一条工務店ネズミ&コウモリ問題への対応はどうあるべき?「みかん」のネットは違うと思いますよ。。。

こんばんは。さすけです\(^o^)/

コウモリとネズミの件で一条工務店がどのような対応を取るかについて、実際に被害に遭われた方などが営業さんに問合せをされ、ネット上でその内容を拝見させていただきました。ネズミやコウモリについてそれが家に住み着いてしまったという方の数は少なくはないとは思っていましたが、これほど多いとも思っていませんでした。

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私が発信元ではありますが、今回こうして被害が複数の方で確認できたと言うことは決して少ない被害の数ではないのだろうと思っています。そうなってくると、気になるのは今後の一条工務店の対応ということになってきます。

コウモリの対策に「通気層にみかんのネットを差し込んで対策したら」などという話をされた監督さんもいらっしゃるようです。。。

施主の方とのそれまでの関係、さらには話をしている場の雰囲気等々あることは理解した上で、その発言が何をもたらすのか、そして、それが一条工務店という会社全体を示してしまうリスクまでは考えていない、あまりにもことの本質を捉えていない幼稚な発言さえ聞こえてきます。。。

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(instagramより抜粋)

最初の記事では一条工務店が勝手に考えたら良いと言ってはいますが、どうも聞こえてくる対応のあり方には疑問があるものもあり、それが今後の一条工務店に大きな被害を及ぼす可能性も考慮に入れて、施主側はもちろん、一条工務店にとっても良い結果を導くための「落としどころ」について考えてみることにしました(ざ・余計なお世話!)。

現在聞こえてくる、一条工務店によるネズミ・コウモリへの対応について

一条工務店で家を建て、引き渡しも済ませて既にお住まいの方の多くの方がネズミ・コウモリ、特にコウモリについては非常に数が多い印象です、の被害に遭われており、一部の方はそのことをネット上にブログ、Twitter、instagramを使って発信されています。

そして、そういった方達が一条工務店の営業さんなどに問合せをされた結果がネットを通じて少しずつ聞こえてきています。

しかし、聞こえてくる一条工務店の対応は、180度異なる対応を示唆するものもあり、いずれの情報が真実であるかは分からない状況です。ここで、仮に内容が間違えていたとしてもそれは施主側の責任では全くありません。批判されるべきは、「適当」な回答をした営業さん、そして、その「適当な回答」をゆるした一条工務店の責任以外のなにものでもありません。情報管理があまりにも甘いとしか言いようがありません。。。

それは良いとして、現時点で聞こえてくる一条工務店の対応方針は大きく4つとなっているように思います。

内容として共通しているのは、現場対応ではなく一条工務店の本社対応として、本社が6月末を目処に通達を出すという方向性という点は共通しています。一方で、その「本社が示す対応」の方向性は対応する営業さんや監督などによってばらばら、となっています。どれが本当の対応可は全く分かりません。

①引き渡し済の顧客も含めて全て一条工務店が責任を持って無償で対応する。(一条工務店を信じて欲しい。)

ネズミ・コウモリの被害が多くのお宅で確認されるようになった当初に営業さんに確認された方のブログ等に記載されていた情報になります。

すなわち、一条工務店はホールダウン金物を引き渡し済のお宅にも全て無償で取り付けた実績があり、一条工務店を信じてくれ、という内容です。原則として引き渡し済のお客さんも含めて全て無償で対応をするから安心してくれと言うことだろうと思います。

この対応であれば、認識してからの対応が遅かったという批判や、他のハウスメーカーで対応が取れているのに一条工務店が対応をしてこなかったという事に対する批判はあるとは思いますが、結果的には一条工務店はしっかりと対応をしてくれたという評価になるかと思います。

わかりにくいので表としてまとめると下記のようになります。

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この表では、「被害対応」とは既にネズミやコウモリに被害に遭われた方への対応を示しており、「防止対策」とは、ネズミやコウモリの侵入対策を示しています。

また、施主側の状況として、「引き渡し済」の方と「着手承諾前」の方を分けています。このとき、着手承諾済で建築前の方と既に建築中の方については、いずれに入るかという情報はあまりないため、のちほどどのような対応が望ましいかは考えることにします。また、上の表で、着手承諾前の方は「被害対応」が「ー」となっている理由は、防止対策が徹底されれば被害が発生することがないということを意味しています。対策さえされていれば生じないシンプルな問題なはずなのですが。。。

 

②引き渡し済の顧客は対応を検討中だが、これから家を建てる方についてはしっかり対応をする。(だからあなたの家は大丈夫ですよ。)

こちらの情報は主に、これから家を建てる方のお宅の営業さんが発言している情報のように見受けられます。

すなわち、引き渡し済のお宅についてはどのように対応をするかまだ決定していないけれど、今後家を建てる方については無償で対応をします、という内容になっています。表に示すと下記のようになります。

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③引き渡し済の顧客は有償対応、これから家を建てる方は半年は有償オプション対応、その後は坪単価を上げて標準対応。

3つめは、被害対応については未定だけれど、ネズミやコウモリの侵入防止策は、オプションや坪単価アップなどによる有償対応を原則とする対応です。

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④なにも対応しない(コウモリは幸福を運んでくる。気になるならみかんのネットでも差し込んでおけば良いのでは?)

4番目はある種の従来通りの対応、すなわち「何も対応をしない」という対応を主体とした対応も示されています。

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実際にコウモリの被害に遭われた方のお宅では営業さんや監督さんから「コウモリは幸福を呼ぶと言われている」とか、「みかんのネットでも突っ込んでおけば対策になるかも?」などというもの凄い理屈?でコウモリの被害には対応をしない旨が説明されているようです。

確かにコウモリは中国では「蝠」と「福」が似ているという理由で長寿の願いを込めた縁起物とされているようですが、、、、馬鹿にしているとしか思えない対応です。。。。

 

一条工務店はどのような対応を採るべきなのか?

「対応しない」という対応は一条工務店自身が一番被害を被る

現時点で実際に現場で取られている対応は「④対応をしない」という対応だけです。それ以外の対応は「現在検討中」という回答であって、どのような対応になるかは不明な段階となっています。

今回、私が発信元ではあるとは言え、結果的に多くのお宅で被害が確認された状況にあります。そのような中で「対応しない」という対応はあり得ないというか、「対応をしない」という決定を下すことは一条工務店が自身一番の被害者(というのも変ですが?)になることを強く意味します。

なぜならば、今回のネズミやコウモリに対する侵入防止対策は、積水ハウスや住友林業と言った競合他社において既に採られている対策です。

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よって、一条工務店がこれに対応をしなければ、今後家を買う人には「一条工務店の家にはネズミやコウモリが出る」という情報だけを残し、他社の営業さんに使われるのは当然の結果です。

私は自分の声の大きさも理解しています。しかし、何ら対策が採られない以上、今後も継続して注意喚起をしつつ、どのような侵入防止対策や駆除方法があるかをブログで書き続けていくことになるでしょう。。。そしてその度に、新しいネズミに穴を開けられた外壁やコウモリのフンと一緒に一条工務店の家が紹介されることになってしまいます。。。。

私が書かなくても、そのような被害が発生し得るということが広く認知された以上、今後も継続的に被害は報告され続けます。そして、現時点では

https://www.youtube.com/watch?time_continue=78&v=p0ZAbabm6LM閲覧注意

のようなコウモリの被害は確認されていませんが、一定の頻度で上記のようなお宅も出てきます。これは一条工務店の家がどうこうではありません。

アブラコウモリというコウモリの生態上、このような集団を形成し得るのです。そして、一条工務店のように施工棟数の多いハウスメーカーで何も対策をしなければ、必ず起こることなのです。

一条工務店の家がどれほど断熱性能が高くても、このようなリスクを負ってまで一条工務店を選んでもらえるか?それを考えれば、「対応をしない」または「対策をしない」という対応は選択肢としてあり得ないと思っています。

一条工務店自身もそのことは十分に理解していると思いますので、現場の営業さんや監督があまり問題の本質を理解しないままに、「みかんのネットを突っ込んで」のようなおざなりな対応をしてしまっているのだろうとは思っていますし、そう信じています。。。。

 

「これから家を建てる方はオプションで」が招く結果、、、

③の対応として、ネズミやコウモリへの対策をオプションとして対応します、という対応はある意味一条工務店らしい対応のように思います。

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なぜ一条工務店がこのような対応を取りそうと考えたかというと、一条工務店は良くも悪くも「値段」に強いこだわりを持ったハウスメーカーです。値引きをしないというのもその一つと思います。

そして、値引きをしない以上は今まで販売してきた住宅の販売価格は「適正価格」でなければなりません。そして、適正価格であり、値引きをしない以上、ネズミやコウモリが侵入してこないように無償で対策をしてしまうとは、これまで多くの利益を得ていた、ということになってしまい、「無償対応」という名の「値引き」を行うことに等しいとも考えられるからです。

一条工務店という会社のポリシーとして、「計画されていない値引き」はまず行いません。しかし、もしも今回ネット上に書き立てられて、かつ、多くの被害報告が行われたとしてもそのポリシーを曲げない可能性があり、そのポリシーを曲げずに、かつ、対策をしたふりをするための方法としては「オプションとして対応をします」という対応が想定されます。

しかし、この対応も先の「対応をしない」という対応と同程度に一条工務店にとって将来の大きな被害を招く結果となります。

なぜならば、今回、ネズミやコウモリに対する対応を、今後家を建てる方に対して「有償オプション」として提供することは、他社は「標準」で対応している対応に対して、施主側の自己判断を求めることになります。一条工務店は値引きをしないと同時に「標準仕様の質の高さ」も売りにしています。

今回、ネズミやコウモリの侵入対策という他のハウスメーカーであれば当然「標準」となっている最低限のことさえ標準仕様にしない一条工務店の家を営業さんがどれほど「標準仕様の質が高い」と言っても、お客さんの側、正しくは他社のハウスメーカーの営業さんは、「標準仕様が高いとか言っていますが、見た目の綺麗さばかりアピールしていて、ネズミやコウモリの侵入という当たり前の対策さえオプションにして実現しているんですよ。他の目に見えない場所も当然。。。」と指摘されてお客さんが不安になるのは当然予想される結果です。

一条工務店が「家は性能」、「標準仕様」を売りにする以上、今回の件は標準仕様に組み込む以外選択肢はあり得ないように思います。

 

個人的に考えるネズミ・コウモリに対する一条工務店の対応の最適なあり方

では、一条工務店はどのような対応を行うべきなのか?を個人的に考えると、答えは1つか2つしかないように思うのです。。。

個人的には、今回の件を全ての引き渡し済の家に対しても無償で対応する、というのも少し違和感を感じます。というか、別の問題を招きそうな気がしてなりません。

今回の件について、施主側にとってはもちろん、今後の一条工務店の営業展開を考えたときに取り得る選択は下記ぐらいしかないように思います。

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上記では、引き渡し済のお宅は引き渡しからの年数、引き渡し前の方は明日の撤去時期によって対応が分かれています。

上記では、引き渡し後2年以内のお宅については、侵入防止宅を含めて、原則無料での対応が現実的と思います。2年というのは、一条工務店が壁紙なども含めて初期不良の保証期間として定めている期間です。

ここで一条工務店が良くやる「XX月XX日以降上棟から標準」と言うのだけは、今回に限っては止めておく方が良いと思います。。。今回、問題を指摘される前であればこれでも良かったと思います。しかし、既に問題が広く認知され、一条工務店への問合せが行われているということは明らかにされてしまっています。そのため、これをすれば「一条工務店は問題を認識していたのに対応しなかった」という汚名のみが残ることになるため、選択肢としてはあり得ません。これをしてしまえば、「一条工務店は問題を認識しても平気で問題のある商品を引き渡しするハウスメーカーである」ということのエビデンスになってしまいます。。。

また、私のように築後2年以上経過した家に対しては、施工を有償にするということで問題がないかと思います。やはりどこかで有償と無償の線引きは必要になります。その線引きとしては建築後2年というのが一つのラインと思います。ネズミやコウモリの被害は確かに不快かつ衛生上の問題を生じ得ますが、耐震強度の問題やシロアリなど家を倒壊させかねない脅威と比べると、その深刻度合いは低いものとなります。

どこまでを無償で対応するのか?というのは一条工務店自身が考えるべきことではありますが、線を引くならば引き渡し後2年というのが施主側に納得してもらいやすいラインと思います。

ただし、いずれのケースにおいても築後10年以内の家については、被害が発生したお宅に対する対応は無償とすべきと思います。これを有償にすれば、一条工務店は「分かっていた問題」を保証規定を盾にして対応しないハウスメーカーであると言うことになってしまいます。

築後10年以上経過した家、というのはi-smartやi-cubeに関してはまだありません。

なぜ築後10年にもう一つのラインを設けているかというと、現時点で引き渡されているi-smartやi-cubeは全て築後10年未満です。すなわち、防止対策を行うか行わないかの選択権が施主側に与えられた状態になります。金額については後ほど書きますが2~3万円以内を目処と考えています。

もしも、10年以上経過した家でも生じた被害に対して、無償対応としてしまえば、将来万が一問題が生じたら無償で対応をしてもらい、その時に侵入防止対応を取ってもらえれば良い、と考える方も出てくるためです。

しかし、築年数を経過し、また、一条工務店自身が今後も施工棟数を伸ばしていきたいと考えるならば、このような選択をおこなう人が多くなればそれは潜在的なコスト要因となり経営上のリスクとなり得ます。よって、施主側が自主的に有償でも値段が安く対策してもらえるうちに侵入防止対策を取ってもらおう、と考えるように促す意味でも、実質的に全世帯で被害への無償対応が得られる現時点で将来のリスク要因を潰すのが当然と思います。徹底した対応が取られた上でもなお、侵入防止対策を取らずにいた方が被害にあったとしても、それは一条工務店が批難される結果には非常になりにくいと考えます。

引き渡し前のお宅については、侵入防止対策が「標準」として受けられるようにすることが望ましいと考えます。一方で、一条工務店規模の施工棟数になると一斉に実施すると言っても実施には時間を要するのも事実です。一条工務店は月に千件程度の引き渡しを行っていると思います。家が建つのに4ヶ月を要すると仮定すると、5千軒近くの現場が稼働した状態です。

この状態で今日の明日で一斉に対応をするというのは、残念ながら不可能です。そのため、どこかにラインが必要になります。そのラインの一つとして、これから2ヶ月間の準備期間程度が現実的と思います。また、その際の基準は「引き渡し日」ではなく、足場が撤去されているか否かになってくると思います。コウモリの侵入防止対策には足場が不可欠です。そのため、2016年9月1日時点で足場があるお宅についてはコウモリの侵入防止対策までを行うのが妥当と思います。一方で、それ以前に足場が撤去されてしまうお宅については、築2年未満のお宅と同様の取扱にならざるを得ないように思います。

この日程だと、夏休み中に引き渡しを望まれている方は新築であるにもかかわらず、コウモリの侵入対策を受けられないことになるため、できれば早い方が望ましいですが、これは一条工務店次第と思います。

また、コウモリへの侵入防止対策のうち、屋根側の通気層への対策には足場を組んでの対策となるため、この対策は有償・無償にかかわらず、施主側への負担が大きすぎるため、引き渡し済のお宅については侵入防止対策を取ることは極めて困難と思います。理想的には室内側(屋根裏)から容易に対策を取れる方法を開発して欲しいと思っています。そのような対策が開発されれば、足場撤去時期による不公平はなくなるかと思います。

 

一条工務店の対応による負担額

築2年以上の有償対応はいくらであるべきか?~2万円程度が妥協ライン~

上記では築2年以上経過した一条工務店の家では、侵入防止対策は有償対応が良いとさせていただきました。

金額としては、1軒あたり材工込み消費税抜きで2万円程度が妥当と考えます。

この金額は、顧客側にしてみれば高いな~と思う一方、一条工務店側にとってはほぼ確実に赤字になる金額設定で到底受け入れがたい金額になっていると思います。でも、今回の件に関しては地域差は許容されますが2万円程度がラインと思っています。

もちろん、私個人にとっては無償対応で対応してもらえれば嬉しいとは思っています。しかし、強く無償対応を要求して、仮に一条工務店側がそれに応じた場合、誰が負担を被るかと考えると、おそらくは現場の施工業者の方であろうと思います。仮に全てのお宅で無償対応となった場合、一条工務店としてはコストを圧縮するために、材料の調達コストを下げるというのが一つ、そしてもう一つは現場の施工業者への支払金額を安くするでコストを圧縮することになります。

今回のような一条工務店側の設計上の欠陥によって生じさせた問題に対してその対応を行うことで一条工務店が利益をえることは許容すべきではないと考えています。今回の対応によって一条工務店が利益を得た場合、一条工務店としては「問題が発覚したら対応をすれば良い」という教訓を得ることになります。しかし、ここである程度の痛みを感じれば、「このような商品を販売しても大丈夫か?」という一条工務店自身による問題の再認識に繋がると思っています。

私が示した2万円という金額は、実際に侵入防止対策を取られる現場の施工業者に支払われる賃金を想定しています。リフォーム産業新聞によると、全国の1人親方の平均人工は1人日19,898円となっています。すなわち1日の施工を一条工務店から請け負った施工業者に支払われる代金が2万円程度と想定されます。

私自身は、人の給与を切り込んでまで自己の利益を大きくすることは良いことと思っていません。施工業者の方にはきちんとした代金が支払われるべきであり、それを負担することは許容可能と思っています。

ネズミの侵入対策の施工にはおよそ1日弱の時間を要すると思います。これを値切れば結果的にこの人工代を値切っていることになるため、個人的にはしたくありません。よって2万円というのは業者の方に支払われる代金の原価を想定したものです。地域差などもあると思うので、そのあたりは適宜調整をいただければと思っています。

上記では、材料費は含まれていません。水切り部分への侵入防止用の対策を行った場合、材料費はどれほど大量仕入れをしたとしても、現時点では住宅1軒あたり1万円程度はかかってしまうと思います。

しかし、この1万円の材料費は一条工務店持ちとするのが無難と思っています。私達は一条工務店を「大手ハウスメーカー」と評価して、信頼をして家を購入しています。しかし、他のハウスメーカーにおいて当然のように対策が取られているにも係わらず、同じ大手と言われる一条工務店では対策を取られていなかった住宅の仕様上の問題によって生じた問題への教訓としては妥当な負担割合と思います。

 

一条工務店はいくらの赤字を負担することになるのか?

仮に一条工務店が上記のような対応を取った場合いくらの負担を強いられるかをざっくりで計算します。施工に要する人工代々が1人日2万円/軒、材料費が1万円/軒、案内の通知と管理監督料で1万円/軒とすると、無償対応の場合で1件当たり4万円のコストが発生します。築後2年以内のi-smartとi-cubeだけでも1.8万軒程度と推察され、さらに築後2年以上経過したi-smart、i-cubeで1.5~2万軒程度と思います。築後2年以上のお宅については有償対応とすれば、おそらくどんなに一条工務店が頑張っても多くても2割程度のお宅でしか対策を選択されないと思います。よって、ざっくりで2万軒の住宅に対して対策が必要となります。

そして、一条工務店が負担する金額は1.8万軒×4万円+0.4万軒×2万円(材料費+管理監督料)=8億円と計算されす

この8億円は一条工務店が得た利益から吹き飛ぶことになります。

平成26年3月末決算の一条工務店の純利益額は98億7200万円とされています(帝国データバンクデータより)。おおよそ年間100億円の利益を得ていますが、その約1割が消える計算になります。

いかに大企業である一条工務店にとっても決して安い金額ではないことは明らかです。

ただ、この負担を負うか負わないかで今後の一条工務店の将来の利益に影響してくることになると思っています。

ここで適切な対応を行えれば、一条工務店は今後も伸びていくことができる余地を残します。しかし、ここで対応を失敗すれば「利益」だけではなく「売上」の減少に繋がることになるのではないかと思います。

 

ホールダウン金物無償施工との違い

一条工務店は東日本大震災以前にホールダウン金物を引き渡し済の顧客も含めて全ての住宅に対して無償施工したことがあります。

これは良くも悪くも一条工務店という会社の印象を決定づける要因となってきました。

それが全て事実であるかどうかは別として、そのホールダウン金物が存在したことによって東日本大震災における被害を減少させたと言うことは事実と思います。

営業さんの中には、一条工務店はホールダウン金物を無償施工した過去があるから、今回のような問題に対しても無償施工をするだろうという楽観をされている方もいらっしゃるように見ています。

しかし、私は今回のネズミとコウモリの問題については、一条工務店はホールダウン金物とは分けて考えていると思いますし、私も分けて考えるべきと思っています。

ホールダウン金物の無償施工は、「被害が生じる前」に対策をされたからこそ評価を得られた対応でした。一方で、今回の軒は「被害が出てから」の対応です。今回どれほどしっかりとした対応をとってもホールダウン金物の時と同様の評価は期待できません。というか、ホールダウン金物の無償対応は一条工務店という会社のある種の根幹を成すこだわりであって、利益うんぬんとは無関係な対応だったと思っています。

一方で、ネズミやコウモリは様々な問題は生じますが、人の命を奪うようなことは極めて希なことであり、これに対応することはホールダウン金物への対応と本質的に異なっています。

よって、私は一条工務店が容易に無償対応を行うとは思ってはいませんが、ホールダウンの時とは別の事柄と考えた上でも、今回の問題に対しては一条工務店が適切な対応を取る方が結果的に良い結果に繋がると思っています。

おわりに

私はここで書いた提案が必ずしも「正しい」とは思っていません。あくまで個人的な考えに過ぎません。

おそらく一条工務店が考えることは、「引き渡し済の顧客への無償対応をいかに少なくするか」であろうと思っています

仮に原価を大幅に割り込む2万円で対応をしたとしても、有償対応であれば、施工を依頼する人の割合は非常に少ないものとなるはずです。一条工務店がお客さんの側に「お願いする」ぐらいの勢いで侵入防止施工をお願いしても施工を希望する住宅数は全部で5千軒を下回るはずです。そうなれば、5千軒×2万円=1億円の費用負担で「無難(と思い込んだ)対応」が完了します。

さらには、原価割れを防止するために1件当たり4万円で施工を請け負えば、一条工務店としては痛くもかゆくもありません。原価ベースではそれは利益にはなりませんが、コストにもなりません。あえて言えば、現場で対応をする監督と施工業者の方仕事が増えてしまうだけです。これであれば利益を損なうことなく、「対応」をしたという事実を得ることができます。

確かに、上記のような対応を行えば、一見して無難な対応をとれたように思ってもらえるかもしれません。しかし、個人的には上記の対応を取った場合、それは10年後の一条工務店が現在のタマホームになっている未来しか見えません。一条工務店が無借金経営を行っている一方でタマホームはヘッジを効かせた戦略をとってきたというのは表面的な違い過ぎないと思っています。一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだったタマホームが現在のように株価の最安値を更新し、利益見込みの大幅な下方修正を強いられているその根底には、過去の問題に対する対応が導いた結果ではないかと思っています。そして、一条工務店が同じ轍を踏むかどうかは、一条工務店自身が判断すれば良いことと思っています。そして、それは自らの選択の結果に過ぎません

今回の問題を自社の将来の利益につなげられるか、ただのブロガーの一人に噛みつかれた負担と見るか、それは一条工務店の自由と思います。