【追記】一条工務店グループ会社の工場火災とその対応・保証について

一条工務店グループ会社の火災

こんばんは。さすけです。

現在、一条工務店が火災の影響によって、引き渡しの遅れ、またi-smart2やウレタンが標準となっている地域で建築を予定されている方にウレタンの生産ができなくなったことによりEPSへの変更を求めています。そして、EPSに変更した場合でも多数の方が1~2ヶ月の遅れが発生しています、本当に大変なことと思います。。。

【2017/2/22追記】今回の一条工務店のRAYエアコンのアップグレード(交換サービス)では冷房の性能のみが上がり、床暖房の空調効率は変化しないことを確認いたしました。RAYエアコン交換サービスを受けることで、床暖房の性能が上昇するかのように書いておりましたが、それは間違いです。詳しくは下の新記事をご覧ください。情報に間違いがありましたことお詫びしますm(_ _)m

⼀条⼯務店⽕災の保証内容の間違い訂正とお詫び

2017.02.23

今回は、このことについて少し書きたいと思います。あまりお役に立つ情報はないと思いますがその点はご容赦ください。

ウレタンからEPSに断熱材が変更になることに不安を感じられている方はこちらの記事をご覧いただければと思います。

結論から言えば、関東近辺で年間5千円程度の電気代の上昇、名古屋で3500円強、大阪、福岡は年間3000円程度の電気代の上昇に留まります。この電気代の上昇は月額ではなく「1年間」あたりです。金額の多寡は感じ方もあると思いますが、今回高性能エアコンが無料で付けられること、坪単価がの差額は返ってくること、等を踏まえると、北海道だけは別にして、それ以外の地域については、大きく得をすることはないけれど、損をすることもないというのが結論です北海道の寒さは本州とは異なるため、北海道はできることならば断熱性能が高いウレタンの方が良いとは思います

目次

一条工務店グループ会社の工場火災とその対応について

ウレタンがEPSに変更になることを知っていたの?

今回、一条工務店グループ会社における火災を理由として、断熱材をウレタンフォームからEPSに変更して欲しいと要請しています。

私は、先週の金曜日に「EPSとウレタンフォームの違いが住宅断熱性能Q値に与える影響!え?実はあんまり関係ないの??」という記事を書いており、あまりにもタイミングが良すぎると思われた方もいらっしゃるかと思います。

事前に一条工務店から告知のようなものがあったのか?というと、ありませんでした。。。

ただ、偶然このような記事を書いたわけでもありません。。そうなる可能性が高いと考えてそうなったときに何か参考になる資料を作っておきたいと考えて書かせていただきました。一条工務店がどのような対応をしてくるかは分かりませんでしたが、ウレタンからEPSへの変更は十分に選択肢にはなり得ると思っていました。そして、これまでの経験上、あと1-2週間は決定に時間がかかるとは思っていましたが、一条工務店の判断が私の予想より早かったです。

そんなことを言われても、私が一条工務店から事前に連絡があったのではないか?という疑念は残るように思います。

ただ、私が先日のブログをアップしたのは2月10日(金)で、実際にブログを書いていたのは、その前の週末ですので、一条工務店がウレタンからEPSに変更するという話は一切出ていない時期に書いていたものです。

これまで拝見したり、お聞きした情報をまとめると、ウレタンからEPSへの変更になることが決定したのは2月13日(月)の午前中の一条工務店社内のマネージャー会議?で、その後営業さんからお客さんに連絡をされたと認識しています。ですので、一条工務店自身がまだ決定をできていない段階のことで、私が記事をアップした2月10日金曜日の時点で一条工務店の決定を知ることは当然できません。。。

火災のことは知っていたの?なぜブログで書かなかったの?

今回の火災の件は、早い段階から認知はしており、調べることだけは進めていました。2月1日に火災が発生して翌朝には、火災のことは認識して注視していました。ただ、その規模が不明であったこと、現地のメディア発表等々を総合しても、現地においても被害状況が把握できていないこと、いわゆるデマ情報が現地で飛び交っている状況で適切な情報発信が行える状態ではありませんでした

また、そのような状況で私が火災のことをブログで書いてしまえば当然不安に思われた方は営業さんなどに問い合わせることが予想されます。しかし、上記のような現地の状況から一条工務店自身も被害状況も何も分からない状況であると考えました。結果的に、ブログを読んでくださった方を不安にさせ、現場の方達にも混乱を与えるだけであることから、状況がはっきりするまで情報発信は控えてきました。

また、お気づきの方もいらっしゃったかも知れませんが、過去にHTIと一条工務店を結びつける記事を書いていましたが、過去のHTIに関する記事は全て非公開にしました。多くの方が気が付かれる前に削除することで、火災のことにお客さんの側が気が付くことを遅らせることで、一条工務店に対応策を立てる時間的猶予を与えようと思ってそのように対応をしました。既にその必要はなくなったと思いますので、記事の非公開は解除しました。

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2016.05.14

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ただ、記事の非公開化はあまり意味がありませんでした。感の良い方はすぐにお気づきになられたようですし、私が過去に書いたブログの記事が引用されるなどして、容易にHTIが一条工務店の関係を把握できてしまう状況に変わりはありませんでした。。。。

私自身は、一条工務店に批判的なことも多く書きますが、どちらかというと、一条工務店に対して好意的な立場と思っています(←どこがだ?と思われるかも知れませんが^^;個人的にはそう考えているのです。)

私が一条工務店を批判するのは原則として自分自身が経験したことを除いては「多くの方がそれを知って共感してもらえるならば、そのことを一条工務店に伝えて一条工務店が動けるようになる」と判断したときのみにするように心がけています。

具体的にはネズミ・コウモリの話があります。

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【閲覧注意】誰にでも起こる!一条工務店の家にネズミやコウモリ侵入し放題の欠陥?クレームですか?仕様です。。。

2016.06.11

この対応には非常に時間がかかりましたが、2017年1月末から引き渡し済のお宅にも順次対策が開始されたと伺っています(こういう連絡も一条工務店は私にはくれません。。。)。

ネズミ・コウモリの話については、既に複数のお宅で問題が発生している状況を把握して、被害に遭われた方がお客様相談室に相談したことを確認してから、さらに半年以上も一条工務店の対応状況を静観して、それでも何も対応をしないので、ブログで大きく取り上げました。結果的に、多くの方にとって不安を感じらさせる結果となりましたが、それ以降の引き渡しの住宅ではしっかりとした対策が取られるようになり、また、引き渡し済のお客さんのお宅にも順次対応が開始されたことから、結果的に良かったと思っています。その矢先での火災ですので、おそらく対応はストップしていると思いますし、こればかりは仕方ないと思っています。

基本的には何かを批判したり、要望を出したりする際はかなりの時間をかけて最終的な記事となっており、全ての情報がリアルタイムではないことご容赦くださいm(_ _)

そのようなわけで、今回の火災の件は問題がリアルタイムに進んでいたこともあり、多くの方にその事実を伝えたとしても、ブログを読んで不安だけを感じさせてしまい一条工務店に問合せをしても担当者も何も対応をすることができない状況であると判断しました

できることならば、火災の発生を知って不安に思っている人たちだけに現地の状況を時々刻々と発信できれば良かったのですが、私にはブログというツールしかなく、ブログに書けば1日に何万人もの方の目に触れることになってしまいます。そして、そうした方々の大多数は「火災があったことすら知らない」という状況であると考えました。そのような状況でブログに書けば、知らなかった人が火災のことを知り、一条工務店に問合せを行って、そこで十分な回答が得られない状況にさらに不安を感じるだけだろうと考え、情報の公開を控えてきました。

知っていることを書かないことはフェアではないのかもしれないと思いつつ、それでもやはり混乱を冗長させることが火を見るよりもあきらかであったことから、今回はリアルタイムでの情報発信を控えさせていただいてきましたm(_ _)m

多くの方に営業さんから順次、現在契約中の方々に連絡が入っているという状況になりましたので、ここに個人的な考えを書きたいと思っています。

火災の裏での動き

火災以降、私を一条工務店批判派、と思われた一条工務店以外のハウスメーカーの方と思われる方々からコンタクトをいただいています。何をしたいかは明白で、状況を把握した上で、一条工務店のお客さんをダイレクトに狙って、営業をかけてお客さんを奪おうと考えているのだろうと思っています。これは市場競争ですので別に悪いこととは思っていませんし、それによって「奪われたお客さん」が幸せになるのであれば、一条工務店の売上が下がっても全く問題などないと思っています。しかし、住宅の断熱性能を求めている方に、他社が営業をかけたとして、それを満足させることができるか?と考えとき、私にはそれを満足させることができるハウスメーカーがあるとは思えませんでした

決して他のハウスメーカーよりも一条工務店が優れていると言うことではなく、断熱という一側面を切り取った場合、一条工務店がその部分だけ突出して優れているというだけに過ぎません。逆に言えば、デザインの自由度を重視する方に一条工務店を勧める行為もある種無謀な行為と思っています^^;

結局の所、私がブログ上で火災のことを大きく取り扱うことは、火災のことを知らなかった方に不安を与え、他のハウスメーカーがこれに乗じて無理な営業をかけてさらに不安を助長させることは容易に想像できました。

そのような状況もあって、火災にはブログ上では一切触れませんでした。

もう一つの不安:フィリピンの方々のこと

これは私が既に家の引き渡しを受けているからかもしれませんが、今回、フィリピンで実際に被害に遭われた現地従業員の方々にとって悪い影響だけは絶対に与えたくないと考えていました。これはいずれ書ければと思っていますが、今回の火災では残念ながら亡くなられた方もいらっしゃいます。それでも近年のフィリピンで起こった工場火災と比較した時、(被害者の人数で比較するべきものではないことは承知の上で)人的被害が少なかったと言えます。HTIにおいては定期的に避難訓練が行われていたこと、今回、即日一条工務店は現地において、現地従業員を解雇しないこと、被害に遭われた方々への治療費の支払い、補償の提供を宣言していました。様々な情報ソースを通じて、建物の中で何が起こっていたのかも分かってきつつあります。仲間と協力して命からがら2階の窓から飛び降りて骨折をされた方もいらっしゃいます。みんながてんでんばらばらに逃げるのではなく、訓練に基づいて避難が行われたことで3000人以上者人が働く建屋の大規模な火災ににも関わらず、その被害者の数が少なかった(という言葉が心苦しいのですが)、ことからも分かります。

そんなことは先進国である日本においては極々当たりまえのことと思われるかもしれませんが、ずっと企業規模は小さいですが2015年にKentex manufacturing corpという企業において、防火基準が満たされていない工場で74名が亡くなるという悲惨な工場火災が発生しています。そして、会社側は治療費等の一切の支払を拒否して大きな社会問題となっていました。また、これは工場ではありませんが、2月8日にはマニラの近くにあるスラム街で15000人が住居を失う大火災が発生しました。このスラム街は一条工務店の工場からたった10kmしか離れていない場所に位置しています。一条工務店のグループ会社が工場を置いているのは経済特区内で日本企業も多数存在する近代的整備が成された地域です。そのような地域の目と鼻の先にまだスラムが存在する、それがフィリピンの現実です。先進国に住む私には想像できない現実がある中で、一条工務店のグループ会社で働く1万人以上の人たちにわずかでも悪影響を及ぼすことだけは絶対に避けたいと考えました。

私自身は一条工務店がなくなっても、家のメンテナンスが困る程度です。でも、この従業員の方の多くは職を失うことで、常に命の危機が生じるスラム街に転落してしまう可能性が十分にあると思うのです。私がこのブログを趣味と言っている以上、趣味で誰にも迷惑にかけないことなどできないとしても、私が意図しない形で人の人生までだいなしにするようなことはしたくありません。そして、そのご家族の子ども達に影響を与えることは子を持つ親として絶対にしてはならないことと思っています。

これまでブログに書けなかったこと、バトンと家と子供とプランジャパン(下)

2014.10.19

私のブログは私が趣味で書いているものにすぎません。私自身は私が一条工務店をどれだけ批判しようとも、一条工務店がどうこうなることなどないと思っているからこそ、好き放題書けます。また、しっかりと説明をしてお互いを理解する事も可能と思っているからこそ書けます。しかし、今回はその点に自信が持てなかったことから、ブログへの掲載は控えてきました。

多くの方に情報が伝わったことで、その必要はなくなったと判断して火災についてのことを書くことにしました。

なぜウレタンがEPSに変更になることがわかっていたのか?

一条工務店が選べる選択肢は以外と少ない

今回、私が一条工務店が決定するよりも前にウレタンがEPSに変わる可能性を事前に予測できたのは、種を明かせばそれほど難しいものではありませんでした

今回、現地のニュースでは被害を受けた生産設備が断熱材の工場ということは早い段階から報道されていました。当初は燃焼行程があるタイル製造ラインが燃えた可能性を考えましたが、現地ニュースからはそれは読み取れず、全てが断熱材製造ラインの火災を示していました。

仮にウレタン、EPSの製造ラインが火災に見舞われたとするならば、次に何が起こるかを考えたとき、選択肢は2つしかありません

第1がウレタン・EPSの使用を継続する、第2がウレタン・EPS以外の断熱材に切り替えるという選択肢です。

そして、第一の選択肢を選んだ場合、というか、当然最初に検討されるウレタン、EPSの製造においては重大な課題があります。

通常であれば、自社の工場が火災でストップしたら、すぐに他社から購入してきて製造をストップさせない選択肢が検討されますが、EPSはやや別としてウレタンに関しては、どう考えても他社からの入手がほぼ不可能なのです

一条工務店のウレタンフォームは極めて特殊

他社から仕入れてくるという案については、EPSについては可能性がありますが、ウレタンフォームについては可能性が皆無です。というのも、一条工務店が断熱材として使用しているウレタンフォームは、金型で圧縮された独自規格のウレタンフォームとなっています。

 

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スペシアさんから提供をいただいた床下で脱落していたウレタンフォーム

見た目的にはEPSと大きく変わりませんが、ウレタンフォームが用いられています。

一条工務店はこれを「高性能硬質ウレタンフォーム」と説明しています。一般的には吹きつけウレタンフォームを使う工務店は多数ありますが、このような金型圧縮の硬質ウレタンフォームを使用しているハウスメーカーは皆無です。吹きつけウレタンフォームは現場施工が容易である事から中小規模の工務店等でも広く行われている断熱施工です。厚さを等しくできればEPSと同程度の断熱性を確保できますが、剥離しやすく19cmもの厚さを積み上げることはできません。そのため、吹きつけウレタンフォームでは断熱材を薄くすることになり、これは一条工務店の家の大きな性能劣化を招くため選択不可能です。金型圧縮されていないウレタンフォームであれば流通量も多く代替品は入手可能と思われますが、別の問題が生じます。

一条工務店のウレタンフォームは、高性能ウレタンフォームと謳っているだけあって、熱伝導率が「0.020W/m・K(厚さを考慮した熱貫流率は0.131W/㎡・K)」となっています。

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一般的に市販されている最も高性能なウレタンフォームの熱伝導率は「0.023W/m・K」です(日本ウレタン工業会)。そして、EPSは「0.032W/m・K」となっています。熱伝導率は低ければ低いほど断熱性能が優れています。こうしてみると、一条工務店が使用している金型圧縮された硬質ウレタンフォームが突出しており、通常のウレタンフォームはEPSとの中間当たりの断熱性能となっていることがわかります。ただ、それでもEPSよりも普通の硬質ウレタンフォームの方が良いのでは?と思われるかも知れませんが、金型圧縮されていないことで、他のウレタンフォームと費用対効果、耐久性、透湿性、その他の性能はEPSと逆転してしまったり、差異がなくなってしまうケースが出てきます。そうなった場合、坪単価を変えずに、微妙に性能の悪いウレタンフォームをお客さんに提供せざるを得なくなるため、これもできない選択となってしまいます。

よって、一条工務店がウレタンフォームを選択する以上は金型成型されたウレタンフォームしか選択肢がありません

しかし、一条工務店が使用している金型圧縮の硬質ウレタンフォームは極めて大型な設備を要しますし、加工されたウレタンフォームは現場加工が困難であり施工性が極めて悪いと言った問題があります。一条工務店は、これをフィリピンで大型生産設備を設置して生産し、現場の加工性の悪さは、フィリピンで大部分を壁内に組み込むことでクリアしていました。また、加工性の悪さを補うためいわゆる一条ルールを多数準備し、一定規格を維持することで、問題を解消してきていました。

問題はこの「大型の金型」にあります。一条工務店では、厚さ14cm、縦横数メートルに及ぶ大きな硬質ウレタンフォームを使用しています。これを生産するための金型の大きさは相当な規模になることは間違いありません。金型成型は一度金型を作ってし舞えば大量生産が可能な一方で、大きな金型自体の製造には非常に時間とコストがかかります

コストについてはどうにかなったとしても、これほどの規模の金型は容易には生産できるものではありません。また、このような特殊な金型は他社を探しても、日本国内にはもちろん、世界全体を探したとしても、見つけることは極めて困難な装置です

そのため、代替品を他社から仕入れると言うこと自体が不可能に近いのです。。。

匿名掲示板や他社のハウスメーカーでは、「一条工務店の断熱性能程度はどこでもできる」と言われることがありますが、それは非常に表面的にしか見ておらず、実際にはかなりの投資とノウハウが存在しています。一条工務店のこれらの取り組みは一条工務店でなければできないものとなっています。この「どこにもない」独自性こそが他のハウスメーカーとの製品の差別化に繋がる一方で、今回、1工場での生産による脆弱性を露呈した結果にもなりました

EPSはウレタンフォームほど特殊ではありませんが、それでも、一条工務店が他社から従来と同性能のウレタンフォームを仕入れることが困難です。厚さ14cmにカットされた大きなウレタンフォームを、住宅棟数数千棟分、再来月までに欲しい、と言われて応じてくれる化学会社はあるか?と考えると、そんな会社はなかなかありません。。。しかも、一条工務店は自社生産設備が整った段階で、自社生産に切り替えてしまうのです。。。新規の設備投資も行えません。そのため、自社生産に依存してきた以上、今後も自社生産にこだわる(依存する)しか選択肢はないのです。

ただ、圧縮金型を必要としない分だけ生産ラインの復旧は早期に可能ですし、市場に流通もしているのでかき集めることで対応は可能です。おそらく、それが1-2ヶ月以内に生産ラインを復旧させ、その間は在庫や他社からの購入品等々を使って調整することで対応を進めるのだろうと思っています。

グラスウール、フェノールフォーム等の代替手段を用いる。

第三に、ウレタンフォーム、EPS以外の断熱材を採用する可能性も検討しました。私の当初の想定では、ウレタンフォームの生産がストップし、かつ、EPSの復旧にも時間を要するとなった場合の想定として、グラスウールの採用の可能性が高いのではないかと考えていました。実際の所、前回記事をアップする際に、「ウレタンフォーム、EPS、グラスウール、断熱性の違いは?」という記事を書く準備をしていました。

グラスウールは市場で大量生産されているためウレタンやEPSに比べると遥かに入手が容易です。また、グラスウールであれば現場加工が可能であるため、工場での断熱加工が不要になります。そして高密度グラスウールで施工することで、従来よりは性能が劣るものの一定の断熱性能が確保できる可能性が高いこと、そして、何よりも引き渡しに遅れが生じないことからグラスウールに切り替えてくる可能性も十分に高いと思っていました

しかし、グラスウールの内、最も熱伝導率が低いのは48Kと呼ばれるグラスウールになりますが、このグラスウールでもEPSより熱伝導率が悪く「0.034W/m・K」の断熱性能しか得ることができません。高断熱で有名なスウェーデンハウスの場合で24Kのグラスウールを20cm埋め込んで高断熱を実現していますが、厚さも考慮した熱貫流率(熱の伝えやすさ:厚さを考慮した熱伝導率)はスウェーデンハウスの場合で、0.19W/㎡・K、一方の一条工務店のウレタンベースの場合で、0.069W/㎡・Kとなっており、断熱材の断熱性能が約2.8倍高くなっています。EPSと比較してもスウェーデンハウスの断熱材よりも1.1倍一条工務店のEPSの方が断熱性能が高くなっています。そのため、Q値は1を上回ることが想定されます。これは、顧客の立場から言ったときに妥協することは極めて難しい判断と思っていました。

一方で、短期的にはお客さんを納得させることさえできれば、金額的損害は最小で住むのがグラスールの選択と考えていました

また断熱性以外の問題も多く、一条工務店の現場大工の方々はグラスウールの施工に慣れておらず、断熱欠損を生じさせる可能性も出て来ることから、グラスウールの採用は将来に多くの禍根を残すと考えていました。

一条工務店が1ヶ月間引き渡しを送らせると言う事はすぐに10億円規模の損失を招きます。それを回避するために、事故を理由として値引きをして引き渡し遅延を回避するというのは十分に検討の余地があるものと思いました。そのため、個人的にはグラスウールやその他の断熱材で対応をしてくる可能性も十分にあり得ると思っていました。

そのように考えて、当初はグラスウールを題材にブログの記事をアップしようと思っていました。しかし、、、これを書くとEPSやウレタンと比べて問題点も多く、万が一一条工務店がこの選択をして来た場合、不安を煽る可能性が高いと考え、この記事については先送りすることにしました。この選択がおこなわれなかったことにはほっとしています。

引き渡しを遅延させてEPSを選択

最後に残ったのは、見通しを立てることが困難、かつ、元通りの生産体制の確保におそらくは半年から1年、もしかするとそれ以上の時間がかかるであろうウレタンフォームはあきらめて、生産ラインの再構築が可能なEPSで対応をするというのはある種合理的な判断と推測しました

結局、一条工務店の選択はこの選択に落ち着いたようです。

ウレタンフォームを使用しているのはi-smartⅡや北海道等の地域のみですので、依然として多くの方はEPSでの施工となっています。そうであるとするならば、なんとしてもEPSの生産ラインだけは早急に回復させなくてはなりません。そしてEPSの供給ラインが確保できれば、ウレタンからEPSに変更するという選択肢が生み出せます。EPSが使えれば断熱性能が大幅に下がることがないというのと、現場の施工業者の方にとっても、以前から使っていた慣れた材料の取扱になるため現場の混乱を回避できます。

今回のケースにおいては、色々と考えれば考える程、ウレタンからEPSへの変更以外の選択肢がなくなってくるのが現実です。

現時点では1-2ヶ月程度の遅れということのようですので、現実的なスケジュールとも思っています。が、、、、大規模な生産ラインを1-2ヶ月で作り上げるのはなかなかに至難の業と思います。在庫量がわからないため、在庫を使って調整も考えられます。

上記のようなことを考えていくと、一条工務店が取り得る選択肢はそれほど多くはなく、私としては、グラスウールに変更またはEPSのみで施工という線を考えていました。

仮に、上記の推測が当たってしまい、一条工務店がウレタンからEPSへの変更を求めてきた場合、ブログを読んでくださっている方に参考になる情報が提供できないか?しかし、書いている時点では、推測の域を出なかったことから、憶測を流布しない形で、できる限り定量的な指標のようなものを知らせることができないか?と考えて書いたのが「EPSとウレタンフォームの違いが住宅断熱性能Q値に与える影響!え?実はあんまり関係ないの??」となります。当初、推測の域を出なかったことでかなり荒っぽい計算をしていましたが、記事を修正してお住まいの地域ごとに、ウレタンフォームからEPSに切り替えた場合の断熱性能の違いと、電気料金の違いを計算しなおしました。

北海道だけは別と思います。

ただし、問題は北海道は別と思っています。ぶっちゃけ、北海道については、可能であればウレタンであることが本当に望ましい地域となります。

本州以南については、ウレタンでもEPSでもわずかな電気代の差異はあるでしょうが、住み心地には大きな差が出ないと考えています。前回書いた様に、窓サッシの違いによる快適性の方が影響が遥かに大きいです。しかし、北海道については、、、、やっぱりウレタンが良いと思います。本州以南と北海道は明らかに気候が違います。札幌はまだしも、旭川等においては、EPSの選択が後で問題にならないかを危惧しています。。。。ある種の耐久性テストと一緒で、極限状態ではじめて、このQ値の違いが如実にあらわれてくるように思っています。。。

じゃあ、一条工務店の高性能ウレタンと同性能の断熱材を使った断熱住宅を作れて、かつ長期的に安定した経営が望めるメーカーというのが、あるか?と言われると私は知らないので、結局一条工務店しか選択肢がなくなればEPSを選ぶしかないわけですが。。。

性能を劣化させない方策が取り得るか?

もしもウレタンフォームからEPSへの切り替えを前提に話をすすめるならば、その性能差が問題になってきます。ここで、一条工務店としては口が裂けても言えないことは「性能に差はありません」という説明です。。。。事実差はありますし、差がないというのは嘘になります。しかし、その性能差の大きさは、エアコン等の住設によって回復可能な程度の差であることも事実です。が、それを言えるかというと、多分、営業さんが言っても信憑性がないですし、そもそも、それまでの「高断熱」は必要みたいな説明をしていたと思われるので、ぶっちゃけ、EPSでもウレタンでも断熱性能の差はエアコンの性能アップで何とかできますよ~とは言えないと思っています。

今回、EPSへの切り替えが現実になった場合に、どうしても性能が下がることが嫌だと感じる方がいらっしゃったとき、それを補う方法を提供できない?と考えたことから先日のブログをアップしていました

本州以南においては、Q値が1.0を下回っている状況で、かつ、窓サッシがしっかりとしたものである限り、EPSでもウレタンでも住み心地を大きく損なうことはあまり考えられません。しかし、それでもどの程度の性能劣化になるのか分からない中で、かつ、性能の劣化だけを受け入れろと言われた場合、拒否したくなる気持ちはもの凄く良く分かります。私だって、そんなの絶対に嫌です。ただ、実際問題として断熱材変更に伴う性能劣化の程度は、限定的であることも計算から分かっています。であれば、それが仮に自費であったとしてもエアコンを高性能化することで、性能劣化を補うことができるとすれば、そのような選択をしたいと思う方がいらっしゃるのではないか?と考えて前回の記事をアップしました

【2017/2/22追記】今回の一条工務店のエアコンのアップグレード(交換サービス)では冷房の性能のみが上がり、床暖房の空調効率は変化しませんでした。交換サービスを受けることで、床暖房の性能が上昇するかのように書いておりましたが、それは間違いです。詳しくは下の新記事をご覧ください。情報に間違いがありましたことお詫びしますm(_ _)m

⼀条⼯務店⽕災の保証内容の間違い訂正とお詫び

2017.02.23

保証についての個人的意見

一条工務店にどこまでの補償を求めるべきか?

火災が発生してしまったことは本来顧客である私達の側には無関係の話です。しかし、現実問題として火災は発生してしまっていて、生産設備が被害にあってしまったこと、そして、ウレタンフォームはその特殊性故に、いつ再生産ができるのかも分からない状況であることは現実です。

当事者の方にとっては1~2ヶ月もの引き渡しの遅れ、さらには、i-smart2を契約されていた方や、ウレタンが標準となっていた北海道等の寒冷地にお住まいの方にとっては、i-smartの古いタイプ(私の家がそれに該当しますが^^;)と同等の性能しかないEPS断熱材を選択せざるを得ない状況は困惑をせざるを得ない状況であることは非常に良く理解できます。お怒りになられている方がいるのも極々当然のことと思います。多くの方にとって一生に1度の家づくりなのですから、、、

その上で、無理な交渉や要望は、事態を悪化させてしまうこともあります。そもそも、交渉をするという行為自体が、強いストレスを招きます。そこで、契約上の事実と個人的見解をまとめさせていただきます。

契約上、一条工務店はどこまでの責任を追うことになるのか?~損害遅延金~

私が契約をした当時から、一条工務店の契約書には「遅延条項」が設けられていました。すなわち、引き渡しが契約よりも遅れた場合は、一条工務店が損害金を支払います、という項目です。

この遅延金の額は「請負金額から、既に完成している分の施工費、そして発注済の材料費を差し引いた1万分の4に相当する額を引き渡し遅延1日ごとに支払う」という契約になっています。

裏を返すと、一条工務店は契約上、この遅延金以外の支払義務を負っていない契約書に皆さんはサインをされている状況です

もっと言えば、この遅延金を支払うだけで一条工務店は引き渡しを遅延させることができることも意味します。損害遅延金を支払えば、その他の損害を支払う義務から解放されているのです

そして、この遅延金は決して高い金額にはなりません。

ざっくりと計算すると、請負金額2500万円の家を契約しているとして、既に基礎だけができていればざっくり300万円、そこから材料費等発注済み額1700万円を差し引いて、500万円程度となると思われます。この1万分の4は1日当たり2000円となります。2ヶ月の遅延であれば60日間ですから12万円が遅延金となります。

そして、契約と異なる仕様に変更している以上、ウレタン→EPSの差額は一条工務店が支払う義務を負います。

よって、遅延金12万円+ウレタン→EPS変更の原価差額(坪単価ベースではない)を支払いさえすれば、それで契約は履行されたと見なせます。この場合、家賃費用やつなぎ融資の延長費用等々の諸費用は全て受け取った損害遅延金から支払うこととなり、足りない分は自己負担となります

実際問題として、仮住まいなどが必要になった場合、2ヶ月引き渡しが遅延した場合12万円では到底足りません

幸いにして、今回一条工務店は遅延金の話を持ち出してはいません。

遅延が発生した場合の実損金額は補償するとしており、現在居住している住宅の家賃増加分、仮住まい費用等は、一条工務店が負担すると言っている状況です。また、高性能エアコンの設置または、不要という場合は差額分を一条工務店が「お詫び」として提供すると伝えてきています。

この条件は、破格に良い条件とは思いませんが、損害遅延金を受け取るよりもずっと良い条件となっています。

ここで、間違ってはいけないのは、一条工務店が現在伝えてきている「実損+高性能エアコン」に「損害遅延金」を上乗せすることはできない、という点には注意が必要です。さらに、その場合、ある種の謝罪と思っていますが、ウレタン→EPSの差額を「坪単価」で計算して返金するとしていますが、これが「原価ベース」になってしまう可能性があります。ウレタン→EPSを原価ベースで計算した場合、金額はずっと小さくなってしまうはずです

先にも書いた様に損害遅延金は、それを受け取れば一条工務店が引き渡し遅延をすることができる、という契約です。よって、損害遅延金を受け取ると言う事は、実損+高性能エアコン相当額は受け取れなくなり、坪単価ベースではなく原価ベースの差額しか受け取れなくなってしまう可能性が高くなります。

お金の問題ではなく、損害遅延金を受けとらなければ納得がいかないという感情の問題を除いては、遅延金の話を持ち出すことはお勧めしません

ここまでは、「契約上」の話になります。今回、一条工務店は契約の範囲を超えて補償を伝えてきている状態ですので、その上でどこまでの補償を受けらるのか?そして要求しても大丈夫なのかについて書かせていただきます

なぜ、そんなに保証関連のことを書くの?

保証の話をさせていただく前に、なぜ私が一条工務店の保証の話についてこれから示すようなことを断定口調で言えるのかについて、少しだけ書かせていただきます。

私自身は5年以上一条工務店での家づくりについてのブログを継続してくる中で、多くの方にブログをお読みいただくことができています。これは、ひとえにお読みいただいている方あってのことで本当に感謝しています。

その上で、ブログを継続していると、色々な方から非常に様々なご相談をいただく事が多くあります。感覚的には9割は担当者の方の不適切な対応に起因するものです。しかし、中には一条工務店で家を建てる方全てに影響を及ぼし得る問題も複数知るきっかけとなってきました。

直近では、ネズミ・コウモリの問題がありましたが、それ以外にも防蟻剤の話、初期i-smartにおけるタイル施工の問題等々、がありました。もう少し細かい問題で言えば、玄関土間の結露の問題、屋根の破風にある隙間の問題等々もあり、これら全てについては指摘をさせていただいたあと、対応までの時間は色々ありますが、なんらかの形で一条工務店が対応をしてくれてきました。

そして、その裏には、それよりもずっと多い数の様々なご相談をいただいてきています。自信を持って言える事は(そんなことに自信をもたれるのもどうかと思いますが)、一条工務店のクレームを知っている数の多さでは、営業さんよりもずっと多いと思っています。。。

そんな経緯もあって、一条工務店がどこまでは妥協、というと良くない言い方ですが、しっかりと対応をして、どこから先は拒否をしてくるかは、かなり分かっているつもりです。

経験上の感覚では、一条工務店はお客さんに「損」をさせたら確実に保証するけれど、「過大な要求」は突っぱねるという企業として非常に当然の対応をする会社と思っています。少なくとも、相談をうけた第三者の立場から見たとき、不合理な意思決定があったことはありません。ちなみに他メーカーでは不合理だな~と思うこともありましたし、逆に、その条件を本当に呑むの?と思った事もあります。。。

正直、これから書かせていただく内容で納得する方は、もしかするとそれほど多くはないかも知れません。でも、おそらくその当たりが最終的な落としどころでもあると思っています。

今回書かせていただく条件はベース(交渉をはじめるスタートライン)ではなく、最終的な落としどころだと思っているところです。

多くの方にとって、交渉をするということは非常にストレスを感じる作業です。交渉過程で、お互いにどこまで妥協できるかを探り合いながら交渉を進めるという作業は、個人的には楽しい作業ですが、多数の方にとってはストレス以外の何物でもないと思っています。それが、楽しいはずの家づくりであったらなおさらと思っています。

私の経験上の落としどころを示させていただく事で、そのようなストレスを味遭わなくて済む方が1人でも多くなるのであれば、それは嬉しいと思っています。

現時点で一条工務店が提示している保証条件

第三者の勝手な見解に過ぎませんが、現時点で一条工務店が提示している坪単価ベースの値下げ+高性能エアコンへの変更(希望しない場合:10万円程度)という条件は、大きな得をすることは無いけれど、損もしない条件となっています。

その上で、ウレタンが標準となっていたり、ウレタンが標準となるi-smart2を選択されていた方は、i-smart zero相当のEPSへの切り替えを促されています。その時の保証条件は

・ウレタン→EPSの差額坪単価

が提示されています。概ね1.5万円/坪~2万円/坪の範囲と思います。50万円~70万円前後になる方が多いかと思います。

そして、この他に

  • 引き渡し遅延に伴う家賃・仮住まい費用

については、文書として一条工務店が保証すると書いているので、保証してくれるのだと思います。

ただし、現時点ではウレタンからEPSに変更が必要なお宅については、「EPSに切り替えた場合」の条件となっている点にはご注意ください。

少なくとも一条工務店がお客さんに出している文章では、「ウレタンフォームを待つ」という選択をされた方にも同様の保証をするとは書いていません

営業さんなどが、ウレタンを待つ場合でも家賃等を保証すると説明してるケースが見受けられますが、文章にはそのようなことは書かれていません。個人的にはこれが今後の禍根となることを強く懸念しています。

もしも、EPSではなくウレタンを待つという選択をされる場合でも家賃保証があるのかどうかは、正式な文章として求めておくことを強くお勧めします。そして、おそらく、その文章は出してもらえないとも思っています。出してくれるならば、それは良いことですが、現実問題として、そこまで一条工務店が保証する可能性は私自身判断が出来ません。ただ、個人的には納得のいかない部分もあると思いますがウレタン→EPSにそこまでの性能差はありません。それだったら、何時建つか分からない家を待つよりも、現時点では不満が残っても、後になってみれば早く住めて良かった、となるように思います。それでもウレタンを待ちたい場合は、後の文章も遭わせてお読みください。

以上が、一条工務店が公式に配布している文章から読み取れる保証内容となっています。

これ以外は明示的には書かれていません。

確認をしっかりとすべき保証内容

一条工務店が文章として出している保証条件に含まれていない費用で気になる費用がある方もいらっしゃると思います。

確認をしておくことで、私の経験上保証してもらえると考えられる費用は

  • 必要になった駐車場代
  • つなぎ融資の金利

の2点です。一条工務店が出す文章には「実損分(家賃・仮住まい費用など)」と書かれていますが、この「など」がどこまでを指すのかが大きな問題と思います。

事前の確認は要しますが、仮住まいと合わせて駐車場が必要になった場合、これは保証してもらえると考えています。これは営業さんなどもそうおっしゃっている方が多いようですので大きな問題はないように思っています。

今回影響を受けられた方の中には既に着手金を支払ってつなぎ融資を借りている方がいらっしゃると思います。その場合、「つなぎ融資の金利」が問題となってきます。少し大きめに計算して、1000万円の着手金を支払っており、これを全額金利2.5%のつなぎ融資で借りていた場合、かりに長めに見て2ヶ月の金利は支払利息は4万円程度になります。これは実損分として保証されるべきお金と思います

ただし、土地のつなぎ融資を借りている場合は議論を要すると思います。

すなわち、5000万円の土地を購入し、建物3000万円、着手承諾時に、土地と建物を合わせてつなぎ融資を借りているケースです。

この場合、土地の代金5000万円+着手金1000万円=6000万円のつなぎ融資を借りていることになります。この場合、土地のつなぎ融資分は、実損ではあるけれど、顧客都合とされてしまうケースが出てくるものになります。土地のつなぎ融資も含めて金利を負担してくれるのか、それとも建物の分についてのつなぎ融資の金利分であるのかは事前にしっかりと確認をしておくべきです

これについては、ある程度ケースバイケースの対応が出てくると思っていますが、ごく常識的な範囲内であれば、しっかりと要求して良いと思っています。例外的なケースというのは、極端な話ですが、隣に将来的にマンションを建てるつもりで、3億円の広い土地を購入しており、建物は3000万円で、当初は「庭」として使うとして申請するようなケースです。この場合、つなぎ融資は2ヶ月で120万円になってしまうので、極端な例外として住宅の範囲内のつなぎ融資相当額の保証に限定される可能性があるように思います。それだけ借りられる方にとっては問題ないのかも知れませんが。。。

上記2点については、一条工務店側の都合で延長された分の金利については、事前の確認は必要ですが、一条工務店側が保証してくれると思っている保証金額になります

  • ZEH補助金が受けられなかった場合の補助金相当額

これについては人によって感じ方が異なると思っていますが、ぎりぎりのラインとして事前に確認することで保証をしてもらえると考えているお金です。今回ZEH補助金を受けることが決まっていた方の中にも延期になられた方がいらっしゃいます。今年度の補助金は125万円ですが、来年度に回ってしまうと75万円になってしまいます。

この差額に相当する50万円については、保証を申し出て良いものと思っています。

実損分なんだから当然、と思われる方も多いように思います。ZEH対応として契約していたのにZEH補助金が受けられなかったらそれは実損と思われるのは当然です。しかし、ZEH補助金を受けられることは一条工務店が保証しているものではありません。場合によっては抽選等になってしまう、ある種の一条工務店が保証する範囲害のお金と理解できます。そのため、一条工務店が出している文面を厳格に解釈するとZEH補助金は保証しないとも読めます。しかし、やはりZEH補助金を受けることを前提に話を進めており、申し込みもして、確定通知が来ていたものが受け取れなくなった以上は、遅延による実損と解釈して良いと考えています

ただし、これについても事前のしっかりとした確認が必要だと思っています。口頭ではなく、文章で出してもらっておいた方が良いと思います。また、来年度のZEH補助金が受けられることが保証されている分けではないので、来年度の補助金が万が一受けられなかった場合には125万円を保証してもらえるよう、1文を付け加えておくのが良いと思います。

ZEH補助金を受ける事が決まっていた方についてはこの点も確認しておくことを強くおすすめします。

  • 解約金

最後に、これは、個人的には一条工務店で家を建てる方が減ってしまうのは寂しい気持ちもありますが、生活の予定上どうしても遅延が受け入れることができないと言う方もいらっしゃると思っています。また、今回の一条工務店の対応で不信感を持ち、一条工務店で家を立てること自体が嫌になられた方も出てくると思います。しかし、顧客の側が持つ権利として、着手金を支払う前であれば最後は解約ができます。

通常であれば、いわゆる本契約後、施主都合による解約の場合は設計料や地盤調査費用等が契約金から差し引かれて戻ってきます。解約時期にもよりますが、概ね20万円~30万円程度差し引かれる方が多い印象です。

しかし、今回のケースでは、解約しか手段のない場合着手承諾前であれば、全額返金での解約を申し出て良いと思っています。こればかりは応じなければ筋が違いすぎるため、仕方ないことと思います。

この点については、着手承諾前か、後か、もっと言えば、実際にものを作り始めているかどうかで差異が出ると思います。着手後で、実際に家が作り始めている方については解約をすることは困難と思います。。。

ここで挙げた金額は契約上は一条工務店が支払う必要がないお金であるということは覚えておく必要があります一条工務店が契約上支払う必要がある金額は遅延損害金のみです。上記の金額を支払ってもらえるというのは、決して多くは無いと言うことは念頭に置いて置くのが良いと思っています。

支払ってくれないであろう費用

上記に挙げた費用については「実損」として支払に応じてくれるものと思っています。一方で、支払をしてくれないであろう費用は

  • 融資実行時期の変化による金利変動分

当初8月引き渡し予定だった方が、10月引き渡しになった場合、融資実行時期が2ヶ月遅れることになります。この間に金利が変動します。

場合によっては、金利が上昇することも十分に考えられます。そのため、引き渡し日が変動したことによって、金利が上昇してしまった場合、月々の支払金額が上がることになります。

高い金利でお金を借りなければいけなくなったのは、引き渡しの遅れが原因ではありますが、しかし、私の感覚ではこれは実損とは言えないと思っています

というのも、「2ヶ月後の金利」は現時点では誰にも予測ができないことが理由です。金利の変動は常に起こっており、明日の金利も誰にも分かりません。金利が上がることもありますが、逆に下がっているというケースも当然考えられます。その場合、当初予定よりも金利が下がった分は、「一条工務店の遅延のおかげ」として、一条工務店に返済するべきか?という風に考えると非常におかしなことになります。

金利自体は常に動いていくもので、着手承諾の時点でも引き渡し時点の金利は着手するご本人も予測できないことになります。結果論として金利が上がるケースは十分に考えられますが、それを求めはじめると話が混乱の方向にだけ行くため、私の感覚では求めるべきではない費用と考えています。

  • 慰謝料

そして、これだけは絶対にやめておくべき費用として、「慰謝料」があります。

慰謝料で誤解されがちなことですが、精神的な苦痛があった、迷惑を被ったからという理由では慰謝料の請求はできません。。。気持ち的には慰謝料払って欲しいというのは、本当にすごく分かるのです。ただ、実際には慰謝料の支払いは「不法行為」の存在が不可欠です。現時点の一条工務店の保証内容に不法行為があったとするのは難しく、慰謝料の請求はできないと思った方が良いかと思います。

ウレタンがEPSに変わったということは契約の不履行とみなせないことはありません。もしも、ウレタンからEPSに変更されたにもかかわらず、その差額を返済しないと申し伝えてきたならば、実質差額+慰謝料を請求して良いと思います。

しかし、今回、一条工務店は、差額を保証するとして来ています。また、ウレタンからEPSへの変更分も返金するとしており、また、性能が落ちた分も、エアコンをアップグレードすることで、問題が回避されています。気持ち的な問題は非常に良く分かる一方で、顧客側に損失が出ないような話になっています。そのため、これを「不法行為」とすることは極めて難しいように思っています。

さらに、これまで色々な方の本当に色々なトラブルを見ていて、慰謝料を請求するケースは請求した側が不幸な結果にしかならないため、慰謝料だけは本当にお勧めしません。。。

  • 断熱性低下による電気代上昇分

以下は、冒頭で書いた様に、Q値が0.1変化すると電気代がいくら変化するか?という計算を示しています。

image

金額的には、関東以南では年額5000円未満です。仮に20年分とすると10万円程度になりますが、これは一条工務店に求めるべき金額ではないと思っています

というのも、今回の高効率エアコンの設置によって、結果的にこれが解消されているため、実質負担増がないためです。また、そもそもウレタンからEPSへの変更差額が返金されているので、そもそも電気代の上昇は、返金によって補填されていると考えられるため、電気代増分を含めることは合理的ではありません

ウレタンからEPSに変更になって、50万円が返金されて、仮に30年間の電気代を考えても、15万円ですから、電気代としては得をしている状況になります。

じゃあ何の為の断熱性なんだ?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、それもまた違うのですが、断熱性の向上は電気代では補完できないことは、

これは私が2011年に書いたブログですが、この当時からQ値の違いを電気代で補完することは見ることができないことは書いていました。(改めて計算が妥当であったかは検証していないため、妥当性はちょっとおいておいていください。。。)6年前の古い記事ですが、その当時から状況は変わっていません。

i-smartとi-cubeの性能差:Q値の違いで電気代はどれだけ変わるのか?

2011.08.14

個別ケース

家づくりは本当に多様です。そのため、上記では指摘していない「実損」はあり得ると思っています。代表的なところで、税金関係等が考えられます。

これらについては、一律で条件を決められるものではないように思っており、該当するケースが存在する場合については個別の問合せと対応を要するように思います。

金額的にあまり細かなものは請求しない方が話がスムーズと思うので、損失額が合計して3万円に満たないケースに付いては「お詫び」であるエアコンまたはその差額10万円程度の中に含まれていると考えた方が良いように思っています。気持ち的には細かなものも請求したくなると思いますが、やり出すと切りがないように思っています。

ウレタンの生産開始を待つべきか?

さらなる問題を生じさせる可能性がある

現在、半年程度でウレタン工場が生産を開始できると話をしている営業さんがいるようですが、それが事実としても、半年後に上棟できるか?というとできない可能性も十分に考えられます。なぜならば、一条工務店には上棟枠が存在するためです。1ヶ月間に上棟する数をコントロールしているため、9月に生産開始しても、9月に上棟できるわけではないのです。。。そのため、上棟枠を待つ期間が追加されることになります

9月に生産開始して10月に日本に入ってきたとして、10月以降上棟は翌年3月引き渡しを希望する人たちが建築を開始する時期と重なり混み合いやすくなります。そのため、現時点ですでに一定程度上棟枠が埋まっていると考えられます。そこに、ウレタンを希望する人が延期をして上棟を希望しようとしても、スケジュールの調整が不可能な可能性が十分に考えられます

そんなの、一条工務店の都合なんだから優先して上棟枠を確保すべきだ、というのは当然の気持ちと思います。確かに10軒や20軒であれば、そうできると思います。しかし、今回対象となる方の数はその100倍程度に達するはずです。その数の方が、10月に全て上棟を希望したとしても、物理的に受け入れられません。また、仮にある程度優先してしまった場合、直接影響がなかったはずの10月以降に上棟を予定されていた方に影響が出ることになります。よって、隙間隙間に上棟枠を確保することになるため、かなり長期の待ち時間が発生するケースが出てくるはずです。

唯一、北海道の旭川等、冬期の外気温が零下20度に達するような地域にお住まいの方は、ウレタンが使えないならばできれば待機をされるという選択の方が良いケースもあります。電気代の上昇分、そして、零下20℃を下回るような気温条件では、体感としてEPSとウレタンの違いが出てくるケースがあります

EPSであっても、決して、EPSだと全くダメということではありません。おそらく、サッシの高性能化の恩恵もあって、問題は出ないだろうと思っていますが、同地域では性能の差が体感と感じられる可能性がある以上は慎重な検討が必要と思います。

おわりに

一条工務店が地域によって対応が違う理由

これは意見が分かれるところと思いますが、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、一条工務店では地域によって対応に若干の差異があります。例えば、同じ時期に着手承諾を下方でも、1ヶ月の遅延で住む地域もあれば、2ヶ月以上遅れる地域もあります。これは、地域ごとの上棟枠による違いと思います。

また、ウレタン→EPSの減額にも地域間で差があります。これはそもそもの坪単価が異なる地域が存在するためです。都市部に近いと坪単価が高くなる傾向があります。また、北に行くほど坪単価は高くなります。都市部に近づくほど高くなるのは、現場の施工業者の方の賃金が上がるためと理解しています。また、国内でも南と北では北に行くほど坪単価があります。これは、北に行くほど外気温が低い地域になるため、住宅の仕様そのものに若干の違いがあり、それが坪単価の違いとなっています。例えば、関東以南では玄関の土間は断熱施工されていませんが、土間の断熱が標準の地域、さらには土間にも床暖房が入っているのが標準の地域もあります。また、ロスガードも北海道などでは地中熱方ロスガードが使われており値段が高い設備の分だけ坪単価が高くなっています。さらに施工面積の坪数によっても単価は細かく変わっています。これらのことから仕様の違いから、今回の減額も同じ坪数でも地域によって差が生じており、これを一括して「いくらの減額」として公表することはできません。それをしてしまうと,一部の方は得をする一方で、逆に損をしてしまう方が出てきます。そのため、変な話ですが、公平性を保つ為には個別に説明をするしか無いのだと思っています。

そのようなやり方が良いかどうかは別として、今回早い段階でホームページ上で公表された情報以上の情報については、個別説明以外にはないように思っています。

最終的には営業さんのこれまでの対応次第だと思っています

色々と書いてきましたが、今回の件の対応は、結局の所、これまで営業さんが「一条工務店」としてしっかりとした対応をできていたかどうかの問題も大きいと思っています。きちんとお客さんと向き合って家づくりをして来た営業さんであれば、ウレタン→EPSの変更についても、遅延についても、納得はしてくれないかも知れませんが、理解はしてくれると思っています。しかし、そういった信頼関係を構築できてこなかったお宅では、納得も理解もしてもらえないように思っています。

正直、今回の件については当初から、「適当な話」をしている営業さんも見受けられました。現地ニュースでも分かっていない話を、確定であるかのように話をして、それを聞いたお客さんが何も問題なかったと受け取られた方もいらっしゃいます。

私個人の懸念としては、今回の件で、大きな損害を受ける可能性があるのは、現場で一条工務店の仕事をされていた大工さん達になってしまうことを懸念しています。現場で私達の家を建ててくれている大工さん達は一人親方と呼ばれる方が多くなっています。そういった方にとっては、1ヶ月の延期=1ヶ月間仕事がなくなる、ということを意味しています。これを一条工務店が保証することは極めて困難であるとも思っています。私が気にすること自体が余計なこととはおもいつつも、実際に仕事をして家を建ててくださっている大工さんやその他の業者さんに影響が出ないことを強く願っています。そして、フィリピンで仕事をされていて、被害に遭われた方達が少しでも早く現場に戻れることを願っています。

今回の火災については、色々な気持ちがあることは十分に理解しているつもりです。ただ、それは既に引き渡しを受けている私の意見にすぎず、実際に問題に直面されている方にとっては、外野の私が何かを言う事で不快感を与えてしまうとも思っています。そのように感じられる方がいらっしゃったら本当に申し訳ありませんm(_ _)m

予定よりも引き渡しが遅れることで、ショックを受けられている方も多いかと思いますが、少しでも皆さんにとって良い結果となることを願っています。