着手承諾その前に:電気配線-センサースイッチの配置(Part2)

こんばんは。さすけです。

我が家は、基礎コンクリートも流し明日から養生期間に入ります。コンクリートの流し込み中も無事に雨は降らずに良い感じです\(^o^)/
すっかりブルーシートに覆われてしまって何も見えません。。。

ということで、着手承諾その前に:電気配線シリーズPart2を書きたいと思います!

前回はスイッチの基本的な種類についてご紹介しました。
今回はその中でもセンサースイッチを取り付ける際に注意すべき点や設置箇所をどうやって決めていけば良いかを書いていきたいと思います。

・ センサースイッチの配置について考えるべきこと

1. センサーの検知範囲
センサースイッチにはセンサーの検知範囲を知ることが必要です。前回も少し書きましたが、センサーの検知範囲は基本的な天井付けセンサーの場合以下のようになっています。

角度70°で感知すると言うことは天井高さをLとして投影される円の半径をrとしたとき
r=L×tan(35°)=L×0.7
ですから、L=2.5m のときで、r=1.75m 直径3.5mの円になるので上の図と同じです。よって、i-smartのように天井高さが2.4mのときはr=1.68m 直径3.36mの円状にセンサーの感知範囲が広がると言うことになります。また、我が家の場合で天井が下がってしまって天井高さが2.2mの箇所では検知範囲が直径3mの円になってしまうと言うことになります。

で、ここで勘違いしてしまいがちなのですが、じゃあ、センサーの感知範囲は直径3.36mの円上に考えて良いのかというとそうではありません。

センサーが検知する為には周囲と3℃の温度差が必要になります。よって、ズボンなどの衣服に覆われているとセンサーが検知しない可能性があります。そのため、パナソニックでは高さ70cmの位置を基準に検知範囲を設計することが推奨されています。高さ70cmはちょうど大人が歩いている際に手が来る位置です。家の中では手袋などはしていないので手であれば感知してくれると言うことになります。

そうなると検知範囲は
天井高さ2.4m:2.4m-0.7m=1.7m、1.7m×0.7≒1.2m
となります。よって、天井高2.4mの場合は、半径1.2m、直径2.4mの円が検知範囲となります。同様に、天井高2.2mであれば2.2m-0.7m=1.5m、1.5m×0.7≒1.0mとなるので、半径1m、直径2mの円がセンサーの検知範囲となります。

*壁付けセンサーの場合
壁付けセンサーは取り付け高さが腰の位置よりも上に来るようにすれば特に問題ありません。
壁取り付けセンサーの場合は、検知範囲は角度160°、半径3mの扇型状に検知範囲が広がります。

上は一例です。センサーによって検知範囲は個となるので取り付けるセンサーを確認してください。

2. センサーの配置図面の作成
センサーの検知範囲は分かったので、続いて、センサー配置図面を作ってみたいと思います。
センサー配置図面とは、私が勝手に命名した図面ですが、単に一条工務店からもらった図面上にセンサーの位置とセンサーの検知範囲をプロットした図面です。

天井取り付けタイプであれば、図面の縮尺にあわせて2.4mの円と角度160°3mの扇型を作ります。私の場合の作り方はパワーポイント(PPT)を使って作りました。完成すると下のような形になります。

これで一目でセンサーがどこで感知するかが分かるようになります。

*センサー配置図面の作り方
一応、簡単な作り方ですが、PPT状に図面を貼り付けます。

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続いて、図面の90cm角で書かれた正方形の中にぴったり合う円を書きます。

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このマス目は90cmの正方形ですから、 このときの円のサイズを確認します。
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この場合は1.75cmとなっています。と言うことは、この図面は
90cm:1.75cm = 51.4 : 1
という図面になっていることになります。PPT上での1cmが実際は51.4cmに相当します。
2.4mの円を描くためには240cm÷51.4=4.67ですから、上のサイズを高さと幅を4.67cmにすれば2.4mの円を描くことができます。

こうして作った円を自分がセンサーを配置したい位置に持ってくればセンサー配置図面の完成です!
PPTの円はそのままだと中心位置がわかりにくいので直線で中心を分かるようにしておくと便利です^^

3.個別センサーの取付位置の検証
それでは、センサー配置図面を使って例を参考にセンサーの配置を検討していきます。

例:玄関の照明をセンサーにするならば、玄関から入ってきた時、玄関から出て行くときの双方でセンサーが感知する位置にセンサーが取り付けられているか?

これは、当然と言えば当然なのですがセンサーが感知しない場所にセンサーを取り付けてしまってはセンサースイッチがその役割を果たせません。

下の図をご覧下さい。赤丸の所に天井付けのセンサー照明を付けて玄関のスイッチを制御したいと考えています。この配置は大丈夫でしょうか?

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ちょっと奥過ぎるような気もしますが、リビングから玄関に出る際にはしっかり反応してくれそうですよね^^

でも、このままだとおそらく住んだ後に不便を感じます。下に、センサーの感知範囲を円で示した図を示します。

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確かに、リビングから出たところで反応してくれそうです。
しかし、玄関に2歩ぐらい踏み込まないとセンサーは反応してくれません。別にそれでも良いという考え方もあるかも知れませんが、個人的には玄関のドアを開けたらすぐに照明がついて欲しいと思ってしまいます。

じゃあ、玄関のドアに近い所に取り付ければ安心!と言うことで

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この位置に取り付けてみます。この配置はどうでしょうか?この配置は、ケースによっては正解ですが、ケースによっては失敗です。

どういうことかというと、土間の北側にある廊下の照明と土間の照明を連動させたいか、させたくないかによって変わってきます。すなわち照明の連動範囲を

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このような形で、土間の照明を廊下の照明とは分けて独立させている場合はこのセンサー配置は正解と思います。なぜならば、この配置であればリビングから廊下に出てきても土間の照明は点灯せず、土間に近づいて初めて土間の照明が点灯する配置になっているからです。

しかし、下の図のように土間と廊下の照明を連動させている場合は、失敗につながります。

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廊下の照明と土間の照明を連動させるならば、リビングを出たところでセンサーが反応しないと、いったん土間の方に近づかないと廊下の照明が点灯しないというおかしなことになってしまいます。よって、廊下の照明と土間の照明を同時に点灯させる場合であれば、天井センサーで実現しようとした場合は、以下のように2箇所の設置が推奨されます。

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こうすることで、リビングのドアを開けたところでセンサーが感知し、また、玄関ドアを開けて一歩踏み込む程度でセンサーが感知します。ただし、これではセンサーが2台分必要になってしまってコスト的に嫌だという場合は、壁付けセンサーが良いかも知れません。

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このように壁付けセンサーを取り付けることができれば、リビングから出てきたところと玄関から入ってきた所の両方が感知範囲になります。

ただし!!ここでも注意が必要です。上記の取付は、やや失敗の可能性があります!!
どこが間違えているか分かりますか?

壁付けセンサーの特性として取り付け位置に対して直進してくる人を感知しづらいという問題があります。すなわち人の動きに対して

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このような動きは感知しづらいという特性があります。よって、センサーを横切る

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このような形で設置されることが推奨されています。しかし、センサー取り付け位置とリビングの位置関係から、この関係を完全に満たすことはできません。しかし、扇型の外周部分は必ずしも上記のように横切らなくても、中心方向に向かわない取り付け位置

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このように人が動く位置に取り付けることができれば、センサーがきちんと反応してくれることが期待できます。

そこで、センサーの取付位置を下のようにできる限り玄関側に移動することで、リビングから出た際の動きを検知しやすいセンサー取り付け位置とすることができます。

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う~ん、分かりづらいのでもう少し図で説明すると、

 

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上記2つの例で青矢印が人の動きを表しているとすると、廊下側にセンサーを取り付けると、リビングから出てきた人はセンサーと理付け位置にまっすぐ向かってくる形になって、センサーが感知しづらくなります。対して右側の図のように、センサーをできる限り玄関ドア側に取り付けることで、リビングから出てきた人は扇の中心に向かうのではなく、扇を横切る形を作り出すことが出来ます。

このようにセンサーを少し動かすだけでセンサーの感度を上げることが出来ます\(^o^)/

センサーの取付位置は、どの範囲の照明を点灯させたいかで変わってきます。また、壁付けセンサーの場合は人が動く方向も考慮に入れる必要があります。

私が個人的に触ってみた感じでは、センサーと理付け位置に直進してきてもそれなりにセンサーは感知してくれるので考えすぎという可能性はありますが、少なくともパナソニックの推奨は上記のようになっていますし、設計段階であればこのようなことは検討することが簡単に出来ます!なので、せっかくセンサーを付けるならその性能が最大限に発揮できるような取り付けをおこなうのが良いと思います\(^o^)/

次回はもう少し広範囲な視点でセンサーをどう取り付けていくかについて書きたいと思います\(^o^)/