私は一条工務店に怒っています!防蟻剤が加圧注入されていない!!そんな馬鹿な(゜д゜)

こんばんは。さすけです。

今回の記事は公開質問の件は1回お休みさせていただいて、別の話を書かせていただきます。

本日書かせていただきたいのは、くみーごさんがブログで書かれていた一条工務店が使用される木材のうち、一部木材で加圧注入されていないということについてです。

 

最初に断っておきます。私は怒っています。

正しくは怒っていると言うよりも、ため息が出る気持ちです。

こうなることがわかっていたのに、何もできなかった、なんでこんなバカバカしい事になっているのか、残念でなりません。。。。

 

そんなわけで若干、テンションが高いのはご容赦ください。

家の柱が割れたら加圧注入されていなかった!?

くみーごさんのブログで、「加圧注入処理の衝撃の事実!」として、i-smartの1F木材が加圧注入されていない、という衝撃の事実が書かれていました。

 

え”一条工務店の木材はACQという安全性の高い薬剤を使って、その薬剤を加圧注入しているからシロアリ対策はばっちりなんじゃないの??

加圧注入されていない木材が使われているなんて。。。。何かの間違いではないの??
また営業さんや監督さんが適当な説明したんじゃないの?

くみーごさんからご許可をいただきましたので、こちらの写真をご覧下さい(くみーごさんありがとうございます^^)

WS000247

上棟時に室内の柱部分に割れが確認されたそうです。割れ事態は縦割れなので問題がないと説明されたとのことでした(個人的には、じゃあどの程度割れたらだめで、どの程度ならなぜ大丈夫なのか気になりますが。。。)ただ、くみーごさんは繊維方向の割れは問題ないと説明を受けて納得されたそうです。

その後、施工をしている途中で経緯は不明ですが、割れが剥がれてしまったそうです。これも、見る限り深くないので構造上どうこうということはないので問題ないと思います。

そこまでは良いんですよ。。。現場に入ってきた木材に割れがあるのは、木材という生き物を扱う以上仕方ない面があると思います。

 

ただ、そこでくみーごさんは、不思議に感じられたことがありました。

WS000248

ご存じの通り、防蟻された木材は緑がかった色をしています。

加圧注入されていれば、木材内部も緑色になるはずじゃないの?ということを疑問に感じられたのです。

そう、この木材は「加圧注入」されていないのです!

一条工務店があれだけ「加圧注入」をアピールしているのに、加圧注入されていないなんて、ホント、詐欺ですよね。

くみーごさんへの一条工務店からの回答:手抜きをされたのか!?

くみーごさんは、営業さんや監督さんに、上記の疑問を確認されたそうです。そうしたところ・・・

我が家の1階柱ですが…加圧注入処理が施されているかのように緑色です。というか、1階全体の木材は緑色をしています。これも防腐・防蟻の薬剤の色なのです。
ただ、加圧注入という方法ではなく、薬剤の液に浸して浸透させるという方法で染まっているのだそうです。
「圧を加えていない」というところが違うだけで、使っている薬剤などはほぼ同じようなものだそうです。
同じようなもの=違うものですよね( ̄_ ̄ i)
そもそも加圧することで何がどう違うの?もう素人には分かりません。

くみーごさんのブログより

あっさりと「加圧注入していないこと」を認めたそうです。

そのあげく、「加圧注入していてもしていなくても同じようなもの」という、ある意味、じゃあ加圧注入の猛烈アピールは意味ないんだね!

というツッコミを入れたくなるような回答があったそうです。

フォローしておくと、くみーごさんが悪いわけは当然無くて、営業さんも悪くないと思っています。これは最後に書きます。

それにしても、加圧注入していない木材を使っておいて、「同じようなもの」などと言われたら、不安は増大して当たり前ですよね!

不安どころか、騙された!と思って当然と思います。私なら思います。

 

加圧注入しないのはコストカット?

まず、くみーごさんのお宅の写真の木材が加圧注入されていないのは事実です。

加圧注入をやめるなんてコストカットに違いない!そう思ってしまいます。。。。

 

家の柱が割れたら加圧注入されていなかった!?

我が家も含めて2012年6月以降に上棟した、少なくともi-smartとi-cubeについては、加圧注入されていない木材が使われています。セゾンについては未確認なので不明です。

加圧注入されていない!?

そんな馬鹿な!!一条工務店に騙された!!

と思われるのは当然と思います。

心配しないで!

なんで私がこんな事を言わなければならないのか、さっぱりわかりませんし、一条工務店が自分で説明しろよ、と強く、心の底から思うわけですが、どうぞ安心してください。

勝手にやっておいて何ですが、私はお客様相談室でもないし、一条工務店のフォロー要員でもありません。。。ホント金払ってくれと思ってしまいます。まっここから下で好き放題書いちゃいますけどね^^

2012年6月頃上棟以降のi-smartとi-cube(セゾンは未確認)では、部分的に加圧注入されていない木材が使用されています。

加圧注入されていないのは、一条工務店が私達顧客を騙したわけでもないし、コストカットで加圧注入をしていないわけでもない、と私は理解しています。

正直、一条工務店が誤解されて潰れようとどうなろうと、私にとってはどうでも良い事です。なんだったら、自分が家を建てておいて何ですが、誤解される説明しかできないなら潰れてしまえ!と思う(潰れられると色々困るわけですが)のですが、私と同じお客さんの立場で家を建てられた方が一条工務店の説明不足で不安を持ち悩まされるのを見るのは、ある種の「仲間」としてどうにも耐えられません。

 

今回のくみーごさんの経緯も、ブログで拝見して、一条工務店がきちんと対応して説明するだろうと思って、拝見していました。。。

 

しかし、、、なんと言うことでしょう。。。

一条工務店は、くみーごさんを混乱させて、

あげくの果てに不安にさせてしまっているではないですか。。。。

このビフォーアフターは何ですか??嫌がらせですか??(゜ロ゜)

 

もうね。。。一条工務店の対応を見ているのは限界です。

多分誤解が解けると思いますので私の理解の範囲ではありますが、なぜ加圧注入されていない木材があるのかについて、書いてみることにしました。

最後に、少し書かせていただきますが、今回くみーごさんが不安に感じられた内容は、2年も前に私が一条工務店に指摘して、そのようなことが起こらないようにお願いしていたことなのです(; _ ;)

やっぱりそうなったじゃないか。。。と。ホント、腹が立つし、残念だし、なんで私がそんなことを感じなくてはいけないのか、無力さを痛感させられています。

ただ、起こってしまったことは仕方ありません。一条工務店のことはどうでも良いですが、お客さんの側が不安に感じ続けなくて済めばと思い、一条工務店がなぜ加圧注入をしていない木材を使用しているのかを(私の理解の範囲で)書かせていただきます。

2年も前の話なので、間違いが含まれているかも知れません。必要に応じて一条工務店にもう一度問合せてみようと思っています。というか、今度こそ一条工務店が自らの意思で説明をしてくれることを期待しています。

ただ、それを待っていると不安に感じられる方が増えてしまいそうで、それは私にはとても耐えられないので、私の理解の範囲で、なぜ加圧注入されていない木材が使用されているのかを書かせていただきます。

一条工務店の防蟻対策:加圧注入ACQは防蟻剤の1つに過ぎない。

一条工務店の防蟻処理については、私自身色々な疑問を持つ中で、2年ほど前に問合せをしたことがあります。

その結果、一条工務店、正しくはHRDの開発者の方から回答をもらい、その対策に非常に納得すると共に安心した事があります。

その際の内容は下記の記事にまとめてあります。

そして、今回問題になったのはまさに2年も前に問い合わせた、上記の情報で解決していた内容なんです。

一条工務店の防蟻対策はACQばかりがアピールされますが、一条工務店の防蟻対策はかなり戦略的に考えられており、ACQの他、アリピレス、ニッソーコートAWなど複数の薬剤を、その特性にあわせて組み合わせて使用する事で、高い防蟻性能を実現しようとしています。

先の記事からの抜粋ですが、実査に使用されている薬剤は

* 基礎回り

  • 基礎部分:コシペレットB10の土壌部分への散布
  • ベタ基礎水抜き穴:コシシートEVの塗布
  • シーリング剤:コシシーラーによるシーリング

* 家の躯体

  • 外壁回り:マイトレックACQによる加圧注入剤
  • EPS:ニッソーコートAWによる表面処理
  • 内壁側:アリピレスによる表面処理剤

となっています。ここで、EPSと内壁側の木材は「表面処理」のみとなっており(正しくは浸潤処理と理解しています)、加圧注入はされていないのです。

どこにどの薬剤が使われているかを写真で見ると以下の通りです。

まず、基礎の内部は

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このようにコシシーラーやコシシートが使用されています。壁面はもうちょっと複雑で

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このようになっています。場所毎に薬剤を複雑に組み合わせて使用しています。

上記写真は室内側の写真なので、外壁側が写っていませんが、外壁側はACQが使用されています。

営業さんが猛烈にアピールする?加圧注入ACQというのは部分的にしか使われていません。

2012年6月上棟以前のお宅では上記の内壁側も全て加圧注入ACQが使用されていましたが、それ以降は上記の通り複数の薬剤が使用されています。

 

一条工務店はなぜ(一部)加圧注入を止めたのか?

写真を見ても、場所によって色々な種類の防蟻剤が使われていることがおわかりいただけたと思います。

ただ、その防蟻剤の選択は非常に合理的です。

簡単に説明すると、2012年6月上棟以降のi-smartとi-cubeでは、使用されている薬剤の「忌避性」に着目した防蟻が採用されています。

薬剤の特徴を簡単に書くと、アリピレスという薬剤はピレスロイド系殺虫剤が含まれており、シロアリが「嫌がる=忌避性が高い」成分になっています。シロアリはアリピレスがある木材には近づきたがりません。

ACQはシロアリの忌避性が低いため、実際に木材を食べてしばらくすると死ぬという効果になります。ACQはそれ自体がシロアリを殺すのではなく、ACQに含まれる殺菌成分がシロアリの体内にいる木材を分解する細菌を殺菌することで、シロアリをいわば飢え死にさせます。(シロアリは体内の常在菌に木材の繊維を分解させることで、栄養に変えています。そのためこの常在菌が死んでしまうと、木材を消化できなくなり飢え死にしてしまいます)。飢え死にですから、ACQがシロアリを殺すためにはそれなりの時間がかかりました。

ACQはその特性から加圧注入が必須

ACQにはシロアリを忌避させる能力はなく、シロアリを駆除するのに時間がかかるため、シロアリがACQを食べてから死ぬまでの間の(わずかではありますが)食害を防ぐことはできません

仮に、ACQが木材表面に塗られただけでは、表面の木材が食害され、そこに穴が空いてしまいます。そして、次のシロアリがその穴から入り込んでしまいます。

木材表面にしか塗布されていなければ、その穴から木材内部にシロアリの「蟻道」と呼ばれる巣が作られてしまい、木材の表面は綺麗なのに木材の中身はスカスカという非常に危険な状態になってしまいます。

そのため、ACQは加圧注入することで、木材の表面だけではなく木材内部にまでACQを浸透させ、シロアリの食害が多少あっても、防蟻効果が維持できるようにすることが必要不可欠なのです。

よって、ACQを防蟻剤として使用し、長期に木材の防腐・防蟻性能を維持するためには加圧注入をしなくてはならないのです。

場合に寄ってはACQを塗布した木材表面に蟻道を造って、その先にある防蟻されていない木材を食害することも極々希ですが、あるようです。

ACQはこのように僅かな食害は認めつつ、しかしシロアリを駆除することができる薬剤ですが、決して完璧なものではないことをご理解いただけたと思います。

一方で、ほ乳類や他の昆虫等の生物に対しては安全性が高いという特徴があります。

事実、当時はこのような薬効を理解していなかったのですが、こちらで私が実験した際にも、「普通のアリ」はACQでは死にませんでした。当時は、ACQが昆虫に対して殺虫効果を発揮すると思っており、ACQで通常のアリも死ぬと思っていたので「予想外」でしたが、上記の理屈がわかれば実験結果は合理的であったと思えます。あくまで木材の繊維であるセルロースを食べるシロアリのみに、選択的に効果を発揮するのがACQです。

そして、ACQの加圧注入剤はもう一つ大きな特徴があります。ACQは加圧注入をすることで、木材内部まで浸透させ防腐効果を発揮させることができます。

加圧注入して内部に浸透しているため、雨に濡れたりしても薬効を失うことがないのです。そのため、一条工務店は外壁周りと基礎部分、さらには軒といった「水濡れ」の可能性がある部分に付いては、現在も防腐・防蟻剤としてACQを使用しています。

アリピレスは表面だけで大丈夫?

ACQに加圧注入が必要なことはご理解いただけたと思います。

今回、くみーごさんのお宅では、ACQの部分ではなく、アリピレスが使用された木材の部分で割れが生じたことになります。

先に示したように、アリピレスは表面に塗布、正しくはアリピレスを満たしたプールのような所に浸潤させて処理をしている木材になります。

表面から多少はしみこみますが、あくまで表面に塗られた状態と思って良いと思います。

そう聞くと、ニッソーコートに切り替えてもやっぱり加圧注入が必要なんじゃないの?と思われると思います。しかし、これはアリピレスの有効成分であるピレスロイド系の薬剤と木材の特性から、加圧注入をしようと思っても、ACQのように木材の内部にしみこんでくれないという特性があります

そのため、アリピレスは加圧注入ができない(しにくい)防蟻剤となります。

しかし、アリピレスの有効成分であるピレスロイド系殺虫剤はACQに比べて即効性の高い殺虫剤になります。

例えばピレスロイド系殺虫剤は、ゴキジェットプロ、のような殺虫剤にも使われており、非常に即効性の高い殺虫剤になります。

 

ちょっと話がそれますが、先日、ツジーコさんが「一条工務店の家はゴキブリ天国?」と題して、記事を書かれていて、あ!面白いな!!と思っていました。

確かに、一条工務店の家は高断熱高気密である事でゴキブリの住みやすい家になるといえそうですが、一方で、シロアリはゴキブリと種別が同一である事、そしてピレスロイド系殺虫剤が効果を発揮することを考えると、一条工務店の家では(窓や玄関から入ってくるゴキブリは防げませんが)室内でゴキブリが卵を産んでも、子ゴキブリは増殖しにくいのではないかと思っています^^

我が家で実験すると離婚されてしまうので、実験はできないですが^^;

 

アリピレスの主成分であるピレスロイド系殺虫剤はACQとは異なり「忌避性が高い」と言う特徴があります。アリピレスが塗ってある木材にシロアリは近づこうとしないと言うことです。

よって、アリピレスを塗ってある木材にシロアリは近づかなくなるため、木材の食害を防止することができます。

また、近づいてきて木材の表面に触れる(正しくは舐める)と、アリピレスは速効性が高いためシロアリはすぐに死んでしまいます。

そのため、アリピレスは加圧注入せず、木材に塗布しただけでも十分な効果を発揮してくれます。また、ピレスロイド系の殺虫剤は揮発しにくいため、長期にその殺虫効果を発揮してくれることが期待できます。

以上のことから、アリピレスについては加圧注入が難しいものの、表面に浸潤させただけで十分な効果を発揮してくれることが期待できます。

これが、今回くみーごさんのお宅で問題になった木材が加圧注入されていなかった理由となるかと思います。。。

 

また、アリピレスは接触毒性を有しているため多少アリピレスが塗布されていない部分が有ったとしても、その周囲から侵入しようと思ってもシロアリは死んでしまいますので、問題がないといえるのも事実と思います。

ただし、面積が広くなれば偶発的な理由からシロアリが侵入してくる可能性は否定できませんので、剥がれた部分には再塗布をしておくことが必須です(くみーごさんが受けた説明のように「お客さんが不安だろうから」[←この説明にも腹が立った。なぜ顧客のせいにするの??違うでしょ??]などという理由ではなく、例えば電気配線上に蟻道ができる可能性などを考慮して再塗布が原則なのです!)。

ニッソーコートはなんのために採用されているの?

ここで、今回の問題とは関係ないのですが、2012年の防蟻剤の変更に伴い、断熱材であるEPSにはニッソーコートというネオニコチノイド系農薬が採用されています。

シロアリは発泡スチロールなんて食べるの?と思われるかも知れませんが、シロアリは何でもかんでもとりあえず食べてみるという性質があり、EPSのような発泡スチロールも食害にあうことがあるのです。

 

で、私は一条工務店の防蟻の考え方のこの部分にもの凄く感心したのです。

ニッソーコートはネオニコチノイド系の防蟻剤が使用されており、シロアリの忌避性が低い防蟻剤となっています。ネオニコチノイド系農薬は忌避性が低く、しかし即効性の高い殺虫剤になります。

すなわち、シロアリがその上を歩く(正しくは舐めながら歩く)と、シロアリにとって「毒」がある事に気が付かないでシロアリが駆除できます。

これによって、非常に有効な防蟻が実現できます。

防蟻の考え方が2012年6月上棟以前のACQを加圧注入した木材による防蟻という単一の防蟻ラインによる考え方ではなく、防蟻のための防御ラインが3重に改善されています。

  • 防御ライン1:外壁に使用した木材はシロアリに取って食べられない(食べたら時間がかかるけど死ぬ)ACQ加圧注入木材で固めます。これによって、シロアリが入り込みづらい家にします。しかし、ACQの昆虫忌避性はそれほど高くないため、シロアリが住宅内部に入り込んでしまうことはあります。
  • 防御ライン2:防御ライン1を突破して入り込んでしまったシロアリが内壁木材を食べることがないよう忌避性の高いピレスロイド系木材を使用します。万が一近づいてきても接触してシロアリを殺虫することで内壁を保護します。
  • 防御ライン3:防御ライン1を突破して防御ライン2から逃げ出してきたシロアリは忌避性の低いニッソーコートの塗布されたEPS側に入ってきます。そこで、ニッソーコートがシロアリを殺虫します。

という3重の防蟻が行われて、より高い防蟻性能を実現しようとしているのです。

そのため、単純にコストカットのために加圧注入を止めたというような話ではなく、より高い防蟻性能を求めて加圧注入を止めたと捉える方が良いと思っています。

以上のことから、一条工務店は決してコストカットや作為による手抜きで加圧注入をしていないわけではないと理解しています。

 

最後のネオニコチノイド系農薬については少し気になる事があり、

にまとめたような、ニッソーコートAWの主成分であるネオニコチノイド系農薬のアセタミプリドについて、懸念を表明したことがありますが、最後の記事にあるように、問題がないと判断しました。

また、ブログにはまとめられていないのですが。実際に我が家を実験台として、アセタミプリドの検出試験が行われましたが、空気中からはアセタミプリドが検出されることはありませんでした^^

一条工務店はなぜ防蟻対策を変更したのか(推測)

一条工務店の防蟻対策の考え方は以上の通りです。自分で説明しろよ、と心の底から思うわけですが、利にかなったものであり効果もあると思います。

ここで、そうなると性能が改善されていくのは良いとして、新しい防蟻対策以前に建てられた家は大丈夫なの?と不安に思われる方もいらっしゃると思います。

ただ、これは私の推察ですが、2012年6月以前に家を建てられた方も不安に思う必要はないと思っています。

 

ここからは少し私の推測を交えての話になりますし、私が疑問に思っていることでもあります。

一条工務店はなぜ上記のような防蟻対策に変更したのか?と考えたとき、確かに効果的で有効な対策なので、防蟻対策の改善という面もあると思います。

しかし、ぶっちゃけてみれば、もっと違う理由があるのではないか?というのが私の推測です。

一条工務店の家は昨年は年間1万棟を達成しました。急進と言って良いと思います。

で、疑問は、年間1万棟の住宅を建築するための木材はどこから持ってきているのだろうか?と思ったのです。

おそらくカナダ当たりのベイツガを使っているのだろうと思います。

ただ、従来は1カ所(または少数)の輸入先から木材を調達していたのが、住宅販売量の増加によって、1カ所からの木材調達が難しくなったのではないか?と思うのです。

木材の不足と防蟻方法の変更に何の関係が?と思われるかも知れませんが、私も十分に詳しくないのですが、加圧注入可能な木材というのは限られており、樹種だけではなく生産地などによっても加圧注入に向かない木材になってしまうことがあるようです

従来は「加圧注入可能な木材のみを輸入していた」のが、施工数の増大に伴い木材調達先が不足し、「加圧注入に不向きな木材」も買い付けざるを得ない状況になってしまったのではないかと思います。

その結果、従来の加圧注入ACQのみによる防蟻対策が不可能になってしまったのだろうと思います。

そこで、従来と性能の遜色がないか、さらに高い防蟻性能を実現しつつ、お客さんが納得してくれる対策が求められたのではないか?と考えています。

防蟻対策を複雑にすることでコストは上昇してしまうと思います。そのコスト上昇分は加圧注入に不向きな木材を仕入れることでコストダウンを図りつつ、防蟻性能を高めお客さんに納得してもらえる対策を打って出たのではないか?というのが私の予想です。

ですから、ACQ加圧注入に何らかの問題があって、その改善という側面よりも、木材の調達先を多様化する対策として防蟻処理の方法を変えたのではないか?と思っています。

新しい防蟻処理は確かに効果が得られるでしょうが、1Fの木材全てのACQ加圧注入でも十分な対策といえると思います。わざわざ防蟻処理の方法を変える必要はないように思えるため、上記のような別の理由によって防蟻処理の方法を変えたのだろうと思います。

そのため、新しい防蟻処理が行われていないお宅でも十分な防蟻性能は得られていると思うのでご安心ください^^(←だからなんで私がこんなこと言わなくちゃいけないの???)

 

一条工務店への不満と怒り

2年前に指摘していたのに何も対策を取らなかった一条工務店

さて、ここからが本番?です。

私は上記のような一条工務店の防蟻対策の話を2年も前に聞いていたのです。。。

問合せに対して開発担当の方から回答をいただき、非常に納得しました。

せっかく上記のようにしっかりと防蟻処理を考えたのなら、きちんとお客さんにも説明すべきだし、営業さん達にも周知徹底すべきだろうと思いました。

確かに、加圧注入ACQによる防蟻処理に比べれば少し話はややこしいので、現場の方が理解するのにも苦労するかも知れませんし、お客さんへの説明のしやすさを損なう面があるかも知れません。

でも、きちっとやっている事を説明するのは企業の義務だと、私は思っているのです。

そこに、日本人ならではの奥ゆかしさなど必要ないと思うのです。

もちろん自社を実態以上にみせるような説明は絶対にやってはいけないことですが、実体が伴っているなら「スゴイだろ~!!」というのこそ、企業の責任だと強く思うのです。

私達顧客の側も、しっかりと説明してくれることで「お~、そこまで考えてくれているなら他も安心かな?」と思えると思うのです。

逆に、今回のように説明がないままそれが改善であろうが、コストカットであろうが、関係なく、聞いている話と違えば不安に感じるのです。

 

私が防蟻処理について問合せを行った際、当時私が教えてもらった状況は一条工務店の営業さんや監督に対してなんら説明が行われていなかったのです。

そのため、一条工務店が得意の「社内通達」でも良いからしっかりと営業さん達に説明をした方が良いと思うことを伝えました。

しかし・・・一条工務店の回答は

「内容が難しいので現場を混乱させてしまうといけないから、問合せがあったら答える」

という回答でした。

それに対して、私は

「知らせないことの方が現場を混乱させるし、何よりもお客さんが混乱する。そもそもそんなに難しい話じゃない」

という話をしましたが、現場が混乱するという判断が覆ることはありませんでした。。。

で、その結果が、今回のくみーごさんのお宅で起こった事です。くみーごさんはブログを書かれていたので、私がその不安を知ることができました。おそらく、くみーごさん以外に同様な疑問を持たれた方もいらっしゃったのではないでしょうか?そして、自分の家の担当営業や監督に質問した人もいたと思います。おそらく、くみーごさんが受けたのと同じようなモヤモヤした説明を受けた方もたくさんいらっしゃったのではないでしょうか??

事実くみーごさんは、相当に不安を感じられたのではないかと思います。

一条工務店の方がご覧になっていたら、くみーごさんが提供してくださった左側の写真を見てください!!

おそらく、かなり小さなお子さんをだっこした状態で写真を撮影されているのです。。。。お子さんの左手が写っていますよね。。。

子供をだっこしながらでも、写真を撮って確認しなければ不安と思えるような状態だったのだと思うのです。

そして、不十分な説明がなされ、さらには加圧注入されていない事実を知ることになります。

どういう気持ちかわかりますか??

一条工務店の監督にとっては、大した事ではないかも知れません。でも、顧客である私達は、そんな不安を抱えたまま何十年もローンを返さなくちゃいけないんですよ??

そのときの不安を想像できませんか???

私はくみーごさんに確認したわけでもないですし、勝手な想像ですが、このまま石膏ボードで隠されたらうやむやなままわからなくなってしまう、と思って確認したのだと思います。

でも、確認しても、納得のいく回答は得られませんでした。

当然です。

一条工務店は社内にさえ秘密主義

くみーごさのお宅への説明が不十分あったのは、当然と思っています。

一条工務店は営業さんや監督に対して、私が先に書いたような防蟻処理の考えについて説明していないのですから、現場の営業さんも監督さんも即答することなどできないのです。

あげくのはてには「加圧注入されていなくても加圧注入とおなじようなもので大丈夫」などという素っ頓狂な回答をしてしまっているのです。。。

 

2年前、私が問合せを行って、社内に周知して欲しいと伝えとき、あのときにしっかりと社内で情報を伝達していれば、少なくともくみーごさんが今回このような不安を覚えることがなかったはずなのです。。。

それなのに、「現場を混乱させる」などという意味のわからない理由で社内に周知しないで、結果的に現場を混乱させてしまったのです。。。

愚かとしか言いようがありません。。。

別に一条工務店がどれほど愚かで、利益が減少しようと、給料が減額されようと私に取っては知ったこっちゃありません。

でも、私やその他のお客さんを不安にさせるのだけは、非常に迷惑なのでやめて下さい。

一条工務店は嘘をついて顧客を欺いている。

一条工務店のWebサイトを久しぶりに確認しました。

仕様変更から2年を経た、現在においても一条工務店のWebサイトでは1F主要構造材はACQによる加圧注入が行われていると、説明しています。

そこにはアリピレスも、ニッソーコートの説明もありません。

 

ただし、おそらく外壁部分以外にACQを使っていない事実を知っている人が言葉巧みにACQという文字を使ったり、使わなかったりしています。

WS000250

 

一条工務店は、自社でアリピレス、ニッソーコートと言ったACQではない木材が使用されていることをわかっていながら、顧客を欺くようなことをしているとしか思えないのです。

 

加圧注入ACQのすばらしさを前面に押し出した後で、断熱材についてはACQという言葉を使わずに防蟻をしてあると言っています。

WS000249

 

そりゃ、ACQ使っているとはいえないです。

だって、実際はニッソーコートを使っているわけですから。。。

でも、写真はEPSにACQによる処理がしてありますよね?

ACQはそれこそ人間の口に入るような場所でも使われており、人体に対する安全性が高い防蟻剤です。

でも実際は、ACQではなく

  • ピレスロイド系の殺虫剤
  • ネオニコチノイド系の農薬

が使われています。ACQと比べると、有害性は高い薬剤です。

 

ACQは例えば食事の前のお手ふきや、シャンプーなどに防腐剤として使われています。これらは当然人間の口に入ってしまうことを前提とした薬剤の選定が成されています。

それに対して、ピレスロイド系殺虫剤はゴキジェットなどに使われています。

 

あれですかね??

 

一条工務店の方は、ゴキジェットプロで手や食器を消毒したり、ゴキジェットが入ったシャンプーで手を洗ったりしても良いのですかね??

 

だって、ゴキジェットの有効成分、農薬成分を使っている事を説明せずに、あたかも全てACQと同じかのように書いているわけですから。。。そういうことですよね???

 

当然ですが嫌みですよ。そんなことあるわけないですよね。。。

作用機序が全く異なる薬剤を使用している以上、その説明もせずに、あたかも全て安全なACQで使用されているかのような説明を詐欺と言わずになんと言えば良いのでしょうか??

これは説明不足の範疇を超えています。

ピレスロイド系殺虫剤は、化学物質過敏症の方の場合はアナフィラキシーショックを起こす危険もあるんですよ??

そのような薬剤を使用していることを「故意に隠している」ということは、顧客を欺く行為、もっと言えば詐欺に他なりません。

 

正直、これ以上の説明はここではしません。

自分でまいた種なんだし、後は一条工務店が頑張って説明して下さい!こちらの一条工務店公式動画でもACQの説明しかしていないですよね?

2年経ってサイトを更新し忘れていた?お金がなくて動画やWebサイトを作り出せなかった??

そんなわけないですよね?だって、もの凄いキャッシュを持って経営していて、安全経営なんですよね??

お客さんを騙すような事をやっておいて、どの口が安全とか言っているんですか??

そんな隠蔽まがいのことをする会社が安全と言って誰が信じるんですか??

もっというならば、加圧注入ACQは75年持つとされています。でも、ニッソーコートやアリピレスは75年持つんですか??

直感的に浸潤をさせることで5年よりは持ちそうな気がします。でも10年持つという自信や、それを裏付ける証拠を私は見つけることができません。

そして、一条工務店は加圧注入ACQから、アリピレス、ニッソーコートに切り替えたことを一切説明していないので、実際は6-7年で防蟻性能がなくなってしまうかもしれません。

そんな説明もないまま、ACQと思って、75年は防蟻処理をしなくて良いと思って、一条工務店を選んだ人に取っては、詐欺以外の何者でもありませんよね??

 

私は、建築に関してはど素人です。さらには、いわゆる「企業」に務めたこともありません。あらゆる意味で本当にど素人なのです。

そのようなど素人の私が理解して説明できるようなことが、プロである一条工務店では説明もできないし、現場の人は理解できないのでしょうか???

(なんだったら、私が文章を書いたって良いですよ。。。呼ばれれば講演だってしますよ。もちろん有料 and/or 電動ハニカムですよ!)

冗談は置いて置いて、あらゆる意味でど素人の私が、2年も前に想像できていた事態を、建築のプロであり、事業会社である一条工務店が予測できなかったとでも言うのでしょうか???どう考えても、私の理解を超えています。顧客を騙すつもりだったと言われたら非常に納得のいく行為です。

ちなみに、今回の話の手前で書いてた「公開質問」でもこの手の話がありますので、それは後日書かせていただきます。

確かに住宅の性能に対する一条工務店の研究開発姿勢は、研究者という職業的な立場から見たとき、素晴らしいと感じることが多いです。

でも、顧客という立場から見たとき、説明責任を果たすと言った、企業としての基本がないがしろにされえいると思えてなりません。

営業さんや監督といった、現場の方達への教育こそ、本社としての重要な役割であると思うのですが、それが適当すぎます。いや、適当を超えてある種の詐欺に近いです。

 高性能な家を造れば説明などしなくて良いとでも思っているのでしょうか??

顧客を馬鹿にするのもいい加減にして欲しいです。

くみーごさんのお宅の営業さんや監督個人を批判する意図は毛頭ありませんが、くみーごさんを不安にさせてしまいました。ただ、それは個人の責任などではなく、企業としての責任だと思うのです。

嬉しいけど複雑な気持ち

今回、私が以前書いた先のブログをご覧になっていただいていて、不安にならずに済んだと言ってくださった方がいました。

私個人としては非常に嬉しいことです。

でも、それじゃあダメなんです。

多くのお客さんは、一条工務店の営業さんと契約し、監督に家を管理してもらいながら家を建ててもらうのです。

私のブログを読んでもらって、安心してもらうのではなくて、私のブログを参考にしてもらったのでも構わないですから「営業さんの口」から説明が必要なんです。

そういうことの積み重ねではじめて信頼関係が構築できるのだと思います。

営業さんが適当な説明をして、顧客の一人に過ぎない私のブログを読んで安心してもらうと言うのは、お客さんにとっては我が家担当営業は、担当監督は大丈夫?という不安にしか繋がらないのです。

別に私のブログを営業さんが読んででも良いですが、それではブログを見ている営業さんだけしか情報が得られません。

だからこそ、一条工務店の社員である営業さんや監督が、自信を持って自社製品を説明できるよう教育、指導する義務が、一条工務店にはあると思うのです。

一条工務店には社内体制の見直しをしてほしい、ってか自浄能力は期待できない

一条工務店は近年急進してきたハウスメーカーです。

そのため、「説明責任」に対する認識があまりにも甘く、そして脆弱です。

一条工務店の社内では、顧客の事を無視して自社に不利な情報は隠すという社内風土が醸成されてしまっているのだろうと思います。

もちろん、一条工務店の方は「そんなことはない」と言うと思います。もしかすると、他のハウスメーカーの情報公開の状況を引き合いに出して、「仕方がない」などとすっとぼけた事を言うのかも知れません。

でも、今回の件も含めて、それ以外にどんな理由があるのか、私には皆目見当が付きません。

秘密主義が決して悪いとは思いません。自社の戦略上重要な情報は外部に漏れないよう管理して当然と思います。

しかし、顧客が疑問に思うことさえも隠すというのは、隠蔽、作為的詐欺以外の何者でもないと、私は思います。

正直な私の感想としては、一条工務店に、これを自浄する能力はないと思うようになっています。

一条工務店のお客様相談室の権限は弱すぎますし、「顧客の立場にたったフリをする」経営幹部はいても、本当の意味で顧客の立場に立ってものを考えている人はいないと思います。

このような状況を改善するためには、消費者団体等、ある種、そのような一条工務店の「敵」ともいえる有識者を社外取締役として迎え、社内の情実を無視して意思決定できる強い権限を持った社外取締役にでも来てもらわなければ、今後も一条工務店は買われないでしょう。。。そして、変わらなければ必ず市場から淘汰されます。

今回のことは、些細なことかもしれません。でも、その裏にある一条工務店の社内体制は、それほどまでに歪んでしまっていることに気が付くべきと思います。

少し、怒りにまかせて書いている部分もあるかもしれません。

私自身、私に関わってくれた多くの一条工務店の方に感謝し、その性能に満足しているだけに、非常に残念ですし、不満です。

私が感情的に過ぎる部分があり、お客さんの側にとって不快な部分が有りましたら、ここに深くお詫びいたします。