中編:太陽光発電・一条工務店夢発電のリスクとその対応

こんばんは。さすけです\(^o^)/

3日連続更新で太陽光発電リスクについて書せていただきます^^
本日は中編です!

目次:

前編:ローンとしてのリスク/施主の健康リスク/故障・劣化リスク

中編:天候リスク/火災・雹害・風災リスク←頑張ったからオススメ\(^o^)/

後編:売却時のリスク/政治的リスク/変圧器取り付け要請リスク/10年後以降の買い取り価格(余剰電力限定)/補助金が受け取れないリスク(全量買取限定)/まとめ

後編は20日19時アップ予定です!

天候リスク

太陽光発電は、太陽が照っていなければ発電することができません。このリスクも多くの方が不安に思われるリスクと思います。

確かに、日照時間の変動は太陽光発電の大きなリスク要因となります。しかし、日照時間が0になることはあり得ません。リスクの大きさを見積もっておくことにします。

気温と発電量

太陽光発電パネルは日照時間が長ければ発電量が多くなるかというと実はそうではありません。気温が高すぎると発電量が下がってしまうと言う特徴があります。そのため、気温についてもリスク要因ではあるのですが、今回は取り扱わないことにします。

日照時間の短期的(1年ごとの)変動

先ほど、日照時間が0になることはないと書きました。では、実際にどこまでを考慮すれば良いのでしょうか?

詳しくは、気象庁のサイトでお住まいの近くのデータを参考にしていただければと思いますが、ここでは茨城県つくば市のデータをもとに考えていきます。

茨城県つくば市の日照時間に関するデータは約90年前の1921年から記録されています。
過去90年間の平均日照時間の推移は以下のグラフのようになります。

茨城県つくば市日照時間推移

このグラフを見ると、長期的に日照時間が減少しているようにも見えます。ばらつきはあるものの1960年以降はほぼ現在と同水準の振れ幅と言えそうです。

90年間の平均日照時間は2043時間、最小日照時間は1505時間、最大日照時間は2585時間とでした。約1.7倍の開きがあります。

マニアックになりますが、日照時間の分布は以下のような分布になります。

日照時間ヒストグラム

正規分布よりもやや広がりはあるものほぼ正規分布と見なすことができそうです。

1年ごとの日照時間の変動は結構大きく、平均値からの振れ幅は±26%となります。

よって、日照時間の変化によって得られる収益は最大26%程度ずれることが考えられます。

9.9kWのパネルで考えた場合、発電電力量は約1万kWhですから、最も発電しない年は7400kWhしか発電せず、最も発電する年は12600kWh発電することになります。売電金額に換算(自家消費は無視)すると平均的な年は約42万円、日照時間が少ない年で31万円、日照時間が長い年だと約53万円分の電力が発電できる計算になります。

ですから、10年間の固定買取期間、その後さらに10年間は太陽光発電パネルを運用することを考えるならば、1年ぐらいはシミュレーションを大幅に下回る年があり得ると言うことになります。

もう少し理論的に言うならば、上記の標準偏差1σ=6%なので、20年に1度はシミュレーションから2σ=12%ずれることがあり得ます。さらに100年に一度の事態が発生した場合は18%ずれることがあり得ると言うことになります。よって、理論的に言っても単年ベースであれば±15%程度のずれは20年に1度起こる事態です。

太陽光発電の運用期間は20年程度と長いため、100年に1度の日照時間の低下に備えることは現実的のように思います。自分が夢発電返済期間中に100年に1度の日照時間に遭遇する可能性は約1割です。

よって、10kW前後のパネルを搭載した場合は手元に15万円程度の現金を用意して、日照時間の変動に備えることは
重要と考えます。

重要!
翌年の日照時間を推測することはできません。よって、来年突然日照時間が極端に少ない年になることを否定することはできません。そうなると、夢発電の返済額が売電額を上回る可能性は十分にあります。

このことは単年の話しなので、全体の収益性には影響を及ぼしません。しかし、家を買って繰り上げ返済をしてしまって手もとに現金がない年に、日照時間が減少した場合、返済不能に陥る危険性があります。

また、日照時間が数年にわたって低い状態には90年間のうち1回だけですが発生しています。
よって、パネル搭載量が10kW程度であれば最低15万円、数年の日照時間の変動に備えるなら40万円程度の手元現金を確保するようにしておくことはもの凄く重要と思います。

ただし、この支払いは月々に換算すれば家計からの支出を月額1万円押し上げる効果と捉えられ、一度に15万円の請求が来ることにはならないので、突然何十万もの請求が来る事態とは異なります。

正直月額1万円ならばキツイかも知れませんが多くの過程で何とかなる額と思います。しかし、大容量のパネルを搭載して20kWを搭載していれば倍額の手元現金が必要になります。

搭載量が大きい方ほど手元現金を意識することが重要と思います。
また、ここでいう天候リスクは単年の収益悪化であり、このような傾向が20年間継続することはありませんので、数年を乗り切れば普通に収益を得ることができ、最終的には黒字になる話しなので、その点は安心して良いと思います^^

何よりもお住まいの地域で、最悪の天候不順の時にどの程度収益が悪化する可能性があるのかを把握して、それに備えておくことは重要と思います。備えてあれば、全体収益に影響もなく全く問題ない話しです。でも、そんなこと聞いていない状況であれば、きつくなってしまいます。。。

続いて、日照時間のより長期の変動、全体の収益に及ぼす影響についても検討します

日照時間の長期的(20年の)変動

先に挙げた天候変動はあくまで短期的な資金ショートは生じさせますが、長期的には影響は大きくありません。言ってしまえば良い年もあれば悪い年もあると言うだけの話しです。

ここでの話しは、20年間の平均的日照時間の変動についてです。このケースでは悪い場合は収益を悪化させ、良い場合は黒字額を大きくします。

日照時間の変動は短期的にはかなりばらついて見えます。しかし、より長期でみればより大きな変動があることが分かります。

1年単位の日照時間の変動への備えが数十万円程度であれば、太陽光発電導入の大きな障害とはならないと思います。単に売電額が少ない年があると言う話しであり、裏を返せば多い年もあります。しかし、今後20年間にわたって、過去の日照時間と大きなずれが生じてしまったら一大事です。。。。

長期的な日照時間の変動は、太陽の活動の影響、大気汚染の状況などによって変動してきます。これらを考えることで、今後20年間の日照時間の変動による売電への影響を考えてみます。

過去20年間の日照時間の平均値を下に計算してみます。いわゆる20年間の移動平均を考えます。つくば市の20年間の日照時間移動平均は

のようになりました。かなり綺麗なカーブを描いています。また、1940年の日照時間をピークとして、1980年までの40年間日照時間が下がり続けてきていたことが分かりました。その後2010年まで30年間の日照時間は微増傾向にありました。

原因は不明ですが、直感的には工業化に伴う大気汚染物質の飛散により雲の生成が促進され、日照時間が下がって来たのではないかと想像します。また、長期的な太陽活動の影響もあるのかも知れません。専門家ではないので全く分かりませんが、傾向は把握できました。

極端な話、1940年の日照時間を下にシミュレーションをしてしまうと、シミュレーションから大きく乖離した収益になってしまうと言うことが言いたいことです。シミュレーション規準年である2012年が今後20年の山のてっぺんに位置するのか、谷底に位置するのかを考えなくてはなりません。

上記の状況から今後20年間を予想した場合、

・ 楽観ケース現在の状態は日照時間が低下した状態にあり、今後20年間も同程度の日照時間が続くという予想

悲観ケース

過去に2250時間あった日照が40年間掛けて1900時間まで低下したのと同様現在の日照時間がピークで今後40年間は日照時間が低下する。すなわち、現在の約2000時間の日照時間から、20年間で約7%低下し、1850時間程度の日照時間になる。

という2つの想定が成り立ちそうです。楽観ケースは収益が増加するだけですから問題ありません。問題は悲観ケースになります。

これは、詳しく書くと計算が複雑になると思いますので結論だけを書くと、上記の悲観ケースを想定した場合、売電収益を年率0.3%押し下げます。シミュレーションで想定されている収益は年率1%の収益悪化が見込まれていますが、劣化率が1.3%まで上昇してしまうことと等価です。

10年間の固定買取期間に10kWのパネルであれば7万円の収益悪化、20年間の全量買取であれば、20年間で25万円の収益悪化となります。

以上のことを考えると20年間の長期スケールで見た場合の収益悪化は余剰電力買い取り制度で15万円、全量買取制度で25万円の収益悪化の可能性があることを理解しておく必要があります。ただし、最悪のケースでも25万円程度の収益悪化であれば、20年間で得られる現金利益が100万円以上ありますから、リスクとしては十分に小さいと言えます。注意:以上はあくまで私が住む茨城県つくば市の例になります。
お住まいの地域によって値は大きくことなります。ということで、お住まいの地域の日照時間の変動リスクが知りたい場合は営業さんまたはマネージャーさん等々に計算してもらってください( ̄▽ ̄) (むちゃぶりです!)営業さん・マネージャーさんへ:お客さんに聞かれてどうしても計算ができない場合は、先着お好きな10地点セットでカップボード1台サービスしてくれたら私が計算しますよ!15地点ならテレビボードで良いです\(^o^)/←ナリフリカマワズ?

火災・雹害・風災

ここまでは、施主の健康、システムの劣化、日照時間の変動について考えてきました。
続いて、災害にによってシステムそのものが損壊するケースを考えてみたいと思います。

先に挙げたシステムの劣化や日照時間の変動は収益よりも低いリスクであるため、収益性を悪化させる要因にはなり得ますが、損害を被るほどの事態にはならないことが分かりました。

しかし、太陽光発電パネル自体が火災や雹害、台風等の災害によって破壊されてしまった場合、仮に300万円で購入した太陽光発電パネルそのものがダメになってしまうので、収益悪化を超えて大損害と言うことになってしまいます。

これらの発生によって太陽光発電システムを失ってしまったことの損害は甚大ですので、発生確率は無意味です。火災も雹害、台風による風災も発生する確率は、小さいと言えますが、1度でも発生すれば致命的な損害が生じるため、何らかの方法で回避する必要があります。

これらの被害を防ぐ手立てはありませんが、保険に入っておくという簡単な方法で被害を最小化することが可能です。

我が家のケースを例にすると、家の本体の保険に、火災、風災、盗難の保険を付けます。
このとき3300万円の保険を掛けた場合、35年間の保険額は44万円となります。そこに300万円分の太陽光発電パネルを考慮に入れると、3600万円の保険に入る必要があります。このときの保険額は48万円です。差額は4万円となりました。

よって、この4万円で上記の災害による損害はリスクを回避することが可能であると言えます。

万が一、災害が発生したとしても最初の段階で4万円を追加的に投資することで、将来発生し得る甚大な被害は回避できます。
よって、火災、風災、雹災は保険でカバーして無視できるリスクにすることが最善の手立てであると言えます。逆に、保険に入らなかった場合、1年目に雹災でパネルが大きく破損する事態になると、当初の住宅ローンに加えて新たに夢発電のローン分が純粋に増額されることになってしまい大変なことになってしまいます。パネル搭載量が十分に小さくローンの増加分が余裕で支払える場合は別として、パネル搭載量が10kW、20kW担った場合には保険は必須と考えます。
震災リスク

地震によって被害を受けた場合のことを考えます。
まず大前提は家本体が地震保険に加入していることが必須となりますが、地震保険は法的な保険商品であるため、住宅の時価の50%が最大の支払い額となります。
太陽光発電パネルを300万円分搭載して、翌年全壊してパネルが丸ごとダメになってしまった場合は、約150万年しか支払われません。夢発電の支払い残額は自己負担になるでしょう。。。

正直、これは住宅ローンと同じではありますが、太陽光発電パネルの搭載を投資と見なした場合、リスクが最も高いのは地震であろうと思います。

東日本大震災では住宅ローンの残債が免責された例なども多く、夢発電がどうなるかは不明です。ただ、こういったリスクがあることは認知しておく方が良いと思います。

でも、こんなことを言うと身もふたもありませんが、太陽光発電パネルまで破壊される状況というのは、地震で家が全壊することが前提ですから、太陽光発電パネルの数百万円の被害などどうでも良い話しと言えなくもありません。。。そのときは債務整理しかありません。これは家を買うリスクです。

売却時のリスク

基本的に家を購入される方は、少なくとも数十年間はそこに住み続けようという意識で家を購入するものと思います。しかし、売却を余儀なくされてしまうことも考えておく必要があります。

家本体を売却することを考えた場合に、購入価格で売却できるかというとまずそんなことは無いということは容易に想像が付くかと思います。その話しは置いておいて、太陽光発電を導入することによるリスクのみを考えたいと思います。

仮に太陽光発電パネルを300万円で購入したとき、将来太陽光パネルが載った家を売却する際、新たな家の買い主はこの300万円のパネルの価値を上乗せして購入してくれるでしょうか。。。

太陽光発電パネルが載っているから300万円上乗せして買ってもらえることはまずないことは想像できると思います。

しかし、太陽光発電パネルは搭載量に応じて10年、20年間42円買取の契約を行っているわけですから、0円査定したのでは相手の丸儲けになってしまい売る側としてはいまいち納得できないと思います。

居住年数と、残りの固定買取期間、その後のリスク等々を含めて査定して、家だけの場合に比べて高い査定額となってしまいます。このあたりはいくらでも計算可能な範疇です。

高く売れるなら良いじゃないか?と思うかも知れませんが、私達は一条工務店からお金を借りて与信枠に影響がない形で太陽光発電を搭載できていますが、次に購入する人は夢発電の残額を一括返済して購入しなくてはいけなくなるので、値段が高い家になるでしょう。そうなるとどうしても購入者は減ってしまうように思います。

一方で、考え方を変えれば一条工務店への残債だけは上乗せして、将来の利益については受け取らないと考えて販売するならば、買い手は将来の利益を受け取る権利をパネルの残債分で手に入れられるわけですから、買い手にとっては実はかなりのお買い得物件にもなり得ます。特に、将来の買い取り価格が下がった時点で42円買取の権利を手に入れられるメリットは大きいように思います。

よって、売却額が上昇する分売りにくい物件になるというリスクがある一方、固定価格買取期間内の売却であれば、電気代がかからず、さらに収益を上げてくれるお買い得物件にもなり得ますから、売却リスクの観点から夢発電を見た場合はメリット、デメリットが相殺する程度のように思います。

いよいよラスト!後編に続きます\(^o^)/