太陽光:全量買い取り制度は使えるの?

こんばんは。さすけです。

既にニュースなどでも報道されているとおり、2012年7月以降の太陽光発電による電力買い取り制度がパブリックコメントの段階となり、ほぼ確定しました。

我が家は太陽光発電パネルを9.9kW搭載する予定です。また、10kWを超えないように調整するためダミーパネルが2枚載っています。
我が家で導入することになった一条工務店の太陽光発電パネルは1枚当たり、150Wの発電量です。と言うことはダミーパネルを通常の太陽光発電パネルに変更すると300W発電量が増量できます。結果として、我が家のパネル搭載量を10.2kWにすることもできる計算です。 本日のブログは高校時代に数学が嫌いだった~って方に取っては嫌がらせ以外の何者でもありません^^;(太陽光と言えば!gamaさん検算よろしくお願いしま~す^^断りもなくむちゃぶりです。。。)

ということで、我が家の太陽光パネル等裁量が10kW未満を選択すべきか、10kW以上を選択すべきか考えてみたいと思います。

夢発電でパネル等裁量が9.9kWの方は是非ご検討ください。本当にできるかはまったくわかりません\(^o^)/

2012年6月までの制度では、パネル搭載量が
10kW未満(住宅用):10年固定買取 買い取り価格42円/kWh,. 補助金4.8万円/kW
10kW以上(非住宅用):
10年固定買取 買い取り価格40円/kWh
,. 補助金なし
と設定されていました。そのため、パネル搭載量が10kWを超えないように調整することには意味がありました。

しかし!
2012年7月以降の制度では
10kW未満:10年固定買取 買い取り価格42円/kWh,. 補助金3.5万円/kW
10kW以上: 20年固定買取 買い取り価格42円/kWh(税込み)  ,. 補助金なし 

と変更になったのです。

さらに!
詳細はQさんのブログに書かれていますが、資源エネルギー庁のサイトによると
「住宅用か、非住宅用かはどのように判断されるのでしょうか?」の回答に「2012年7月からの固定価格買取制度では、住宅用かどうかということではなく、太陽光の規模(10kW未満 or 10kW以上)により買取条件が変わります。
と書かれています。

すなわち、住宅であっても10kWを超えていても問題ないと受け取れます。

ということは、私が10.2kWのパネルを搭載する選択することも自由になったと思われます。

問題です!私は9.9kWと10.2kWのいずれを選択する方がどのくらいお得でしょうか?
いままで通り、10kWを超えないようにする方が良いか、それとも10kWの枠を超えた方が良いでしょうか?

ということで、計算をしてみることにします。

以下数式が続いて非常に小難しいことが書いてあります。
つきあってらんないよ~という方は、「下の方にある赤字の所」まで
すっとばしてご覧下さいm(_ _)m

もしも、お読みいただけた方で計算間違えなどに気がつかれた方がいらっしゃいましたら是非御指摘下さい。っていうか、誰か読んでくれるんでしょうか。。。
完全に自分の検算のためのブログになってしまいました・・・
私が自分の考えをもっともらしくみせるために
数式を使っていると書かれたことがありましたが、今回の記事はまさにそのとおりです!^^;

* 計算条件とパラメータ
以下では、10kWの太陽光発電パネルを搭載したときに
計算1 1年目から10年目まで余剰電力42円買取、11年目から20年目までは通常の電力価格で余剰電力を買い取り、補助金3.5万円/kW=35万円あり
計算2 1年目から20年目まで太陽光発電全量42円買取、日中の自家消費分は東電から30円/kWhで買電、補助金なし

という2通りの計算をします。

以下、数式で使用する文字を仮定します。
・ 初年度の太陽光発電パネルの発電量:A [kWh]10kWのパネルを搭載したとき初年度の発電量を10,000kWhと仮定しました。
値はソーラークリニックにて、南向き角度10°の屋根に搭載した場合の2011年の1年間の発電量(10575kWh)を参考にしました。

・ パネルの劣化係数:α
年率1%と仮定します。一般に0.2~0.5%程度と考えられていますが、多くのシミュレーションでは1%を採用しているため1%としました。

・ 売電価格p, p’ [円/kWh]p=42円/kWh と置き、計算1では、1年目から10年目までを42円としました。計算2では20年間を通じて42円としました。
p’=24円/kWh
と置き、計算1 における11年めから20年目までの売電価格として仮定しました。

・  日中買電価格:q
[円/kWh]
日中の電力購入価格q=30
[円/kWh]  を仮定しました。

・ 年間日中消費電力量 E [
kWh /年]
ここでは、2100kWh/年 を想定しました。値は一条工務店のシミュレーションに基づきます。

・ 補助金U [円]計算1では補助金額を1kWあたり3.5万円、合計U=35万円で計算します。

・ 太陽光発電パネル価格S[円/10kW]10kWの太陽光発電パネル価格を350万円で仮定しました。価格は私が購入したパネルの補助金差し引き前の価格を元に計算しました。

・ 計算期間中の年間諸経費 c 円/年
年間諸経費は固定資産税やパワーコンディショナー費用を含んで計算します。

以上の前提に基づいて計算を行います。

* 計算1:余剰電力買い取り制度の収支(ここは飛ばして結構です。)
まず最初に余剰電力買取精度の収支を計算します。1年目から20年目までの任意のt年目の倍電量I [t,surplus]は

とあらわすことができます。よって、T=20としたときの20年間の合計収支は売電収入に補助金Uを加え、そこからパネル購入価格S、年間諸経費Tを差し引いた額になります。

となります。これが20年間の余剰電力買取制度に収支になります。

* 計算2:全量買い取り制度の収支(ここも飛ばして結構です。) 
つづいて全量買取制度の収支I [t,all]も同様に計算すると、

とあらわすことができます。こっちのほうが明らかにシンプルです。

* 全量買取 v.s. 余剰電力買取:数式バージョン(もちろんここも飛ばしてください\(^o^)/)
以上で20年後の全量買い取り制度の収支、余剰電力買い取り制度の収支が計算できました。
ここでは、全量買い取り制度の20年後の収支から、余剰電力買い取り制度の20年後の収支を引いてみます。この差をI

[diff][/diff]

とすると、

とあらわせます。すなわち、この値が0よりも大きいならば10kWのパネルを搭載したときの20年後の収支は、全量買い取り制度の方が高いことを示し、逆に0よりも小さいならば余剰電力買い取り制度を選択した方が有利となります。

一応、計算過程を載せます。完全に嫌がらせのような数式になってしまいました^^;

この計算をすると、どちらの制度を選択した方が良いかが分かります。計算を進めます。上記の式のうち、

となるので、

と計算できます。だいぶんすっきりしました\(^o^)/
ようするに、最初の年に年間1万kWhの発電量があっても、11年目から20年目までは年平均8650kWhしか発電しなくなってしまうと言うことを示しています。

日中買い取り価格qを

と置くと、

と表すことができます。右辺第1項が買取期間の違いによって生じた収支の差、第2項が全量買取と余剰買取によって生じた差となります。

ここで、数値を当てはめていきます。

A=10000kWh

β=24÷42=0.571

γ=30÷42= 0.714

となるので、

補助金 U=35万円、年間の日中消費電力E=2100kWhを代入すると、

となります。計算完了\(^o^)/

* 全量買取 v.s. 余剰電力買取(上を飛ばされた方はこちらからどうぞ\(^o^)/)  
以上で、計算は完了です。結論!20年後の収支は
10kW未満を対象とした10年固定余剰電力買い取り制度:+121万円
10kW以上を対象とした20年固定全量買い取り制度:+288万円
となり、補助金無しの20年の全量固定の方が167万円のプラスになることが分かりました\(^o^)/逆に言えば、余剰買い取り制度を選択すると、20年間で167万円損という計算です。

全然収支が違うじゃないか~・・・
20年固定買取制度を選択することができると
1年当たり16.7万円も有利です(;_;)
ダミーパネルなしで10.2kWにできないですかね?

パラメーターをいじり回しても全量固定買取が有利であることは変わりません。そして、制度を選択する上では、いずれの制度を選択しても発生する、
・ パネルの価格
・ 固定資産税などの諸経費
・ メンテナンス費用
は差額には影響を与えません。当然、20年後の収支には影響してきます。
上記の計算で得た収支は固定資産税、メンテナンス費などは含まれていないので、実際には減額されます。また、初期費用の観点、回収期間の観点からは余剰電力界問い制度の方が若干有利なケースがあります。

どっちにしても、本当に選択できるなら全量買い取り制度を選択すべきであることは間違いなさそうです。

ただ、懸念事項として10kWを超えると「定期検査」が必要になる可能性があります。ここで、費用がかかる可能性はあります。ただ、これは第2種電気工事士の免許を持っているとできそうです。おっさんさん!出番ですよ~頑張って~\(^o^)/って、ここまで読んでくれているでしょうか。。。ということで、私もできるようになるはずなので、問題なしです。
また、保険料の問題が出てくる可能性があります。一般的な保険が使用できるかは不明です。

以上懸念事項はあるものの、10kWオーバーにはそれを補ってあまりあるメリットがありそうです。もし本当にできるならやってみたいな~

一条工務店的にもこれまでは10kW未満にセーブしてきたのをこれをオーバーできるようになりそうですから、夢発電にとってはかなり良い感じの法改正になっている気がします。

っていうか、これって明らかにメガソーラー有利な制度設計になっている気がします。。。住宅メーカーも頑張って太陽光発電の制度に加わって下さい。。。ホント。この結果をパブコメに出すか悩み中です。