一条工務店i-smartの基礎完了1:クラック発見(~_~;)

こんばんは。さすけです。

前回は鉄筋が貼られただけだった我が家の基礎ですが、台風が来る前に無事に基礎工事も完了し、基礎工事完了報告書もいただきました\(^o^)/

本日はこの基礎工事完了報告書を見ながら、我が家の基礎の状態について考えてみたいと思います\(^o^)/

我が家の基礎も先日無事に完成しました。最初は狭さに驚いてビックリしたものの、こうして基礎ができてくると大分広いような気がしてきます。
我が家の上棟は7月3日からの予定です^^上棟の日は仕事の休みを取って見学の予定です^^(←はい、暇人です^^;;;)

で、ですよ。気になったのは!!

クラック発見(~_~;)

これは、玄関の土間部分で発生していたクラックです。クラック全体は

赤い枠で囲った部分にちょうど蛇がのたくるような感じで、長さが1mちょっとのクラックが走っています。。。

で、煽るような書き方をしておいて何ですが、結論から言うと、このクラックについては監督さんに話を伺って、まあ、そいうものということで納得したのでこのまま放置することになりました^^

ただ、やっぱり、このクラックが何故生じて、なぜ問題が無いと言えるのか、と言う点は気になるのです^^;;;

ということで、本日は、基礎コンクリートに生じたクラックについて、なぜ大丈夫と思えるのかについてメモをしておこうと思います。

・ このクラックは大丈夫なクラックか?
私は「大丈夫」という言葉には必ず理由が伴うべきと思っています。監督からは大丈夫と言われたので、理由も確認しました。

まず、このクラックが生じていた箇所ですが、

上の赤い線の部分になります。玄関の入り口にあたる箇所です。
この部分になぜクラックが生じたのかについて、監督から聞いた話と、基礎完了報告書を見ながら考えていきたいと思います。

基礎完了報告書には、「生コン納品伝票」の写真が添付されています。

住宅の基礎は生コンによって作られるわけですが、一言で生コンと言っても強度や流動性等が異なり、どのような強度の生コンを使用するかで、基礎の強度は変わってくるようです。

で、我が家に使われている生コンの納品伝票を見てみると

となっています。基礎完了報告書の解像度が悪いため見えづらいですが、ここで重要なのは

ベースが呼び強度「27」、スランプ「15」

となっているのに対して、

土間については呼び強度「18」、スランプ「18」

となっている点です。

・ コンクリートの強度
コンクリートの強度は2種類有ります。
呼び強度と呼ばれるものと、設計基準強度と呼ばれるものです。このあたりについてはAllAboutにわかりやすい説明がありましたので、こちらをご覧下さい

ざっくり言ってしまえば、呼び強度とはコンクリートの温度等による固まり方の違いを考慮して「これだけの強度が必要」という注文時に求めている強度のことのようです。

・ 27N/平方ミリとは?
で、ベースコンクリートについては「27」とあります。単位は「ニュートン/平方ミリ」です。高校のころの物理の時間に聞いた記憶が??と言う方も多いかと思います^^

これまた、細かいことは置いて非常にざっくり言ってしまうと、ニュートン/平方ミリというのは圧力の単位になります。ちなみに気圧の単位である1Pa(パスカル)は1ニュートン/㎡のことです。

ただ、ニュートンと言われてもいまいちピンときません。。。これをわかりやすい単位に換算すると

1N/㎟=10.2kg重/㎠

と換算できます。ここでは、ざっくり10kg重/㎠で計算します。よって、

27N/㎟=270kg重/㎠

と計算できます。

このことから、27N/㎟とは1平方センチ当たり270kgの圧力に耐えられるコンクリートであると言うことを意味しています。 33N/㎟であれば、330kgの重量に耐えられることを意味しています。
基礎の厚さは概ね15cm程度です。仮に15cm×90cmの基礎であればその基礎だけで、364トンの圧縮に耐えると言うことになります。結構丈夫な印象を受けます。

・ スランプとは・・・
こちらは、非常にざっくり言ってしまえば値が高いほど、流動性が高いコンクリートであることを示しているようです。スランプの値が高ければ、流動性が高い分施工性は良いですが、乾くのに時間がかかります。対して、スランプの値が低ければ流動性が低いため施工性は悪化するけれど、短時間で固まると言うことと思います。

で、こうなってくると疑問が出てきます。この基礎の強度は十分なのか?はたまたオーバースペックになってしまっていないか?ということです。

・ 使用した生コンは必要な強度を持っているか?
直感的には15cm角の正方形の柱で約60トンの荷重に耐えるコンクリートというのは、十分な強さに思えます。しかし、家のことですから直感に頼るには不安があります。
そこで、フラット35を借りる際に求められる「木造住宅工事共通仕様書」を確認してみます。

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こちらによると、必要な呼び強度は今の時期でしたら気温は10度以上ありますから、24N/㎟というのが最低限必要な強度と言うことになります。

よって27N/㎟の生コンであれば、必要最低限の強度24N/㎟よりも少し高い強度のコンクリートで施工されていることが分かりました。

当然誤差は吸収されているとは思いますが、施工状況等によって呼び強度通りの強度が出ないことがあるため、一つ上の強度のコンクリートを使用していると言うことではないかと思います。よって、必要な強度を満たせてはいますが、十分な強度であるかは不明です^^(←いや~書いてても嫌な客です^^lll)

・ 使用した生コンは十分な強度を持っているか?
なんだか、上のように言うと、もっと丈夫な基礎の方が良いのではないかと不安に思う方もいるかも知れません。
では、十分な強度の生コンとはどの程度の強度があれば良いのかを考える必要があります。

基礎の強度が十分であるかを考えるためには、
* 地震等の極端な事象が発生した場合
* 長期間にわたる基礎の劣化

の2つの事象に対して十分であることが求められると思います。

* 地震等の極端な事象が発生した場合
私が思うのは地震で基礎がぼっきり割れて家が倒壊したという話は、一般の住宅では聞いたことがありません。昨年も東日本大震災の被災地に行った際も、地震が大きかった地域であっても、建屋が倒壊している住宅はたくさんありましたが基礎が完全に壊れている建物というのは見かけませんでした。

さらには、先日私が住む茨城県つくば市であった竜巻後の写真などを見ていても、ホールダウン金物で固定された基礎ごと吹き飛ばされた家の写真がありました。要するに、家を持ち上げても基礎が崩壊するようなことがないほどに基礎は高い強度になっていると理解することが出来ます。なので、基礎の強度はこの程度で必要十分な強度なのだろうと想像します。

* 長期間にわたる基礎の劣化
調べてみると、基礎の強度というのは実は地震などに対する備えの為に強くすると言うよりも、コンクリートの強度が家の寿命に直結してくるために、強度を上げているようです。

日本建築学会が発行する「建築工事標準仕様書・同解説(JASS5)」によると、コンクリートの強度によって、大規模な補修を行わなくてもその基礎を使用可能な期間「大規模補修不用期間」が定義されています。これによると
・ 18N/㎟ →およそ30年
・ 24N/㎟ →およそ65年
・ 30N/㎟ →およそ100年
と記載されています。これらの関係は線形ですから、
・ 27N/㎟ →およそ82.5年
・ 33N/㎟ →およそ117.5年
と考えられます。

よって、
27N/㎟のコンクリートで施工された住宅は100年住宅とは言えないものの、70年以上は大丈夫そうです。

私は現在36歳ですから、106歳までは基礎は持ってくれると考えて良さそうです。これであれば、我が家のベース基礎のコンクリート強度は十分な強度であると言えそうです。

で、生コンの納品伝票をもう一度確認してみると

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一条工務店が使用する生コン伝票にはベース部分は最低の強度が27N/㎟と記載されているため、一条工務店で建てる限りは基礎の耐久年数は最低70年と考えて良さそうです。ちなみに、より強度の高い33Nのコンクリートは何に使うかと考えると、おそらくは免震住宅の基礎に使用されるのでは無いかと思います。免震住宅の場合、基礎を空中に浮かせることになるわけですから、通常のべた基礎のように面で荷重を支えるのではなく、点に近い形で荷重を支えることになり高い強度が必要なのだろうと思います。

・ 土間基礎のクラック
我が家の基礎で見つけた土間のクラックについてですが、先の生コン納品書を見ると、わかりにくいですが「土間コンクリート」の呼び強度は18N/㎟となっています。1平方センチ当たり180kgの荷重に耐えるコンクリートが使用されていることが分かります。

家の本体が載るベース部分の基礎では270kgに耐えるコンクリートが使用されていたことを考えると、土間部分には強度の低いコンクリートで施工されていると言えます。

この理由については、監督に伺ったところ、住宅のベース基礎には家の本体の荷重がかかるけれど、土間基礎部分は人間の出入りに伴う荷重程度しかかからないため、強度を落として施工しているとのことでした。

まあ、言われてみれば確かにその通りで、どこもかしこも高い強度が必要なわけではないことは理解できますし、そういうものだと言われれば、そうなのかなと納得しました。よって、土間部分のクラックについてはそのままで良いと判断しました。

強度が低いコンクリートを使用することで、結果的に土間が割れるなら強いコンクリート使っておけば良いんじゃない?と思わないではないですが、不必要に強いコンクリートを使えばコストが上昇するので、その当たりは難しいですね。。。

ただ、気になるのはクラックが生じていることによって地面から湿気が上がってきてしまうことですが、これについても基本的には上部をタイル等で施工することで問題ないと言うことでした。

でも、タイルが貼られて、その後に沈下が起こればタイル自体が割れてしまうのではないかと思って聞いてみました。通常、このようなクラックは、地盤を掘ったりして柔らかいため沈下によって生じるとのことでした。よって、施工後すぐに沈下が起こり、その後は沈下は止まるのでタイルが割れるようなことはないとのことでした。

ということで、まあ、タイルが割れるようなことはないと信じて、このままで良いと思うことにしました^^; いや~なんでも気になっちゃうんです^^;;ゴメンナサイ!でも、タイルが割れたり、タイルの目地が割れちゃったらちゃんとなおしてね!^^

基本的にはこの土間部分のクラックはどこの家でも生じるようなので、もし自分の家で見つけても大騒ぎしなくても大丈夫なようです^^
ただ、疑うわけではないですが、念のために写真を撮って施主と一条工務店が相互にクラックが生じていることを確認しておくと良いと思います。後々、何かの拍子で沈下が起こりタイルが割れたりした場合原因がはっきりするので、やりとりもスムーズになると思います。

で、監督が言うには良く生じるクラックとのことだったので、本当に頻繁に発生しているのかを簡単に調べてみました。「土間 クラック」で検索すると確かに山のように出てきました^^;;;

確かに良くあることのようなので、そういうものなのだと思います。

* 土間の寿命
ちょっとこの文章を書いていて気がついたのですが、コンクリートの強度が18N/㎟であるということは、土間部分に付いては約30年後には大規模な補修が必要になる可能性があるということを意味しています。30年後と言えば私は66歳です。まだ元気でいる予定です。

その頃には、いったん土間部分に関しては大規模な補修が必要になるかもしれません。。。。
なんか、気持ち的に微妙なので設計段階で選択させてくれたら土間部分も27N/㎟でお願いしたかったな~と思います。。。

価格的にもたいした差では無いと思うのです。こちらによると、18N/㎟のコンクリートだと1㎥あたり16100円で、27N/㎟だと17100円/㎥です。
土間部分のみなので、せいぜい3から5㎥程度の使用量と思います。と言うことはオプションにしても1万円程度のことと思います。それだったら、気持ち的には家の基礎と同じ強度で土間も作っておけたらよかったのにな~と思いました。
確かに30年経ったら色々補修は必要と思いますし、そもそも家を建て替えてるかもしれません。しかし、まだそのまま使い続けたいと思っているかも知れません。そのときの為の保険として数万円なら払っても良いかな、と思うのです。

もし、現在設計中の方で気になったら設計の方などに相談してみると良いかと思います。
ただ、もしかすると土間コンクリートは強度を落とさなくてはいけない理由が別にあるかも知れませんので、そのあたりも確認した方が良いかも知れません。

* 先に言って欲しいな
で、私が思ったのはこう言うのって、後から「問題有りません」って言われるから気になるんです。基礎を作る前に「土間にはクラックが入ります!」って宣言してくれていると安心できると思うのですがいかがでしょうか?

だって、後から「問題ない」と言われてしまうと、それが事実問題ないものなのか、それとも言い訳なのかを判別するのが大変なのです。

でも、問題が発生する前に「ここにはこういうクラックが出来るけれど、こうこうこういう理由で発生するもので、家の強度には影響しません」って、基礎を作る前に言われていると印象が相当に違うように思うのです