2019年太陽光入れるべき?やっぱり10kW以上がお得?

こんばんは。さすけです。

2019年4月以降の10kW以上ソーラーパネル設置による太陽光の固定価格買取制度による売電単価について政府から方針が発表されました。

2018年度まで18円/kWhであったものが、2019年度以降は14円へと20%以上の大きな値下げが行われたことから、新聞等で大きく報道されています。(日本経済新聞 1月9日

10kW未満については出力抑制装置なしの地域(東電、関電、中電管内)では、24円/kWh、出力抑制があるそれ以外の地域では26円/kWhとなることが決まっています。

10kW未満にすれば、その売電価格は10kW以上にした場合に比べて1.7倍の価格で売電できることから、本来は10kW以上のソーラーパネルを搭載できるお宅でも、あえて10kW未満になるようにダミーパネル等を設置される方も出てくるものと思います。

一条工務店のソーラーパネル設置容量は、2018年7月時点で依然として11kWを超えていました。

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しかし、今後は10kW未満を検討される方やそもそもソーラーパネルの設置を見合わせる方も多く出てくるものと思います。では、具体的にどのような条件であればソーラーパネルを設置した方が得なのか?また、10kW以上と10kW未満のいずれの方が得なのか?といったことを考えてみたいと思います。

目次

ソーラーパネル設置の真面目なシュミレーションの必要性・・・60年後って生きている??

無理が祟って、はちゃめちゃなシュミレーション

具体的なシュミュレーションに入る前に、今回、なぜこのようなシュミュレーションをするかについて話をさせてください。

下のグラフは一条工務店の公式サイトに掲載されている、太陽光発電のシュミュレーション結果です。

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ソーラーパネルの設置容量が10kWの場合、収益が631万円あると書かれています。そして、ソーラーパネルを載せれば載せるほど収益が大きくなっており、18kWのソーラーパネルを設置するとなんと1000万円以上の収益が期待できることが示されています\(^o^)/

低金利時代にこんなうまい話があるのかと目を疑いたくなります(゜д゜)

しかし、目を疑いたくなるのは、この収益が得られる期間です!

上記の収益が期待できるのは、家を建ててから60年後です!

「載せるほど、60年後のメリットもたくさん!」と書かれています。。。

平均して家を建てる年齢が30歳として、60年後は90歳、孫も成人して、そろそろひ孫の誕生を待つころでしょうか。。。

一条工務店のシュミュレーションは病気

一条工務店はなぜこんな馬鹿げたシュミュレーションを掲載ているのでしょうか?

それはどんな病気かというと、過去の『夢』にうなされている病です。。。

2012年に10kW以上のソーラーパネル設置が一般戸建住宅でも認められるようになりました。当時の売電価格は2019年の実に3倍近い税抜き40円、消費税を考慮に入れると43.2円での売電単価となっていました。ざっくり10kWのソーラーパネルを設置した場合、固定価格買取期間20年のトータルの売電益は800万円を優に超えました。ここから、パネル設置費用、当時のパネル単価35万円程度を差し引いても400万円以上が手元に残るというシミュレーション結果は極一般的なものでした。

そして、一条工務店はこの大容量ソーラーパネルの設置による高収益製を前面に押し出して営業さん達が家を売りまくったという背景があります。

それから7年が経過して売電単価は約3分の1まで下がった現在、ソーラーパネルの設置によって2012年当時のような高収益を望むことはできない状態となってしまったのです。

後ほど詳しくシュミュレーションをしますが、現在では、20年間で100万円以上の収益を得ることは難しく、せいぜい50万円の収益を得るのが限界となっています。

しかし、一度覚えた「蜜の味」はなかなか忘れることができません。当時はお客さんにソーラーの設置を勧めても眉唾で疑われつつも、きちんと説明すれば高収益であることが説明でき、結果として大容量ソーラーパネルが設置できることが決め手となり、一条工務店と契約した方も多くいらっしゃったと思います。

事実、私も「大容量のソーラーパネル設置」を大前提としてハウスメーカー探しをして、一条工務店と契約し、今も一条工務店に住んでいる一人です。

そして、社会情勢が大きく変わり、ソーラーパネルの設置によって大きな収益を得られなくなったにもかかわらず、過去の高収益を謳い続けなければ家が売れなくなってしまうのではないかと言う不安に駆られた結果、上記のように「60年後の収益」というシミュレーションとしては破綻しているとも言えるような結果を示さなければいられない状況になってしまったのではないかと思います。

シミュレーションであれば何でもあり

シミュレーションは、不確実な将来をできる限り的確に予想することで、将来のリスクを最小化し、利益を最大化するためのツールでなければならないと思っています。

そのためには、太陽光発電導入によるシミュレーションは、現実の生活をどの程度豊かにしてくれるかを評価するものです。

少なくとも「金額を如何に大きく見せるか」のツールではありません。そうでなければシュミュレーションはすぐに「机上の空論」、「絵に描いた餅」製造機に成り下がってしまいます。

そして、一条工務店60年シュミュレーションはまさに「絵に描いた餅製造機」のなれの果てのように思えてなりません。

太陽光発電システム導入のシュミュレーションは、仮に収益が十分でないならば「どの程度十分ではないか」ということを的確に予測し、ソーラーパネル設置の判断に寄与するものでなければならないと思っています。

そんなことを考えて、絵に描いた餅ではなく、きちんと収益を予測し、ソーラーパネル設置の判断に寄与できるシュミュレーションがあっても良いと考えて今回のシュミュレーションをすることにしました\(^o^)/

ソーラーパネル設置によるメリットは売電価格だけでは決まらない!

売電価格の大きな下げのニュースによってソーラーパネルの設置を見合わせるという方も出てくるかと思います。

しかし、ちょっと待って下さい!

ソーラーパネルの収益(設置メリット)は、売電価格だけで決まるものではありません。

実際には、売電価格も重要ですがそれと同じくらい重要な要素としてパネルの設置価格があります。

ソーラーパネルによるメリットは、非常に単純に表すと

売電メリット = 年間の発電量×売電単価×固定買取期間 ー ソーラーパネル設置費用 ー パネル設置費用の金利 - 固定資産増分

で表すことができます。青字部分がいわゆる売上、そして赤字部分が原価(コスト)となります。

今回売電単価が下落しましたが、これに対してパネル設置費用が下落すれば売電メリットに大きな差が出ないことになります。

全量or余剰→余剰一択です

具体的な計算をはじめる前に、全量売電か余剰売電のいずれが良いかについて検討をしてみます。

結論から、言えば2019年度は余剰売電一択です。

太陽光の売電方法には、全量売電方式と余剰売電方式があります。10kW未満のソーラーパネルを設置した場合は、全量売電方式を選択できないため余剰売電方式となります。

10kW以上のソーラーパネルを設置した場合は、全量売電と余剰売電のいずれかを任意に選ぶことができます。

全量売電方式では、ソーラーパネルが発電した電力は全て電力会社に売電し、自宅で使う電力は電力会社との契約に基づいて別途購入する方式です。

一方で、余剰売電方式とは発電した電力のうち、自宅で使う分は太陽光発電電力でまかない、余った電力(余剰電力)を電力会社に販売する方式となっています。

私が家を建てた2012年当時は、売電単価が42円/kWhと高かったため、発電した電力は全て売電し、自宅で使う分はより安い電気代の日中電力を購入した方がお得であったため、全量売電が一般的でした。これはいわば太陽光発電を普及させるための逆ざやとなっていた時代限定の特殊な状況でした。

しかし、売電単価の値下がりに伴い、このような逆ざやは解消され日中電力単価よりも売電単価の方が低くなった現状では一般戸建て住宅で全量売電を選択するメリットは一切ありません。

よって、今後家を建てられる方は余剰売電を選択しておけば間違いありません。

消費税と買電単価の関係

消費税増税で買電単価がアップ!?

以降で、ソーラーパネル設置による収益シュミレーションを実施するにあたって、理解しておかなければならないこととして「消費税」と買電単価の関係があります。

固定価格買取制度では、10kW以上のソーラーパネルを設置した場合の買電単価、2019年は14円が予定されいますが、この公表された買電単価に消費税を加えた額が買電単価となります。

2019年4月時点であれば、消費税率8%ですから、2019年4月の買電単価は14円×1.08 = 15.12円/kWhで売電が行われます。そして、2019年10月には消費税率が10%に上がる予定ですが、消費税が増税となった場合2019年10月以降は、買電単価が14円×1.10=15.4円/kWhとなります。

固定価格買取制度では、10kW以上のソーラーパネルを設置した場合、20年間買電単価は固定されますが、消費税率が上昇した場合は増税後の単価は税率の上昇に合わせて多く支払われます。

これは、売電開始時期によらずどの時期に売電を開始していても同様です。2018年度に売電を開始している場合は、現状で絵は売電単価18円に消費税8%が加わり19.44円/kWhで売電が行われており、消費税率が10%になった月からは19.8円/kWhに変更されます。

すなわち、消費税率が上昇するとその分買電単価も増えるということになります。

ただし、これは10kW以上のソーラーパネルを設置しているお宅だけで、10kW未満のソーラーパネル設置住宅については消費税が考慮されることはありません。

なぜ10kW以上の場合だけ消費税が別途支払われるの?

なぜ、10kW以上の場合だけ消費税が上乗せされて、10kW未満だと消費税が上乗せされないのかというと、これはそもそも10kW以上が「事業用」、10kW未満が「家庭用」と分類されていたことに起因します。

10kW以上のソーラーパネルを設置するのは「事業者」が想定されており、多くの事業者には消費税の納税義務が課されています。そのため、事業者がソーラーパネルの設置を行った場合、もしも14円/kWhで消費税が考慮されない場合、14円のうち、1.04円は消費税として納める必要があり、実質12.96円/kWhでしか売電できなくなってしまいます。そして消費税率は将来変更される可能性があるものであるため、その度に買電単価の見直しをする必要が出てきます。

そのため、10kW以上のソーラーパネルを設置した場合の売電単価は外税表記となっており、電力会社は売電タイミングの消費税分を含めて事業者に支払う仕組みとなりました。

一方で、10kW未満のソーラーパネルは「家庭用」が想定されており、家庭には消費税の納税義務がないことから、売電単価の消費税は内税によって計算されてきました。

しかし、一条工務店の住宅のように10kW以上のソーラーパネル設置をした住宅が多く出てきた結果、個人の住宅が「売電事業者」として登録されるケースも多くなりました。消費税の納税義務は売上高が1000万円を超えなければ発生しないため、一般的な住宅の売電では消費税分が「得」になると理解することができます。

結果として、10kW以上のソーラーパネルを設置した住宅では、消費税増税は売電収益を増大させることとなります。

以下のシュミレーションにおいても、消費税の税率や2019年10月の増税を考慮に入れてシミュレーションを実施しています。

2019年ソーラーパネル設置による収益シュミレーション(10kW以上)

10kW以上のソーラーパネル設置の場合

それでは、一条工務店の家を例としてソーラーパネル設置による収益シュミレーションをしてみたいと思います。

シュミレーションは私が作ったExcelシートで行います。使いたい方は自由にダウンロードして使ってみて下さい^^

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問題になるのが、一条工務店のソーラーパネル単価です。2018年時点では、やや上下はあったものの概ねソーラーパネルの設置単価は1kWあたり23万5千円となっていました。

まずは、このパネル単価が2019年以降も継続するとしてシュミレーションをしてみたいと思います。

シュミレーションでは税金や、自家消費(自宅で太陽光発電電力を消費すること)、その他金利等全て考慮しています。また、パネルの劣化についても年率1%と評価しており、10年に1度パワーコンディショナーのメンテナンスが発生することとして、その費用としてパワコン1台あたり10万円の点検・部品交換費用を見積もっています。金利は1.5%、20年間固定金利での返済として計算しました。

おそらくかなり厳しい条件での計算になっていると思います。

そして固定買取期間20年間の計算の結果は以下の通りです。

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横軸がパネル設置からの経過年数、縦軸が累積収益です。。。。

あれ、、、全然ダメですね^^;

20年後の累積収益は、マイナス7万円となってしまいました

10年目までは累積収益は僅かですが伸びていましたが、11年目にパワコンのメンテナンス費用20万円が発生したことで一気に赤字に転落し、その後はソーラーパネルの劣化の影響もあり20年目まで赤字を回復することができず、赤字から脱することができるのは21年目ですが、ここでもパワコンのメンテナンスが発生してすぐに赤字になってしまい、ローン負担もなくなった23年後にやっと黒字に転換します。ただ、23年後の売電単価を8円/kWhとしてシミュレーションしていますが、実際にはどうなっているか分からないと言う不安な黒字転換となりました。。。。

設置しても大きく損はしないけれど、メリットもかなり微妙なけっかとなりました。10万円以内とは言え、持ち出しが発生するのではソーラーパネル設置を見合わせるという判断があっても当然と思います。

一条工務店も値下げする、、はず?パネル単価の損益分岐点は22万円/kW

上記では、ソーラーパネル設置をしてもほとんどメリットを得ることができず、かなり微妙な結果となりました。

その大きな要因は、ソーラーパネルの設置コストにあります。上記のシミュレーションでは、パネル単価を23.5万円で計算を行いました

一条工務店のソーラーパネル単価は、売電単価の下落に伴い年々値下げされています。

これは推測ですが、一条工務店のソーラーパネル単価は別にコストだけによって決定されているわけではなく、どちらかというと売電単価の下落に同調する形で値下げが行われているように思います。そのため、今回の売電単価14円/kWhとなったことを受けて、2019年以降ソーラーパネル設置住宅についてはパネル単価を値下げしてくることはほぼ間違い無いかと思います。このように思うのにはきちんと理由もありますが、とりあえず、いったいパネル単価がいくら以下になれば採算が取れるのか?ということを明らかにしたいと思います

シミュレーションを繰り返した結果、ソーラーパネルを設置していこう持ち出しがない、すなわち赤字になることがないようにするためのソーラーパネル単価は22万円/kWhと計算されました。

この損益分岐点の計算では2019年10月に予定されている消費税増税を考慮に入れてパネル単価に消費税率10%を乗じて計算しています。パネル単価が22万円であった場合の年毎の累積収支は下のグラフの通りとなりました。

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ソーラーパネルの単価が22万円で、消費税率10%であれば、先の収支では11年目に発生するパワコンのメンテナンス費用を考慮に入れても赤字に転落することはありませんでした。

パネル単価が22万円/kWhを下回れば、ソーラーパネルを設置しても損をすることはないと言えます。

理想的パネル単価は20万円/kW以下

ただし、ご覧になっていただいて分かるとおりパネル単価が22万円/kWhでは20年後の期待収益は6万円強にすぎず、数百万円のパネル設置費用を考えると、別に損はしないけれどそれほどメリットを感じるものではないかと思います。

これは住宅ローンを使ってソーラーパネルを設置することを前提にしているので投資収益率を計算するのは適切ではないかも知れませんが、手元にあるパネル設置費用を年利率0.15%で運用した場合に期待できる収益と変わりません。これはほとんど銀行の定期預金に預けていた場合と変わらない利率になってしまいます。

では、一体パネル単価がどの程度の価格以下になればメリットらしいメリットが出てくるのでしょうか?

ここでは一つの勝手な目安として、利率0.5%以上での運用が可能なことを基準にしてみます。利率0.5%は決して高い利率ではありませんし、投資信託などに比べるとずっと低い利率になっています。しかし、ソーラーパネルの設置は家の前に建物が建って日当たりが悪くなってしまうという自体を除いてはほぼノーリスクですし、将来電気料金が値上がりすればこの利率は上昇していきます。

また、そもそも大半の方はあソーラーパネルの設置を住宅ローンに組み入れる形で設置するかと思います。そのため、もしもソーラーパネルを設置しなければその分住宅ローンを下げることはできますが、パネル単価が損益分岐点である22万円を下回っていればローン負担の増分よりも売電益の方が大きいため、設置することによって生じるデメリットはありません。むしろ、持ち出しがない形で住宅ローンが増えることによって、住宅ローン控除を受けるメリットが生じ、得になる面もあります。こうしたことから、運用利回りは低いものの0.5%以上の利回りで運用できるのであれば、設置メリットはあると言って良いかと思います。

運用利回り0.5%を超えるのは概ねソーラーパネル単価が20万円/kW以下になった場合となります。

下のグラフは、パネル単価20万円/kWとしてシミュレーションした年毎の累積収支となります。

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パネル単価が20万円/kW以下になると、20年後の期待累積収支は32万円となります。年間1.5万円の収益が得られる計算です。

これであれば、パワコンのメンテナンス費用が多少高くなったとしても赤字になることはまずなく、設置してデメリットになることはまずありません。

これは勝手な予想ですが、一条工務店もこのようなシミュレーションをしていると思うので、2019年以降はパネル単価を20万円以下にしてくるのではないかと思っています。

おそらくは、19万8千円や18万8千円あたりにしてくるのではないかと思っています。

仮にパネル単価が188,000円/kWとなった場合の累積収支も計算しておきます。

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パネル単価が188000円であれば、消費税率10%の状況であっても、20年後の累積収支は47万円となり、利回りは0.91%となります。

これであれば、リスクのある投資信託とも同等の利回り水準と言えますから、十分に設置メリットはあると言えます。

おそらくは、2019年のパネル単価は198000円あたりが最も可能性が高く、一条工務店がさらにパネル設置を進めたいと考えた場合は188000円としてくるようにも思います。

ちなみに、これはまず現実的ではない価格設定とは思いますが、パネル単価が15万円を下回って148,000円となった場合は、20年後の累積収支が100万円を超えます。利回りで言えば年利2.11%に達します。

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20年後の累積収支が100万円を超えるようなケースは売電単価が高かった数年前まではざらでしたが、今後はやはりちょっと厳しいように思います。

パネル容量は大きい方がお得?

パネル搭載量が大きいほどお得か?という点が気になると思います。

しかし、これは以前から変わらないことですが、10kW以上のパネルを搭載した場合はいわゆる利回りはパネル搭載量にほぼ依存しません。すなわち、10kWで利回りが0.6%であれば、15kW搭載しても利回りは0.6%で変わりません。

何をもって「お得」と判断するかは難しい所ですが、利回りで考えるとパネル搭載量にはほとんど依存はしませんので、パネル搭載量とお得度には関係がありません。

ただし、利回りが変わらないということは、パネル搭載量が増えればその分「累積収支」すなわち、手元に残るお金は多くなりますので、パネル搭載量は多ければ多いほどお得とも言えます。

ここでは仮にパネル単価20万円/kWで15kWを搭載した場合のシミュレーションも行って見ます。

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パネル搭載量を15kWとした場合、20年後の累積収支は約44万円となります。10kW搭載時の累積収支が32万円であったことを考えると、累積収支は12万円となります。これを大きいとみるか小さいとみるかは人それぞれですが、パネル搭載量が増えることで見かけ上住宅ローン額が増えますので住宅ローン控除に余裕がある場合は、累積収支以上のメリットとなることがあります。

2019年ソーラーパネル設置による収益シュミレーション(10kW未満)

10kW未満の予想累積収支は10kW以上よりも大きい!?、、、でも、ちょっと不安??

ここまで、10kW以上の大容量のソーラーパネルを搭載した場合の収支シミュレーションを行ってきました。

最初でも書いたとおり、2019年度の売電単価は10kW以上の場合、(14円+消費税)/kWhが予定されており、2019年10月以降に消費税率10%になれば15.4円/kWhが売電価格となる予定です。

一方で、10kW未満のソーラーパネル搭載量の場合は出力抑制装置なしの地域(東電、関電、中電管内)では、24円/kWh、出力抑制があるそれ以外の地域では26円/kWhとなることが決まっています。東京電力、中部電力、関西電力と言った電力需要が多い地域では出力抑制装置の設置は不要であることから多くの方が24円/kWhとなるかと思います。

ここでは、9.9kWのソーラーパネルを設置した場合の20年間の累積収支をシュミレーションしました。

ここで、金利や性能劣化の条件、そしてローン返済期間も20年として同一の条件でシュミレーションを行いました。

パネル単価はまずは現状の一条工務店のソーラーパネル単価と同一として235000円としています。

ただし、10kW未満のソーラーパネル設置では、売電価格が保証される期間(固定価格買取期間)は10年となっている点が大きく異なります。10年目以降の売電単価は未定ですが、ここでは参考値として8円/kWhを設置しました。これについては後ほどもう少し詳しく説明します。

結果は以下の通りとなりました。

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20年後の期待累積収支は、24万円と計算されました。

10kWをギリギリ超える、10.0kWのソーラーパネルを設置した場合の累積収支が、マイナス7万円であったことを踏まえると10kW未満の設置の方が明らかに収支が良くなりました

パネル単価を20万円にした場合はどうでしょうか?

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パネル単価が20万円に下がった場合の20年後の期待累積収支は、68万円となりました。10.0kWのパネル設置の場合の収支が32万円であったのに対して累積収支は倍の収益となると試算されました。

これらのことから、収益性を求めるのであれば10kW以上よりも10kW未満の法が収益性が高い、と結論できます。

パネル価格は10kW以上と10kW未満で異なる

以上のシュミュレーション結果に基づけば、10kW以上のソーラーパネルが設置できる住宅でもダミーパネルを用いるなどしてソーラーパネルの容量をあえて10kW未満にする方がメリットが高そうに見えます。

しかし、実際には10kW以上と10kW未満のパネル搭載住宅において、ソーラーパネルの単価を同一で比較することは適切ではありません。

事実、一条工務店では10kW以上のソーラーパネルを設置した場合と、10kW未満のソーラーパネル設置の場合でパネル単価が異なっています。

現状においても、10kW以上のソーラーパネルを設置する場合のパネル単価は23万円程度、それに対して10kW未満の場合は25万円から27万円程度に設定されているかと思います。

仮に10kW未満のソーラーパネル単価を25万円/kWと仮定した場合に9.9kWのパネルを設置した場合のシュミュレーション結果は以下の通りとなります。

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先ほどに比べて収益は一気に落ち込み、20年目には収支は5万円前後となりました。

10.0kWを設置した場合よりも僅かに良い結果ではありますが、大きな違いはない、と言って良い結果と思います。

売電単価が固定されている当初10年間はぐんぐんと収益が伸びますが、その後は売電単価を8円/kWhで設定しているので単年赤字に転落し、それまでの累積収支を食い潰す形になります。累積収支では黒字ですので、決して悪いことではありませんが、当初10年間の収益をきちんと保持しておかなければ毎年赤字、という精神的には極めて悪いものとなることは間違いありません。

さらに、悪いことに、ここでは10年後の売電単価を8円/kWhで計算していますが、これは全くの家庭です。もしかすると4円/kWhになるかも知れないし、逆に12円/kWhになることも否定はできません。10kW以上の場合は20年間は売電単価が固定されているため、リスクはほぼありませんが、10kW未満の場合は11年目以降の売電単価が大きなリスク要因になっているのです。

これについては次で詳しく考えます。

10kW未満に潜むリスク=10年後の売電価格は未定

2032年に大量に出回る「メガソーラー電力」

上でも書いた通り、10kW未満のソーラーパネル設置では24円または26円という売電単価が決まっているのは当初10年間のみです。11年目以降は何も決まっていません。

太陽光の固定価格買取制度は2009年11月に開始していることから、ちょうど今年の11月に当初のソーラーパネル設置住宅の固定買取期間終了を迎えます。これがいわゆる「2019年問題」と呼ばれるものです。

現時点で、固定買取期間終了後の買電を公表している電力会社は多くありませんが、概ね今後数年は10円/kWh程度、数年後からは8円/kWh程度になるのではないかと言われています。

売電単価は発電原価に大きく依存していることから、これは推測にすぎませんが、今から10年後には太陽光の売電価格は良くて8円/kWh、下手をすれば5円、6円/kWhということは十分に想定の範囲内と思います。

これから家を建てて、10kW未満のソーラーパネルを設置した場合、2029年に固定買取期間終了を迎えることになります。そして、それから3年後の2032年にはまさに太陽光バブルがはじまった2022年に多く建設されたメガソーラー群の固定価格買取期間が終了を迎えます。

住宅用ソーラーに比べてメガソーラーの総発電量は圧倒的に多いため、市場に出回る「太陽光電力」は2032年を境に急増するのは現時点で事実です。

固定買取期間終了後の売電価格は「市場」によって決定されます。そして市場での価格は「需要と供給」によって決定されます。

すなわち、世の中に同じものがたくさん出回れば価格は下がり、逆に量がすくなければ価格は上昇するのです。

今から13年後の2032年に一気に市場に供出される2012年設置のメガソーラーによる太陽光発電電力は市場の太陽光取引価格を値下げする方向に寄与することは間違いありません。

今回のシュミュレーションでは、太陽光発電電力の10年後の売電価格を8円/kWhとしてシミュレーションしましたが、この価格はかなり眉唾である可能性もあります。

仮に、11年目から20年目までの売電単価が5円/kWhまで下がってしまった場合の9.9kWのパネル設置の場合のシミュレーション結果は下の通りです。

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10年目から毎年赤字が続き、10年目までに貯めた80万円の累積収支はその後の10年間で全て食い潰され、20年目の累積収支はマイナス15万円となってしまいます。

パネル設置に使うローン支払いは11年目以降も続く:毎年続く赤字に耐えられる?

11年目以降の太陽光発電電力の買い取り価格が決まっていないにもかかわらず、20年間はソーラーパネル設置によるローン支払いは続いてしまいます。

よって、10kW未満のソーラーパネル設置を行うということは、うまくすれば10kW以上のソーラーパネル設置よりも大きな収益を期待できることがある一方で、11年目以降の売電価格次第で赤字になってしまうことも十分にあり得るものなのです。

そして、11年目以降はまず間違い無く単年では赤字に転落します。

10年目までの売電収益をきちんと「貯金」してあれば、問題はありませんが人はなかなかそのようなことはできません。

貯金ができておらず、10年目までの売電収益を使ってしまっている場合は、毎年の赤字に苦しむことは容易に想像できます。

住宅ローンが残っており、さらには太陽光のローンも支払、売電益を含めても住宅ローン+αでお金を払い続ける事は間違い無く家計を圧迫します。

売電単価の高かった時代であれば、10年目までにソーラーパネル設置のローンを返済してしまい、11年目以降は「おまけ」として売電単価が高くなることを期待するということもできました。少なくとも売電単価が下がってしまっても赤字になることはありませんので、負担にはなりませんでした。しかし、現在は10年間の売電収益でパネル設置の金額を賄うことはまずできません。そのため、10kW未満のソーラーパネル設置は大きなリスクを伴うという認識し、10年間の売電益をきちんと貯蓄しておくことが不可欠と思います。

10kW以上のソーラーパネル設置であればほぼノーリスク

上記のように10kW未満のソーラーパネル設置は見かけ上なんとなく収益が期待できそうな印象を与えてしまう危険なものです。では10kW以上のソーラーパネルを設置した場合はどうなのでしょうか?

これについては、ほぼノーリスクと言えます。「ほぼ」というのは、家の前にビルが建ってしまうような事態が生じて、将来の売電益が得られなくなってしまうような例外的な事象を示しており、そのようなケース以外ではノーリスクに近いものと言えます。

なぜ、ノーリスクと言えるかというと、太陽光の発電電力量は1年単位で見ると変動がありますが、固定買取期間20年間を通じて見れば大きく変動することはまずありません。そして、20年間の売電高が固定されていることで、パネル単価次第ですが、20年間でパネル設置費用を全額返済することが可能となっています。

先のシミュレーションの通り、パネル単価が20万円を下回れば間違い無く利益が出ると言えます。

何よりも良いのは、単年赤字が続くようなことがほぼないという点です。

当然、その年の気象条件によっては僅かな赤字になることはありますが、あくまで単年のことで翌年には黒字に転換します。

下は先度も示したパネル単価198000円とした場合の20年間の累積終シミュレーションです。

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この結果から11年目にパワコンのメンテナンスをした場合にはその年では赤字になりますが、それ以外は20年目まで赤字になることはありません。

結論:10kW以上にできるならとりあえず10kW以上がお勧め!

ソーラーパネル設置で重要なのは収益よりもリスクの低さ

ここまで色々な形でシミュレーションを行ってきましたが、結論から言えば10kW以上が選択できるならば10kW以上のパネルを設置しておくことがお勧めです

住宅の屋根にソーラーパネルを設置することはある意味「おまけ」です。なければ行けないものではないし、あってもこまらない、そしてちょっとしたお小遣いが入ってきて、停電時に非常用電源として使えるという安心感が得られるというようなものです。

過去のように大きな売電によって大きな収益が期待できるならば多少のリスクは許容できますが、現状のような「おまけ」にリスクを取ることは適切ではありません。

そうではなく、一条工務店の「60年後の収益予想」のような夢を見て、絵に描いた餅を追い求めることになってしまいかねません。

あくまで個人的な意見ですが、現状を考えると、ソーラーパネルを設置するのならば10kw以上の選択肢しかないように思います。。。

一条工務店は今後もソーラーパネルを売る気があるの?

最後に、一条工務店は今後もソーラーパネルを販売し続けるつもりがあるのか?ということが気になる方もいらっしゃると思います。

これについては、ほぼ間違い無く「売る気満々」だとおもっています^^;

下の写真は一条工務店フィリピン工場(HRD)の航空写真です。この写真に写っている大きな工場が一条工務店のフィリピン工場です。

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ほぼ工場の屋根という屋根にソーラーパネルが敷き詰められています。そして、この中の工場(HTI Panel)で私たちの家の屋根に設置されているソーラーパネルが製造されています。

設備投資を考えると、今後も一条工務店はソーラーパネルの販売を続けて行くものと思います。

写真の左上には、新たに工場を拡張するための工事が薦められていることがわかります。そして、写真中央下は、2年前に火事で倒壊した工場が再建されている様子もわかります。

一条工務店は今後も、ソーラーパネルも家も売る気満々である様子が窺えます^^

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