一条工務店の分譲地には昔川が流れていたけど大丈夫?土地を選ぶ際の確認事項

こんにちは。さすけです。

前回、つくば市の研究学園駅近くに一条工務店の分譲地を見つけた話を書かせていただきました。

参考:一条工務店の分譲地は安い?建築条件付き分譲地の価格のカラクリ??値引きの矛盾

上記記事の最後に、この土地にはちょっとした「いわく」がありますということを書かせていただきました。本日はこの「いわく」の詳細を書いてみたいと思います。

目次

10年前まで川が流れていた分譲地

結論から言うと、一条工務店の分譲地、そして一条工務店の分譲地に隣接するセキスイハイム、三井ホーム、その他のハウスメーカーが分譲する土地のいずれも、以前は「川」だった場所を埋め立てて造成された分譲地だったのです。

そして、この分譲地は「盛り土」によって造成されており、さらには、同じ分譲地内に元「水田」だった土地と、「畑」だった土地、「森」だった土地が混在しているという、ある意味土地選びの際に注意すべきポイントが多数盛りこまれた非常に興味深い土地となっています。

しかも、これは現地を確認しての推測ですが、土地の下には現在も「川」が流れているという非常に興味深い土地なのです。

今回は、このつくば市で一条工務店が分譲する土地を例にして「土地の素性」と「土地の価格」の関係について考えてみることにしました。

今後、土地の購入を検討されている方は是非ご一読いただければと思っています。

お断り:今回の記事で不安を感じられるかもしれません。

今回書かせていただく分譲地の話は、一条工務店が販売する分譲地の他に、隣接する同じ敷地にセキスイハイム、ヘーベルハウス、三井ホーム、グラウンドホーム、エースホームの建設条件付きの分譲地が広がる造成済の分譲地になっています。

今回書かせていただく内容は、この土地を購入済の方や土地の購入を検討している方に取って万が一初耳であっり、十分な説明を受けていなかったりした場合は、非常にショッキングな内容となるかも知れません。しかし、十分な説明を受けて自己で判断した結果購入されているのであれば全く問題ないとも思っています。

そして、一条工務店の他、セキスイハイムもヘーベルハウスも、三井ホームもいずれも全国に多数の住宅を建築しており、「地震への強さ」は大きな「売り」としている部分であり、耐震や住宅の堅牢性には十分な自信も、そして実績もある大手ハウスメーカーばかりです。それ故、当然、その「頑丈な家が建つ土地」についても十分な配慮がされており、今回書かせていただく内容は土地を検討中の方に対して十分な説明が行われているものと思っています

今回、この記事を書かせていただく目的は、「大手のハウスメーカーの分譲地だから安心」と手放しで信頼をするのではなく、土地の購入者自身が事前に十分に土地の素性検討することの重要性を述べ、仮に大手の分譲地であっても「知らなかったがために損をする」ということがなくなることを願って書かせていただきます。

また、後ほど詳しく書かせていただきますが、土地の値段はその土地が過去に川であったような土地であっても、そうでなかった土地と比較して価格が全く同じに設定されるという事実を示すことも目的としています。

よって、今回の記事は、一条工務店やセキスイハイム、ヘーベルハウス等のハウスメーカーを批判するものではありません。万が一、今回書かせていただくような内容が土地の購入検討者に十分に説明されていないならばそれは批判されて当然と思いますが、きちんと説明さえされており、そのことを顧客側が十分に理解した上で購入しているのであれば問題はないことと思っています。

一条工務店、その他のハウスメーカーの分譲地に川が流れていたことを確認してみる!

分譲地の配置

一条工務店がつくば市で分譲している分譲地は

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このような配置となっています。航空写真で見ると

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おそらくは造成中の写真でしょうか、平らにならされています。左側に川が流れているようですが、土地には問題はないように見えます。

実際の分譲地を見てみても

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非常に平坦な造成地になっています。

セキスイハイムなどが分譲する土地と、一条工務店が分譲する土地が同一の区画内に隣接して存在しています。上記の図を拡大してみると

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一条工務店が45戸、セキスイハイム他のハウスメーカーが20戸の分譲地を販売しています。

ここで憶えておいて欲しいのは一条工務店が販売する土地の坪単価は南側は1坪31万円、北側は25万円程度です。南北で土地の値段は違いますが東西方向では土地の価格は同一であると言う点が非常に重要となります。

分譲地の造成前は川が流れていた

上記の土地は過去は一体何に使われていた土地かと言うことを調べてみました。

1990年の同じ土地の場所についての航空写真があったのでそれをご覧下さい。

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これは一条工務店の分譲地と全く同じ場所の1990年の航空写真になります。

左側に田んぼ、真ん中に川があって、右側に畑、そして森という配置になっています。

これだと道路などもほとんどなくて現在の分譲地との位置関係がわかりにくいので現在の地図と上記の写真を合成してみました。

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するとどうでしょう。

現在は分譲地となっているちょうど真ん中あたりを川が流れていたことがわかります。そして、上の図において川から左側は「田んぼ」でした。一方で、川から右手は「畑」、そしてもう少し右手は「森」だったことがわかります。

一般に、田んぼだった土地や川だった土地は地盤が緩く地震があった際には液状化のリスクが高いとされています。また、河川だった土地も同様に地盤的には弱いとされています。

逆に旧来からの畑だった場所、さらには森林だった場所は地盤的には田んぼなどに比べてしっかりとしていることが多く、地震の影響を受けにくいとされています。

2007年までは川が流れていた

先の写真は1990年当時の写真ですが、下記の2007年時点でもは川が流れていたことを確認しています。

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上記は2007年4月に撮影された航空写真となっています。これはGoogle Earthの写真ですが、中央に河川が2本流れているように見えるのは、Googleが写真を合成する際に同じ写真が2重になってしまったことが原因とおもわれますので、中央には1本の川しか流れていないはずです。造成されて何十年も建った土地ではなく、ほんの10年も前には川が流れていたことは確認できるかと思います。(写真の合成がうまく行かなかったので1990年の写真を使用しました)

そこには明治時代から川が流れていた。

先の航空写真は1990年に撮影されたものでした。もう少し過去にさかのぼって明治時代のこの土地の地図を確認してみます。いわゆる明治迅速地図です。こういった古地図を現在の地図と重ねながら検索できるのは本当に便利ですね。

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この地図から、1990年当時と同様、川と田んぼ、畑、森から構成されていますが、明治時代には既に川が流れていたことがわかります。

上で中央下に「水」という文字が見えるかと思いますが、これは「水田」を表しています。 上の地図を現在の地図と合成すると

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このようになります。セキスイハイム他の分譲地の中央を斜めに横切るように川が流れ、一条工務店の分譲地の脇を1本の川が流れていたことがわかります。(一条工務店の分譲地中央を縦断してる黒い線は川ではなく土地の境界線と思います)

約100年前の明治時代には一条工務店の分譲地脇に流れていた川が1990年代には一条工務店の分譲地中央を流れる形に川の形状が変化しています。川の変化は1980年前後に行われており、おそらくは治水等を目的として川の流れが人工的に変えられたのではないかと思われます。

しかし、100年前の時点で既に川の向きが急に東方向に変わっており、これが自然に生じた河川の向きとは思えないことから明治時代よりももっと以前に水田に水を流し込むことを目的などとして河川の向きが人工的に変えられているのではないかと思われます。よって、これは推測ですが、明治よりももっと古い時代には河川は一条工務店分譲地の中央付近を流れていたと思われます。これは後ほど別途確認します。

注意:明治迅速地図は古地図としては精度が高いものですが、現在の地図と完全に合致させるほどには精度が高くない可能性があります。

国土地理院地図にもはっきりと川が流れている。

上記の地図だとどうも川がはっきりとわかりにくいという方もいらっしゃると思います。私がこの分譲地を貶めるために故意に川ではないものを「川」と言い張っている可能性も否定はできません(もちろんそんな意図は全くありませんが。。。)。そこでもっとはっきりと「川が流れていたこと」が確認できる地図を示します。

国土地理院が公開している地図と現在の分譲地の配置を合成してみました。

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中央にはっきりと河川が流れていることが確認できると思います。

川の両側に記された三本のアンテナのようなマークは「荒地」を表す地図記号です。最近は水田もなくなり荒れ地となっていたようです。

以上のことから、この分譲地の下は明治以前から直近2007年に至までは河川があった土地であることは間違いないと考えれます。

これってただの用水路か何かじゃないの?

今回、地図では川が描かれているけれど、これってただの用水路だったりしないの?という疑問も出てくるかと思います。用水路であればそもそも川がなかった土地に人工的に水を流し込んできたと考えられるため、土地自体が軟弱である可能性は低くなるように思えます。用水路でもやっぱりちょっとイヤデスが、自然の河川に比べればマシのように思えます。。。

現在、分譲地脇を流れている「川」は

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このようなものになっています。「川」というよりも「小川」というか、いわゆる用水路のように見えなくもありません。

しかし、結論としてはこれは人工的に他の河川から引き込まれた用水路などではなく、かなり昔から流れていたしっかりとした「川」であったと考えています

このことを確認するために、国土地理院の段彩陰影地図を確認しました。この地図では土地の高低差を確認することができます。

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上記の一条工務店やハウスメーカー分譲地の左側がくぼんでいるようになっていると思います。くぼんでいるのは「低地」を意味します。

この地図をもう少し引いて見てみます。

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そうすると、分譲地が造成されている土地が、左手に見える本流の河川の支流として流れていることがわかります。また、分譲地側を流れる支流河川の周りの起伏を見てみると、土地自体が支流河川に併せて削り取られて低地化していることがわかります。

水田を作るために本流河川から引き込んだ用水路であるならば、このように川の周辺が削り取られることはないはずです。

このような河川にそってできた低地は長期間にわたって河川が蛇行を繰り返し、その周辺が削られた場合に生じる地形です。よって、この河川は別の河川から人工的に引き込んだ用水路などではなく、古くから河川が流れていた場所と考えられます。

一般的にこの地域の分譲地はこれまでこの支流河川の右手側の高台部分が造成されてきました。しかし、支流河川右手側の土地は既にほとんどが開発されてしまったために、この支流河川にまたがった低地部分も造成が開始されたと考えるべきだろうと思います。

低地を造成するためには高台側とどのようにして土地の高さをそろえるかが問題となります。

そう、ここで気になるのは「盛り土」についてです。

本当に盛り土されているの?

低地であった場所を平らに造成するためには「盛り土」が必要となります。

盛り土と言えば、

参考:一条工務店欠陥住宅報道について:地盤は自分で調べるしかないのかも・・・

この話がすぐに思い浮かびました。こちらのお宅の造成地における盛り土の高さに比べると高さが全く違いますが、今回の分譲地もまず間違いなく盛り土はされていると思います。

盛り土の有無を確認するために現地に行って確認してきました。

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右手に一条工務店の分譲地、中央に川、そして道路が走っている部分が元々の土地の高さになります。

ご覧になっていただいて分かるとおり、道路がある元々の土地と分譲地の高さは明らかに異なっており、分譲地側は明らかに土が盛られた形状となっています。

それも、10cmや20cmなどではなく、目測で盛り土の高さは約4m程度です。

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この土手の上が一条工務店の分譲地になっています。草が生えている土手はコンクリートなどによる擁壁などは確認できず、土がむき出しの状態となっていました。

私が現地に行ったのは7月だったため土手の地面が草で覆われていたため、Google ストリートビューで確認してみました。image

このような形で川を塞ぐフタの上に土が流れ出ていたことも確認できます。これが問題であるのかは不明ですが、数メートルの盛り土した造成地において、土がこれほどの勢いで流れているとやはり不安になります。

昔あった川は今も分譲地の下を流れている!?

私は当初、分譲地の中央を流れていた川は埋め立てられたのだろうと考えていました。

しかし、川を埋め立ててしまったら元々流れていた水を近くの川に流す必要が出てきます。しかし、分譲地の脇を流れる川にそれほどの水量があるようには見えません。そこで、一つの仮説を立ててみました。

それは、川はまだ分譲地の下を流れているのではないか?と言うことです。

そのような仮説に立って、改めて買い物のついでに分譲地の周辺を確認してみました。

すると。。。ありました!!

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川など流れていない土手から水が流れ出している「川の出口」を発見しました\(^o^)/

この川の出口ではウシガエルが大きな声で鳴いており、周辺には水辺に生えるがまの穂が大量に生えていました。

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この「川の出口」を地図上に示すと

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このような位置関係になります。

分譲地の南側中央から川が流れ出していました!

周辺にこの出口に流れ込む川はありません。

先ほどの国土地理院の地図と川の出口の位置関係を確認すると

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川の出口は以前流れていた川の位置とほぼ一致します。

以下の写真はこの川の出口の上にたって、一条工務店の分譲地側を写したものですが、この川の出口の上から一条工務店の分譲地側を見ても「川」らしきものは一切見えません。

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すなわち、川は埋め立てられたのではなく、「現在も分譲地の下を流れ続けている」と考えることができます。

さすがに家の下が川を流れていることはない?

分譲地の真下、すなわち家の下に川が流れているなどと言うことがあるのだろうか?という疑問がわいてきます。

未確認のため、これはあくまで私の個人的な感覚ですが、これだけの造成地ですからさすがに家の真下を川が流れていると言うことはないような気がしています。

おそらく、道路の下に川を流すよう川の向きは人工的に変えられているのではないかと思っています。

この分譲地が造成されたのは2008年頃です。そこで、実際に国土地理院が公開している2008年5月の航空写真を確認してみると、川の出口の方向に向かって、黒い線が直線上に引かれているのが見て取れます。

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解像度の関係からこれが現在は地下に埋設された河川であるかは不明ですが、これらの直線は現在の道路の配置とほぼ一致することから、道路の下に川を通すための管を埋設している所ではないかと推測します。

そのため、河川が家の真下を通っていると言うことは無いように思います。しかし、住宅の敷地に隣接して河川を流す管が埋設されていることは確実と思います。ちなみに、豪雨の際などはこういった配管から音がしたりしないのでしょうか??

実際低地と高台、河川が流れている場所も土地の値段は同じ!?

個人的な考えとして、別に低地だろうが元が水田だろうが川だろうが、そういった土地を開発することが直ちに悪いこととは思っていません。

しかし、これは私の勝手な思い込みですが、「元が水田」や「元が河川」であるような土地はそうではない土地に比べて値段は安くなるものだとばかり思っていました。

しかし、一条工務店の分譲地は北側の土地は坪単価25万円、南側の土地は31万円で東西方向では価格が全く同じです。セキスイハイムなどの分譲地も南側が36万円、北側が31万円でやはり南北方向しか値段の差は付いていません。

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こんな感じで、同じ分譲地でも右側の高台側と左側の低地側、そして中央あたりに元河川という同じ土地であっても、その土地の地盤強度に違いが生まれやすい土地になっているのです。(上図の住宅番号と地図の縮尺はあっていません)

地図で薄い黄色の部分は「明治の低湿地地図」において低地とされた地域になります。

個人的な感覚では、元河川の上に造成された土地の値段は安く、次に低地側の土地、そして高台側の土地の順に値段が上がっていくものとばかり思っていました。

しかし、実際の販売価格は南北方向では坪単価で5万円も違うのに東西方向、すなわち低地と高地側では土地の値段は全く同じなのです。さらには元河川の上にある土地さえも同じ値段で販売されているのです。

正直、これは意外でした。

盛り土された低地側は地盤補強にお金がかかるんじゃないの??

実際に現在の土地を見ると造成地内に高低差はありません。

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このことから、さきほど確認したように造成地の低地側(写真奥側)は盛り土がされていると考えられます。

一般に埋め立てられた土地は旧来からあった地盤に比べて軟弱です。

それ故に、どうしても地盤補強にかかる金額が大きくなってしまうと思うのです。

先ほどの盛り土の状況を見ると低地側は約4メートルの盛り土がされており、その下は元水田や元河川という土地ですから、さらに深い地盤に達するまでソイルセメントや鋼管杭によって地盤補強が必要になるように思います。

一条工務店やハウスメーカーの分譲地ですから、当然既に地盤調査は実施済で土地購入前の段階でどのような地盤補強が必要であるのかは説明が行われると思うのですが、そうであれば当然盛り土を下側は旧来からの地盤に比べてどうしても地盤補強費用がかさんでしまうはずだと思うのです。

それにも係わらず同じ値段で売っていると言うことが非常に不思議です。

分譲地の断面を想像してみる

ここまでに調べた結果から、この分譲地の断面がどのようになっているのかを想像してみます。

するとおそらくは下図のようになっているのではないかと思います(縮尺は適当です)。

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あくまで素人考えではありますが、分譲地の元の姿などから考えると上図のように、強度が高いと推察される元来からあった地盤(緑色)の部分が右側(東)にあり、そこから一定の勾配で10年ほど前まで川であった高さまで元来の地盤が続いていると考えられます。

そして、左(西)側の土地は昔は川が流れていた場所を埋め立てて、その上に盛り土がされているだろうと思われます。これまたあくまで推察ですから昔川が流れていた土地の下と昔は水田だった土地は軟弱であろうと思われるのでオレンジで示した軟弱な地盤となっているように思います。

そして、このように複雑な地下の状態の上に一条工務店やその他のハウスメーカーの分譲地が造成され、住宅A~Dで示したような形で家が建築されることになるのだと思います。

非常に安易な考えに基づけば、住宅Dは元来あった土地の上に家を建てることになるため、住宅の基礎はベタ基礎ですむかも知れません。しかし、住宅Cについては盛り土部分にかかるため、元来の地盤までソイルセメントを伸ばすなどが必要かも知れません。ただ、元来の地盤までの深さはそれほど深くないため短くすみ、その分コストも安く済むように思います。

しかし住宅Bになると、深さ4m程度の所に元々川が流れていた場所があり、その部分はどれほど盛り土を頑張って強固に作ってもどうしても軟弱になってしまうのではないかと推察します。

とすると、住宅Bについては鋼管杭が必要になってしまうかも知れません。住宅Aについてもソイルセメントや鋼管杭で元来の地盤まで補強が必要になりそうな気がします。

あくまで上記は現地を見た上での想像に過ぎませんが、基礎の補強方法は住宅A~Dで異なってくるように思います。当然、地盤補強にかかる費用はベタ基礎、ソイルセメント、鋼管杭の順に高くなっていくため地盤補強費用が変化するように思うのです。

しかし、それにもかかわらず住宅A~Dの土地の値段は全く一緒です。。。。

造成がしっかりとされている(と言っている)可能性

これは未確認ですが、盛り土をしたであろう低地側の造成地と元来からあった地盤使っている高地側の造成地の土地の値段が全く同じであると言うことは、低地側と高地側で同じ地盤補強、おそらくはベタ基礎で十分な程度にしっかりとした造成が行われているという可能性もあります。

でも、これはあくまで素人の勝手な考えですが、もしも低地側も高地側もしっかりとした造成を行ったとするならば、結果的には「低地側が高地側と同じ強度になった」ならば、「高地側はもっと地盤がしっかりする」はずと思うのです。というか、そもそもそんなことが技術的に可能なのでしょうか?

そう考えると、地盤補強費用自体は同じであっても、低地側を購入するという選択が行われることは無いように思えてなりません???

というか、やっぱり

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こういう風に土が流れ出していた写真を見ると、特殊な施工があったとは思えないのです。。。

多分お客さんにしっかりと説明はされているのかな??

これまた、あくまで推測ですが、わざわざ川の上や低地側を購入する必然性がわからない、という観点で売約済みの土地を見てみます

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売約済みの土地が右側に偏っているように見えます。もしかすると、お客さんに対して右側の土地が元々高台で地盤がしっかりしていると言うことが説明された結果として右側の土地から順番に売れているのかな?と思えなくもありません。

ただ、上記の分譲地の右側の土地の方が駅に近いため、普通に考えて右側の土地から売れのは当たり前な気もしますし、どうなんでしょうか??

そもそも、私がこの記事を書き始めた当初は「川は埋め立てられた」と考えていたのですが、その後の確認で現在も分譲地の道路下を川が流れている、と考えられる事から、この状態はさすがに土地販売の段階で重要事項としてかなり丁寧に説明を行わざるを得ないことと思っており、お客さんに説明がされていない、というこはまずあり得ないと思っています。

そんな小さな川なんて誰も気にしないんじゃない?

ここまで読んでくださった方で、「そんな小さな川なんて気にする必要ないんじゃない?神経質すぎない?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、私は小さな川であっても土地購入の段階では十分に慎重になるべきだと思っています。ましてや、「元々川があって盛り土された土地」と「元々森林があって地盤が強固であろう土地」の値段が同じなら、後者を選択するのが当然と思うのです。

なぜそこまで気にするべきであるのかについて少し説明します。

茨城県は非常に地震が多い土地

まずは、これは茨城県特有の問題ですが、茨城県南部は非常に地震が多い土地です。

というのも、水戸地方気象台による「茨城県付近の地震活動と津波」にもあるように、

茨城県付近のプレート

フィリピン海プレートと太平洋プレートが重なり合って沈み込むのがちょうど茨城県南部であり、そのため非常に地震が多い土地となっています。私自身、茨城に引っ越してきたときはしょっちゅう震度4クラスの地震が起こるのでビックリしました。

そして、文部科学省の機関である地震調査研究推進本部の予想によると、茨城県沖では今後30年以内に70%程度の確率でマグニチュード6.9~7.6クラスの地震が発生することが予想されており、さらに別の地震として30年以内に90%の確率でマグニチュード6.7~7.2クラスの地震が発生すると想定されています。

前者の地震発生周期が25.6年、後者が21.9年となっていることから、いずれも20年~30年に1度は発生する大型の地震になっています。20年~30年と言うことはこの土地に住む以上、生涯に数回は震度6クラスの地震にあうことは一定程度覚悟しておくことが必要な土地であると言えます。

マグニチュードが9の東日本大震災を経験してしまったあとだと、マグニチュード7と言われても「その程度」と考えてしまいそうになります。しかし、関東大震災のマグニチュードは7.9です。さらに阪神淡路大震災のマグニチュードは7.2です。さらに、近年でキラーパルスを発生させた新潟県中越沖地震のマグニチュードは6.8でした。マグニチュード7前後の地震は住宅を倒壊させ、造成地を崩壊させるには十分なエネルギーを持っていると考えるべきです。

マグニチュード7クラスの地震はその揺れの周期によっては家を倒壊させるようないわゆるキラーパルスを発生させる可能性が否定できません。すなわち、造成地や住宅に多大な被害が発生する可能性は否定できない、もっと言うならばそういったことに十分に備えて対策を取るべきだと思うのです。

ちなみに東日本大震災の時は震度6弱でした。。。これは私自身が実際に見て、経験したことですが、東日本大震災では幸い周期が住宅を倒壊させにくい周期であったことから地震の揺れによって全壊する家屋はほとんどありませんでした。

しかし、液状化は非常に多くの土地で見られました。近所でも液状化によって家が傾いた家が何軒もありました。当然、中にはいわゆる大手ハウスメーカーの家もありました。そして、そうした液状化した土地はその多くが元々の干拓地、水田、河川の上に造成された土地でした。切り土の土地で地盤が傾いたという話は私の近隣においてはありませんでした。

そうした現状を目の当たりにしただけに、今回のような土地は本当に大丈夫なのだろうか?と思えてならないのです。

そして、同じ値段ならわざわざ元々河川があった真上の土地や埋め立てを行った低地側ではなく、高地側を購入した方が良いのでは?と思ってしまうのです。

阪神大震災の教訓:旧河川の上のマンション

元河川の土地についてはもう一つ指摘しておきたいことがあります。

阪神淡路大震災当時、下の写真の様に大型のマンションの半分だけが崩落した建物を見た記憶がある方も多いかと思います。

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このような倒壊の要因として、「旧河川の川跡」が原因の一つであった可能性を指摘している研究者がいます。立命館大学の高橋学氏は、こういった倒壊の一因として、環境考古学の見地から「旧川道」と呼ばれる埋め立て河川などに沿って、死亡者数が多かったという事を指摘しています。(1995年兵庫県南部地震被害の地形環境分析,土地の履歴と阪神・淡路大震災

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阪神淡路大震災において、その死亡者が上図の黒で示された旧河川沿いに集中していたことを指摘しています。○で示されたカ所が死亡者が発生した場所になり、また、×で示された崩落した線路も旧河川上にあったことが指摘されています。○印が旧河川にそって多くなっている傾向が見て取れるかと思います。

これらの河川は1995年当時には埋め立てられており、そこが元々河川であったことはわからない状態だったようです。当然、1995年当時から現在までにはその造成技術は向上していると思われます。また、阪神淡路大震災当時は建物自体の耐震基準も現在よりも緩かったことなどから、単純に現在と比較することはできません。

しかし、旧河川沿いに死亡者が多かったという知見は、やはり甘く見るべき事ではないと思っています

この研究が現在の建築水準、及び造成にかかる土木技術に照らし合わせたとき、どの程度同じ事が言えるのかはわかりません。

しかし、同じ値段だったら、わざわざ旧河川の上の土地や、水田の上の土地を購入する必要はないと思うのです。

不安を感じた部分の指摘事項

私自身は土木技術に詳しくないため、この土地が本当に大丈夫なのだろうか?という不安を感じています。

いくつもの不安事項がありますが、一目で不安事項が伝わると思われる部分を指摘しておきたいと思います。

一条工務店、セキスイハイム他が分譲する造成地には約4mの盛り土がされていると考えています。

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実際にその盛り土された土手部分を見てみると、草が生い茂っていることから、コンクリート等による強度の高い擁壁は作られていないことが確認できます。

一方で、周辺の状況を確認してみるとこの分譲地よりも盛り土の高さが遥かに低い土地であっても

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このようにコンクリートによる強度の高いと思われる擁壁で覆われています。これは分譲地から道路1本渡った場所の土地です。

さらに、それ以外にももう少し以前に分譲された周辺の分譲地をGoogle ストリートビューで見てみると

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周辺地域は上記のようにかなりしっかりとしたコンクリート擁壁で囲まれた地域になっています。

擁壁の高さは約3m程度です。上記の写真は分譲地から100m程度しか離れていない場所です。

一方の一条工務店他の分譲地の土手は土がむき出しの状態であって、

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この写真の様に土が流れることを止めることを目的とした木の板1枚の土留めがあるだけのように見えます。

もしかすると、表面に土を盛ってコンクリートむき出しになることを避けるという特殊な措置が行われている可能性もないではないですが、造成直後と思われる写真を見てもそのような擁壁らしいものは一切見られません。

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以上のことから、この分譲地においては盛り土を強固に支える擁壁は存在していないように見えます。

周辺のより低い盛り土の部分でさえ強固に擁壁が施工されているのに、なぜこの分譲地の盛り土部分に擁壁がないのか?その点が非常に不思議です。

おわりに:最後は自分の判断

今回、偶然にして見つけた一条工務店の分譲地について調べてみると、川、水田、盛り土とある意味土地購入の際にチェックすべき重要事項を網羅したような土地でした。

第三者の視点で考察をするには非常に興味深い土地です。

しかし、この土地を購入するのであれば、やはりそれなりの覚悟も必要ですし、さらには「この土地の造成は本当に大丈夫か?」ということを徹底的に調べて、そしてどのような造成が行われているのかは自分自身で確認すべきと思います。

最初にも書きましたが、私はこのような土地を造成し分譲地として販売すること自体は悪いこととは全く思っていません。この分譲地を販売しているいずれのメーカーも耐震性には自信を持つメーカーばかりです。それ故、このような土地であってもしっかりと造成し、その根拠も明確なものがあるのだと思います。

しかし、それでも、やはりリスクは存在する土地であるというのも事実と思います

買うならしっかりと調べてから判断を!

私は自分自身が無知であるが故に、「この土地を買いますか?」と聞かれたならば、「購入はしない」という判断を下すと思います。というか、同じに盛り土されていない土地があるので、そっちを購入します。

しかし、低地側の土地の購入を本気で検討するならば、どのような造成が行われていて、過去の地震で崩落したり、液状化した土地の造成技術からどのような点が改善されているのか?そういったことをしっかりと確認し、自分自身で徹底的に調べた上で判断を下すと思います。このあたりについては、おそらくは営業さんにどれほど確認しても、通り一遍の答えしか返ってこないと思うのです。これは営業さんが悪いわけではなく、営業さんにも限界があると思うのです。

なによりも「大手ハウスメーカーが分譲している土地だから安心」ということだけは絶対に考えてはいけないと思うのです。これは大手ハウスメーカーが悪いと言うことでは無く、そこに住むのは自分自身、そして自分にとって大切な家族である以上、その最終的な決定権は顧客側である私達にあるのです。

万が一の時は誰も責任を取ってくれない

営業さんがどこまでこうした造成技術に精通しているかはわかりません。というか、大変失礼な言い方になってしまうかも知れませんが、ぶっちゃけ、家の構造に詳しい営業さんはいても、土地の造成技術、特に土木技術にまで精通した営業さんというのは極々僅かではないかと思っています。

それ故に、「この土地は大丈夫?」と聞いたら、「地震に強い家を売りにしている以上しっかりとした造成が行われています」と答えるのが精一杯ではないかと思っています。

当然ですが、何かあっても営業さんが責任を取ってくれることはありません。

さらに、これまた大変失礼な言い方ですが、万が一、この土地が液状化して家が傾いても、さらには盛り土が崩れて家が全壊しても、この造成地が明らかに手抜き造成されたというケース以外では、その責任をハウスメーカーや造成を請け負った業者が負ってくれることはありません。裁判をしても勝ち目はありません。

少なくとも、これらの分譲地を販売しているハウスメーカーはこの造成地が現状他の土地と比較して十分に安全性に配慮した造成が行われていることは確認しているはずです。さらには、造成を行った業者も、現在の法令に従って安全性に配慮し、現在の法基準を満たす形で造成を行っているはずです。

それ故、万が一この土地で問題が生じても、それは「法律で定められた基準の不備」であって、ハウスメーカーや造成業者には何らの法的責任は生じないはずです。

じゃあ誰が責任を負うのか?と言えば、当然「その土地の購入者」以外にはないのです。

契約書に「どのような条件であっても土地に問題が生じたらハウスメーカーが責任を負う」とでも書いていない限りは、冷たい言い方ですが自己責任となってしまうのが現在の法律です。

失礼を承知で、営業さんが「万が一の時は会社が責任を負います」というある意味あまい言葉をささやくかも知れません。しかし、絶対にそんなことはありません。万が一のことがあっても、せいぜい見舞金として数百万円が支払われるのが限度です。もしそんな事を言われたら「契約書に盛りこんで下さい」と言ってみて下さい。拒否されるはずです。。。。

これは別に企業が悪意で個人に責任を負わせているわけでもありません。企業としても責任は有限の範囲に収める必要があり、他の多くの顧客を守るためには自社の利益を大きく損なうリスクを取ることはできないのです。

一条工務店やセキスイハイムが仮に数億円の土地を買い戻したとしても、数十軒の住宅の購入費用を全額払い戻しても、倒産することはありません。しかし、そのようなことをしてしまえば、将来より大規模な災害が発生したとき、同様の払い戻しを行わざるを得なくなります。そんなことをすれば企業は事故が過去に販売した全ての住宅に対して無制限の責任を負うことになってしまい倒産を逃れないでしょう。企業は被害にあった顧客を守ることも当然必要ですが、それと同程度に従業員も、さらには被害にあっていないその他の既存顧客も守ることが求められているのです。故に、1カ所の災害に対して全面的な保証を行う事は企業倫理としても正しい行為とはなりません。

最後は自己の判断

では一体どうすれば良いのか?

そう考えると、行き着く先は非常にシンプルです。そんな土地を買わなきゃ良い、ということになります。

しかし、これもまた極論です。

今回のケースに関して言えば、地盤が弱いと推測される盛り土された土地と、元来の地盤の上にある土地の値段は一緒ですから、盛り土された側を避ければ良いと思います。

これから土地を買う方には是非知っておいていただきたいのは、上記はあくまでつくば市にある分譲地という一つの例に過ぎません。しかし、このような分譲地は全国に多数存在していると思います。

数千万円の土地を買うというのは個人レベルでは非常に大きな負担です。それ故、それ相応の知識を身につけ、自分自身でその土地をしっかりと調べて判断することが必要なのだと思います。

少なくとも、「知らないが故にリスクを負う」ということは、ハウスメーカーが有名だろうが何だろうがあり得ることです。

自己責任という言葉はあまり好きな言葉ではありません。しかし、それでも土地に関しては自己責任の側面が非常に大きいのが現在の法律であると思っています。

この土地を買ってはいけないわけではない

最後に私はこの土地は買っては行けない土地であるとは全く思っていません。ましてや、購入の意思が固まっている方に対して「止めた方が良い」などというつもりは全くありませんし、そのようなことは余計なお世話以外の何者でもないと思っています。

「土地の選択」は必ずしも地盤の強さだけで選ぶものではありません。例えば、どうしても水辺の土地が良いという方もいらっしゃると思います。はたまた、位置関係からどうしても盛り土の側にある土地の方が良いという方もいらっしゃると思います。地盤の強さは土地を選ぶ上で確認すべきとは思いますが、土地の強度だけで土地を選ぶのもやはり不自然なことと思っています。だからこそ、土地を選ぶ上では様々なメリットとデメリット、そしてコストなど多くの事がらを踏まえて、そのリスクの大きさを自己で十分に見極めて決定することが必要なのだろうと思います。

私が思うのは、「その土地の素性」を知った上であれば、そこが元々川が流れていた土地であっても、元が水田であっても全く問題はないと思いますし、その判断は尊重されるべきものと思っています。避けなければならないのは「知らなかった」という後悔だけと思います。