【ハウスメーカー坪単価・価格ランキング】お金持ちはどこのハウスメーカーで家を建てるのか?一条工務店はどう?

こんばんは。さすけです^^

久々の更新ですが、コロナ禍でバタバタとしてしまいました。

一条工務店では9月に新商品が出るらしいのですが、既に何か情報って出ているのでしょうか?耐水害仕様の住宅が製品化されるのでしょうか?

さて、本日のお題は「お金持ちはどこのハウスメーカーで家を建てるのか?」ですが、ちょっとこれはエキセントリックな言い回しで、「どこのハウスメーカーの住宅が最も高いのか?」という問いに答えてみたいと思います。具体的には、住宅の最終引き渡し価格、そして坪単価をランキング形式で見てみたいと思います。

結論から言えば、積水ハウスと大和ハウスの2強で、それぞれざっくり4500万円程度の住宅が売れ筋となっていて、しかも住宅延べ床面積も40坪以上が主力となっています。特に積水ハウスは平均延べ床面積で43坪以上とかなり広い家が主力となっています。なかなか手出しができませんね^^;

ちなみに一条工務店は住宅の本体価格+税金+オプション等を含めて2700万円程度が主力となっていて、延べ床面積は35坪弱とぐっとお手頃?になっています。それでも高いですけどね。一番安いのはタマホームで、本体価格+税金+オプション価格で2000万円程度となっています。思っているよりは高いけど、積水ハウスなどの半分以下の価格となっており、かなり割安と言えるかと思います。

データの出所

データの出所は基本的に各社の有価証券報告書、その他の決算資料、EDINET資料その他の公表資料、図書等々によっています。また、今回はある程度の推定も交えながらデータを補完しているので「大ハズレ」はないと思いますが、厳密に「正しい」ということはないと思いますのでその点はご容赦ください。

一条工務店を例とした主力住宅価格の推定方法

住宅価格の考え方

一条工務店の2020年3月期決算の売上高は4101億円となっています。これに対して住宅販売棟数は14105棟(注文住宅ではトップ)となっています。

一条工務店は分譲などもやっていますが、十分に無視できる程度にその比率は小さいのでここでは4100億円÷14100棟で一条工務店の住宅は1棟あたり2642万円と計算できます。

ここで別の資料を参照すると、一条工務店の住宅の平均延べ床面積は34.2坪、住宅本体の坪単価は67.3万円(税抜き)となっていました。ということは、住宅本体の価格は2302万円と計算できます。

この2302万円は消費税を含んでいますので、税抜き価格は2092万円、これを34.2坪で割ると「一条工務店の営業さん達が言う所の坪単価」が算出できて、61.2万円/坪という数値が出てきます。これは実際に営業さん達がお客さんに伝える坪単価とかなり近い値と思います。

最終引き渡しベースでの坪単価は

2642万円÷34.2坪=77.2万円/坪

となります。これは税金、その他オプション費用が全て含まれた坪単価となっています。

営業さんが最初に言う価格とは坪単価で15万円も上昇してしまうのでしばしば問題になることがあります。ただし、これは一条工務店に限った話ではありませんが^^;

一条工務店の住宅価格の構成

以上から、一条工務店で最も平均的な住宅延べ床面積34.2坪の住宅を建てる場合、

住宅本体価格:2092万円(税抜):34.2坪の家の場合

その他オプション・諸経費:309万円(税抜)

消費税:240万円

合計:2642万円

と計算することができます\(^o^)/

これはこれまで多くの方にご提供いただいてきた見積書とも整合的です。

以上が、一条工務店の住宅価格の構造となっています。これを他のハウスメーカーでも計算することで同じように各メーカーの住宅価格を推定することができるようになります。

住宅メーカーの「住宅価格」って乱暴すぎない?

一言で住宅メーカーと言っても、1社が複数の商品ラインナップを有しており、価格帯も全く違います。

例えば積水ハウスであれば、鉄骨系主力であるISステージなど、ISシリーズと木造主力のシャーウッドでは、価格帯も平均延べ床面積も異なっています。同様に大和ハウスもXevoの鉄骨系シグマシリーズと木造系グラウンウッドシリーズでは違います。もっと言えば、大和ハウスのグランウッドシリーズでも、グランウッドプレミアムではまた価格が異なってきます。

これら高額なシリーズは言う程価格差が出ない(そもそも高い)からまだ良い方で、タマホームなどローコスト系では例えば比較的高価格帯の「木望の家」とローコストの中でも企画系の「シフクのいえ」など低価格ラインナップでは坪単価で10万円以上の価格差が生じます。住宅販売価格ベースでは木望の家が2300万円程度(平均延べ床37坪程度)が平均的であるのに対して、シフクのいえは1200~1300万円程度(平均延べ床25坪程度)ですので同じハウスメーカーでもかなりの差が出てきます。

しかし、今回はこうしたハウスメーカーの中での価格差は一旦目をつぶって(そのうち商品ラインナップ別に書くかも知れませんが)、ハウスメーカーの「平均住宅価格」を出してみることにしました。

集計はシリーズ毎の荷重平均で計算をしていますので、主力製品(一番売れている商品シリーズ)の影響が最も強く反映されるよう集計していますので、それほど大きく外れることはないかと思います。

ハウスメーカー別住宅価格ランキング

最も高い積水ハウスは『平均的住宅』が4500万円オーバー!?

それでは早速ランキングを見ていきたいと思います。ここで言う住宅価格には、住宅本体価格+オプション・その他諸費用+消費税を含んでいます。この時、オプション費用や諸費用は住宅本体価格の15%ととして計算しています。

このグラフから「そのハウスメーカーで『平均的な住宅』を建設したら最終引き渡しでいくら支払わなければらならないか?」を示していると思って頂ければと思います。

平均価格は、住宅販売棟数で荷重平均を取って計算した値ですが「世の中の住宅価格の平均」ではなく、上記に記載のある15社の平均ですのでその点はご注意ください。

この価格は「土地価格」を含んでいない点にもご注意ください。積水ハウスで家を建てる場合、土地代が2500万円としても、7000万円程度ないと「平均的な家」が建てられないということを意味します(゜д゜)高い。。。

ハウスメーカー価格ランキングをざっくり分けると?大手8社が突出

ハウスメーカー別の価格ランキングを、大きく分けると、4500万円以上の超高級ハウスメーカー、4000万円前後の高級ハウスメーカー、3500万円前後の平均的価格帯のハウスメーカー、そして一条工務店も含まれるやや広い範囲に分布しており2500万円前後にあるやや低価格帯のハウスメーカー、そして、タマホームなど2000万円前後で家の引き渡しが受けられるローコストハウスメーカーに分けることができます。

こうしてみると、高価格帯は積水ハウスの4599万円と大和ハウスの4558万円の2社が突出して高価格になっていることが分かります。

3位の住友林業が4097万円ですから、完全2強状態と言えます。

住友林業、パナソニックホームズ、旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)の3社がほぼ横並びの高級寄りのハウスメーカーとなっています。いずれも住宅1棟あたりの価格が4000万円程度となります。

そして、平均的(といってもあくまでこの15社の中で)なハウスメーカーとして、住友不動産、セキスイハイム、ミサワホーム三井ホームが並びます。実際に分析していて、未知ホームは高級イメージがあったのですがデータから見る限りはそこまで高価格に属している分けではないようです。一方で、一般に大手ハウスメーカー8社と言った時に含まれない住友不動産が平均価格の上位に食い込んできたのが意外でした。

しかし、こうして見ると「ハウスメーカー大手8社」と「高価格なハウスメーカー8社」はほぼ一致することが分かります。

やはり「大手は高い」というのは事実と言えそうですね^^

そして、一条工務店を含む「やや低価格グループ」としては、トヨタホーム、一条工務店、ヤマダホームズ、ヒノキヤグループが入ってきます。これら4社は大手ハウスメーカー8社が古参であるとしたら、新興グループと見なされるグループが中心となっています(トヨタホームはやや違いますが)。

そして、最後にLIXIL住宅研究所、タマホームのローコスト系が引き渡し価格で2000万円前後となり、やっぱりかなり価格は安いことが分かります。だって、大手8社の半額ですから。

ハウスメーカー別延べ床面積ランキング

ハウスメーカーによって広さも様々

ここまでは住宅の引き渡し価格だけで比較してきました。上記のハウスメーカーではそれぞれ「平均延べ床面積」が異なってきます。

続いては、それぞれの住宅メーカーの「平均延べ床面積」をランキング形式で見てみたいと思います。結果は下のグラフです。

グラフで見ると、積水ハウスが1棟あたりの平均延べ床面積が「43.0坪」と突出して広いことが分かります。私の理解ではシャーウッドとISステージには「集合住宅」は含まれていないと理解して集計していますが、なんとなくアパートが集計に含まれている気もしないではありません。ただ、積水ハウスの集計ではシャーウッドとISステージのみを集計しているので、積水ハウスの家は突出して広いと言えそうです。

広いから高いのか?高いから広いのか?

積水ハウスが頭一つ飛び抜けていて、続いて、旭化成ホームズ、住友林業、三井ホーム、パナソニックホームズ、大和ハウス、住友不動産が続きます。ハウスメーカー大手8社のうち、セキスイハイムのみが平均延べ床面積35.9坪とやや狭めですが、概ね上位は「大手ハウスメーカー8社」が占めていることがわかります。

これらのことから言える事は。高い家を建てる人は土地の面積も広い、ということです。。。要するにお金持ちは広い土地に高い家を建てるという身も蓋もない傾向が見て取れます^^;;;

そして、比較的面積の狭い住宅としてトヨタホーム、タマホームと来て、15社中最も平均延べ床面積が狭いのが一条工務店となりました!

これは個人的には意外な結果でした。

というのは、一条工務店はi-smartとi-cubeという主力商品が販売棟数全体の8割以上を占めています。そして、このi-smartとi-cubeは一条工務店のルール上の制約により「総二階建て」が基本となります。一般の軸組工法の場合は1階面積に対して2階面積は狭くなりますが、総二階建てであるi-smartとi-cubeは1階と2階面積が等しくなります(吹き抜けがあるにせよ)。結果として、他のメーカーよりも平均延べ床面積は広くなるかな?と思ったのですが、データ上は15社中最も延べ床面積が狭くなりました^^

ハウスメーカー別坪単価ランキング

以上で、「価格」と「延べ床面積」が算出できましたので「坪単価」をランキング形式で見てみたいと思います。

坪単価ベースにしたところで始めて1位の積水ハウスが2位に転じて大和ハウスが1位となりました。

最終引き渡しベースの坪単価で115.6万円/坪程度が大和ハウスの平均的な坪単価となっています。これもやはりこれまでの傾向と同様で、大手ハウスメーカー8社が上位を占めており、大和ハウス、積水ハウス、住友林業、パナソニックホームズ、旭化成ホームズ、セキスイハイム、ミサワホーム、住友不動産、三井ホーム、トヨタホーム、そして、一条工務店が10位、桧家グループ、ヤマダホームズ、LIXIL、タマホームの順となります。

一条工務店の価格は77.4万円/坪となっており、今回の15社中10位となっており、大手ハウスメーカー8社の次に高いハウスメーカーと言えそうです。そして、タマホームはやっぱり安いですね^^

上記のグラフでは、一条工務店の価格をよく知っている方だと「高い」と感じるかと思います。そこで、税金と諸経費等(本体の15%)を差し引いた、税抜き住宅本体価格の坪単価でもグラフを作って見ました。順位は変わりがありません。

上記は「営業さんがお客さんに伝える坪単価」とお思って頂ければと思います。一条工務店で61.2万円/坪と言われたら、それに対して大和ハウスだと91.4万円/坪、タマホームなら42.9万円/坪といった感じで伝えられるイメージです。ただし、この価格では「家は建たない」ということだけは忘れないようにしていただければと思います!

「高いから良い家」でも、「安いから良い家」でもない

ここまで、ハウスメーカー15社について、1棟あたりの平均価格、さらに、住宅の平均延べ床面積、そして坪単価をランキング形式で見てきました。

皆さんが「高い」という印象を持っている積水ハウスと大和ハウスの2社はやっぱり高いし、ローコストのイメージが強いタマホームはやっぱり安いと言った感じで、想像通りの結果となっているかと思います。

最後に、間違ってはいけないのは「高い家」=「良い家」というわけではないし、逆に「安い家」=「良い家」という分けではありません。

良い家はその家庭によって全く違ってくると思います。広さについても、広ければ広いほど良いわけでも、狭いと悪いわけでもありません。タイトルには「お金持ちは~」とか書きましたが、収入の高い方であっても、家にお金をかけるよりも他の事にお金をかけたいと言った価値観の方もいらっしゃるでしょうし、その逆に家族が最も長い時間を過ごす「家」にお金を投資したいという方もいらっしゃると思います。どれが良い、どれが悪いというのではなく、それぞれの家族で話し合って、「このぐらいの価格の家を建てよう」と決めることと思います。

今回はあくまで「住宅価格」に主眼を置いて、ハウスメーカー15社のランキングを見てきました。

「悪い家づくり」は自分たち以外が決めてしまうこと

高い家が良いわけでも、安い家が良いわけでもないというと、何が良いのか分からないと言われてしまいそうです。

しかし「悪い家づくり」、これから家を建てられる方が「絶対に避けるべき家づくり」のあり方はあります。

それは「営業さんが勝手に色々と決めてしまう家づくり」です。

家族で話し合って、住宅にかけられる価格は5000万円までだよね、と決めていたとき、5000万円の予算から土地代が2000万円で60坪として残りの3000万円が家にかけられるお金となります。3000万円で35坪の家が欲しいならば、坪単価としては85.7万円/坪となります。このうち、税金が10%、諸経費やオプションを選ぶ楽しみを残して15%とすると営業さん達が始めに言ってくる坪単価としては「67.7万円/坪」が限界となります。すると、平均的な価格帯としては三井ホーム、トヨタホーム、一条工務店のあたりに行くと、「各ハウスメーカーが最も得意とする価格帯の家」を提案してくれる可能性が高くなります。

逆に、積水ハウスや大和ハウスに行くと、当然手厚く出迎えてはくれますが営業さん達が「平均的」と考えている方向、すなわち高価格帯に引っ張られてしまい結果的に高い家になってしまいがちです。

だから、積水ハウスや大和ハウスに行かない方が良い、ということではありません。営業さん達も決して悪気があったり、足下を見て「高い家」を勧めてくるわけではありません。もちろん、自分の営業成績は第一に念頭にあるのは当然ですが、同時に、「せっかく来てくれたお客さんに良い家を建てて欲しい」とも思って居る方が大半と思います。

しかし、どうしても「いつも勧めていて評判の良い商品」すなわち「自社商品で最も売れ筋の平均的商品」をアピールしてくることになります。そして、その「平均的商品」ハウスメーカーによって、倍半分の価格の違いがあるということは顧客の側が認識しておくことが重要なように思います。

もちろん、最終的に当初予算を見直してより高い住宅を購入するのは良いことです。ただし、それを「顧客自らが決めたのであれば」です。

相場感を持つことが重要

自動販売機で1本、90円の飲み物があったら安いな、1本210円で売っていたら高いな、と思うと思います。価格に2.3倍もの違いがあります。ただ、このとき1本90円のノーブランドのお茶と210円のエナジードリンクのどちらが「おいしい」かは人それぞれであることは言うまでもありません。

しかし、これが住宅になったとたん、何が高くて何が安いのか?ということが分からなくなってしまいます。

タマホームの住宅(1992万円/棟)と積水ハウスの住宅(4599万円/棟)はちょうど2.3倍です。どちらが優れているというのではなく、相場として価格が全く違うのです。サッパリしたお茶が飲みたい人は90円のお茶を、ちょっと疲れがたまった人はエナジードリンクを選ぶように、自分たちが主体となって自分たちにあう住宅を選ぶことが重要と思います。

しかし、その時に「相場感」がないとどうしても営業さんに流されてしまいます。そうしたときに、今回ご紹介したような価格が少しでもお役に立てた場と思っています\(^o^)/

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