていたのか?

いったいAさんの現場とBさんの現場で何が違ったのでしょうか??

それは、クレームが生じた直後の現場での説明の違いにあったように思っています。

 

Aさんの現場での監督の説明は「ご心配をおかけしてしまい本当に申し訳ありませんでした。ご指摘をいただき感謝しています。問題は必ず満足のいく形で解決したいと思っています。修正にかかる費用は全て一条工務店が責任を持って負担します。不陸は建築基準法としての基準がなく、裁判の判例では3m以下の不陸は対象外となっており十分な検査が行えていませんでした。しかし、拝見させていただいたところ、確かにこれは気になります。気がつけておらず申し訳ございませんでした。今回いただいたご指摘は必ず社内でも共有し、今後の施工にも役立たせていただきます。まずは写真を撮影させていただいてもよろしいでしょうか。もち帰って対応方法を検討させていただきます。」と伝えられていました。

 

一方で、Bさんのお宅では監督が「問題の原因は1Fの梁の位置にあり、この間取りでは多かれ少なかれどうしてもこの歪みが生じてしまいます。一般に不陸というのは部屋全体が傾いてしまったようなケースの場合は基準値がありますが、このように小さな範囲の凹凸は建築基準法上問題がないとされています。一条工務店では独自により厳しい基準を設けていますが、一条工務店の基準としても現在の程度の床の変形は許容範囲内となっています。ご不満があるということであれば対応は可能ですが、基準値以下の凹凸に対する対応であるため費用を請求させていただくこともあります。見積は実際に施工してみなければわかりません。やれることはやりますが必ずしも満足をいただけるかはわかりません。何よりも、一条工務店の基準では問題のない施工となっていて、他のお宅からもこのようなクレームを受けた事はありません。

 

大ざっぱに言うと、このように説明してくれたそうです。

 

Bさん宅で行われた説明は、「正しさ」という観点ではほとんど間違えた事は言っていません。一条工務店が社内的にどのような基準値を持っているかは分かりませんが、住宅の瑕疵について争われた裁判の結果として、一般に1000分の3以上の傾きがある場合には、瑕疵の可能性があるという判例があります。ただし、これは3m以下の傾きは除外とされています。

 

すなわち、裁判をしても施主側が負ける可能性が極めて高く、仮に一条工務店が何も対応しなかったとしても法的には全く問題ない、その点については間違いのない事実です。

付け加えておくと、Bさん宅でも実際に不陸への対応が行われ、そして費用を請求される事もありませんでした。

 

Bさん宅の監督の説明は、原因の説明という点についても間違えていません。(今は修正されているかも知れませんが、初期のi-smartでは1Fの梁部分が2Fの床に不陸状の凸凹を生じさせるケースがありました。我が家にもありませす。特に気にならないので放置していますが。。。)。

 

そういう意味ではBさん宅の監督の説明は大きく間違えた事は言っていないのです。一歩間違えると、Aさん宅の監督の方が「必ず満足のいく形で解決したいと思っている」などと、無理?となる可能性もあるようなことを言っているとも見て取れます。

 

でも、これがクレームが深刻化しなかったお宅と、深刻化して深みにはまってしまったお宅の典型的な現場での対応の違いと思っています。

 

どうしていればクレームは深刻化しなかったのか?

2つの現場の違いをもう少し詳しく考えて行きます。

 

費用面の話が最初に心配になるのは当然ですから、Aさん宅で最初の段階で費用が発生しないという宣言をしてくれる事で、一番大きな不満と不安になるであろう費用部分の問題を解決しているという点が大きく異なっています。

しかし、費用面の負担は確かに重要ですが、それだけで問題の深刻化に違いが生じたのではないと思っています。想像に過ぎませんが、Aさん宅の監督であれば、仮に費用が発生しても問題が深刻化しなかったように思います。

 

Aさん宅とBさん宅のお宅での定的な違いは、「施主の不満を理解しているか?」という1点に尽きるのではないかと思います

 

クレームとなる問題が発生したとき、クレームを伝えるとこと、それ自体が悪い事をしているのではないか?という罪悪感と隣り合わせにあります。

その罪悪感を払拭できているかどうかで、その後の施主側の心理状態は大きく異なってくると思うのです。

 

なぜクレームに罪悪感が伴うかを考えると

  • 自分が間違えているのではないか?自分のクレームは本来多くの人は気にならないことなのではないか?
  • 監督や現場の人に迷惑をかけてしまうのではないか?

という2点と思っています。1点目は、クレームを言っている自分が悪いのではないかという罪悪感です。そして2点目は、自分がクレームを言う事で、他の人に迷惑をかけてしまうのではないか?という罪悪感と思います。

そして、もう一つ重要な要素として「クレームを伝えたけれど問題が解決されるか分からない」という不安が感情をさらにネガティブにするのだと思っています。

 

このような施主側の罪悪感を払拭しないで放置しつづけると、それはすぐに「疑念」に変わっていきます。

 

こういう書き方をすると、施主側が疑心暗鬼になってどんどん悪く捉えるのではないかというネガティブなとらえ方をされてしまいそうですが、そうではありません。

クレームを伝えるときに感じる罪悪感は誰もが持っている感情と思います。私もクレームを言う立場になった時には、強い罪悪感を憶えます(このブログなど罪悪感の塊です^^)

 

そして、実際、クレームを深刻化させるかどうかは施主側がクレームを伝えた事によって生じたネガティブな感情としての罪悪感を払拭できるかどうかで、大きく変わってくると思うのです。

 

自分の経験上、この罪悪感を払拭するのは比較的簡単と思っていて

  • クレームを伝えることが当たり前のことで、伝えられたクレームの内容に共感を示してくれること
  • クレームを伝えられたことは迷惑ではなく、むしろ感謝していると伝えてくれること

の2点だと思います。

 

この2つがクリアされるだけで、自分がクレームを伝えたことに対する罪悪感は払拭されて気持ちがもの凄く軽くなると思います。私はなります!

 

そういう意味で、Aさん宅では費用面の負担が発生しないという事を伝える以上に、お客さんが不満に感じている「不陸」という問題に対して「拝見させていただいたところ、確かにこれは気になります」として、自分も気になるということを発言する事で共感を示し、クレーム自体が誤った指摘ではないということをきちんと伝えています。そして、クレームを言われた事に対して「ご指摘をいただき感謝しています。」という感謝と、「今回いただいたご指摘は必ず社内でも共有し、今後の施工にも役立たせていただきます。」として、そのクレームが迷惑なものなどではなく、今後の他の人にも役立つ指摘だったということを伝えています。

 

さらに、問題が解決されるかどうか分からないと言う不安に対しても、それがもしかすると大言壮語になってしまうリスクはあるものの「問題は必ず満足のいく形で解決したいと思っています」として、必ず解決するんだという意思表示を表明してくれているので、何かの対策の提案をしたとき、それが解決の対策として最善の策を取ってくれるだろうという安心感を持って見ている事ができます

 

ある意味、満点に近い回答のように思います。

 

一方で、ほとんど同じことを言っているのですが、Bさんのお宅では「一条工務店の基準では問題のない施工となっていて、他のお宅からもこのようなクレームを受けた事はありません」として、その指摘が施主側が神経質になっているだけで、他の人はだれもそんな指摘をしてこないとして、一切の共感を示していません。さらに、「一条工務店の基準値以下」として、共感を否定すると同時に、「基準値」なるものを金科玉条のごとく、今後の改善の余地がないものかのように説明しています。

一言で言えば「一条工務店には一切の責任がない。オマエが気にしすぎ」と言われているような状態です。

さらにだめ押しで「やれることはやりますが必ずしも満足をいただけるかはわかりません」と言われる事で、本当はできる事があるのにコストがかかる事や面倒なことを避けているのではないか?最終的に問題が解決されないのではないか?という不安をさらに強くさせます。

 

どれほど丁寧で正確あっても、クレームへの回答としては0点です。

 

クレームが深刻化したあとは・・・・

Bさん宅の側では、その後一条工務店が自社で負担することを伝えた上で対応をしてくれても、それは常に「迷惑をかけている」という罪悪感を感じながら対応をしてもらう事になってしまいます。

そして、「できることはやる=できることしかしない」と宣言されているので、常に最善の解決策を自分自身も考えなくてはならなくなり、しかし、考えても専門でもないので分からず、ドツボニはまっていきます。

 

ネガティブな感情をもった状態では、それまで気にならなかったようなこともどんどんと気になってきます。。。

 

おそらくは

  • 問合せをしても2週間も返事が返ってこない、、、自分がクレーマーと思われているんだ。。。
  • 一条工務店は見えないところでも「自社の基準」というよく分からない基準値で手抜きをしているのではないか?
  • 金額も他のハウスメーカーよりも高かかったけど、実は騙されたんじゃないか?
  • 言われるがままに夢発電を着けたけど、将来故障するんじゃないか?etc,etc

悪い事ばかりが気になってきてしまいます。。。

 

そうなると、「こんな家もういらない!!騙された自分が悪かったんだ。。。」と考えてとうぜんと思います。

 

神経質すぎると思われる方もいらっしゃるかも知れません。でも、私自身、仮に同じ状況になったら、やはりそのように考えるのだと思います。

 

そんなことになれば、一条工務店側の担当者も常に疑いのまなざしで見られるわけですから、やりづらいでしょう。。。。特に経験の浅い、若い営業さんや監督であれば、そのようなお客さんを避けるようになってしまうかもしれません。。。

なぜ一生懸命原因を説明しているのに分かってくれないんだ、自分の会社の保証規定にも沿っているし建築基準法上も問題ない、それなのにお客さんは怒ってばかり、あのお客さんはそういう人で、あまり相手をしない方が良いな、という感情に陥ってしまうのだろうと思います。

 

気持ちは分かります。特に若い頃の自分を想像すれば、相手に責任を転嫁して、自分を納得させたいという気持ちも分かります。いや、ほんとうにものすご~くわかります。

でも。。。。管理している現場、契約してくれたお客さんとの関係は破綻してしまっています。。。それって自分の目指してきた仕事なんだろうか?自分の発言の何が、対応のどこがわるかったんだろうか?と立ち返って欲しいな~と思ったりもします。

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もう一つ例示:壁からネズミが入ってきた・・・

一条工務店に関してのみ言うならば、最初に挙げたような「破綻した現場」は少なくなってきているように思います。

しかし、それとは逆に、後半で例示したような「一生懸命な担当者」がクレームを深刻化させているケースが増えてきているように思います。

 

このような一生懸命なのに、一生懸命さがそっぽを向いてしまっておかしな対応になってしまった例をもう一つ挙げます。

 

具体的なことはそのうち記事に書きたいと思っていますが、下記の写真のお宅(写真の使用許可をいただきありがとうございますm(_ _)m)では、i-smartの外壁の隙間から屋外側の断熱罪にネズミが巣を作ってしまい、断熱罪にネズミが穴を開けた、という例になります。

【追記:記事にしました】

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外壁側のEPSにネズミが巣をつくってしまったようなのです。。。(室内には侵入していませんでした)

 

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そこで、監督に相談をしたところ、監督からは「害虫は一条工務店の保証対象外なので自分たちはなにもできない。その費用を一条工務店で負担することはできないし、ネズミの侵入を防ぐ施工をするならば費用が発生する。見積を出すから考えてくれ。」と伝えられてしまったそうです。

 

 

 

でも、この監督の説明は間違えていません。

一条工務店との契約書を見ても、害虫の侵入は確かに保証の対象外になっています。ネズミが害虫か?というツッコミはおいておけば、裁判をしてもおそらくはネズミの侵入の責任を一条工務店の責任だということはできないように思います。

 

こちらの施主の方は、監督のその対応を聞いて、既に巣を作られてしまった可能性が高い状況で、今後の侵入経路をふさぐ施工をするのも金額的に高額になる可能性がある(一条工務店が見積もりしている最中との事でした)ことからするかどうか悩まれているようでした。上記の写真で水切り部分に見える白い粉は施主の方がまかれた殺鼠剤です。そしてモザイクを書けている部分にねずみ取りが仕掛けられています。色々な方法でネズミを駆除しようと試みられたことが見て取れます。

 

監督の発言は正しいんですよ。年齢は聞いていませんが、おそらく若い監督と想像しています。

自分が所属する企業の保証契約書を踏まえて、正しいことを言っているんです。。。。

 

でもね。。。もうちょっと考えて欲しいな~と思ったのです。

 

詳しい解説は後日にしますが、侵入経路はこのお宅に特化したものではありません。すなわち、i-smartやi-cubeであれば全てのお宅で同様のネズミ侵入被害のリスクがある事例なのです。

おそらくは監督に与えられているであろう、この現場の対応という職務、そして、一条工務店のコストを最小化するという点においては判断は合理的なものとも言えます。

 

でも、ちょっと考えてみれば、ある意味チャンスでもあったのです。

 

このようなケースは多くはないと思いますが、それでも何万軒もの一条工務店の家があれば一定頻度で発生する問題と思います。

そして、おそらくは一条工務店以外の家でも同じ問題が発生すると思っています。すなわち、この問題に対応している事は、他のハウスメーカーとの差別化に繋がる要素にもなり得たのです。

 

そのような問題を解決できる設計の見直しの提案ができれば、、、それは自己の評価にもつながるものだと思うのです。

少なくとも、目の前で問題が発生していて、それが一般化可能な問題であるならば、上記のお宅に誠心誠意謝罪をした上で、問題の根本的な解決を視野に入れ、今後のi-smartの改善に資するべく徹底的に調べさせてもらうべきだと思うのです。

 

当然、費用はかかるでしょう。

でも、せいぜい、数十万円か100万円を超えるか、その程度です。その程度と言うと悪いですが、そこで得られた知見はi-smart全体の今後の改善に活かす事ができる知識です。そして、その改善は将来のお客さんの獲得に必ず寄与します。

 

そうであるならば、目先のコストは多少度外視しても対応することで、将来の商品改善を行い、i-smat、引いては一条工務店の商品そのものの価値を高めることができたはずなのです。

少なくとも、自身の上司である工事長やエリアマネージャーに対して、しっかりと相談し、その問題が一条工務店の将来の製品改良に繋がる問題だという事を伝えていれば、「害虫だから保証外」という対応にはならなかったはずなのです。

 

でも、「害虫は保証外」と言ってしまった瞬間に全てのチャンスを自ら摘んでしまったように思うのです。

 

一応、一条工務店をフォローしておくと、人伝てではありましたがご連絡をいただいたあとお客様相談室に相談した方が良い旨をお伝えして、実際にお客様相談室に相談し、その後は適切な対応を受けられたそうです。

一条工務店側が認知した後は、保証の話云々を言われる事無く、費用負担は一条工務店で持った上で対応が行われたと聞いています。さらには、その結果は当然会社として共有され、今後の製品開発に活かされると思っています。最終的には適切な対応が行われたことに、少し安心しています。

 

でも、「保証」を盾に取られて、上記の現場がその場限りの対応(対応もしてくれなかったわけですが)で終わっていたならば、上記のお宅で起こった問題は今後の商品開発に活かされる事もなく、他者との差別化に資する事も無かったはずです。。。

 

自社の保証書を理解していたことは良い事です。でも、、、

それってもの凄くもったいないな~と思うのです。

そして、このようなケースこそがクレームを深刻化させていくと思うのです。

おわりに

クレームなんてないに超したことはありません。

でも、家は大きな製品であって、人が作り上げるものですから完全にミスを防ぐという事は現時点ではできません。

 

担当者のちょっとした発言によって、問題が深刻化してしまったお宅では、もう何もかもが嫌になってしまった状態になります。

最初はニコニコしていた営業さんも、監督も、大工さんも、全てがぐるに見えてきます。そして、自分が選んだはずのハウスメーカーが悪徳企業にしか見えなくなります。。。。

 

そして、最後の最後は、裁判、慰謝料、、、

 

なんかね。。。それって悲しくないですか。。。。

家を建てる前にはあんなに楽しかったはずなのに、最後は裁判やら慰謝料やら物騒なはなしばかりになってしまう、そんな家づくりはイヤデス。。。

 

次回は、そのような状況になってしまったとき、そんなときどうすれば良いかについて、考えてみたいと思います!

次回は「ハウスメーカーへのクレームと慰謝料」についてです\(^o^)/(←物騒きわまりない万歳ですね^^;)