一条工務店の広告宣伝費が安いの??

こんばんは。さすけです\(^o^)/

i-smartの打ち合わせがだいぶ先になってしまって、余計なことを考えたのでご紹介します^^;

私を担当してくれている営業の方はそういったことは言っていないのですが、工場見学の際、

「一条工務店では、テレビ広告等の広告宣伝はしません。その分安い価格で家を提供しています。」

といったことを言っていました。

私は、こういうことを聞くとまずは疑ってみる性分でして。。。ちょっとこのことを考えてみることにしました。

一条工務店の広告宣伝費は安いのかについて疑ってみることにしました。

一条工務店の広告宣伝費と大手ハウスメーカーの広告宣伝費を比較してみます。

大手ハウスメーカーは

・ 積水ハウス

・ 住友林業

を選択しました。選択基準は・・・私がテレビコマーシャルを見かけるからです。。。

比較対象企業が決まったら各社の広告宣伝費を抜き出してみたいと思います。

と、その前に

広告宣伝費って何でしょう??

普通はテレビコマーシャルや新聞の折り込みチラシなどが、一般的に言われる広告宣伝費です。

確かに有価証券報告書に記載されている広告宣伝費もテレビコマーシャルの費用などが記載されていると思います。

しかし、「潜在顧客に対して自社の商品を知ってもらう行為」を広告宣伝と捕らえるならば、住宅展示場も立派な広告宣伝です。

ということで、ここでは、住宅展示場の出展手数料なども広告宣伝費ととらえることにします。

広告宣伝費は、有価証券報告書の「販売管理費および一般管理費」の項目の備考欄に記載されています。

有価証券報告書には住宅展示場の出展手数料という項目はありませんが、これは販売管理費の中に含まれる費目になっています。ということで、ここでは販売管理費のうち広告宣伝費を除いたものを出展手数料とみなすことにしました。

住友林業の有価証券報告書には展示場管理手数料が明記されていたので、上記の過程の妥当性を確認したところ、販売管理費はほぼ広告宣伝費と展示場の管理手数料によって成り立っていました。よって、仮定はある程度妥当と思われます。

で、実際のデータです。基本的に連結ベース、2010年度のデータを用いました。

住宅展示場の出展数はこちらの値を使用しました。データは2008年のものですのでずれがあると思います。

・ 積水ハウス

売上高:1兆4884億円

広告宣伝費:208億円

出展手数料:223億円

展示場出展数:478箇所

・ 住友林業

売上高:7975億円

広告宣伝費:58.4億円

出展手数料:44.5億円

  展示場出展数:319箇所

・ 一条工務店(経営事項審査に基づく値)

売上高:1719億円

広告宣伝費:0円(推定値)

出展手数料:44.5億円(推定値)

  展示場出展数:315箇所

となりました。 一条工務店に関しては非上場企業であり有価証券報告書を開示していないため、売り上げなどしか情報が得られませんでした。そこで、広告宣伝費については一条工務店が言うようにゼロ円と仮定しました展示場の出展手数料は、展示場出展数が住友林業とほぼ同じであったため、住友林業の44.5億円を採用しました。

それでは、各社の売り上げに占める広告宣伝費+出展手数料の比率を見て生きたいと思います。

・ 積水ハウス:2.9%

・ 住友林業:1.3%

・ 一条工務店:2.6%

 

となりました。

確かに、一条工務店はテレビコマーシャルなどを打っていません。しかし、展示場への出展数は売り上げに対してかなり多めになっています。

住宅展示場への出展も広告の一環とみなすならば、一条工務店も他のハウスメーカーと同程度の広告宣伝費を使っています。

ということで、工場見学の際に一条工務店の方が話していた

「一条工務店では、テレビ広告等の広告宣伝はしません。その分安い価格で家を提供しています。」

と言う言葉は
、間違いであると予想されます。正しくは

「一条工務店では、テレビ広告等の広告宣伝はしません、代わりに住宅展示場に出展しております。」

というのが正しいと思います。もっと顧客にアピールする言い方にするならば

「一条工務店の良さは15秒で理解していただくことはできません。そこで、テレビコマーシャルはせずに、住宅展示場にを多く出展し、できる限り多くの方に一条工務店の家を見て、触れていただくことをモットーとしています。」

といった言い回しが適切です。

で、一応フォローしておくと、別に広告宣伝費をかけていることは悪いことではありません。というか、企業としては当たり前の行動です。このあたりについては、積水ハウスの例を詳細に分析されている方がいますので、

こちら

 

をご覧いただければと思います。

それから、もうひとつ、小さな工務店などに行くと

「大手ハウスメーカーは広告宣伝などという施主のためではないところにお金を使っているから高いです。展示場に出展するには一年に1億円もかかるんですよ~」

などと言うことを言われることがあります。しかし、これもまた間違いです。

住友林業の例に見れば、44.5億円で319箇所の出展手数料をまかなっています。よって、1箇所の出展手数料は約1400万円/年です。建物も立てる必要があって、それがおおよそ原価で5000万円くらいでしょうか?積水ハウスなどでは3年程度で建て替えるらしいので1700万円/年程度、一条工務店であれば10年程度で立て替えているようなので500万円/年程度の費用がかかっていることになります。と言うことは、1箇所の住宅展示場に出展する費用はせいぜい2000-3000万円/年程度です。

住宅展示場には営業マンがいて、その分の人件費を含めれば1億円になるかもしれませんが、それは広告宣伝費とは少し違うのでここでは議論の対象からはずします。

住宅展示場に出展すると1億円かかるというのは、出展できない小さな工務店の言い分であることにも注意が必要だと思います。

で、計算してみて思ったことは、正直、どっちもどっちで住宅業界は体質が古すぎるな~と思った次第です。

インターネットが普及して、上記のような情報は非常に安価(タダ)に入手可能な社会になっているのに、調べればばれてしまう間違いを放置するのは、情報の価格が高かった旧世代のシステムを引きずっているとしか思えないな~、と。。。。

一応、一条工務店をフォローしておくと、別に私は広告宣伝費をかけることが悪いとも、広告宣伝費をかけないことが良いとも全く思っていません。それは経営者の意思決定の範疇です。ただ、「うちの広告宣伝費をかけていない!、だから安い値段で商品を提供できる」というような変なことは言わないでほしいな~と思うのです。

過去にはこれで通用してきたかもしれないですが、若い世代は自分で調べて計算してしまいます。そうすれば、信じていた会社は間違いを平気で宣伝する会社に思えてしまいます。私は一条工務店が気に入って家の建築をお願いしており、そんな変なことはやめてほしいなと思います。余計なお世話ですが^^;

また、一条工務店がテレビコマーシャルを打たないという判断は非常に妥当なものだとも思います。と言うのも、テレビコマーシャルは家の販売に関して言えばコストパフォーマンスが悪すぎます売り上げ1700億円、売上総利益380億円の企業では体力的にテレビコマーシャルは向いていません。

テレビコマーシャルは不特定多数の消費者に大規模に自社商品を知ってもらうためのツールです。日用品のように多くの人が大量に購入するものの場合テレビコマーシャルは有効です。しかし、家のようにせいぜい10万人程度の顧客を奪い合う世界では、非効率に思えます。

一条工務店は年間の着工数でせいぜい数千棟と思います。と言うことは顧客数は数千人/年です。これだけの人数のためにテレビコマーシャルは効率が悪すぎます。

勝手な推測ですが、一条工務店の経営者の判断は、積水ハウスなどがテレビコマーシャルをガンガン流してくれて、家を建てたい人は住宅展示場に来てくれるであろう、住宅展示場に来てくれた人に注目するためには住宅展示場に出展しなくてはならない、テレビコマーシャルなどに使うお金があったら住宅展示場に出展しよう!と言うことだと思います。確かに、テレビコマーシャルで家を買う気のない何百万人もの人にアピールするよりも、家を建てたい数万人の人に知ってもらえれば目的は達成できるので、投資効率としては住宅展示場のほうが良いように思います。

ということで、別に一条工務店の宣伝広告費は安くないし、それを顧客に還元している等というのも絵空事のように思います。

あ、それから、どうでもいいことですが私は一条工務店と解約するつもりは今のところありませんよ~^^;

e戸建て掲示板に私が解約するかしないか、のようなことが書かれていて、メッセージで解約されるんですか?という問い合わせをいただきました・・・

私はブログで言いたい放題言っていますが、好きなハウスメーカーだからこそ色々と言ってます。もう無理だと思って解約するなら何も言いません。。。だって、解約するなら興味ないですから。。。

ただ、なおしてほしいと思うことはたくさんありますが^^;;;

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